JPH0443256Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、野球用捕球具に関するものである。

（従来の技術） 野球用捕球具（以下捕球具という）は、表皮と
裏皮との間にフエルトや発泡合成樹脂等の緩衝芯
材を内蔵して保形するとともに、捕球時の衝撃を
緩和するようにしている。また指袋の逆反りを予
防するためにフアイバーやプラスチツク材等の硬
質弾性材からなる芯体を内蔵した捕球具も実公昭
61−9673号公報のように提案されている。

（考案が解決しようとする問題点） しかし、従来のフアイバーや硬質弾性材から成
る内蔵芯体は、捕球の反復や強い捕球時の圧力に
よつて塑性変形や破損が生じ、原形に復元しない
ため捕球具が歪み変形し、捕球に支障を来たす欠
点があつた。

（問題点を解決するための手段） そこで、本考案はかかる欠点を改良したもの
で、芯体に形状記憶合金を用いて捕球具の保形に
有効な形態に形成し、該芯体を捕球時の表皮と裏
側との間の所望部位に内蔵して捕球具の形状を好
適な形状に保持するとともに、捕球時の圧力等に
より芯体が塑性変形して捕球具が歪んだ場合に
は、芯体を所定の変態温度に加熱又は冷却するこ
とにより、芯体を原形に復元せしめて捕球具の歪
みを修正可能にしたものである。

（作用） 捕球具に内蔵した形状記憶合金から成る芯体
は、捕球時に圧力等によつて塑性変形が生じて
も、芯体を所定の変態温度に加熱又は冷却する
と、原形に復元する性質を有するから、該芯体の
復元と同時に捕球具は初期の原形に復元し、捕球
に好適な形状を保つ。

（実施例） 第１図イ，ロは、捕球具Ｂの各指G¹，G²，G³，
G⁴，G⁵の受球面側６の表皮１と裏皮２との間に
任意材の緩衝芯材３を内蔵するとともに、各指の
指挿入穴５を有する指袋８の基部領域から指先領
域に至る両側に逆Ｕ字形形状記憶合金芯体４を内
蔵した実施例である。

第２図イ，ロは、表皮１と裏皮２との間に任意
材の緩衝材料３を内蔵した捕球具Ｂの指G¹の先
端領域から手首側を経由して指G⁵の先端領域を
至る長さのＵ字状形形状記憶合金芯体４を緩衝芯
材３に内蔵した実施例である。

第３図イ，ロは、捕球具Ｂの受球面側６の表皮
１と裏皮２との間に、網状形状記憶合金芯体４を
内蔵した実施例である。

なお、図示しないが、形状記憶合金芯体４は、
上記の組合せのほか各指袋８の裏面に内蔵した
り、指袋と掌部に内蔵する等必要に応じて任意に
実施することができる。又、形状記憶合金芯体４
は、第５図イの板状、ロのパイプ状、ニの網状、
ハのＩ（アイ）ビーム状、その他捕球具の保形に
有効な形態が好ましい。

（効果） 本考案の捕球具は上記のように構成したから、
強い捕球時の圧力によつて形状記憶合金芯体４が
塑性変形をきたし、これが原因で捕球具に歪みが
生じても、芯体を所定の変態温度に加熱又は冷却
すると、芯体は原形に復元する特性があるから、
該芯体の復元と同時に捕球具の歪みは修正されて
初期の形状に復元する。

又、形状記憶合金の特性として振動減衰性に優
れているため、捕給時の衝撃振動を速やかに減衰
するから手の障害が減少する。

したがつて、使用の反復によつて芯体に起因す
る捕球具の歪みは、容易に修正でき、初期の原形
に復元できる結果、表皮や裏皮が破損するまで捕
球に好適な形状を維持できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

本考案の実施数例を示すもので、第１図イ，ロ
乃至第３図イ，ロは、捕球具に形状記憶合金芯体
の内蔵例を示す説明平面図と要部断面図、第４図
イ，ロ，ハ，ニは本考案に用いる好適な形状記憶
合金芯体の数例を示す斜視図である。 １……表皮、２……裏皮、３……緩衝芯材、４
……形状記憶合金芯体、５……指挿入穴、６……
受球面側、７……手甲側、８……指袋、９……手
甲バンド、１０……手首挿入部、Ｂ……捕球具、
Ｃ……板状、Ｄ……パイプ状、Ｅ……Ｉビーム
状、Ｆ……網状、G¹，G²，G³，G⁴，G⁵……指
袋。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 本体の所望部位に任意形状の形状記憶合金芯体
   を本体の保形に有効な形態に内蔵したことを特徴
   とする野球用捕球具。