JPH0443139B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、断熱性能が勝れ、結露防止ができ、
遮音、防音等を勝れたものにできる軒先断熱構造
に関する。

〔従来の技術及びその問題点等〕

従来より、折版屋根を二重に敷設して、この間
に断熱材を充填したものが多く存在している。し
かるに、その何れもが複雑な構造になることも多
く、これでも断熱性能が低減したり、さらには、
下側の下部折版屋根等の下面に結露が発生して内
部に落下等する欠点があつた。

〔問題点を解決するための手段〕

そこで、発明者は、その問題点を解決するため
に、鋭意、研究を重ねた結果、下部折版屋根の上
側に適宜の間隔を有して上部折版屋根を敷設し、
この上部折版屋根の長さと下部折版屋根の長さと
を同等とし、その下部折版屋根端の上面と上部折
版屋根端の下面との間に軒先Ｗ形面戸を固着し、
この軒先Ｗ形面戸の内側で下部折版屋根と上部折
版屋根との間隔に断熱材を充填したことにより、
断熱性能が勝れ、結露防止ができ、遮音、防音等
を勝れたものにでき前記の問題点を解消したもの
である。

〔実施例〕

以下、本発明の一実施例を第１図乃至第３図に
基づいて説明する。

Ａは下部折版屋根で、Ｂは上部折版屋根であ
る。

これら折版屋根は山部と谷部とが連続形成され
ており、この単位屋根材１は、隣接のものと結合
するのに、上馳部１ａ及び下馳部１ｂを設けてこ
れらを順次馳締する馳締タイプ（第１図，第２図
参照）と、山形部相互を単に重ね合わせるタイプ
のもの（第３図参照）とが存在している。この他
にも、図示しないが、単位屋根材１の端部縁相互
に、キヤツプ材を被嵌して結合するタイプのもの
も存在している。

このように、単位屋根材１は、茸成したとき
に、山部と谷部とが連続形成されるならば、その
断面形状や、馳形状等には限定されない。

さらに、その同一屋根箇所の下部折版屋根Ａ
と、上部折版屋根Ｂとは、単位屋根材１は同一の
タイプの屋根材が用いられることが多い。

この単位屋根材１が梁、母屋等の構造材２に直
交（略直交も含む）するようにされこの構造材２
の受金具３上に載せられ、幅方向に隣接の単位屋
根材１が互いに馳締又は重合等するようにして順
次繰り返されて下部折版屋根Ａが茸成される。こ
のとき、馳締タイプの単位屋根材１の場合には、
吊子３ａを介して取り付けられている。次いでそ
の下部折版屋根Ａの高さより適宜の間隔（数cm乃
至数十cm程度）をおいて高くなるように、その下
部折版屋根Ａ上に受金具等の支持具４が複数設け
られる。支持具４は、実施例では、合成樹脂材等
よりなる断熱ボルト等が用いられている。そし
て、その下部折版屋根Ａの上に発泡合成樹脂、グ
ラスウール、石綿等の断熱材５が敷設されてい
る。この断熱材５はロール状に巻かれて、これに
合成樹脂フイルムが被覆されたものとして形成さ
れることも多い。その支持具４，４……上に上部
折版屋根Ｂが、前記下部折版屋根Ａと同様に敷設
されている。本発明では下部折版屋根Ａの長さ
と、上部折版屋根Ｂの長さが略同等になるように
構成されている。即ち、下部折版屋根Ａの単位屋
根材１の長手方向の長さと、上部折版屋根Ｂの単
位屋根材１の長手方向の長さとが略同一になるよ
うに構成されている。上部折版屋根Ａ及び下部折
版屋根Ａの水下側端（軒先端）は、壁６の外側に
突出して設けられている。

その下部折版屋根Ａ端の上面と上部折版屋根Ｂ
端の下面との間を閉塞する軒先Ｗ形面戸７が固着
されている。この軒先Ｗ形面戸７は下部折版屋根
Ａや上部折版屋根Ｂの断面即ち、山部と谷部とが
連続する形状をなしており、金属板製で、複数連
続したり、単体で形成されている。この軒先Ｗ形
面戸７の内側で下部折版屋根Ａと上部折版屋根Ｂ
との間隔に前記断熱材５が充填されている。この
断熱材５は低密度のもの、高密度のものが存在し
ている。

図中８は金属板製の軒先面戸であつて、下部折
版屋根Ａの軒先側の下面に固着されている。９は
軒先水切材、１０は間仕切面戸、１１は軒樋、１
２は樋受金具、１３は軒先化粧板、１４雪止金
具、１５は雪止材である。

以上説明した実施例は、屋根の一般の軒先部と
した水下側位置のものがあるが、片流れ屋根の水
上側の軒先部についても同様であるし、さらに
は、この水側位置の軒先部を左右対称に設けた谷
部軒先箇所についても同様に構成されており、本
発明ではこれらを総称して軒先と指称する。

又、下部折版屋根Ａ及び上部折版屋根Ｂの一方
又は双方の下面に発泡合成樹脂製等の断熱シート
を貼着しておくことも多い。

〔発明の効果〕

本発明においては、下部折版屋根Ａの上側に適
宜の間隔を有して上部折屋根版Ｂを敷設し、この
上部折版屋根Ｂの長さと下部折版屋根Ａの長さと
を同等とし、その下部折版屋根Ａ端の上面と上部
折版屋根Ｂ端の下面との間に軒先Ｗ形面戸７を固
着し、この軒先Ｗ形面戸７の内側で下部折版屋根
Ａと上部折版屋根Ｂとの間隔に断熱材５を充填し
たことにより、第１に断熱性能が勝れ、第２に経
路防止が比較的良好にでき、第３に遮音、防音等
が良好にできる等の効果を奏する。

まず、第１に、下部折版屋根Ａ端の上面と上部
折版屋根Ｂ端の下面との間に軒先Ｗ形面戸７を固
着し、この軒先Ｗ形面戸７の内側で下部折版屋根
Ａと上部折版屋根Ｂとの間隔に断熱材５を充填し
たことにより、下部折版屋根Ａと上部折版屋根Ｂ
と軒先Ｗ形面戸７と断熱材５とで軒先部が外気と
遮断された積層構造となり、外部との貫流熱損失
量を少なくでき、ひいては熱伝導抵抗値を大きく
でき、断熱性能の勝れた軒先断熱構造を提供でき
る。

又、第２に、このように軒先部が外気と遮断さ
れた積層構造であると、軒先箇所は冷橋作用が殆
どなくなり、これによつて下部折版屋根Ａの裏面
には結露が発生しにくくでき、結露の落下等によ
る内部への悪影響を防止できる。

第３に、このように断熱性能を向上させた軒先
断熱構造にしたことで、同時に外部の音や、騒音
を減少させたり、その外部の音等を上部折版屋根
Ｂ及び下部折版屋根Ａにて反射させたり、その軒
先断熱構造物にて、吸音作用をなし、これによ
り、遮音、防音等も良好にできる利点がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示すものであつて、
その第１図は本発明の斜視図、第２図は第１図の
縦断面図、第３図は本発明の別の実施例の縦断面
図である。 Ａ……下部折版屋根、Ｂ……上部折版屋根、５
……断熱材、７……軒先Ｗ形面戸。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 下部折版屋根の上側に適宜の間隔を有して上
   部折版屋根を敷設し、この上部折版屋根の長さと
   下部折版屋根の長さとを同等とし、その下部折版
   屋根端の上面と上部折版屋根端の下面との間に軒
   先Ｗ形面戸を固着し、この軒先Ｗ形面戸の内側で
   下部折版屋根と上部折版屋根との間隔に断熱材を
   充填したことを特徴とした軒先断熱構造。