JPH044274Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はマニユアルトランスミツシヨン（M.
T.）車の変速機の変速操作装置に関するもので
ある。

（従来の技術） 従来よりM.T.車の変速用チエンジレバーとし
ては実開昭57−73718号公報に示されるようにチ
エンジレバーがトランスミツシヨンに連設された
下側レバーと上端にシフトノブを有する上側レバ
ーに分割され、下側レバー上端の軸部と上側レバ
ー下端の中空部との間にラバーブツシユを嵌入す
ることにより連結されたものがある。このような
構造のチエンジレバーに対して、チエンジレバー
の揺動支点部分を覆うブーツをチエンジレバーに
強固に固定させたい場合、第５図に示す構造が考
えられる。つまり、チエンジレバーａを構成する
上側レバーｃと下側レバーｂとの間に介在された
ラバーブツシユｆの下方に、該ラバーブツシユｆ
との干渉防止のための間隙を存して下側レバーｂ
に嵌入されつつ該下側レバーｂに形成された段部
ｇに当該されたプラスチツク製のリテーナｈが具
備され、該リテーナｈの外周に設けられたブーツ
取付溝ｉにブーツｊが嵌入された構成である。

（考案が解決しょうとする問題点） しかし、上記の構成においてはトランスミツシ
ヨンから発生する異音が下側レバーを伝達し、ラ
バーブツシユとリテーナとの間隙から車内へ騒音
として放射される不具合が考えられる。またリテ
ーナの嵌入部附近は厚肉であるため下側レバーへ
の嵌入時にタイト嵌合状態にある場合、挿入抵抗
が高いため段部まで嵌入するための作業性が劣る
ものである。

（問題点を解決するための手段） 上記問題点に鑑み本考案はチエンジレバーを上
下に分割し、下側レバー上端の軸部と上側レバー
下端の中空部とをラバーブツシユを介して連結し
たものにおいて、上記ラバーブツシユの下端で上
記軸部に、チエンジレバーの揺動支点部分を覆う
ブーツをチエンジレバーに固定するリテーナが嵌
入され、該リテーナの上部には薄肉の内周スリー
ブおよび外周スリーブが突設され、内周スリーブ
には上記軸部に対してタイト嵌合するリツプ部
が、外周スリーブにはブーツ取付部が形成され、
且つ両スリーブのうち少なくとも一方に上記ラバ
ーブツシユ下端に当接する当接部が設けられると
共に、リテーナの内周部にはルーズ嵌合する内周
ガイド部が設けられたことを特徴とする変速機の
変速操作装置に係るものである。

（作 用） 上記構成による本考案の作用として、ブーツが
チエンジレバーに強固に固定されると共に、下側
レバーを伝達するトランスミツシヨンの異音はレ
バーの軸部とタイト嵌合するリツプ部およびラバ
ーブツシユ下端と当接する当接部によつて車内へ
の放射が防止され、また、リテーナの内周スリー
ブは薄肉に形成されているために下側レバーの軸
部へ容易に嵌入できるものである。

（実施例） 次に本考案の第１乃至第３実施例を図面に沿つ
て説明する。

＜第１実施例＞ 第１図および第２図を用いて本考案の第１実施
例を説明する。

第１図に示すようにM.T.車の変速用チエンジ
レバー１はトランスミツシヨン（図示省略）に連
設された下側レバー２と上端にシフトノブを有す
る上側レバー３に分割され、下側レバー２の上端
の軸部２ａと上側レバー３の下端の中空部３ａと
の間に円筒状のラバーブツシユ４が嵌入されるこ
とにより連結された構成となつている。そして、
上記ラバーブツシユ４の下端において、上記軸部
２ａにはリテーナ５が嵌入されている。該リテー
ナ５は、第２図に示すように上記軸部２ａの下部
に形成された段部２ｂに当接されたプラスチツク
製の部材であつて、軸部２ａが挿通される中心孔
５ａを有する逆円錐台状の基部５ｂの上部に中心
孔５ａと連続して形成された薄肉の内周スリーブ
６および該内周スリーブ６と小間隙を存して外周
スリーブ７が円筒状に突設されている。上記内周
スリーブ６は上部に僅か厚肉のリツプ部６ａ、上
端部にリツプ部６ａと一体の当接部６ｃが形成さ
れていると共に下部は上記中心孔５ａと一体に軸
部２ａより僅かに大径の内周ガイド部６ｂが形成
されている。一方、外周スリーブ７の上端部７ａ
もラバーブツシユ４と当接されるよう形成されて
いる。

リテーナ５は上述の如く形成されたことから、
内周スリーブ６のリツプ部６ａは下側レバー２の
軸部２ａとタイト嵌合されると共に当接部６ｃは
ラバーブツシユ４の下端と当接されるために下側
レバー２を伝達されるトランスミツシヨンの異音
はチエンジレバー外方、即ち、車内へ放射される
ことがない。また、該リテーナ５の下側レバー２
の軸部２ａへの嵌入時において、内周ガイド部６
ｂは、軸部２ａとルーズ嵌合することにより上記
段部２ｂまで案内されると共に、内周スリーブ６
は薄肉に形成されているため、上記嵌入時にリツ
プ部周辺が僅かに変形して挿入抵抗が低下し、嵌
入作業に支障を来すことがない。更に、外周スリ
ーブ７は側面にチエンジレバー１の下部を覆うブ
ーツ８が当接されるものであり、該ブーツ８はラ
バーブツシユ４の下端とリテーナ５の基部５ｂと
により挟持されて固定される。

＜第２実施例＞ 次に第３図を用いて本考案の第２実施例を説明
する。本実施例については特に第１実施例との相
違点のみについて述べる。

本実施例は第３図に示すようにリテーナ５の外
周スリーブ７を横方向へ折曲させたものであつ
て、ブーツ８の固定をリテーナ５の該折曲部５ｃ
と基部５ｂとで挟持したものである。更に、ラバ
ーブツシユ４の下端において内周部附近のみをリ
テーナ５の内周スリーブ６に当接するべく延設し
て異音の放射を防止したものである。

＜第３実施例＞ 次に第４図を用いて本考案の第３実施例を説明
する。本実施例についても第１実施例との相違点
のみについて述べる。

本実施例は第４図に示すようにリテーナ５の外
周スリーブ７を第２実施例と同様に折曲させてブ
ーツ８を固定すると共に、内周スリーブ６の高さ
を外周スリーブ７より高く形成したものである。
これによつて前記第１、第２実施例と同様にラバ
ーブツシユ４と内周スリーブ６により騒音が防止
でき、且つ、ラバーブツシユ４とリテーナ５との
干渉も防止されている。

（考案の効果） 上述の如く本考案によれば、ブーツをチエンジ
レバーに強固に固定できると共に、下側レバーを
伝達するトランスミツシヨンの異音はリテーナの
リツプ部および当接部によつて車内へ放射される
ことなく、従つて車内の騒音は低減され、また、
リテーナの内周スリーブは薄肉に形成されている
ために下側レバーの軸部への嵌入の際、挿入抵抗
が低下され、嵌入作業性に優れているという効果
を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第４図は本考案の実施例を示し、第
１図はチエンジレバー周辺部の縦断面図、第２図
は第１実施例におけるチエンジレバーの縦断面
図、第３図は第２実施例におけるチエンジレバー
の縦断面図、第４図は第３実施例におけるチエン
ジレバーの縦断面図であり、第５図は従来のチエ
ンジレバーの縦断面図である。 １……チエンジレバー、２……下側レバー、２
ａ……軸部、３……上側レバー、３ａ……中空
部、４……ラバーブツシユ、５……リテーナ、６
……内周スリーブ、６ａ……リツプ部、６ａ……
内周ガイド部、６ｃ……当接部、７……外周スリ
ーブ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. チエンジレバーを上下に分割し、下側レバー上
   端の軸部と上側レバー下端の中空部とをラバーブ
   ツシュを介して連結したものにおいて、上記ラバ
   ーブツシユの下端で上記軸部に、チエンジレバー
   の揺動支点部分を覆うブーツをチエンジレバーに
   固定するリテーナが嵌入され、該リテーナの上部
   には薄肉の内周スリーブおよび外周スリーブが突
   設され、内周スリーブには上記軸部に対してタイ
   ト嵌合するリツプ部が、外周スリーブにはブーツ
   取付部が形成され、且つ両スリーブのうち少なく
   とも一方に上記ラバーブツシユ下端に当接する当
   接部が設けられると共に、リテーナの内周部には
   ルーズ嵌合する内周ガイド部が設けられたことを
   特徴とする変速機の変速操作装置。