JPH0441588Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はプリント基板に取り付けられるコネク
タに関するものである。

〔従来の技術〕

第５図は従来のコネクタを示しており、同図ａ
のコネクタ１は絶縁対１１の長手方向両端の下面
に、板状の取付金具１２が板面を長手方向に対し
平行、或は垂直（図示せず）となるように植立さ
れたものである。取付金具１２は絶縁対１１に一
端が固定され、絶縁体１１のプリント基板取付面
１１ａより他端側を突出させている。その他端側
には割り溝１２ａにより二股状に分離された係止
脚部１２ｃが形成されている。この様な取付金具
１２が取り付けられたコネクタ１をプリント基板
に装着するには、第５図ｂに示す如くプリント基
板２に設けた円形の取付孔２ａに取付金具１２の
係止脚部１２ｃを内側に撓ませつつ挿入し、コネ
クタ１のプリント基板取付面１１ａをプリント基
板２に当接させ、プリント基板２の裏面側におい
て取付孔２ａの周縁部分に係止脚部１２ｃの先端
外側面に設けた係合突起１２ｂを弾性的に係合さ
せる。

〔考案が解決しようとする課題〕

この様な取付構造を有するコネクタ１はプリン
ト基板の表裏面に取り付けられ、基板面が互いに
対向するように配置された複数のプリント基板間
を、コネクタ１同士を嵌合させることによつて電
気的に接続するのに用いられる。しかしながら従
来のコネクタでは、プリント基板２の表裏両面側
から同一位置に取付孔２ａを共用してコネクタ１
を夫々取り付けようとすると、プリント基板２の
表裏面より取付孔２ａに挿入される取付金具同士
が干渉してしまい取り付けることが出来なかつ
た。

従つてコネクタ１はプリント基板の表裏面にお
いて、互いに取付位置をずらして取り付けねばな
らず、その為コネクタ１の取付位置に対応して取
付孔２ａを別々に設けねばならなかつた。又第５
図ｃに示したコネクタは、プリント基板２の表裏
両面側からコネクタ３を互いに同一位置になるよ
うに位置合わせを行なつた後、プリント基板２の
表裏面の一方の面から取付ネジ３ａをコネクタ３
に設けた取付孔３ｂ並びにプリント基板２の取付
孔２ａに挿通し、他方の面にて取付ネジ３ａにナ
ツト３ｃを螺着させプリント基板２に取り付けた
ものである。

この様なコネクタの構造では、プリント基板２
の表裏面の同一位置に取付孔２ａを共用して夫々
コネクタ３を取り付けることが出来るが、プリン
ト基板２の表面或は裏面からの単一操作のみにて
コネクタ３をプリント基板２に装着することがで
きず、甚だ作業性が悪かつた。本考案はかかる点
に鑑みてなされたものであつて、プリント基板の
表裏両面側から同一位置に取付孔を共用して夫々
コネクタが取り付けられ、しかも夫々のコネクタ
はプリント基板の表面或は裏面からの単一操作で
プリント基板に装着し得るコネクタを提供するこ
とにある。

〔課題を解決する為の手段〕

この考案によれば、コネクタの長手方向両端の
下面に先端外側に係止突起を有し、中央の割り溝
により分離された１対の係止脚部を夫々突設し、
この係止脚部をプリント基板の取付孔に挿入して
係止することによりコネクタをプリント基板に取
り付けるコネクタにおいて、前記１対の係止脚部
はコネクタの長手方向に対し所定の角度傾斜した
線上に前記割り溝を挟んで設け、前記割り溝は前
記コネクタ１対をプリント基板の両面から取り付
け前記係止脚部を前記プリント基板の同一取付孔
に挿入係止したとき、前記一対のコネクタの前記
割り溝が互いに咬み合う幅とし、かつ前記コネク
タの下面には前記プリント基板の取付孔から突出
する他方のコネクタの係止脚部先端部を受け入れ
る逃げ溝を設けたものである。以上の如く構成し
たことにより、上記コネクタを夫々上記プリント
基板の表裏両面側から同一位置に上記取付孔を共
用して取り付けるには、上記取付金具の係止脚部
を上記プリント基板の表裏両面から上記取付孔に
挿入し、上記係止脚部の割り溝同士を咬合させた
状態で上記プリント基板の取付孔に係合させ、且
つ上記プリント基板の表裏面より突出する上記係
止脚部の先端部分を、夫々上記コネクタの逃げ溝
内に位置させる。

この様に上記コネクタが夫々上記プリント基板
の表裏両面側から同一位置に、夫々上記係止脚部
を干渉させることなく上記取付孔を共用して取り
付けられる為、それだけ取付孔が少なくて済み、
しかもプリント基板の表面又は裏面からの単一の
操作によつてプリント基板にコネクタを装着でき
ることから、作業性も向上し得るコネクタが得ら
れる。

〔実施例〕

以下、本考案を第１乃至第４図にもとずいて説
明をする。実施例のコネクタは、平板状の取付金
具４１をサーフエスマウント型コネクタ４の絶縁
体４２の両端下面に、板面を絶縁体４２の長手方
向に対し傾けて植立したものである。取付金具４
１はバネ性を有する金属板材から一体的に打ち抜
き加工されたものであつて、第３図に示す如く一
端に絶縁体４２に取り付けられる保持部４１ａを
有し、他端側には中央に割り溝４１ｄが設けら
れ、その割り溝４１ｄによつて先端外側に係止突
起４１ｂを設けた一対の係止脚部４１ｃが形成さ
れている。尚割り溝４１ｄの幅寸法Ｈは係止脚部
４１ｃの板厚寸法Ｔよりも大きく設定されてい
る。一方絶縁体４２は第２図に示す様に長方形状
をしており、長手方向両端には鍔部４２ａが形成
されている。両端の鍔部４２ａには取付金具４１
が取り付けられる断面長四角形の係合孔４２ｂを
設けており、夫々の係合孔４２ｂはその長辺を絶
縁体４２の長手方向に対し略45度（図中θにて示
される角度）だけ内方に傾けて上下方向に貫設さ
れ、絶縁体４２に略ハの字になるように配設され
たものである。又鍔部４２ａのプリント基板取付
面４２ｅには、係合孔４２ｂと直交するように逃
げ溝４２ｃが形成されている。逃げ溝４２ｃは、
後述するようにプリント基板２の表裏両面側から
同一位置に夫々コネクタ４を取り付ける際、共用
する取付孔２ａからプリント基板２ａの表裏面上
に突出する取付金具４１の係止突起４１ｂが、コ
ネクタ４のプリント基板取付面４２ｅに当接しな
い為の逃げ部となつている。かくして絶縁体４２
に取付金具４１を取り付けるには（第３図参照）、
プリント基板取付面４２ｅ側より係合孔４２ｂに
取付金具４１を保持部４１ａ側を先にして挿入
し、係合孔４２ｂの内壁面に保持部４１ａの突部
４１ｆを圧入係止させ、且つ係合孔４２ｂの段部
４２ｄに保持部４１ａの肩部４１ｅを当接させ
る。この為取付金具４１は係止脚部４１ｃの板面
を絶縁体４２の長手方向に対し略45度だけ傾けら
れ、且つプリント基板取付面４２ｅより係止脚部
４１ｃを突出させた状態で鍔部４２ａに取り付け
られる。次に上述の如く取付金具４１が装着され
たコネクタ４，４を、夫々プリント基板２の表裏
両面２ｂ，２ｃの同一位置に取付孔２ａを共用し
て取り付ける為、先ずプリント基板２の表面２ｂ
側に配置される一方のコネクタ４を装着する。
（第１図、第２図参照）一方のコネクタ４は、一
対の係止脚部４１ｃを内側に弾性的に偏移させつ
つ取付孔２ａに挿入することによつて、鍔部４２
ａのプリント基板取付面４２ｅをプリント基板２
の表面２ｂに当接させると共に、裏面２ｃ側に突
出した係止脚部４１ｃの係止突起４１ｂを取付孔
２ａの周縁部に係合してプリント基板２に装着さ
れる。次に他方のコネクタ４をプリント基板２の
裏面２ｃ側に装着するには、他方のコネクタ４の
係止脚部４１ｃと既にプリント基板２に装着され
た一方のコネクタ４の係止脚部４１ｃとを、割り
溝４１ｄ部分で互いに交差するように他方のコネ
クタ４の装着方向を合わせる。この場合前述した
ように取付金具４１の係止脚部４１ｃがコネクタ
の長手方向に対し略45度傾けて取り付けられてい
ることから、係止脚部４１ｃ同士を向かい合わす
ことによつて割り溝４１ｄ部分で互いに直交させ
ることが出来る。その後他方のコネクタ４の係止
脚部４１ｃは一方のコネクタ４の係止脚部４１ｃ
と、割り溝４１ｄにて噛み合わせながら取付孔２
ａに挿入される。そして他方のコネクタ４の鍔部
４２ａのプリント基板取付面４２ｅをプリント基
板２の裏面２ｃに当接させると共に、表面２ｂ側
に突出した係止脚部４１ｃの係止突起４１ｂを取
付孔２ａの周縁部に係合させ、且つプリント基板
２の表裏面２ｂ，２ｃから突出する係止突起４１
ｂを、夫々コネクタ４，４のプリント基板取付面
４２ｅに形成された逃げ溝４２ｃ内に位置させる
ことによつて、他方のコネクタ４をプリント基板
２に装着する。この様に夫々のコネクタ４，４は
取付金具４１の係止脚部４１ｃ同士を干渉させる
こと無く、割り溝４１ｄ部分で互いに噛み合わさ
れた状態で取付孔２ａに係合させ、プリント基板
２の表裏両面２ｂ，２ｃの同一位置に取付孔２ａ
を共用して取り付けられる。

次に第４図に示すコネクタ５は、絶縁体４２の
両端の取付金具４１が板面を長手方向に対し、
夫々同一方向に略45度だけ傾けて植立され、係止
脚部４１ｃの板面が互いに平行になるように配設
したものである。この為プリント基板２の表裏両
面側からコネクタ５を装着する際、取付孔２ａに
挿入される取付金具４１の係止脚部４１ｃ同士
は、コネクタ５のプリント基板に対する装着方向
を合わせること無く互いに直交し合い、割り溝４
１ｄにて噛み合わすことができる。尚、実施例に
おいては取付金具４１の取付角度θを略45度に設
定して、取付金具４１同士を割り溝４１ｄ部分で
直交させ互いに噛み合わせるようにしたが、必ず
しも取付金具４１の取付角度θを45度に設定する
必要はなく、取付金具４１の割り溝４１ｄの幅寸
法Ｈと係止脚部４１ｃの厚さ寸法Ｔ等を適宜に設
定することによつて、取付角度θを変更すること
も可能である。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案は取付金具の係止
脚部が板面をコネクタの長手方向に対し傾けて植
立されたことにより、コネクタを夫々プリント基
板の表裏両面側から同一箇所に取付孔を共用して
取り付ける際、プリント基板の表裏両面からの単
一操作によつて係止脚部を互いに干渉させること
なく取付孔に係止させることができる。この為作
業性が容易に成り、且つ取付孔を共用し得ること
からプリント基板の製作工数も削減できるコネク
タが得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す斜視図、第２図
は本考案を示しａは平面図ｂは正面図及び側面図
ｃは底面図、第３図は第１図における係止脚部の
装着状態を示す断面図、第４図は本考案の他の実
施例を示す平面図、第５図は従来例を示しており
ａは平面図、正面図及び側面図、ｂ，ｃはプリン
ト基板への取付状態を示す説明図である。 １，３，４，５……コネクタ、１２，４１……
取付金具、１２ａ，４１ｄ……割り溝、１２ｃ，
４１ｃ……係止脚部、２……プリント基板、２ａ
……取付孔、４２ｃ……逃げ溝、４２ｅ……プリ
ント基板取付面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. コネクタの長手方向両端の下面に先端外側に係
   止突起を有し、中央の割り溝により分離された１
   対の係止脚部を夫々突設し、この係止脚部をプリ
   ント基板の取付孔に挿入して係止することにより
   コネクタをプリント基板に取り付けるコネクタに
   おいて、前記１対の係止脚部はコネクタの長手方
   向に対し所定の角度傾斜した線上に前記割り溝を
   挟んで設け、前記割り溝は前記コネクタ１対をプ
   リント基板の両面から取り付け前記係止脚部を前
   記プリント基板の同一取付孔に挿入係止したと
   き、前記一対のコネクタの前記割り溝が互いに咬
   み合う幅とし、かつ前記コネクタの下面には前記
   プリント基板の取付孔から突出する他方のコネク
   タの係止脚部先端部を受け入れる逃げ溝を設けた
   ことを特徴とするコネクタ。