JP4607789B2 - コネクタ及び基板及び携帯機器装置 - Google Patents
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Description
従来の携帯機器のI/Fコネクタの着脱方向の保持強度を向上させるためには、筐体にてI/Fコネクタを保持する構造を実現する必要がある。補強端子のように半田付け箇所を増やしたり、DIP端子のように基板に貫通穴を設け、I/Fコネクタより剛性の高いものを差し込めば、飛躍的に着脱方向の保持強度が上がる。また、DIP端子は大型なコネクタになるほど、より効果的である。
しかし、上記方法では、I/Fコネクタが必要以上に大型なものになるだけでなく、基板への貫通穴が必要なため、基板構造の制約条件(基板のパターン設計への制約)が増えたりする課題があった。
金属のコネクタケースと、
第1の基板穴に対応するコネクタケースの第1の部分が所定の方向の折り曲げ線で折り曲げられて第1の基板穴に挿入できるように突起状に形成された突起状端子Aと、
第2の基板穴に対応するコネクタケースの第2の部分が上記所定の方向とは異なる方向の折り曲げ線で折り曲げられて第2の基板穴に挿入できるように突起状に形成された突起状端子Bと
を備えたことを特徴とする。
さらに、従来の樹脂製の位置決めピンの代わりに、剛性の高い金属の突起状端子Aと突起状端子Bを用いるので、コネクタの着脱方向の保持強度向上することができる。前記保持強度の向上量としては、材料特性である縦弾性係数に比例するものであるため、剛性の高い材料を突起状端子Aと突起状端子Bに使用するとより効果的である。
図1,図2,図3及び図4は、この発明を携帯電話機(以下、単に、機器、携帯機器ともいう)に適用した実施の形態を示す概略図である。
図1は、機器の基板の表方向からのI/Fコネクタ配置イメージを示す斜視図である。
図2は、基板の裏方向からのI/Fコネクタの基板実装面との関係を表した分解斜視図である。
図3は、I/Fコネクタの部分拡大図である。
図4は、図3のDIP端子部分のAA断面図である。
図5は、基板のDIP端子部分の拡大図である。
図1に示すように、携帯電話機等の携帯機器は、筐体1を有している。
筐体1の中で基板2が固定されている。I/Fコネクタ3(コネクタの一例)は、基板2に実装されている。I/Fコネクタ3は、開口部25を有するコネクタ部品24と、コネクタ部品24の周囲を覆うコネクタケース29とを有している。コネクタ部品24には開口部25がありI/Fコネクタ3は雌型コネクタの場合を示している。コネクタ部品24の開口部25には、正面方向から雄型コネクタ26の押込みと引抜きとがX方向におこなわれ、I/Fコネクタ3と雄型コネクタ26とのコネクタ接続が可能になる。
コネクタケース29は、金属でできている。コネクタ部品24は、リード線(図示せず)とリード端子(図示せず)とをモールドした絶縁体(樹脂)でできている。
コネクタケース29は、基板2に取り付けられる底面板20を有している。コネクタケース29は、さらに、側面板21、上面板22、側面板23を有している。底面板20、側面板21、上面板22、側面板23は、一枚の板金を折り曲げて製作することができ、コネクタケース29は、コネクタ部品24の周囲を覆っている。
図2,図3,図4に示すように、コネクタケース29の底面板20には、3種類の端子がある。
I/Fコネクタ3の基板2(すなわち、機器の筐体1)に対するX方向の位置を規制している2個(1組・1対)の端子が、DIP端子A11である。DIP端子A11は、突起状端子Aの一例である。
また、I/Fコネクタ3の基板2(すなわち、機器の筐体1)に対するY方向を規制している2個(1組・1対)の端子がDIP端子B12である。DIP端子B12は、突起状端子Bの一例である。
I/Fコネクタ3はさらに、2個(1組・1対)の補強端子13を有している。
DIPとは、「デュアルインラインパッケージ」の頭文字であり、一般に、「部品パッケージでリードの列が本体の両側から出ていて、本体の底面と平行な面に対して直角方向に曲げられているもの」をいうが、ここでは、板金折返しの端子をDIP端子という。
補強端子13は、I/Fコネクタ3の上下左右方向(XYZ方向)の保持強度向上のための板金折返しの端子である。
DIP端子A11は、底面板20から直角(垂直)方向に、折り曲げ線17で折り曲げられ、基板を貫通する方向に突起状に起立している。DIP端子A11の折り曲げ線17は、Y方向(と平行)である。つまり、DIP端子A11は、I/Fコネクタ3の短手方向(X方向)に折り返されている。
DIP端子B12は、底面板20から直角(垂直)方向に、折り曲げ線18で折り曲げられ、基板を貫通する方向に突起状に起立している。DIP端子B12の折り曲げ線18は、X方向(と平行)である。つまり、DIP端子B12は、I/Fコネクタ3の長手方向(Y方向)に折り返されている。
補強端子13は、底面板20と同一面となる(水平)方向に、折り曲げ線19で180度折り曲げられ、側面板21,23からサイド方向(Y方向)に延在している。補強端子13の折り曲げ線19は、X方向(と平行)である。
DIP端子B12の折り曲げ線18と補強端子13の折り曲げ線19とは、底面板20と側面板21との交線99上、及び、底面板20と側面板23の交線上にある。換言すれば、DIP端子B12の折り曲げ線18と補強端子13の折り曲げ線19とは、コネクタケース29の角(折り曲げ部分)にある。
DIP端子A11・DIP端子B12は基板2の基板穴に挿入され半田16により基板2の裏面27に半田付けされている。また、補強端子13は半田16により基板2の表面28(実装面)に半田付けされている。
I/Fコネクタ3は、折返し方向の板金幅と基板穴との関係で位置決めされている。このDIP端子の2組の角度が直交関係(90度)であるため、DIP端子A11とDIP端子B12とにより平面方向の規制(底面板20と基板2の表面28とのXY方向の位置決め規制)となり、DIP端子A11とDIP端子B12とは、I/Fコネクタ3の基板2への位置決めとしての役割を果たしている。このため、従来の樹脂製の位置決めピンは不要になる。
図5は、DIP端子A11とDIP端子B12を基板穴14,15に挿入した図である。
図5の記号の意味は以下のとおりである。
AD:基板穴14の直径
AL:DIP端子A11の板金幅長
AS:DIP端子A11の板金厚み長
AA:DIP端子A11のY方向位置決め範囲
AB:DIP端子A11のX方向位置決め範囲
ALA:DIP端子A11のY方向ずれ範囲
ASB:DIP端子A11のX方向ずれ範囲
BD:基板穴15の直径
BL:DIP端子B12の板金幅長
BS:DIP端子B12の板金厚み長
BA:DIP端子B12のX方向位置決め範囲
BB:DIP端子B12のY方向位置決め範囲
BLA:DIP端子B12のX方向ずれ範囲
BSB:DIP端子B12のY方向ずれ範囲
1.DIP端子A11について
AD>AA(但し、AD≒AAであり、AD=AAとみなしてもよい。)
AS<AL
AA=AL+ALA+ALA
ALA=(AA−AL)/2
ASB=(AB−AS)/2
(AA−AL)<(AB−AS)
BD>BA(但し、BD≒BAであり、BD=BAとみなしてもよい。)
BS<BL
BA=BL+BLA+BLA
BLA=(BA−BL)/2
BSB=(BB−BS)/2
(BA−BL)<(BB−BS)
AD=BD
AL=BL
AS=BS
であり、製造精度が十分に正確であれば、ALA=0、かつ、BLA=0とすることができ、
AA=AL
BA=BL
となるはずであり、位置決めのずれは生じない。しかし、実際は、製造誤差が生じることになる、その誤差の発生により、各最大位置ずれは以下のようになる。
DIP端子A11のY方向への最大の位置ずれは、(AA−AL)となる。
DIP端子A11のX方向への最大の位置ずれは、(AB−AS)となる。
DIP端子B12のY方向への最大の位置ずれは、(BB−BS)となる。
DIP端子B12のX方向への最大の位置ずれは、(BA−BL)となる。
そして、DIP端子の板金幅長がDIP端子の板金厚み長より長いので、DIP端子の板金厚み長の方向よりDIP端子の板金幅長の方向の方が高精度で位置決めできるものと考えることができ、逆に、DIP端子の板金幅長の方向のよりも、DIP端子の板金厚み長の方向に対する位置決め自由度が高い(遊びが多い・精度が悪い)と思われる。したがって、以下の関係があると考えることがでる。
(AA−AL)<(BB−BS)
(BA−BL)<(AB−AS)
この結果、I/Fコネクタ3のY方向への位置ずれは、(AA−AL)となる。また、I/Fコネクタ3のX方向への位置ずれは、(BA−BL)となる。
I/Fコネクタ3のY方向の位置は、DIP端子A11の板金幅長AL(折返し方向の板金幅)と基板穴14の直径ADとの関係で位置決めされている。その理由は、AD=AAとみなすことができ、DIP端子A11とDIP端子B12との底面に平行な断面が矩形(AS<AL、BS<BL)をしており、(AA−AL)<(BB−BS)であり、DIP端子A11のY方向ずれ範囲が、DIP端子B12のY方向ずれ範囲よりも小さい考えられるからである。
I/Fコネクタ3のX方向の位置は、DIP端子B12の板金幅長BL(折返し方向の板金幅)と基板穴15の直径BDとの関係で位置決めされている。その理由は、BD=BAとみなすことができ、(BA−BL)<(AB−AS)であり、DIP端子B12のX方向ずれ範囲が、DIP端子B12のX方向ずれ範囲よりも小さいからである。
また、DIP端子A11とDIP端子B12とがあるおかげで、折り曲げ線が同一方向(X方向)のDIP端子B12が二個ある場合よりも、I/Fコネクタ3のX方向への基板の保持強度が増加する。なぜならば、BS<ALなので、BS+BS<BS+ALであり、DIP端子B12が二個ある場合よりもDIP端子A11とDIP端子B12とがある方が、2つのDIP端子のY方向の合計幅が増加し、結果として、X方向への力に抗する半田付け接合面積(半田フィレット面積)が増加するからである。
コネクタケース29の底面板20、側面板21、上面板22、側面板23が連続した長尺板金を平板板金から打ち抜き加工により切り取る。同時にあるいはその後、長尺板金の底面のDIP端子A11となる部分(基板穴14に対応する第1の所定部分)を凹形状(コ字状)に2ヶ所打ち抜き加工して1対の凸形状を形成する。同様に、長尺板金の底面の両端のDIP端子B12と補強端子13となる部分(基板穴15に対応する第2の所定部分)を櫛歯状(3字状)に2ヶ所打ち抜き加工して隣り合う2個の凸形状を1対(1組)形成する。こうして、DIP端子B12と補強端子13の原型は、同一箇所に1回の切り欠き(打ち抜き)で形成される。
次に、DIP端子A11となる1対の凸形状を折り曲げ線17に沿って90度折り曲げ底面板20から突起状に隆起させる。
次に、長尺板金を90度ずつ折り曲げて、底面板20、側面板21、上面板22、側面板23を形成し、コネクタケース29をコネクタ部品24の周囲に固定する。その際、底面板20と側面板21の境は交線99(折り曲げ線)で90度に折り曲げられるが、DIP端子B12と補強端子13となる2個の凸形状は、側面と同一平面にあり、底面板20と側面板21とが形成されたときに、DIP端子B12と補強端子13とは、底面板20と直交することになる。これは、DIP端子B12が折り曲げ線18で折り曲げられたのと同じことである。
次に、また、補強端子13となる部分を折り曲げ線19に沿って外側に90度折り曲げることにより、補強端子13が底面板20と同一平面に形成される。
なお、補強端子13を先に90度折り曲げてから、底面板20と側面板21との境を90度に折り曲げてもかまわない。また、コネクタケース29が完成してからコネクタ部品24をコネクタケース29にはめ込んでコネクタケース29とコネクタ部品24とを固定するようにしてもよい。また、DIP端子B12を個別に折り曲げてもよい。
特に、本実施の形態に係るI/Fコネクタの保持構造は、携帯機器のI/Fコネクタとして用いられ、DIP端子を2箇所増やし、代わりに位置決めピンを削除するものである。I/Fコネクタの位置決めは、DIP端子を用いて、DIP端子4箇所の内、左右で1組の計2組にわけ、同組の端子は板金折返しを同じ方向としている。このDIP端子の2組の折り曲げ線の角度(方向)が異なるため、XY平面方向の規制が可能となり、DIP端子が位置決めとしての役割を果たしている。すなわち、前記DIP端子を基板穴に挿入し、基板穴径とDIP端子の板金幅の関係にて、位置決めとすることが可能となる。
図6,図7は、DIP端子B12と補強端子13との他の例を示す図である。
図6に示すように、補強端子13の一部を切り欠いて、DIP端子B12を形成してもよい。
図7に示すように、補強端子13の一部を切り欠いて、DIP端子B12を2個(2組2対)形成してもよい。
図示していないが、DIP端子B12を3個(3組3対)以上形成してもよい。また、DIP端子A11を2個(2組2対)以上形成してもかまわない。
図8,図9,図10,図11は、DIP端子B12と補強端子13との底面板20への配置例を示す図である。
図8は、Y方向(長手方向)に1対のDIP端子A11と1対のDIP端子B12があり、X方向(短手方向)に長さL1だけ離れてDIP端子A11とDIP端子B12が底面板20に配置された例を示している。
図9は、1対のDIP端子A11と2対のDIP端子B12があり、2対のDIP端子B12がX方向に長さL2だけ離れて補強端子13の両脇に配置された例を示している。
図10は、1対のDIP端子A11と1対のDIP端子B12があり、X方向に長さL2だけ離れて補強端子13の両脇に配置された例を示している。
図11は、2対のDIP端子A11と2対のDIP端子B12があり、2対のDIP端子A11と2対のDIP端子B12とがそれぞれX方向に長さL2だけ離れて補強端子13の両脇に配置された例を示している。
Claims (4)
- 直径ADを有する第1の基板穴と上記直径ADと等しい直径BDを有する第2の基板穴とを有する基板に取り付けられるコネクタであって、上記基板に対する位置決めピンを有していないコネクタにおいて、
金属のコネクタケースと、
上記第1の基板穴に対応するコネクタケースの第1の部分がY方向の折り曲げ線で折り曲げられて第1の基板穴に挿入できるように突起状に形成された突起状端子Aであって、上記Y方向に幅長ALを有し、上記Y方向と直交するX方向に厚み長ASを有し、幅長AL>厚み長ASである突起状端子Aと、
上記第2の基板穴に対応するコネクタケースの第2の部分が上記Y方向と直交するX方向の折り曲げ線で折り曲げられて第2の基板穴に挿入できるように突起状に形成された突起状端子Bであって、上記X方向に上記幅長ALと等しい幅長BLを有し、上記Y方向に上記厚み長ASと等しい厚み長BSを有し、幅長BL>厚み長BSである突起状端子Bと
を備え、
上記突起状端子Aは、上記第1の基板穴の直径ADと等しいY方向位置決め範囲AAに対して、(Y方向位置決め範囲AA−幅長AL)により求められるY方向への最大の位置ずれ範囲内で上記基板に対してコネクタを上記Y方向へ位置決めし、
上記突起状端子Bは、上記第2の基板穴の直径BDと等しいX方向位置決め範囲BAに対して、(X方向位置決め範囲BA−幅長BL)により求められるX方向への最大の位置ずれ範囲内で上記基板に対してコネクタを上記X方向へ位置決めし、
上記突起状端子Aによる上記Y方向への最大の位置ずれ範囲と、上記突起状端子Bによる上記X方向への最大の位置ずれ範囲とが等しい
ことを特徴とするコネクタ。 - 上記コネクタは、1対の突起状端子Aと、1対の突起状端子Bとを備えたことを特徴とする請求項1記載のコネクタ。
- 第1の基板穴と第2の基板穴とを有し、上記請求項1または2に記載のコネクタの突起状端子Aを第1の基板穴に挿入して半田付けし、突起状端子Bを第2の基板穴に挿入して半田付けして、コネクタを実装したことを特徴とする基板。
- 上記請求項3に記載の基板を備えたことを特徴とする携帯機器装置。
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