JPH0441088Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 〔産業上の利用分野〕 本考案は、液体を収納する壜体の口筒に組付け
られる注出キヤツプに関するものであつて、蓋体
の開閉を簡単に達成することを目的とする。

〔従来の技術〕

シヤンプー等の液体を収納する壜体は、使用時
に手探りで扱うことが多く、従つて特に蓋体の開
閉はできる限り簡単に達成できるようにすること
が望ましい。

従来のこの種の壜体における注出キヤツプは、
壜体の口筒に螺合組付けする構成や、キヤツプの
一部に注出筒を回動自在に組付け、注出筒を起立
させることにより開口する構成であつた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら螺合組付けは、開閉時にキヤツプ
を回動させることになるので、両手を用いて操作
しなければならず、シヤンプーによつて滑り易く
なつているために、甚だ使いにくいものであつ
た。注出筒を起立させたり、倒したりする操作の
場合でも同様の不都合が存する。本考案は、こう
した問題を解決するために創案されたもので、片
手でも容易に開閉操作を行うことが出来、かつ、
開閉両姿勢を確実に維持することの出来る液体用
注出キヤツプを提供することを目的とする。

〔考案の構成〕

〔問題点を解決するための手段〕 上記目的を達成する本考案は、頂壁に注出孔を
開孔し前端に係止横条を突設した有頂筒形状のキ
ヤツプ本体と、該キヤツプ本体に螺番ピンを介し
て組付けられ、前記注出孔に密嵌入できる栓ピン
を突設すると共に前記係止横条に下方から係止で
きる係止突条を設けた蓋体と、螺番バネ部分に組
付けられるバネと、Ｌ字片の一端を閉姿勢の蓋体
先端下面に対向させ、キヤツプ本体前端に摺動自
在に軸止する作用体とから構成される。

〔作用及び実施例〕

以下本考案の一実施例を図面に従つて説明す
る。

先ず、壜体１はシヤンプー等の液体を収納する
有底筒形状であつて、比較的軟質な合成樹脂で成
形されて弾性変形が自在となつており、上端に立
設された口筒２り外周には螺条が周設され、さら
にこの口筒２上端部には栓体３が密嵌入される
が、この栓体３中心には組付孔４が開孔されてい
る。

次いで、この壜体１の口筒２に組付けられる本
考案の注出キヤツプは、キヤツプ本体５と、蓋体
１９と、バネ２７と、作用体２８とから構成され
る。

壜体１の形状に対応して成形されるキヤツプ本
体５は、頂壁６と筒壁７とから構成される有頂筒
形状であつて、図示実施例では有頂四角筒形状で
あり、頂壁６の中央部下面には、口筒２の外径に
ほぼ等しい内径を有する直線円筒形状の組付筒８
が垂下設され、この組付筒８内周に設けられた螺
条と口筒２の螺条とを螺合させることにより、キ
ヤツプ本体５は壜体１の口筒２に組付けられるこ
とになる。

また、頂壁６の中心には注出孔９が開孔されて
いるが、この注出孔９を貫通する形態で直線筒１
０が上下に一体設されており、口筒２にキヤツプ
本体５を組付けた際に頂壁６下方に延出する直線
筒１０の下部が栓体３の組付孔４内に密嵌入し、
注出孔９は口筒２と連通することになる。

そして、筒壁７上端部前端から頂壁６前端部に
かけては、側壁部１２と底壁部１３とから成る作
用凹部１１が切欠き形成され、底壁部１３上部に
は係止横条１４が設けられ、さらに筒壁７上端部
後端から頂壁６後端部にかけては同じく側壁部１
６と底壁部１７とから成る組付凹部１５が切欠き
形成され、しかも両側壁部１６中央には軸孔１８
が設けられている。

次に、蓋体１９は、キヤツプ本体５の平面形状
に対応する頂板２０周縁に壁部２１を垂下設した
薄皿形状であり、後端に前記キヤツプ本体５の組
付凹部１５内に組付けられる螺番片２２が垂下設
され、前記軸孔１８とこの螺番片２２とを貫通す
る螺番ピン２３を介して、蓋体１９はキヤツプ本
体５に開閉自在に組付けられることになる。

また、頂板２０の前端部下面には、蓋体１９の
キヤツプ本体５に対する閉姿勢で前記作用凹部１
１内に嵌入することのできる係止片２４が垂下設
され、頂板２０の中央部下面には同じ閉姿勢で前
記直線筒１０上部および注出孔９内に密嵌入する
ことのできる栓体ピン２６が垂下設され、さらに
前記係止片２４の後面には、作用凹部１１の対向
する底壁部１３上端の係止横条１４に下方から係
止することのできる係止突条２５が設けられてい
る。

そして前記螺番ピン２３には捻りバネ２７が巻
付けられていて、捻りバネ２７の一端は蓋体１９
の壁部２１に弾接し、他端はキヤツプ本体５の組
付凹部１５の底壁部１７の一部に弾接し、蓋体１
９に開き方向への回動力としての弾力を常に付与
している。

なおこのバネ２７は、図示実施例の如き捻りバ
ネである必要はなく、上述した弾力を作用させる
ものであればよい。

次に、キヤツプ本体５の作用凹部１１内には作
用体２８が両側壁部１２に軸支されて、摺動自在
に組付けられる。

この作用体２８は、原則的にはＬ字片であつ
て、図示実施例では直角三角形片であり、直角隅
部が軸支部分となり、直角をはさんで一辺を水平
片部２９、他辺を垂直片部３０とし、水平片部２
９の先端を閉姿勢の蓋体１９における係止片２４
下面に当接対向させて作用凹部１１内に組付けら
れる。

従つて、垂直片部３０の下部を内方に押すと、
水平片部２９が上方に回動し、水平片部２９が係
止片２４を押し上げて、係止突条２５と係止横条
１４との係止を解くのである。

なお、水平片部２９上面には、係止片２４が挿
通する切欠きを設けた頂板３１が設けられ、垂直
片部３０の前端には操作し易くするための押圧板
３２が設けられている。

以上説明した構成にあつて、蓋体１９をバネ２
７の弾力に逆らつて閉じ、係止片２４の係止突条
２５を作用凹部１１の係止横条１４に下方から係
止させれば、閉姿勢が維持され、栓ピン２６が注
出孔９内に密嵌入するので壜体１の密封が確保維
持され、倒したり、或いは壜体１を押して内圧を
高めたりしても、収納液が漏れることはない。

そして、上記閉状態で作用体２８における押圧
板３２を内方に押し込むと、作用体２８は摺動
し、水平片部２９先端が係止片２４下端に当接し
て押し上げることになるので、係止突条２５と係
止横条１４との係止が解かれ、蓋体１９はバネ２
７の弾力によつて開くことになる。

〔考案の効果〕

以上の説明から明らかなように、本考案の注出
キヤツプは、注出孔９を有するキヤツプ本体５
と、螺番ピン２３を介してキヤツプ本体５に組付
けられる蓋体１９と、蓋体１９に開き方向への回
動力としての弾力を付与するバネ２７と、キヤツ
プ本体５に組付けられ、閉姿勢の蓋体１９を押し
上げる作用体２８とから構成され、蓋体１９をバ
ネ２７の弾力に逆らつて閉じるだけでキヤツプ本
体５に係止して閉姿勢が維持され、作用体２８に
押圧力を作用させるだけでキヤツプ本体５と蓋体
１９との係止が解かれて蓋体１９はバネ２７の弾
力によつて開き、しかも開き姿勢を維持すること
になる。

従つて、蓋体１９の開閉操作はワンタツチによ
つて極めて簡単に達成され、また開姿勢、或いは
閉姿勢をそのまま維持するので使用し易く、さら
には閉姿勢を確実に達成するので収納液の保護が
確実であり、構成が簡単であつて成形が容易であ
る等、本考案は多くの優れた作用効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す縦断面図であ
る。第２図はキヤツプ本体の平面図である。 符号の説明、１……壜体、５……キヤツプ本
体、６……頂壁、９……注出孔、１１……作用凹
部、１４……係止横条、１５……組付凹部、１９
……蓋体、２２……螺番片、２３……螺番ピン、
２４……係止片、２５……係止突条、２６……栓
ピン、２７……バネ、２８……作用体、２９……
水平片部、３０……垂直板部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 壜体の口筒に組付けられる有頂筒体の頂壁に、
   前記口筒と連通する注出孔を開孔すると共に、前
   端面上部に係止横条を突設したキヤツプ本体と、
   該キヤツプ本体の後端に螺番ピンを介して組付け
   られ、下面に前記注出孔を嵌合により密閉できる
   栓ピンを設けると共に、前端に前記係止横条に下
   方から係止できる係止突条を設けた蓋体と、前記
   螺番ピン部分に組付けられ、前記蓋体に開き方向
   への回動力としての弾力を付与するバネと、水平
   片部と垂直片部とをＬ字状に折曲連設し、前記水
   平片部先端を閉姿勢の前記蓋体前端下面に対向さ
   せた姿勢で前記折曲連設部で、前記キヤツプ本体
   の前端に摺動自在に軸止された作用体とから成る
   液体用注出キヤツプ。