JPH0615847Y2 - 接着液容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本願は、接着液を収納した状態で、塗布することができ
る接着液容器に関する。

従来の技術 従来、上部に螺合部を、さらにその上部に、細径の取付
口部を有した筒状のボトルと、前記取付口部に取り付け
られ、かつ、上面中央部から垂直に延びる先端面が傾斜
するノズルを有した固定キャップと、前記固定キャップ
の外周に回転並びに上下動可能に嵌合され、かつ、上面
に、前記ノズルを挿通する孔及び上動位置で、前記ノズ
ルの先端面と一致して傾斜する傾斜面を夫々有したスラ
イドキャップと、前記スライドキャップの回転操作によ
り、係合片と案内孔との係合を介して、スライドキャッ
プを、その上動位置と下動位置とに夫々保持する保持手
段と、前記ボルトの螺合部に螺合されたとき、前記ノズ
ルの流液口に密嵌して封口する突片を頂部内面中心部に
垂設した蓋キャップとから成る接着液容器は公知であ
る。

考案が解決しようとする問題点 ところが、従来構成の接着液容器によれば、使用後、ボ
トルに蓋キャップを螺合して保存する場合に、スライド
キャップを上動させた状態で蓋キャップを螺合する場合
があり、この場合、蓋キャップがボトルに対し浅く螺合
すると共に、ノズルの流液口は、殆ど開口状態におか
れ、保存状態で接着液が漏出するという欠陥があった。

問題点を解決するための手段 そこで本願は、上記した欠陥を改善するために、ボトル
と、このボトルの取付口部に取り付けられると共に、ノ
ズルを突設した固定キャップと、この固定キャップに回
転並びに上下動自在に嵌合され、上動したとき、ノズル
の先端面と一致する頂面を有したスライドキャップと、
前記固定キャップに設けた係合片を、スライドキャップ
に設けた横向きＵ字状の案内溝に係合して前記スライド
キャップを上動位置と下動位置とに保持する保持手段
と、前記ボトルの上部に螺合され、かつ、頂部内面に、
前記ノズルの流液口と密嵌する突片を垂設した蓋キャッ
プとから成る接着液容器において、前記案内溝の向き
を、ボトルに対する蓋キャップの螺合方向と逆方向にす
ると共に、蓋キャップ頂部内面に、前記スライドキャッ
プの上動位置で、その頂面と当接する押圧部片を設けて
成るものである。

作用 しかして、使用に際しては、従来と同様に、蓋キャップ
を取り外してボトルを倒立させ、ノズルの流液口より流
出する接着液を目的物に塗布するものであり、その塗布
面を幅広くしたい場合には、スライドキャップを回動し
てその頂面が、ノズルの先端面と一致する上動位置に移
動した状態でボトルを倒立させ、ノズルの流液口より流
出する接着液を目的ものに塗布するものである。

そして、このように、スライドキャップを上動位置に保
持した状態で、蓋キャップをボトルの上部に螺合する
と、蓋キャップに設けた押圧部片が、スライドキャップ
の頂面に圧接して、該スライドキャップに、蓋キャップ
の螺合方向の回動力が付与され、案内溝が蓋キャップの
螺合方向と逆向きとなっていることにより、係合片が下
位の係合部より脱出する。そして下位の係合部より脱出
したのちの係合片は、蓋キャップの螺合操作に伴い、ス
ライドキャップの頂面に作用する押下げ力によって、案
内孔の湾曲部を案内し、これによって、スライドキャッ
プは、自動的に下動すると共に、係合片は上位の係合部
に係合しないが、案内溝の上部位置に達し、この状態
で、蓋キャップは、ボトルに対し充分に螺合すると共
に、突片はノズルの流液口に密嵌する。

実施例 以下本願の実施例を図面について詳述すると、(1)は細
長い筒状の変形可能なボトルで、底面が、正立に困難な
ように丸味を帯びており、その上部には、段部を介して
稍細径の頚部(2)と、それよりもさらに細径の取付口部
(3)とが夫々一体に連設され、かつ、それらの外周に
は、螺合部(2)′と(3)′とが夫々形成してある。

(4)は前記取付口部(3)の螺合部(3)′に螺合接続された
固定キャップで、その頂面中心部に、細長いノズル(5)
が立設している。

(6)は前記固定キャップ(4)に回転並びに上下動自在に嵌
合したスライドキャップで、頂部に前記ノズル(5)を挿
通する孔(7)と、その上動位置で、前記ノズル(5)の先端
傾斜面と合致する傾斜面(8)とが設けてある。

このスライドキャップ(6)の外周には、前記固定キャッ
プ(4)の外周に突設した係合片(9)と係合して、スライド
キャップ(6)を上動位置と、下動位置とに案内する横向
きＵ字状の案内孔(10)が形成してあり、その上下端に
は、前記係止片(9)と係合する係合辺(11)a,(11)bが設け
てあり、本願において、前記案内孔(10)の向きを、後述
の蓋キャップのボトル(1)に対する螺合方向と逆方向と
する。

(12)は頂部が平坦で、下部が前記頚部(2)の螺合部(2)′
に螺合する蓋キャップで、その頂部内面中心部には、前
記スライドキャップ(6)が上動位置にある状態で、蓋キ
ャップ(12)を前記螺合部(2)′に螺合したとき、蓋キャ
ップ(12)の頂面に当接し、かつ、蓋キャップ(12)が螺合
部(2)′に深く螺合した状態で、前記ノズル(5)の先端部
を深く嵌合する好ましくは下面が凹凸状に形成された筒
状の押圧部片(13)と、この押圧部片(13)の中心に位置
し、蓋キャップ(12)が前記螺合部(2)′に深く螺合した
状態で、前記ノズル(5)の流液口(5)′に密に嵌入する前
記押圧部片(13)より短い突片(16)とが夫々一体に垂設し
てある。

なお図中(17)は下位係合部(13)bの弾性変形を容易にす
るために設けたスリットである。

しかして、使用に際し、接着液を線状に塗布するとき
は、スライドキャップを係合片(9)が下位の係合部(11)b
に係合した下動位置とし、この状態で、ボトル(1)を倒
立させ、ノズル(5)の流液口(5)′より流出する接着液を
目的物に塗布するものであり、また塗布面を幅広くする
ときは、スライドキャップ(6)を第３図仮想線において
左方向に回動しながら上動する。すると、係合片(9)の
上位の係合部(11)aより脱し、かつ、案内溝(10)が、係
合片(9)に案内されて第３図実線で示すように、スライ
ドキャップ(6)は上動して、その傾斜面(8)が、ノズル
(5)の先端面と一致する。この状態は、スライドキャッ
プ(6)をさらに右方向に回転して、係合片(9)を、下位の
係合部(11)bに係合することにより保持され、この状態
でボトル(1)を倒立することにより、ノズル(5)の流液口
(5)′より流出する接着液は、目的物に、幅広く塗布さ
れる。

そして、接着液を塗布したのち、正しくは、スライドキ
ャップ(6)を下動させた状態で、蓋キャップ(12)をボト
ル(1)の螺合部(2)′に深く螺合するものであり、この状
態で、ノズル(5)の先端部は、筒状の押圧部片(13)内に
深く侵入すると共に、突片(16)は、ノズル(5)の流液口
(5)′に密嵌し、この状態で、蓋キャップ(12)の頂面を
下にした倒立状態で保存するものである。

ところで、上記において、もし誤ってスライドキャップ
(6)を上動させた状態で、蓋キャップ(12)をボトル(1)に
対し螺合させたとき、その当初においては、係合片(9)
が下位の係合部(11)bによって保持されていることによ
り、スライドキャップ(6)は回動することなく、蓋キャ
ップ(12)の螺合に伴い、押圧部片(13)の下面は、第２図
で示すように、スライドキャップ(6)の頂面に圧接する
ので、スライドキャップ(6)に、蓋キャップ(12)の螺合
方向の回動力が付与され、この回動力によって、係合片
(9)は、下位係合部(11)bより脱して、案内溝(10)の湾曲
部位置に至る。そして蓋キャップ(12)の螺合操作に伴
い、スライドキャップ(6)は、押圧部片(13)により、下
向きに押圧され、かつ、係合片(9)は、案内溝(10)の湾
曲部を案内するので、スライドキャップ(6)は自動的に
下動する。この状態では、係合片(9)は、上位係合部(1
1)aと係合しないが、スライドキャップ(6)は充分に下動
するので、蓋キャップ(12)は、ボトル(1)に対し深く螺
合すると共、ノズル(5)の先端部は筒状の押圧部片(13)
内に深く侵入し、かつ、突片(16)は、ノズル(5)の流液
口(5)′に確実に密嵌する。

考案の効果 本願は叙上のように、スライドキャップを上動させた状
態で、誤ってボトルに蓋キャップを螺合した場合でも、
ノズルの流液口は突片により確実に封口されて、不使用
時に接着液が漏出する惧れなく、安全な使用ができると
いう利点を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本願の実施例を示すもので、第１図は、スライド
キャップの下動位置における要部を縦断した正面図、第
２図は、スライドキャップの上動位置における蓋キャッ
プのみを縦断した側面図、第３図はスライドキャップの
上動位置における蓋キャップを省略した正面図である。 図中、(1)はボトル、(2)′，(3)′は螺合部、(4)は固定
キャップ、(5)はノズル、(6)はスライドキャップ、(9)
は係合片、(10)は案内孔、(12)は蓋キャップ、(13)は押
圧部片、(16)は突片である。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ボトルと、このボトルの取付口部に取り付
   けられると共に、ノズルを突設した固定キャップと、こ
   の固定キャップに回転並びに上下動自在に嵌合され、上
   動したとき、ノズルの先端面と一致する頂面を有したス
   ライドキャップと、前記固定キャップに設けた係合片
   を、スライドキャップに設けた横向きＵ字状の案内溝に
   係合して該スライドキャップを上動位置と下動位置とに
   保持する保持手段と、前記ボトルの上部に螺合され、か
   つ、頂部内面に、前記ノズルの流液口と密嵌する突片を
   垂設した蓋キャップとから成る接着液容器において、前
   記案内溝の向きを、ボトルに対する蓋キャップの螺合方
   向と逆方向にすると共に、蓋キャップ頂部内面に、前記
   スライドキャップの上動位置で、その頂面と当接する押
   圧部片を設けたことを特徴とする接着液容器。
2. 【請求項２】押圧部片が筒状に形成されると共に、蓋キ
   ャップの頂部内面中央位置に設けられ、かつ、その中心
   位置に突片を設けて成る実用新案登録請求の範囲第１項
   記載の接着液容器。
3. 【請求項３】押圧部片の下面が凹凸状に形成されている
   実用新案登録請求の範囲第１項または第２項記載の接着
   液容器。