JPH044087Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は天井板の取付け構造、特に天井スラブ
に埋設され、下方に突出する天井板取付け用のボ
ルトを廃した天井板の取付け構造に関するもので
ある。

従来、天井板を取付けるには、天井スラブに埋
設されたインサートにボルトを螺合させ、ハンガ
ーを用いて野縁受けを固定し、この野縁受けに、
直交する野縁を複数本互いに平行を保つように取
付けた後、それぞれの野縁の上下位置を調整し
て、高さを一致させ、この野縁に天井板をねじ等
で固定している。

しかしながら、従来のこのような方法によれ
ば、天井ふところを狭くする場合、ボルトの長さ
分と野縁受けの高さ分の寸法が障害となつてしま
い限界が生じ、また上部階からの振動がボルトを
伝わつて天井板を振動させるので遮音対策上好ま
しくなく、また、各の縁を上下方向に調整して高
さを一致させなければならない手間を要し、しか
も縁受けを取付けるためのインサート、ボルト、
ナツト、ハンガーを必要とし、部品点数が増加
し、コストが高くなるという欠点を有していた。

本考案は、部屋の互いに対向する壁面に、開口
部が対向する断面コ字状のランナーを固定し、こ
の各ランナーの開口部に断面がロ字状またはコ字
状の野縁の両端を嵌合し、ねじ等の止着部材を用
いて上記野縁の下面に天井板を固定して、上記欠
点を除去するものである。

第１図は本考案による天井板の取付け構造の一
実施例を示す簡略構成図であり、同図において、
部屋１を構成する、互いに対向する壁面２，２
に、開口部３，３が対向する断面コ字状のランナ
ー４，４を鋲６によつて固定する。ランナー４，
４は長尺金属材を断面コ字状に折曲形成すること
により得られたものである。５はその両端が各ラ
ンナー４，４の開口部３，３に嵌合された断面ロ
字状の角パイプ形状の野縁であり、金属板材を断
面ロ字状に成形することによつて得られたもので
ある。野縁５，５の取付け後、各野縁５，５の下
面に、止着部材としてのタツピングスクリユー等
のねじを用いて下側から図示しない天井板を取付
ける。天井板を取付けるときの上記ねじの螺着時
に、野縁５，５に上方向の力が作用し、野縁５，
５が上方向に押し上げられることも考えられる
が、この移動はランナー４，４の上板４ａで阻止
される。各野縁５，５はランナー４，４の下板４
ｂに載置されかつ上下位置がこの下板４ｂに沿つ
て一定の位置に設定されるので、上下の位置調整
は全く不要となる。また、天井ふところを狭くす
るにはランナー４，４を天井スラブにできるだけ
近づけるだけでよく、ほぼ野縁５の高さの許容す
る範囲で天井ふところを狭くできる。

また、従来天井スラブに埋設していたインサー
ト及びボルト、ナツト、ハンガー、野縁受けを廃
することができるので、この埋設工事に用してい
た手間が省け、しかもボルトを介して上階からの
振動が天井板に伝わらず、遮音対策上好ましいも
のとなる。また、野縁５，５が断面ロ字状となつ
ており、このため、野縁５，５のの下面のたわみ
がなくなる。

ここで、野縁５，５のスパンが長い場合には野
縁５，５に下方の反りが発生するおそれもある
が、このような不都合は第２図に示すように、鋲
で天井スラブに固定した垂下枠３０に野縁５，５
の途中個所をねじ止め３０ａすればよい。

また、野縁５，５は断面コ字状のものを用いて
もよい。

以上説明したように本考案によれば、部屋の互
いに対向する壁面に、開口部が対向する断面コ字
状のランナーを固定し、この各ランナーの開口部
に断面がロ字状またはコ字状の野縁の両端を嵌合
し、ねじ等の止着部材を用いて上記野縁の下面に
天井板を固定したので、天井ふところを狭くで
き、また防音対策上有利となり、また野縁の上下
方向の調整を不要とでき、しかも野縁受け及びハ
ンガーを不要とでき組立コストを低減できる。ま
た、天井ふところを必要に応じて深くすることも
できるので、高価な長いボルトが不要となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による天井板の取付け構造の一
実施例を示す図、第２図は本考案による天井板の
取付け構造に用いる補強構造の一例を示す図であ
る。 １……部屋、２……壁面、３……開口部、４…
…ランナー、５……野縁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 部屋の互いに対向する壁面に、開口部が対向す
   る断面コ字状のランナーを固定し、この各ランナ
   ーの開口部に断面がロ字状またはコ字状の野縁の
   両端を嵌合し、ねじ等の止着部材を用いて上記野
   縁の下面に天井板を固定したことを特徴とする天
   井板の取付け構造。