JPH0439429A - 摩擦材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明はクラッチフェーシング、ブレーキパッドなどと
して利用される摩擦材に関する。

［従来の技術］ 摩擦材に要求される性能として、耐摩耗性に優れている
こと、摩擦係数が高いこと、摩擦係数が安定しているこ
と、などが挙げられる。これらの性能を満足させるため
には単一素材では困難であり、摩擦材は多くの素材から
なる複合材料として構成されている。

このような摩擦材は、大別すれば次のように分類できる
。

（１）コルク、セルロース・・・単体もあるが、多くは
樹脂を含浸して熱成形したもの （２）ウーブン・・・黄銅線を芯にしてアスベストなど
で作った紐に樹脂を含浸させ、紐を巻いた後、熱成形し
たもの （３）セミモールド・・・紐に樹脂を含浸させ、ゴム材
料を充填し熱成形したもの （４）レジンモールド・・・アスベストなどを基材とし
、フェノール樹脂と各種充填材を混合した後、熱成形し
たもの （５）ゴムモールド・・・レジンモールドの樹脂の代り
にゴムを用いたもの （６）セミメタリック・−・レジンモールドのうち、基
材が金属繊維のもの （７）ジンタートメタリック・・・金属粉末を焼結した
もの （８）サーメット・・・セラミック粉末と金属粉末を焼
結したもの 自動車のブレーキではレジンモールド、セミメタリック
などが多く使用されているが、鉄道車両ではジンタート
メタリックが、航空機ではサーメットが多く使用されて
いる。

また、近年自動車の性能の向上が著しく、ブレーキパッ
ドやクラッチフェーシングにもそれに見合った性能の向
上が要求されている。例えば特公昭５９−４５００４号
公報には、針状無水６壽を用いた摩擦材が開示され、摩
擦面の温度上昇による摩擦係数の低下（フェード現象）
がアスベストを用いた従来の摩擦材に比べて小さく、耐
フエード性が向上するとしている。

［発明が解決しようとする課題］ ところで耐フエード性を向上させるには、気孔率を高く
することが有効であることが知られている。この気孔率
の向上を図るには、バインダとしての樹脂成分の量の低
減、摩擦調整剤の粒度の増大、おるいは成形時の圧力の
低減などの手段があるが、いずれも摩擦特性への影響が
大きいという不具合がある。

本発明はこのような事情に鑑みてなされたちのであり、
新規な材料を用いて摩擦特性への影響をなくし、耐フエ
ード性を向上させることを目的とする。

［課題を解決するための手段］ 本発明者らは上記課題を解決するために種々の素材を鋭
意研究した結果、半水石膏が極めて特異な性質を有する
ことを見出して本発明を完成したものである。

上記したように従来は摩擦材材料としては無水石膏が使
用され、半水石膏は使用されていない。

これは半水石膏には水分の出入があるため、自動車のブ
レーキなど水分に晒されることが多い摩擦材としては不
向きであるとの判断があったため、水分の出入のない無
水石膏が利用されてきたものと考えられる。

しかしながら本発明者らは半水石膏を用いて摩擦材を形
成し、その特性を詳細に研究した結果、水分の出入によ
り摩擦材中に気孔が形成されて気孔率が増大することが
明らかとなった。また他の成分および製造方法は従来と
同様であるので、摩擦特性の低下もほとんど生じないこ
とが明らかとなった。本発明はこの発見に基づいてなさ
れたものである。

すなわち本発明の摩擦材は、繊維成分と無機質充填材と
摩擦調整剤とを含み熱硬化性樹脂で結合された摩擦材で
あって、繊維成分にはｉ雄状の半水石膏を含むことを特
徴とする。

半水石膏とは、硫酸カルシウムの０．５水和物（ＣａＳ
Ｏ４・０．５Ｈ２０＞をイイ、α型およびβ型の２種類
があるがいずれも用いることができる。ｔｉｉＡＭ状の
半水石膏は、例えば工水石膏あるいは亜硫酸石灰を原料
とし、これを水熱処理することにより製造することがで
きる。亜硫酸石灰を原料とした場合には、水熱処理に際
し空気又は酸素を供給することが必要である。

この繊維状の半水石膏は、僅かでも含有すればその弁効
果がおり、含有量の下限は特に限定されない。ただし摩
擦材全体を１００とした場合に７０重量％以上含有する
と、繊維状半水石膏は繊維長が短いため摩擦材の強度確
保が困難になるので、７０重量％以下とするのが好まし
い。Ｉ！維酸成分半水石膏のみで構成してもよいし、芳
香族ポリアミド繊維、レーヨンなどの有機繊維、カラス
繊維、ロックウールなどの無１１［１雑、あるいはスチ
ール繊維などの金属ｉｌ維と混合して用いることもでき
る。

無機質充填材としては、硫酸バリウム、炭酸カルシウム
、酸化マグネシウムなどを例示することができる。また
摩擦調整剤としては、グラフフィト、カシューダスト、
銅粉末、真鍮粉末などが例示される。ざらに熱硬化性樹
脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂などが例示
される。

［発明の作用および効果］ 本発明の摩擦材では、Ｉｌｉ雑成分に半水石膏が含まれ
ている。摩擦材は成形時に加熱され、その加熱により熱
硬化性樹脂成分が硬化して他の成分と結合するが、この
加熱時に半水石膏の一部の水分が逃げて体積が減り、そ
の分の微細な空洞ができる。これにより気孔率が増大す
るので、耐フエード性が向上する。また水分を吸収して
微細な空洞が塞がれたとしても、実際の使用時には摩擦
により摩擦材は高温となり、その熱でも同様の作用が生
じるので耐フエード性が向上する。そして他の成分およ
び加圧条件などは従来と同様にできるので、摩擦特性の
低下はほとんど生じない。

［実施例］ 以下、実施例により具体的に説明する。本実施例はレジ
ンモールド系の摩擦材に本発明を適用したものである。

（実施例１） 第１表にも示すように、フェノール樹脂１０重量部、芳
香族ポリアミド繊維（「ケブラー」デュポン社製＞１０
重量部、カルシウムメタシリケート繊１１０重量部、半
水ｂ＊ｉｉｉ維（ｒＮＨ−ＯＪ小野田セメント（株）製
）１０重量部、摩擦調整剤としてのグラファイト８重量
部およびカシューダスト８重量部、無機充填材としての
硫酸バリウム３４重量部および酸化マグネシウム１０重
量部をＶ型ブレンダーに投入し、均一に混合した。この
混合物を金型に投入し、面圧力３００ｋＣ］／Ｃｍ２、
温度１５０℃で７分間加熱加圧成形して成形体を得た。

この成形体をさらに２２０℃で２゜５時間熱処理し、放
冷後研摩して本実施例の摩擦材を得た。

得られた摩擦材について、水銀圧入により気孔率を測定
し結果を第１表に示す。またブレーキダイナモメータ試
験機で耐フエード性試験を行ない、結果を第１表に示す
。試験条件は、ＪＡＳＯ−Ｃ４２７−８３（ブレーキ型
：ＰＤ５１ｓ、ロータ：１８ｍｍベンチレーテッドタイ
プ、イナーシャ：４、ＯｋＣＩ−ｍ−５２、制動初速度
：１１００ｋ／ｈ、減速度：０．３Ｇ、制動ブレーキ温
度：２５０℃）にて行ない、そのときの最少摩擦係数を
測定した。

（実施例２） 半水５青繊維の量を２０重量部とし、カルシウムメタシ
リケート繊維を用いなかったこと以外は実施例１と同様
の組成にて、本実施例の摩擦材を同様に製造した。そし
て実施例１と同様に性能試験を行ない、結果を第１表に
示す。

（比較例１） 半水石膏繊維は用いず、カルシウムメタシリケートｌａ
ｇを２０重量部添加したこと以外は実施例１と同様の組
成にて、本実施例の摩擦材を同様に製造した。そして実
施例１と同様に性能試験を行ない、結果を第１表に示す
。

（比較例２） 半水石膏繊維およびカルシウムメタシリケート繊維は用
いず、ロックウールを２０重量部添加したこと以外は実
施例１と同様の組成にて、本実施例の摩擦材を同様に製
造した。そして実施例１と同様に性能試験を行ない、結
果を第１表に示す。

（比較例３） 半水石膏繊維およびカルシウムメタシリケート繊維は用
いず、無水石膏繊維を２０重酸部添加したこと以外は実
施例１と同様の組成にて、本実施例の摩擦材を同様に製
造した。そして実施例１と同様に性能試験を行ない、結
果を第１表に示す。

（評価） 第１表より明らかなように、本実施例の摩擦材は比較例
に比べて高い気孔率を有しているので、高温時でも高い
摩擦係数を示し、耐フエード性に優れていることが明ら
かでおる。

特許出願人　　アイシン化工株式会社 代理人　　　弁理士　　　大川　宏

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）繊維成分と無機質充填材と摩擦調整剤とを含み熱
   硬化性樹脂で結合された摩擦材であって、該繊維成分に
   は繊維状の半水石膏を含むことを特徴とする摩擦材。