JPH0438353Y2 - - Google Patents

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JPH0438353Y2
JPH0438353Y2 JP14809985U JP14809985U JPH0438353Y2 JP H0438353 Y2 JPH0438353 Y2 JP H0438353Y2 JP 14809985 U JP14809985 U JP 14809985U JP 14809985 U JP14809985 U JP 14809985U JP H0438353 Y2 JPH0438353 Y2 JP H0438353Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本考案は写真フイルムパトローネ用の容器本体
に関するものである。 〔従来技術〕 従来、フイルムパトローネ用容器本体は剛性の
確保と射出成形の際のバリや糸引きを防止するた
め及び落下強度確保のためにメルトフローレート
(以後MFRと表示)が10g/10分前後の高密度ポ
リエチレン樹脂やホモタイプのポリプロピレン樹
脂が使用されていた。 又、実公昭58−46413号公報には金属薄葉素材
を成形してなる写真フイルムパトローネ用容器が
開示されている。 〔考案が解決しようとする問題点〕 しかしながら、従来のMFRが10g/10分前後
の高密度ポリエチレン樹脂やホモタイプのポリプ
ロピレン樹脂を材料にした容器の場合には、圧縮
強度及び落下強度の確保、気密性、射出成形の際
の溶融樹脂の流動性などの種々の理由からキヤツ
プとともに容器本体も厚肉にされていて透明性が
悪く、フイルムパトローネ挿入性や取り出し性が
悪くかつ樹脂の使用量に問題があり、また射出成
形の際のシヨートシヨツトや糸ひき等による不良
品発生率にも問題があつた。そのほか、キヤツプ
と容器本体との嵌合強度にも問題があつた。 また、金属製の容器は製造コストが割高である
ばかりでなく大量生産適性がプラスチツク製のも
のに及ばず、不透明で容器内の写真フイルムパト
ローネの確認も不可能でフイルムパトローネ挿入
性や取り出し性も悪く、現在は実施されていな
い。 本考案は、これらの問題点を解決した薄肉でも
落下強度が大きく透明性が非常に良好で製造容易
かつ嵌合密閉性の高い写真フイルムパトローネ用
容器本体を提供することを目的とする。 〔問題点を解決するための手段〕 本考案は上記目的を達成するために、特定の材
質のポリプロピレン樹脂を用いたことを特徴とし
ている。 即ち、メルトフローレートが16〜80g/10分、
密度が0.89〜0.92g/cm3のα−オレフインを1モ
ル%〜10モル%含むα−オレフイン・プロピレン
タンダム共重合体ポリプロピレン樹脂を70〜99.9
重量%、滑剤を0.05〜1.5重量%、分散剤又は湿
潤剤を用いて分散させた1・3,2・4ジベンジ
リデンソルビトール又はこの誘導体を0.05〜1.5
重量%含むポリプロピレン樹脂を用いて形成さ
れ、周壁部の平均厚さが0.5〜1.2mmの写真フイル
ムパトローネ用容器本体としたものである。 本考案の写真フイルムパトローネ用容器本体を
形成している樹脂の必須成分であるα−オレフイ
ン・プロピレンランダム共重合体ポリプロピレン
樹脂は、α−オレフインを1〜10モル%含むこと
を要し、そしてプロピレン単位の含有率が90〜99
モル%である。好ましくはエチレン単位が1〜10
モル%、特に好ましくは2〜6モル%のエチレン
−プロピレンランダム共重合体プロピレン樹脂、
及び炭素数がC4〜C10のα−オレフイン単位が1
〜10モル%であるα−オレフインとプロピレンと
のランダム共重合体プロピレン樹脂である。 そして、これらのα−オレフイン−プロピレン
ランダム共重合体ポリプロピレン樹脂は、メルト
フローレート(ASTM試験法D−1238)が16〜
80g/10分、密度(ASTM試験法D−1505)が
0.89〜0.92g/cm3である。 本考案の容器本体を形成している第2の必須成
分である滑剤は、樹脂の送りや成形品の型離れ性
等を改善するためのものである。すなわち、メル
トフローレートが16g/10分以上のプロピレン−
α−オレフインランダム共重合体樹脂は、樹脂間
の滑りが悪くなり、ホツパーから成形機への樹脂
の送りが悪くなつたり、写真フイルムパトローネ
用プラスチツク容器本体の様に球形でなく円筒形
又は直方体形では金型からの取り出し性(型離れ
性)や成形直後結晶化が不十分な状態ではプラス
チツク容器本体間でブロツキングが発生したりキ
ズが発生したりする。プロピレンと共重合させる
α−オレフインの含有量を4.6モル%以上と多く
すると、衝撃強度、落下強度及び透明度等は向上
するが、前記問題点がメルトフローレートが16
g/10分以上の樹脂ではかえつて増幅されてしま
う。滑剤を添加することによつてこれらを改善す
る。 本考案に使用される滑剤は写真感光材料に悪影
響を与えないことが必須である。さらに、容器の
透明性を問題になす程低下させず、容器成形時の
離型性にすぐれ、金型を腐食させない安価で入手
しやすい滑剤が好ましい。代表的な滑剤の種類と
しては高級脂肪酸系、シリコーン系、金属石けん
系、脂肪酸炭化水素系、脂肪酸アミド系がある。 本考案に特に好ましい滑剤の市販品名に次にあ
げる。 シリコーン系滑剤;ジメチルポリシロキサン各種
(信越シリコーン(株)製品、東レシリコーン(株)
製品) オレイン酸アミド系滑剤;アーモスリツプCP(ラ
イオン・アクゾ(株)製品)、ニユートロン(日
本精化(株)製品)、ニユートロン−p(日本精化
(株)製品)、アマイドO(日東化学(株)製品)、ア
ルフロ−E10(日本油脂(株)製品)、ダイヤミツ
ドO−200(日本化成(株)製品)、ダイヤミツド
G−200(日本化成(株)製品)等 エルカ酸アミド系滑剤;アルフローS−10(日本
油脂(株)製品)、ニユートロン−S(日本精化(株)
製品)等 ステアリン酸アミド系滑剤;アルフローP−10
(日本油脂(株)製品)、ニユートロン−2(日本
精化(株)製品)、ダイヤミツド200(日本化成(株)
製品)等 ステアリルエルカアミド系滑剤;SNT(日本精化
(株)製品)等 ビス脂肪酸アミド系滑剤;ビスアマイド(日本化
成(株)製品)、ダイヤミツド200ビス(日本化成
(株)製品)、アーモワツクス−EBS(ライオ
ン・アクゾ(株)製品)等 ベヘニン酸アミド系滑剤;BNT(日本精化(株)製
品)等 アルキルアミン系滑剤;エレクトロストツパー
TS−2〜TS−9(花王石鹸(株)製品)等があ
る。 滑剤は2種以上を混合して用いてもよいが、そ
の添加量は0.05〜1.5重量%であることが必須条
件である。0.05%未満では上記問題点を解決が困
難であり、写真フイルムパトローネ用容器本体と
しては実用化不可能である。一方、1.5重量%を
越えるとスクリユーのスリツプが発生するととも
に写真フイルムパトローネ用容器本体表面のベト
ツキ増加とそれによる異物付着及び写真フイルム
への転写が多くなり商品価値を低下させる等の問
題を生じる。その上、容器本体の透明度も低下す
る。 本考案の容器本体を形成している第3の必須成
分である1・3,2・4,ジベンジリデンソルビ
トールの化学構造式は で1モルのソルビトールに2モルのベンズアルデ
ハイドが結合したものである。 ソルビトールは糖アルコールとして非常に用途
の広い六価のアルコールであるが、これに酸触媒
の存在下でベンズアルデハイドを脱水縮合させた
ものである。 この誘導体として特に透明化効果の大きい化学
構造式を下に示す。 主成分であるα−オレフイン−ポリプロピレン
共重合体ポリプロピレン樹脂に使用する方法とし
てはドライブレンド方式やマスターバツチ方式が
あるがカサ比重が0.1±0.02という値でカサが高
く飛散しやすいので、そのまま配合することは困
難で、少量の分散剤か湿潤剤を入れて配合すると
良い。分散剤としては効果があるものの例として
は無水カルボン酸、高級脂肪酸等があり、本考案
のもう1つの必須成分であるオレイン酸アミド等
の滑剤は特に好ましい。 湿潤剤としてはDOP,DHP等の可塑剤が使用
できる。 1・3,2・4,ジベンジリデンソルビトール
又はこの誘導体をα−オレフイン・プロピレンラ
ンダム共重合体樹脂使用濃度の倍数〜数10倍にし
たマスターバツチ方式で添加するのが飛散防止、
低温成形でも分散が良好で且つ他の添加剤と完全
に分散させ混和することができ、添加が楽で安価
なので好ましい。添加量は、透明性向上、寸法安
定性改善、ヒケ防止、剛性改善のために0.05〜
1.5重量%、好ましくは0.2〜0.7重量%、特に好ま
しくは0.3〜0.5重量%である。 高級脂肪酸の純品を1・3,2・4,ジベンジ
リデンソルビトール又はこの誘導体の表面にコー
テイングしたり、ブレンドして分散効果を高め、
ブリードを防ぐことも好ましい。 本考案の容器本体には以上の必須成分の他の熱
可塑性樹脂を含めることができる。この熱可塑性
樹脂としては、主成分のα−オレフイン・プロピ
レン共重合体ポリプロピレン樹脂とよく混合し合
い、且つ本考案に必須の1・3,2・4ジベンジ
リデンソルビトール又はこの誘導体及び滑剤の添
加効果があるポリオレフイン樹脂が好ましい。こ
のポリオレフイン樹脂の中でも特に直鎖状低密度
ポリエチレン(以後L−LDPEと表示)樹脂が好
ましい。 このL−LDPE樹脂は、エチレンと炭素数が3
〜13個、好ましくは4〜10個のα−オレフインを
共重合させたコポリマーで線状の直鎖に短分岐を
もつた構造の低・中密度のポリエチレン系ポリマ
ーである。エチレン含有量が85〜99.5モル%、α
−オレフイン含有量が0.5〜15モル%のL−
LDPE樹脂が好ましい。 具体例を商品名で示せば、TUFLINとユニポ
ール(UCC社)、ダウレツクス(ダウケミカル
社)、スクレアー(デユポンカナダ社)、マーレツ
クス(フイリツプス社)、ネオゼツクスとウルト
ゼツクス(三井石油化学)、日石リニレツクス
(日本石油化学)、スタミレツクス(DSM社)、
NUCポリエチレン−LL(日本ユニカー)などが
挙げられる。α−オレフインとしてはブテン−
1、オクテン−1、ヘキセン−1,4−メチルペ
ンテン−1などが使用され、その量はポリマーの
0.5〜15%程度である。密度(ASTM試験法D−
1505)は、一般に底中圧法ポリエチレン程度とさ
れているが、市販品では0.87〜0.95の範囲内にあ
るものが多い。本考案に好ましく用いられるメル
トフローレート(MFR)(ASTM試験法D−
1238)は1〜50g/10のL−LDPE樹脂である。 これらのL−LDPE樹脂の中で特に好ましいの
はエチレン含有量が90〜99.5モル%、α−オレフ
インの含有量が0.5〜10モル%、メルトフローレ
ート(ASTM試験法D−1238)が5〜20g/10
分、密度(ASTM試験法D−1505)が0.91〜
0.935g/cm3、α−オレフインとしてはブテン−
1、ヘキセン−1,4−メチル−ペンテン−1、
又はオクテン−1のL−LDPE樹脂である。 商品名ではウルトゼツクス(三井石油化学)、
ダウレツクス(ダウケミカル社)、TUFLINとユ
ニポール(UCC社)、スタミレツクス(DSM
社)、TUFLIN(日本ユニカー)等である。 前記ポリプロピレン樹脂とL−LDPE樹脂の効
果のある混合割合は、ポリプロピレン樹脂が70〜
97.9重量%に対しL−LDPE樹脂が2〜29.9重量
%である。L−LDPE樹脂の混合量が2重量%未
満では5mからの落下強度がほとんど改良され
ず、混合経費だけコストアツプになり添加メリツ
トが少い。 又L−LDPE樹脂の混合量が29.9重量%以上で
は5mからの落下強度は大巾に良化しワレ発生率
が0%になるが圧縮強度、透明度、嵌合強度が低
下し糸ヒキ、ゲート残、変形が発生し、容器のす
べりが悪くなりブロツキングが発生し好ましくな
い。これらの点からもつとも好ましいL−LDPE
樹脂の混合量は3〜18重量%である。 本考案の容器本体には前記熱可塑性樹脂の他各
種の添加剤を必要に応じて必要量添加することが
できる。 添加剤の代表例を以下に記載するが本考案はこ
れに限定されるものではなく公知のあらゆる物の
中から選択できる。 (添加剤種類) (代表例) (1) 可塑剤;フタル酸エステル、グリコールエス
テル、脂肪酸エステル、リン酸エステル等 (2) 安定剤;鉛系、カドミウム系、亜鉛系、アル
カリ土類金属系、有機スズ系等 (3) 帯電防止剤;陽イオン活性剤、アニオン活性
剤、非イオン活性剤、両面活性剤等 (4) 難燃剤;燐酸エステル、ハロゲン化燐酸エス
テル、ハロゲン化物、無機剤、含燐ポリオール
等 (5) 充填剤;アルミナ、カオリン、クレー、炭酸
カルシウム、マイカ、タルク、酸化チタン、シ
リカ等 (6) 補強剤;ガラスロービング、金属繊維、ガラ
ス繊維、ガラスミルドフアイバー、炭素繊維等 (7) 着色剤;無機顔料(Al,Fe2O3、炭酸カルシ
ウム、クレー、TiO2,ZnO,CdS等)、有機顔
料(カーボン)、染料、等遮光性質としての役
割をはたすものが多い。 (8) 発泡剤;無機発泡剤(炭酸アンモニア、重炭
酸ソーダ)有機発泡剤(ニトロソ系、アゾ系)
等 (9) 加硫剤;加硫促進剤、促進助剤等 (10) 劣化防止剤;紫外線吸収剤、酸化防止剤、金
属不活性化剤、過酸化物分解剤等 (11) カツプリング剤;シラン税、チタネート
系、クロム系、アルミニウム系等 本考案の容器本体の形状はフイルムパトローネ
を収容しうるものであれば特に限定されるもので
はないが、キヤツプとの嵌合密閉性を充分に発揮
しかつキヤツプの着脱が容易なものがよく、その
点で例えば第1図の例、第2図の例及び第3図の
例のものは好適である。特に、第1図及び第2図
のものは片手で容易に開蓋できる利点がある。容
器本体1の肉厚は従来品より薄くすることがで
き、例えば周壁部2の肉厚は0.5〜1.2mm、好まし
くは0.7〜1.0mm程度が適当である。なお、キヤツ
プ3の材質は容器本体1のこれらの機能を充分に
発揮させるために容器本体1より柔軟なものがよ
く、例えば低密度ポリエチレン樹脂は好適であ
る。 一般には、フイルムパトローネ容器はさらにフ
イルム使用説明書とともに外箱である紙箱に収納
して商品化されているが、本考案の容器本体は透
明性にも特徴を有しているところから、この外箱
を兼用させることによつて、その特徴をさらに発
揮させ、あわせてコストダウンをはかることがで
きる。このような用途に供する容器本体の例を第
4〜6図に示す。第4図は円筒形、第5図は4角
筒形、そして第6図は外形が4角で収納部が円形
の例である。 容器本体は通常は射出成形によつて製造すれば
よい。射出成形方法は特に限定されるものではな
く、例えば金型内真空法によつてもよい。金型
は、1個取りよりも多数個取りのもの、例えば1
金型で12個以上の容器本体を一体に形成しうるも
のを用いるほうが効率的である。又スタツクモー
ルド(2重積金型等)等の多段金型を用いるとさ
らに効率的である。 射出成形する場合には、第1図、第2図及び第
3図に示すように、樹脂注入口部4に樹脂の突出
部(ゲート跡)5が残るところから、この樹脂注
入口部4は底部6から0.5〜5mm程度、好ましく
は1〜3mm程度凹ませて設けられるが、特に本考
案の容器本体1を製造する場合にはこの部分4に
ピンホールを生じやすいことを本考案者は見出し
た。これを避けるために樹脂注入口部4付近は図
示のように底部7の平均厚さより厚くすることが
好ましい。このことは、容器本体1の厚さを薄
く、例えば0.7mm以下にした場合には特に重量で
ある。容器本体1の厚さを0.9mm以下にする場合
は圧縮強度向上、嵌合度向上、防湿性向上の為第
1図及び第2図のように嵌合部8を周壁部2より
5%以上厚肉にすることが好ましい。 容器本体の成形方法は射出成形に限定されない
ことはもとよりであり、必要によりインジエクシ
ヨンブロー成形、又はブロー成形などで成形して
もよい。 〔作用〕 本考案の容器本体は、材料の強度が大きく、成
形性が良好で透明度と剛性が大巾に向上し、落下
強度が大巾に良化するところから薄肉にすること
ができ、しかもキヤツプとの嵌合密閉性が良好で
ある。これらの結果、商品価値が大巾に向上し、
使用する樹脂の量の節減をはかることができる。
さらに、樹脂の流動性が良好であるところから、
成形速度を高めかつ成形不良品の発生を少なくす
ることができる。この結果、成形サイクルを大巾
に短縮可能なので安価で、落下強度や剛性の大き
い、透明度や嵌合密閉性等の品質も良好な、成形
故障が大巾に減少した品質的にも好ましい写真フ
イルムパトローネ用容器本体が得られた。 〔実施例〕 成形機として住友重機製ネスタール(商品名)
を用い、型締圧150t、取り数24ケ、ランナー形式
はホツトランナーとして第4図に示す形状で側壁
の厚さ0.8mmの写真パトローネ用容器本体を成形
した。 従来品としてはプロピレン単位の含有率が98
モル%、エチレン含有量が2モル%のプロピレン
エチレンランダム共重合体樹脂よりなり、MFR
が12.0g/10分、曲げ弾性率11000Kg/cm2、20℃
におけるノツチ付のアイゾツト衝撃強度が3.5
Kg・cm/cmであり、滑剤としてオレイン酸アミド
を0.2重量%含み、造核剤を含まないランダムタ
イプポリプロピレン樹脂を用いた。 従来品としてはMFRが10g/10分のホモタ
イプポリプロピレン樹脂製容器本体を用いた。 比較品としてはプロピレンの含有が96モル
%、エチレン含有量が4モル%のプロピレン系ラ
ンダム共重合体樹脂よりなり、MFRが40g/10
分、曲げ弾性率8700Kg/cm2、20℃におけるノツチ
付のアイゾツト衝撃強度が3.7Kg・cm/cmであり、
滑剤と造核剤を含まないランダムタイプのポリプ
ロピレン樹脂を用いた。 比較品としては本考案品の改質剤の分散剤
及び滑剤としての2つの働きをするオレイン酸ア
ミドの含有量を0.3重量%から0重量%とした他
は、本考案品と同一のランダムタイプのポリプ
ロピレン樹脂を用いた。 本考案品としてはプロピレンの含有量が96モ
ル%、エチレン含有量が4モル%のエチレン・プ
ロピレンランダム共重合体ポリプロピレン樹脂
99.3重量%と下記改質剤の分散剤としての働きも
かねる滑剤のオレイン酸アミドを0.3重量%、改
質剤として1・3,2・4ジベンジリデンソルビ
トールを0.4重量%を含むランダムタイプのポリ
プロピレン樹脂を用いた。 本考案品としてはプロピレン含有量が96モル
%、エチレン含有量が4モル%のエチレン・プロ
ピレンランダム共重合体プリプロピレン樹脂99.5
重量%と下記改質剤の分散剤としての働きもかね
る滑剤のオレイン酸アミドを0.3%、改質剤とし
て下記構造式の ジベンジリデンソルビトール誘導体を0.2重量%
を含むランダムタイプのポリプロピレン樹脂を用
いた。 本考案品としてはプロピレン単位の含有量が
98モル%、エチレン含有量が2モル%のエチレ
ン・プロピレンランダム共重合体ポリプロピレン
樹脂90重量%とα−オレフインが4メチルペンテ
ン−1であるL−LDPE樹脂9.5重量%と下記改
質剤の分散剤としての働きもかねる滑剤のオレイ
ン酸アミドを0.3重量%、改質剤としては本考案
品と同一のジベンジリデンソルビトール誘導体
を0.2重量%含むランダムタイプのポリプロピレ
ン樹脂を用いた。 これら6種の写真フイルムパトローネ用容器本
体を次の評価方法により各特性と比較した結果を
第1表及び第2表に示す。 次に、造核剤及びポリプロピレン樹脂の種類を
変えた本考案品〜及び比較品〜Xについて
比較検討した結果を示す。 第3表に示すように、本考案品〜及び比較
品〜は、αオレフインがエチレンでありエチ
レン含有量が3.5モル%、MFRが32g/10分、密
度が0.90g/cm3のプロピレン・エチレンランダム
共重合体樹脂(比較品)をベースレジンとし、
種々の造核剤と造核剤の分散剤及び/又は湿潤剤
を所定量ドライブレンド後、ヘンシエルミキサー
で良く混合した。この混合樹脂組成物を二軸混練
押出機(池貝鉄工製POM−30)を用い、樹脂温
度250℃でヘツド化した。このペレツトを用いて
前述の成形機と金型を用い、第1図に示す写真フ
イルムパトローネ用容器本体を射出成形方法によ
り成形した。 また比較品及び比較品も同様に、ベースレ
ジンの比較品、比較品に第3表に示した造核
剤と造核剤の分散剤及び/又は湿潤剤を指定量ド
ライブレンド後、ヘンシエルミキサーで良く混合
した。この混合樹脂組成物を二軸混練押出機(池
貝鉄工製POM−30)を用い、樹脂温度250℃でヘ
ツド化した。このペレツトを用いて上述の成形機
と金型を用い、第1図に示す写真フイルムパトロ
ーネ用容器本体を射出成形方法により成形した。 これら10種の写真フイルムパトローネ用容器本
体を後述の評価方法と試験方法により各特性を比
較した結果を第3表及び第4表に示す。同表から
明らかなように、本発明に使用する1・3,2・
4ジベンジリデンソルビトール及びこの誘導体以
外の有機造核剤であるジベンジリデンソルビトー
ルを用いた比較品は、ブリードアウトしやす
く、曲げ弾性率の向上効果、アイゾツト衝撃強度
向上効果が共に小さく、透明度向上効果もやや小
さい。その結果、5mから落下した時のワレ発生
率が大きくなり、透明度が小さくなりHAZEが大
きくなる。また、圧縮強度や嵌合度が小さくな
り、防湿性や保護性が低下する。さらに、底ヒ
ケ、糸ヒキ等の成形故障も散発し、無選化が困難
になり、かつ成形サイクルも長くなる。 また、他の有機造核剤であるp−t−ブチル安
息香酸アルミニウムを用いた比較品は、ジベン
ジリデンソルビトールを用いたものよりは曲げ弾
性率の向上効果やアイゾツト衝撃強度向上効果等
は大きいが、本考案品に用いた有機造核剤より
は劣るうえに、ジベンジリデンソルビトールより
透明度向上効果が小さく、HAZEが大きく商品価
値が低下する。また、底ヒケ、糸ヒキ等の成形故
障も散発し無選化が困難になり、かつ成形サイク
ルも長くなる。 さらにまた無機造核剤である炭酸カルシウムを
用いた比較品は、上記有機造核剤と同一添加量
(0.2重量%)では添加効果が非常に小さくなる。 ホモタイプのポリプロピレン樹脂を用いた比較
品とは衝撃強度が小さく、5mから落下時の
ワレ発生率が大きく、透明度が小さく、HAZEが
大きく高品質を要求され、商品価値を重視する写
真フイルムパトローネ用容器本体に実用化するに
はさらに改善を要する。 予想外であつては、本考案品の限定されたプ
ロピレン・αオレフインランダム共重合体樹脂
に、本考案品の限定された有機造核剤である
1・3,2・4ジベンジリデンソルビトールの誘
導体である1・3,2・4ジ(パラ・エチルベン
ジリデン)ソルビトールを0.2重量%とオレイン
酸アミド0.1重量%とステアリン酸カルシウム0.2
重量%を含む樹脂組成では、曲げ弾性率向上効
果、アイゾツト衝撃向上効果、透明度向上効果が
予想以外に大きかつたのに対し、ホモポリプロピ
レン樹脂に同一の添加剤を同一量添加した比較品
ではこれらの特性の向上効果が半分以下に減少
したことである。比較品の成形サイクルが予想
外に短くなつているのは、オレイン酸アミドの添
加効果がほとんどである。さらにまたプロピレ
ン・エチレンブロツク共重合体樹脂を用いた比較
品とは衝撃白化が多く、透明度が非常に悪
く、HAZEが非常に大きく、高品質、高品価値を
重視する写真フイルムパトローネ用容器本体に実
用化するにはさらに改善を要する。比較品の成
形サイクルが予想外に短くなつているのと、底ヒ
ケが良化しているのは、オレイン酸アミドの添加
効果がほとんどである。 本考案品の1・3,2・4ジ(パラ・エチル
ベンジリデン)ソルビトール造核剤と、オレイン
酸アミドとステアリン酸カルシウムを用いた写真
フイルムパトローネ用容器本体は、上記比較品に
比較して物理特性向上効果が大きく、透明度が非
常に良好で、成形故障がほとんど発生しない優れ
たものであつた。さらに、本考案品のステアリ
ン酸カルシウムの代わりに、ジメチルポリシロキ
サンを用いた本考案品は透明度の向上効果がや
や減少した他は、本考案品よりさらに各種特性
の向上効果が大きいものであつた。本考案品は透
明性が非常に優れているので着色剤を添加した場
合は色の“さえ”が優れ、美しい商品価値の高い
着色写真フイルムパトローネ用容器本体であつ
た。 以上の実施例は本考案の写真フイルムパトロー
ネ用容器本体として好ましい実施態様の代表例を
示したものであるが、本考案はこれらに限定され
るものではない。 例えば遮光性確保や製品色別の為にカーボンブ
ラツクやアルミ粉末、アルミペーストその他の着
色顔料や酸化チタンや炭酸カルシウム等の白色顔
料や、着色材料、着色繊維等をポリプロピレン樹
脂と混合して着色した写真フイルムパトローネ用
容器本体としてもよく、又絵や文字を印刷しても
インモールド加飾してもよい。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
〔考案の効果〕
比較品は、本考案品と異なり分散剤及び/
又は湿潤剤を用いなかつたためにカサ比重が0.1
のジベンジリデンソルビトール誘導体が周囲に飛
散し、且つジベンジリデンソルビトール誘導体が
粉末状のためポリプロピレン樹脂ペレツトに均一
に付着せず底部にたまり、樹脂中に不均一に分散
された結果、強度や透明度等にムラが発生し実用
化困難であつた。一方、本考案の写真フイルムパ
トローネ用容器本体は、分散剤及び/又は湿潤剤
を用いて分散させた1・3,2・4ジベンジリデ
ンソルビトール又は誘導体を用いたので非常に透
明で、アイゾツト衝撃強度が大きく、その結果落
下強度が非常に大きく(5mから落下時のワレ発
生率が非常に小さい)加工工程や物流工程でも容
器本体のワレが発生しなくなる。しかも、キヤツ
プとの嵌合強度や嵌合密封性が良好である。 エチレン(α−オレフインも含む)含有量を多
くして落下衝撃強度を非常に良化したにもかかわ
らず圧縮強度や容器本体内壁の耐摩耗性も低下し
ない。成形に際しては、成形収縮率が少なくて寸
法安定性が良好であるばかりでなく、糸ヒキやキ
ズの発生も少なく、製品取り出し性も良好であ
る。成形性にすぐれたており、金型と容器の離型
性や成形直後の滑りも良好である。 樹脂の流動性が良好であるところから、シヨー
トシヨツトの発生や底ヒケも少なく、成形サイク
ルを短縮しかつ成形不良品の発生を少なくするこ
とが出来る。 上記の特性により容器本体を肉薄にしても所定
の強度を確保することができ、容器本体の透明度
を大巾に向上させて商品価値を高めながらコスト
ダウンが達成できる。この容器本体を外箱と兼用
させることによつてコストダウンをはかるととも
に商品に斬新さを付与し、さらには内容物を確認
できる安心感を需要者に与えることもできる。外
面に印刷を施して商品価値を向上させたり、説明
文を付与することも有効である。 本考案に係る写真フイルムパトローネ用容器本
体は透明でなくともよく、金属粉末や顔料や染料
を添加した判透明又は不透明にした写真フイルム
パトローネ用容器本体として使用してもよく剛
性、落下強度が透明写真フイルムパトローネ用容
器本体よりさらに向上し、従来品に比較して非常
にすぐれている。
【図面の簡単な説明】
図面はいずれも本考案の実施例を表わすもので
あり、第1図、第2図及び第3図は容器本体及び
キヤツプの断面図である。第4〜6図は外箱を兼
用させた例の斜視図である。 1……容器本体、2……周壁部、3……キヤツ
プ、4……樹脂注入口部、5……樹脂注入口(ゲ
ート)跡、6……底面表面、7……底部。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) メルトフローレートが16〜80g/10分、密度
    が0.89〜0.92g/cm3のα−オレフインを1モル
    %〜10モル%含むα−オレフイン・プロピレン
    ランダム共重合体ポリプロピレン樹脂を70〜
    99.9重量%、滑剤を0.05〜1.5重量%、分散剤及
    び/又は湿潤剤を用いて分散させた1・3,
    2・4ジベンジリデンソルビトール又はこの誘
    導体を0.05〜1.5重量%含むポリプロピレン樹
    脂を用いて形成され、周壁部の平均厚さが0.5
    〜1.2mmの写真フイルムパトローネ用容器本体 (2) α−オレフイン・プロピレンランダム共重合
    体ポリプロピレン樹脂のα−オレフインがエチ
    レンである実用新案登録請求の範囲第1項記載
    の写真フイルムパトローネ用容器本体 (3) 滑剤が脂肪酸アミド系滑剤、アルキルアミン
    系滑剤又はジメチルポリシロキサンの内の1以
    上である実用新案登録請求の範囲第1項または
    第2項記載の写真フイルムパトローネ用容器本
    体 (4) ポリオレフイン樹脂が29.9重量%以下含まれ
    ている実用新案登録請求の範囲記載の写真フイ
    ルムパトローネ用容器本体 (5) ポリオレフイン樹脂が中・低圧法直鎖状低密
    度ポリエチレン樹脂である実用新案登録請求の
    範囲第4項記載の写真フイルムパトローネ用容
    器本体 (6) 中・低圧法直鎖状低密度ポリエチレン樹脂が
    エチレンとα−オレフインがブテン−1,4メ
    チルペンテン−1、ヘキセン−1又はオクテン
    −1の共重合体樹脂である実用新案登録請求の
    範囲第5項記載の写真フイルムパトローネ用容
    器本体 (7) 該ポリプロピレン樹脂中には着色剤を含むこ
    とを特徴とする実用新案登録請求の範囲第1、
    2、3、4、5又は6項記載の写真フイルムパ
    トローネ用容器本体 (8) 該容器本体の外形が4角であることを特徴と
    する実用新案登録請求の範囲第1、2、3、
    4、5、6又は7項記載の写真フイルムパトロ
    ーネ用容器本体 (9) 該容器本体の外面に印刷を施したことを特徴
    とする実用新案登録請求の範囲第1、2、3、
    4、5、6、7又は8項記載の写真フイルムパ
    トローネ用容器本体。
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