JPH0438074B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は磁気テープ等のテープを収納する平行
２リールタイプのテープカセツトに関し、特に記
録、再生などの使用時に、テープカセツトの外部
に磁気テープを引出して使用するに最適なテープ
カセツトに関するものである。

従来例の構成とその問題点 家庭用のビデオテープレコーダとして回転ヘツ
ド方式が採用されて久しいが、周知の如く、回転
ヘツド方式ビデオテープレコーダ（以下、VTR
と略称する）は磁気テープ（以下、、テープと称
する）を収納したテープカセツトよりテープを引
き出し、ビデオヘツドを内蔵し高速に回転するガ
イドドラムにテープを巻付けて走行を案内し、映
像信号などの記録、再生を行なう装置である。

例えばVHS，β方式などにおけるテープカセ
ツトはテープを巻回した２個のリールを同一平面
内に２個平行に並べて収納するようにした扁平状
の筐体からなり、その一側面に開口部を設け、テ
ープの外部への引出しが可能になつている。テー
プがカセツト内に収納されている時、テープの表
面に塵等が附着したり、手が触れることをさける
為に、テープカセツトケースの所定の位置に回動
支点を有した回動板が開口部を覆う蓋としてテー
プを保護している。

ところで、VHS，β方式に用いられるテープ
の種類はγ−Fe₂O₃を主体とした酸化鉄を使用し
たテープであり、湿気に対する錆などには強いテ
ープであつた。しかしながら、VTRの普及に伴
い、装置の小型化、高性能化が求められるに従
い、テープの発達が促され、最近では純鉄粉を塗
布する所謂メタルテープ、また、Ni−Coを蒸着
する所謂蒸着テープが次世代テープの主流になろ
うとしている。しかしながらメタルテープ、蒸着
テープを用いたVTRは小型高画質化がもたらさ
れる反面、対テープの取扱い、保護も従来の酸化
鉄テープに比べて注意が望まれる。特にテープに
塵がつくこと、人の手が触れることなど、未使用
時のテープカセツト単体で取扱う時のテープ保護
に注意が望まれる。

周知のように、VHS，β方式カセツトではテ
ープカセツトのテープ引き出し開口部に一枚の回
動板を蓋として設け、テープカセツト外部からの
保護を考えてきた。ところが、VHS，β方式カ
セツトは、カセツト底面にVTRにセツトした時、
テープ引き出し用部材が挿入される開口部（切欠
部）があり、その開口部からは故意にテープに人
手など触れることは可能であつた。先頃規格を発
表し、メタルテープ、蒸着テープを採用した８ミ
リビデオでは従来の問題点を考え併せて、そのテ
ープカセツトに工夫をこらしている。特にテープ
カセツト開口部の覆いとして、第１図ａ，ｂに原
理的に示すように、VHS，β方式同様にテープ
カセツト１の所定の位置に設けられた支点を中心
に回動する第１の回動板２に加えて、第２の回動
板３を設けている。そして人手に触れ易い箇所の
テープ４を、第１の回動板２と第２の回動板３を
第１図ａに示すテープカセツト使用時から第１図
ｂに示すテープカセツト未使用時に際して矢Ａ方
向に回動させ、間に挾み込むことによつて、テー
プ４を人手に触れることからの保護を図つたもの
である。すなわちテープカセツト底面の開口部５
からは第２の回動板３によつてさえぎられてテー
プ４には直接人手は触れることはできない。

しかしながら、第１図に示した構成では、第１
の回動板２と第２の回動板３がテー保護の為に、
テープ４を間に挾む様にして回動する時、もしテ
ープ４が所定の張力を持つて直線状に張つておれ
ば問題がないが、何らかのアクシデントで、テー
プ４が弛んでいて長手方向にカールしていた場合
には、上記２つの回動板２，３の先端がテープ４
を押しつぶすことになり、挾み込みができない場
合があるという欠点を有していた。

発明の目的 本発明の目的は塞芥や人の手指の接触を嫌うメ
タルテープや蒸着テープなどを利用する際、簡単
な構成でこうした点を解決し、同時に外観上もす
つきりとしたテープカセツトを提供せんとするも
のである。

発明の構成 本発明のテープカセツトはテープリールを内蔵
したカセツトの一側面部に形成した開口部と、テ
ープを上記カセツトの外部に引き出すためのテー
プ引き出し部材を上記カセツト内部に挿入するた
めに上記開口部と連続して上記カセツトの下面部
に設けた第１の切欠部と、上記開口部と連続して
上記カセツトの上面部に設けた第２の切欠部と、
上記開口部に沿つて張架したテープの前面部を覆
う回動自在な第１の回動蓋と、上記開口部の近傍
で枢支され、テープの後面部を覆う回動自在な第
２の回動蓋と、上記第１の回動蓋の開閉動作を連
動して上記第２の回動蓋の開閉動作を行なわしめ
る連動手段とを具備し、上記第１および第２の回
動蓋の閉成時、上記第２の切欠部を覆う如く、上
記第１の回動蓋に被覆手段を設けたものであり、
これにより、テープ引出し状態からテープをカセ
ツト内に収納する際、テープを挾み込む回動蓋に
よつてテープに損傷を与えることなく、また回動
蓋の閉成時にはテープに塵埃が付着したり人手に
触れたりすることなく確実なテープ保護が可能
で、しかも回動蓋の開成時のカセツト高さを低く
できるため、装置の小型化もはかることのできる
テープカセツトを実現しうる。

実施例の説明 以下、本発明の実施例について、図面を参照し
ながら説明する。

第２図は本発明の一実施例に係るテープカセツ
トの平面図であり、第３図はその側面図である。
第２図，第３図から明らかなように、テープカセ
ツト６は、その外観が扁平状の筐体（カセツト）
となつており、そのテープカセツト６内には磁気
テープ７の始端あるいは終端をそれぞれ固定し
て、その周囲にテープを巻回した１対のテープリ
ール８および９が同一平面に２個並んで収納され
ている。扁平状のテープカセツト６の厚み方向の
３箇所の側面部１０，１１，１２はテープ７を外
界から保護すべく壁面部が形成されているが、一
側面は壁面の無い開口部１３となつており、この
開口部１３からテープ７を外部に引き出すことが
できる。ところで、通常、テープカセツト６の未
使用時、即ちテープ７を引き出さない時は、テー
プ７の保護のために開口部１３は第１の回動蓋１
４によつて開口部１３を覆つている。

第４図は第２図のＸ−Ｙ線の断面図で、テープ
カセツト６の未使用時の内部を示したものであ
る。また、第５図も第２図のＸ−Ｙ線の断面図
で、テープカセツト６の使用時の内部を示したも
のである。第６図は本実施例の主要部の分解斜視
図である。本実施例によるテープカセツト６は、
１対のテープリール８，９（但し、第４図，第５
図にはテープリール８は示されていない）にフラ
ンジを有しないタイプ、所謂フランジレスリール
である。即ち、テープリール９はテープリール９
の巻胴１５の外周にテープを巻回しているのみで
ある。また、テープリール９は軸方向の両端部に
巻胴１５より小径なボス部１６，１７を有してい
る。前記ボス部１６，１７はカセツトの筐体の上
下内側の扁平面部に設けられた上側凹部１８、下
側凹部１９に弛やかに挿入係合していることによ
り、テープカセツト６の内部でのテープリール９
の平面方向の位置が弛やかに規制されている。前
記ボス部１６，１７の端面部とカセツトの上側凹
部１８，下側凹部１９の間には弗化樹脂製シート
などの潤滑性のあるスライト受けシート２０，２
１が介在してテープリール９の回転時の滑らかさ
を保証している。また、前記巻胴１５の両端面部
には、巻胴１５を挾むように軽く接する位置に２
枚の長方形の弗化樹脂製シート等の潤滑性のある
シート２２，２３が配設されており、テープ７が
テープリールに巻かれた際の乱巻、段落ちなどで
の巻乱れ時の規制手段としての役割を果してい
る。

ところで、カセツト未使用時には、テープ７
は、前記開口部１３より後部の位置２４で枢支さ
れ、前記開口部１３を覆う前記第１の回動蓋１４
と、前記開口部１３近傍でかつテープ７の略々上
方にある位置２５で枢支された回動自在な第２の
回動蓋２６によつて挾み込まれている。また、上
記第１の回動蓋１４の内面部には、突起した軸２
７，２８を有する２つの係合部材２９，３０が形
成されており、上記突起した軸２７，２８は、上
記第２の回動蓋２６の後部に形成されている２つ
の長穴状の案内溝３１，３２と係合している。

また、テープカセツト６には、テープ７をテー
プカセツトの外部に引き出すためにテープレコー
ダ側に設けた引き出し部材３３をカセツト内部に
導入するために、上記開口部の下方に連続した第
１の切欠部３４と、前記第１の切欠部と対向して
上方に第２の切欠部３５が形成されており、上記
第１の回動蓋１４には上記第２の切欠部を覆う如
く可撓性材料から成る被覆手段３６が設けられて
いる。

カセツト使用時には、第５図に示すように適当
な蓋押し上げ手段（図示せず）によつて上記第１
の回動蓋１４が回動（矢印Ｂ）し、その回動に従
つて上記第１の回動蓋１４に設けられた上記被覆
手段はたわみつつ上記テープカセツト６の上面３
７に沿つて後退してゆく。また、上記第１の回動
蓋１４に連動して、上記第２の回動蓋２６が２５
の位置を中心として後上方（矢印Ｃ）へ回動さ
れ、上記テープ引き出し部材３３をテープ７の後
方の空間領域３８に下方から挿入することによ
り、テープ７の引き出しが可能となる。

逆に、カセツトの使用をやめる際は、上記テー
プ引き出し部材３３を上記空間領域３８からカセ
ツト外に取り出し、上記蓋押し上げ手段（図示せ
ず）を下げることにより、上記第１の回動蓋１４
がテープ７の前面を覆うように回動し、これに連
動して上記第２の回動蓋２６がテープ７の後面を
覆うように回動して、第４図のような状態とな
る。従つて、カセツト未使用時には、テープ７は
上記第１の回動蓋１４と上記第２の回動蓋２６に
よつて囲まれているので、人の手がテープに触れ
たり、塵埃等が付着することはない。しかも、カ
セツト使用状態からカセツト未使用状態に移る
際、切欠部のテープ７が少々たるんでいても、上
記第１の回動蓋１４や上記第２の回動蓋２６がテ
ープ７をひつかけてテープを損傷させることはな
い。

さらに、上記可撓性材料から成る被覆手段３６
を、上記第１の回動蓋１４に設けることにより、
上記第１の回動蓋１４の回動中心の位置をより上
記開口部１３側へ（下方へ）持つてくることがで
きるので、上記第１の回動蓋１４の開成時のカセ
ツト高さをより低く押えることができ、例えばビ
デオテープレコーダ等の装置を小型化にすること
ができる。また、上記第１の回動蓋１４に設けら
れた可撓性材料から成る被覆手段３６は、可撓性
材料の持つ弾性力を利用することにより、上記第
１の回動蓋を反時計方向すなわち閉蓋させようと
する方向に回動させる回動付勢手段として用いる
ことができるため、上記第１の回動蓋１４を反時
計方向に回動付勢するための、例えばバネ等の回
動付勢部材を別に設ける必要がなく、カセツトの
部品点数削減に役立ち、しいては、コストダウン
のにつながる役目も果すことができる。尚、本発
明の実施例は、上記被覆手段３６として、可撓性
部材を用いたものについて説明してきたが、例え
ば上記被覆手段として、剛性の強い材料を用い、
第４図に示す３８の位置近傍に回動支点を持たせ
ることによつても、本発明を具現化することがで
きることは言うまでもない。

発明の効果 以上の説明から明らかなように本発明のテープ
カセツトは簡単な蓋構造で、切欠部のテープを人
の手や塵埃から保護することができる。また、回
動蓋が開いている時は、第１の回動蓋と第２の回
動蓋とで形成される空間の開口が大となるように
構成してあるので、回動蓋の閉成時に切欠部のテ
ープが少々たるんでいても、回動蓋がテープをひ
つかけて損傷させることもない。また、回動蓋の
開成時、カセツト高さをより低く押えることがで
きるので、装置を小型化することができる。さら
に被覆手段を第１の回動蓋と一体的に設けたの
で、例えば第２図に示すように上面からの外観が
シンプルで、すつきりとしたカセツトとすること
ができる。また被覆手段を第１の回動蓋の回動付
勢手段として兼用させることにより、カセツトの
部品点数削減にもなりカセツトのコストダウンに
もつながるすぐれた効果も有する。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ，ｂは従来のテープカセツトの開蓋状
態および閉蓋状態における要部概略断面図、第２
図は本発明の一実施例に係るテープカセツトの平
面図、第３図はその側面図、第４図および第５図
はそれぞれ閉蓋状態および開蓋状態における第２
図のＸ−Ｙ線断面図、第６図は本実施例の主要部
の分解斜視図である。 ６…テープカセツト、７…テープ、８，９…テ
ープリール、１４…第１の回動蓋、２６…第２の
回動蓋、２９，３０…係合部材、３１，３２…案
内溝、３４…第１の切欠部、３５…第２の切欠
部、３６…被覆手段。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ テープリール８，９を内蔵したカセツト６の
   一側面部に形成した開口部１３と、 テープ７を上記カセツト６の外部に引き出すた
   めのテープ引き出し部材３３を上記カセツト内部
   に挿入するために上記開口部と連続して上記カセ
   ツト６の下面部に設けた第１の切欠部３４と、 上記開口部と連続して上記カセツト６の上面部
   に設けた第２の切欠部３５と、 上記開口部１３に沿つて張架したテープ７の前
   面部を覆う回動自在な第１の回動蓋１４と、 上記開口部１３の近傍で枢支され、テープ７の
   後面部を覆う回動自在な第２の回動蓋２６と、 上記第１の回動蓋１４の開閉動作に連動して上
   記第２の回動蓋２６の開閉動作を行わしめる如
   く、上記第１の回動蓋１４に形成された係合部材
   ２９，３０と、この係合部材２９，３０と係合す
   るよう上記第２の回動蓋２６に形成された案内溝
   ３１，３２とを具備し、 上記第１，第２の回動蓋１４，２６の閉成時、
   上記第２の切欠部３５を覆う如く、上記第１の回
   動蓋１４に被覆手段３６を設けたことを特徴とす
   るテープカセツト。 ２ 被覆手段として可撓性部材を第１の回動蓋に
   設けたことを特徴とする特許請求の範囲第１項記
   載のテープカセツト。 ３ 可撓性部材のもつ弾性力を用いて、被覆手段
   を第１の回動蓋の回動付勢手段として兼用させた
   ことを特徴とする特許請求の範囲第２項記載のテ
   ープカセツト。