JPH043695Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、プレス型においてワークの位置決め
を行なうための可動ゲージに関するものである。

（従来の技術） プレス型においては、ワーク（素材または前工
程で加工された半完成パネルをいう。以下同じ）
を正しく型内にセットするためにゲージを使用す
る。このゲージはワークの加工が行なわれる箇所
の近傍に設けられるため、上型が下降するときこ
れに当たることがある。そこでこれを避けるため
に種々の構造でゲージを動くようにして、上型が
下降するときに当たらないようにすることが従来
から行なわれている。その一例としてはシリンダ
を用いたものやカムを用いたものがある。シリン
ダを用いたものは構造を簡単にすることができる
反面、耐久性やゲージ駆動に必要な空間や設備費
の点でカム式のものに比べ不利となり、一方、カ
ム式のもの（実開昭58−28730号、実開昭58−
81036号等参照）はカムに比べ軽量なゲージを駆
動するものであるにもかかわらず固定カムからの
衝撃を受けるため受動カムは高い剛性を確保する
必要があり、大きな形状にしなければならなかつ
た。

（考案が解決しようとする問題点） カムの剛性を高めるためには構成部品を大きく
しなければならない問題がある。このため大きな
空間を必要とするのでプレス型全体の小型化と型
費の低減を阻むことになつた。この問題を解決す
るための一つの提案が本出願人によつて既に実用
新案登録出願が成されている（実開昭61−77132
号参照）。本考案はこの考案と同じ目的を、他の
構造で果たすようにしたものである。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、上記目的を達成するための手段とし
て、プレス型に固定したブラケツトに平行リンク
の一端を軸着すると共に、該平行リンクの一部に
ローラを設けて上型にに取付けたカムに当接さ
せ、該平行リンクに、前記ローラがカムに常時接
する方向の付勢をし、該平行リンクの他端に、一
端に製品案内プレートを取付けたゲージを軸着し
た構成としたものである。

（作用） このような構成とすれば、上型が下降すること
により、上型に取付けたカムと、このカムによつ
て案内されるローラとにより、平行リンクが変位
するので、この平行リンクに軸着されたゲージも
上型を避ける方向に移動することになる。したが
つて非常に簡単な構成で所期の目的を達成できる
ことになる。

（実施例） 次に、本考案の一実施例を図について説明する
と、１はブラケツトであつてプレス型の下型に取
付けられたものである。このブラケツト１には軸
２，３により、同じ長さの２本のリンク４，５の
下端が軸着されている。リンク４，５の上端は軸
６，７により、ゲージ８と一体のゲージ取付プレ
ート８ａに軸着されている。軸２，３と軸６，７
とは同じ間隔になつており、したがつてリンク
４，５は平行リンクを形成する。ゲージ８には製
品案内プレート９が取付けられている。平行リン
クの一部を形成するリンク５にはローラ１０が回
転自在に軸着されている。このローラ１０は、上
型に取付けられているカム１１のガイド面に当接
している。そしてリンク５の一部とブラケツト１
との間にはリンク５を左方に付勢する（引く）ス
プリング１２が設けられている。ブラケツト１に
はその一部を突出させてストツパ１３が設けられ
ており、リンク５が図における左方に傾斜したと
き、その一部に当接するようになつており、リン
ク５の左方へ傾斜を規定している。

このように構成されたこの装置は、次のように
作動する。製品案内プレート９が図に実線で示す
位置にあるときは、カム１１が下降したときであ
り、カム１１が上昇すると図に破線で示すように
左方に移動することになる。前述のようにカム１
１はプレス型と共に移動するので、プレス型が下
降したときに製品案内プレート９はカム１１に近
接しており、プレス型が上昇すると左方に移動し
て、その左側にある図示しないワークを左方に押
して揃えることになる。これによりワークがプレ
ス型の下降に支障を生ずることがない。なお、リ
ンク５はスプリング１２によつて常時図における
左方に引かれているので、ローラ１０はカム１１
のカム面に常に圧接し、製品案内プレート９の移
動は上型の昇降に連動して自動的に行なわれる。

（考案の効果） 本考案は以上説明したように構成したものであ
るから、簡単な構造でワーク揃えの作動を確実に
自動的に行なうことができる。構造が簡単である
から調整が不用であり、また保守も簡単となる利
点がある。また、構造部品も従来のシリンダ式、
カム式に比べて非常に廉価となるため、可動ゲー
ジそのものの大幅な低廉化が可能になる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例の要部を示した側面図で
ある。 １……ブラケツト、４，５……リンク、８……
ゲージ、８ａ……ゲージ取付プレート、９……製
品案内プレート、１０……ローラ、１１……カ
ム、１２……スプリング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. プレス型に固定したブラケツトに平行リンクの
   一端を軸着すると共に、該平行リンクの一部にロ
   ーラを設けて上型にに取付けたカムに当接させ、
   該平行リンクに、前記ローラがカムに常時接する
   方向の付勢をし、該平行リンクの他端に、一端に
   製品案内プレートを取付けたゲージを軸着したこ
   とを特徴とするプレス型用可動ゲージ。