JPS6032910Y2 - ワ−クランプ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、パンチプレスなど、板材を加工する板材加
工装置におけるワーククランプ装置に係わり、更に詳し
くは、ワーククランプ装置の移動時に、例えばクランプ
ベースがダイに乗り上げた際、クランプベースが揺動可
能となるように構成したワーククランプ装置に関するも
のである。

一般に、ターレットパンチプレス等の複数のパンチ及び
ダイを装着したプレス機械のクランプ装置では、そのク
ランプ装置の移動時に、クランプベースがダイに乗り上
げることがある。

従来この種のクランプ装置は、クランプベースが回転中
心を持ち、クランプベースがダイに乗り上げた時、クラ
ンプ全体が揺動するか、単に上下動可能に構成してあっ
た。

前者の場合には、クランプベースの支点が、回転による
運動であるため、機械的無理はないが、精度的に問題が
ある。

また後者の場合には、前者のように精度的には問題はな
いが、クランプ装置の移動速度が速いと、機械的な無理
が発生する。

この考案は、かかる従来の諸問題に鑑み案出されたもの
で、その目的とするところは、揺動自在に連結されたク
ランプベースの基端部ト、クランプ本体の後部とを、ク
ランプベースが引張荷重を°受けたときに機能する弾性
部材とクランプベースが圧縮荷重を受けたときに機能す
る弾性部とを介して連結し、機械的に無理がなく、かつ
精度の良い加工を行なうことができるワーククランプ装
置を提供するものである。

以下、添付図面に基づいてこの考案の好適一実施例を説
明する。

第１図は、数値制御装置（図示省略）によって、総ての
制御を行ないつつ板状のワークＷにパンチング加工を行
なうタレットパンチプレス１を示し、このタレットパン
チプレス１に回転自在に装着されたタレット装置３には
、多種類のパンチ及びダイ（図示省略）が装着されてい
る。

前記ワークＷを支持する支持テーブル５の上面には、ワ
ークＷを円滑に支持させるための多数の図示しないボー
ルが配設しである。

支持テーブル５の前後側壁には、タレットパンチプレス
１のフレームに対して、左右方向に平行に延伸された２
本のガイドレール７が装着され、このガイドレール７に
は、支持テーブル５の長手方向と直交する向きに延伸さ
れたキャリッジベース９の両端部が移動自在に支承され
ている。

前記キャリッジベース９には、このキャリッジベース９
の長手方向に沿って、水平状態で摺動自在なキャリッジ
１１が設けられており、このキャリッジ１１には、ワー
クＷをクランプするワーククランプ装置１３が装着され
ている。

したがって、ワーククランプ装置１３によりワークＷを
クランプした後に、キャリッジベース９をガイドレール
７に沿って移動するとともに、キャリッジ１１をキャリ
ッジベース９の移動方向に対して直交する方向へ水平に
移動することにより、ワークＷは、支持テーブル５の水
平な上面において前後、左右方向に移動位置決めされ、
タレット装置３に装着したパンチ、ダイによってパンチ
ング加工が行なわれることとなるものである。

なお、支持テーブル５の上面に装着した前記ボールは、
ガイドレール７の沿って移動するキャリッジベース９と
干渉しないように、支持テーブル５の上面に対して出没
自在に装着されている。

前記ワーククランプ装置１３は、第２図及び第３図に示
すように、前記キャリッジ１１に形威された鳩尾状部１
５に、アリ溝１７を介して位置調節自在に係合するクラ
ンプ本体１９と、このクランプ本体１９の下端に、揺動
自在に両側部をガイド支持されたクランプベース２１及
びクランパー２３とから構成され、また、前記クランプ
本体１９内には、・クランパー２３を開閉作動させるた
めの、エアーシリンダの如ぎ流体圧作動装置２５が、ク
ランプベース２１上に装着されて内装されている。

前記クランプベース２１は、フォーク状に形威され、こ
のクランプベース２１間には、ピン２７を介してクラン
パー２３が回動自在に連結されている。

クランパー２３の基端部には、前記流体圧作動装置２５
のピストンロッド２９がピン３１を介して枢支連結され
ている。

従って、流体圧作動装置２５のシリンダ３３内に、圧気
または油圧等の作動圧流体を給排し、ピストン３５を介
してピストンロッド２９を伸縮作動させ、これによって
、前記クランパー２３をピン２７を支点として回動させ
るものである。

次に前記フォーク状に形威されたクランプベース２１の
基端部の中央部及び両側部と、クランプ本体１９の底部
とは、３枚の板ばねの如き弾性部材３７ａ、３７ｂ、３
７ｂを介して連結されている。

前記クランプベース２１と、クランプ本体１９との中央
部に設けられた弾性部材３７ａは、クランプベース２１
が主として引張荷重、即ち、第３図においてＦｌの荷重
を受けたときに機能し、また両側部に設けられた弾性部
材３７ｂ、３７ｂはクランプベース２１が主として圧縮
荷重、即ち第３図においてＦ２の荷重を受けたときに機
能するように設けられたものである。

すなわち、第２図においての弾性部材３７ａの左端部は
、第２図より明らかなように、クランプベース２１に連
結してあり、右端部はクランプ本体１９に連結しである
。

また、弾性部材３７ｂの左端部はクランプ本体１９に連
結してあり、右端部はクランプベース２１に連結しであ
る。

なお、クランプ本体１９の前面下部に設けられたピン３
９は、クランプベース２１のクランプ面２１ａと、ダイ
４１の上面４１ａとを面一に設定するものであり、また
クランプ本体１９間に架設されたタイロッドねじ４３は
、クランプ本体１９と、クランプベース２１とのクラア
ランスを微調整するためのものである。

また、クランプベース２１の揺動中心Ｘ−Ｘから、その
先端までの長さＬは、ダイ４１の高さ１に対して充分に
大きく形威しであるため、例えクランプベース２１がダ
イ４１に乗り上げても、送り精度に対する影響は、はと
んど無視することができる。

次に上記のような構成からなるこの実施例の作用につい
て説明する。

例えば、第３図に示すようにワークＷをクランプした状
態でワーククランプ装置１３を移動し、クランプベース
２１が、ダイ４１上に、乗り上げた時、クランプベース
２１は、弾性部材３７ａ。

３７ｂ、３７ｂのほぼ中間である揺動中心Ｘ−Ｘを中心
として上方に回動する。

このように、クランプベース２１が、ダイ４１上に乗り
上げた際、ワークＷの慣性によるＦｌの荷重（引張り荷
重）が作用した時には弾性部材３７ａにより、またＦ２
の荷重（圧縮荷重）が作用した時には弾性部材３７ｂ、
３７ｂにより夫々の荷重を受けるように作用する。

これは、一般に板ばねの如き弾性部材３７ａ。

３７ｂ、３７ｂは、圧縮荷重には弱いが、引張り荷重に
対して極めて強いということを、有効に利用したもので
ある。

また、この考案の実施例では、揺動中心Ｘ−Ｘにピン等
の連結部材を使用しないため、クランプベース等にガタ
が起らず、摩耗等の問題もなく経済的である。

以上のごとき実施例の説明より理解されるように、要す
るにこの考案の要旨は実用新案登録請求の範囲に記載の
とおりであるから、その記載より明らかなように、クラ
ンプベースが引張荷重を受けたときに、当該引張荷重に
引張応力により対応する第１の弾性部材と、クランプベ
ースが圧縮荷重を受けたとに当該圧縮荷重に引張応力に
より対応する第２の弾性部材とをクランプベースとクラ
ンプ本体との間に介設してなるものであり、かつ第１．
第２の弾性部材の部分を中心としてクランプベースを上
下方向に揺動自在に設けてなるものである。

したがって本考案によれば、クランプベースに引張荷重
や圧縮荷重が作用したような場合であっても、クランプ
ベースをクランプ本体との接続部に機械的な無理を生じ
るようなことがなく、また、上下方向へのクランプベー
スのｍ動は、ガタ付や摩耗等を生じることなしに円滑に
行なわれ得るものである。

なお、本考案は前述の実施例のみに限るものではなく、
適宜の変更を行なうことによっては、その他の態様でも
実施し得るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はタレットパンチプレスの正面図、第２図はワー
ククランプ装置の底面図、第３図は、第２図の■−■線
に沿う縦断正面図である。 図面中に表わされた主要な符号の説明、１９・・・・・
・クランプ本体、２１・・・・・・クランプベース、２
３・・・・・・クランパー ２５・・・・・・流体圧作
動装置、Ｗ・・・・・・ワーク、３７ａ、３７ｂ、３７
ｂ・・・・・・弾性部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前後左右方向へ移動自在なキャリッジ１１に装着したク
   ランプ本体１９にクランプベース２１を装着して設け、
   このクランプベース２１と共働してワークＷをクランプ
   するためのクランパー２３をクランプベース２１に枢着
   してなるワーククランプ装置にして、前記クランプベー
   ス２１が引張荷重を受けたときに当該引張荷重に対応す
   る第１の弾性部材とクランプベース２１が圧縮荷重を受
   けたときに当該圧縮荷重に対応する第２の弾性部材とを
   クランプベース２１とクランプ本体１９との間に介設し
   てなり、かつ第１．第２の弾性部材の部分を中心として
   クランプベース２１を上下方向に揺動自在に設けてなる
   ことを特徴とするワーククランプ装置。