JPH04369472A - 空燃比センサの出力補正方法 - Google Patents
空燃比センサの出力補正方法Info
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Abstract
め要約のデータは記録されません。
Description
り、特に自動車の内燃機関や各種の工業炉などにおいて
燃焼用ガスの空燃比等を求める測定系乃至は制御系に対
して好適に採用され得て、その測定精度を有利に向上せ
しめ得る、空燃比センサの出力補正方法に関するもので
ある。
等における燃焼混合ガスの空燃比の計測方法として、酸
素濃淡電池方式の電気化学的セルと酸素ポンプ式の電気
化学的セルとを組み合わせた、所謂ダブルセルタイプの
空燃比センサを用い、燃焼混合ガスの燃焼後の排ガス成
分とセンサの出力信号との対応関係に基づいて、燃焼用
ガス中の空燃比(A/F)や酸素過剰率(λ)、或いは
燃焼排ガス中の酸素濃度(±O2 )などの、燃焼用ガ
スの空燃比信号を得る方法が知られている。
酸素イオン伝導性の固体電解質体に少なくとも一対の電
極を設けて成る電気化学的セルの二つを用いて構成され
ており、それら二つのセル間に、燃焼排ガスが所定の拡
散抵抗下に導かれる内部空間が形成されている。そして
、第一のセル(酸素濃淡電池方式のセル、以下センサセ
ルという)によって、内部空間の酸素分圧に応じたネル
ンストの式に基づく起電力を得る一方、該センサセルの
起電力が理論空燃比点(λ=1)に相当する一定の発生
電圧になるように、第二のセル(酸素ポンプ方式のセル
、以下ポンプセルという)における酸素ポンピング作用
によって、内部空間の酸素分圧を調節せしめることによ
り、該ポンプセルにおけるポンプ電流値に基づいて、か
かる燃焼排ガスの成分に応じたセンサ出力信号を得るこ
とができるのである。
空燃比センサにおいては、下記(数1)に示される関係
より得られるポンプ電流値:Ipが得られることとなり
、そして、このポンプ電流値:Ipに基づくセンサ出力
信号を用いて、下記(数2)及び(数3)に示されてい
る如き、燃焼前後のガス成分の方程式に基づく空燃比演
算処理を施すことにより、目的とする燃焼用ガスの空燃
比信号を得ることができるのである。
される、上記(数1)におけるガス濃度電流感度係数:
KO2,KCO,KH2は、測定に使用される空燃比セ
ンサ個体において、例えば空燃比センサの内部空間へ導
かれる燃焼排ガスの拡散抵抗等に応じて決定される定数
である。それ故、空燃比センサの製作時における寸法的
な誤差などに起因して、センサ個体間で、かかるガス濃
度電流感度係数にばらつきが生じることが避けられない
。
燃焼用ガスの空燃比信号の測定に際しては、使用する空
燃比センサ個体のガス濃度電流感度係数を、校正ガスを
用いて測定し、それに応じた補正を施す必要がある。即
ち、かかるガス濃度電流感度係数のばらつきによって、
各空燃比センサ個体間では、同一組成のガスを測定した
際にも、その出力信号の大きさがばらついてしまうため
に、それを一定の基準レベルに合わせ込むために、信号
の補正を行なうことが、必要となるのである。
のガス濃度電流感度係数の測定操作および補正操作を、
容易化および高精度化するために、特開昭62−257
056号公報等に示されている如く、空燃比センサの出
力信号を、A/D変換器によってデジタル出力信号に変
換した後、このデジタル出力信号に対して、空燃比セン
サ個体のガス濃度電流感度係数に応じた補正を行なう方
法が、提案されている。
、A/D変換器に入力される空燃比センサの出力信号の
変動レベル幅が、空燃比センサ個体間でのガス濃度電流
感度係数のばらつき等に起因して、使用する空燃比セン
サによって大きくばらついてしまうために、かかる空燃
比センサの出力信号の変動レベル幅が小さい場合には、
該出力信号の変動レベル幅がA/D変換器の入力信号範
囲:FSR(入力アナログ信号の最大最小信号範囲であ
って、通常は、電圧値で規定される)に比して小さくな
り過ぎ、そのために、A/D変換時における量子化誤差
によって出力信号に惹起される誤差量が大きくなって、
測定精度が著しく低下してしまうという問題があったの
である。
個体間において、その内部空間に同一組成の構成ガスを
導くことによって得られる最大ポンプ電流値:Ipma
x が、ガス濃度電流感度係数のばらつき等に起因して
、10mAと2mAとにばらついた場合、Ipmax
が10mAの方の空燃比センサに比して、Ipmax
が2mAの方の空燃比センサでは、A/D変換時におけ
る量子化誤差によって出力信号に惹起される誤差量が5
倍にもなってしまうのである。
うな量子化誤差に起因する測定精度の低下に対する有効
な対処法が見い出されてはいなかったのであり、かかる
測定精度の低下を回避するには、各空燃比センサの特性
を測定し、一定の規格内に入る出力特性を有するものだ
けを、より分けて用いるしか方法がなかったのである。
その入力されるアナログ信号の大きさが、該A/D変換
器における入力信号範囲(FSR)に対して1/5以下
となると、量子化誤差が大きくなってしまうという、電
気的構造上の特性を有している。そのため、特に自動車
の燃焼排ガス等を被測定ガスとする場合、通常の使用状
態下では、理論空燃比点付近での測定が多く、空燃比セ
ンサの出力信号、即ちA/D変換器への入力信号が0に
近くなることから、量子化誤差に起因する測定誤差が大
きくなってしまうという問題もあったのである。
を背景として為されたものであって、その解決課題とす
るところは、空燃比センサの測定精度の向上を図るべく
、上述の如き測定誤差を有効に軽減乃至は解消せしめ得
る、空燃比センサの出力補正方法を提供することにある
。
発明にあっては、酸素イオン伝導性の固体電解質体と少
なくとも一対の電極とから成る第一及び第二の電気化学
的セルを有する空燃比センサを用いて、燃焼排ガスを測
定し、該第一の電気化学的セルにおける酸素濃淡電池作
用によって、燃焼排ガスが所定の拡散抵抗下に導かれる
内部空間における酸素分圧に応じた起電力を得る一方、
前記第二の電気化学的セルにおける酸素ポンピング作用
によって、該第一の電気化学的セルの起電力が略一定と
なるように、前記内部空間の酸素分圧を調節することに
より、かかる第二の電気化学的セルにおけるポンプ電流
値に応じて得られた空燃比センサの出力信号から、燃焼
用ガスの空燃比信号を得るに際し、かかるポンプ電流値
に応じて得られた出力信号を、A/D変換器によってデ
ジタル出力信号に変換した後、空燃比演算処理系に供し
て、目的とする前記空燃比信号を得るようにすると共に
、該A/D変換器の入力信号範囲を、空燃比センサ個体
の酸素濃度電流感度係数に対応した第一の感度補正係数
にて設定することにより、第一の感度補正を行なう空燃
比センサの出力補正方法を、その特徴とするものである
。
に従って空燃比センサの出力補正を行なうに際し、前記
空燃比演算処理系に入力されることとなる、前記A/D
変換器にて出力される第一の感度補正が施されたデジタ
ル出力信号に対して、前記空燃比センサにおける理論空
燃比点での出力値と、前記空燃比演算処理系で採用され
る基準出力特性に基づく理論空燃比点での基準出力値と
の差に応じた補正値を用いて、バイアス補正を行ない、
更に、このバイアス補正が施されたデジタル出力信号が
、理論空燃比点よりもリッチ側にある場合に、該デジタ
ル出力信号に対して、前記空燃比センサ個体のH2 濃
度電流感度係数およびCO濃度電流感度係数に対応した
第二の感度補正係数により、第二の感度補正を行なうこ
とを特徴とする空燃比センサの出力補正方法。
燃比センサの出力補正を実施するに際し、かかる第二の
感度補正は、例えば、H2 濃度およびCO濃度が既知
の校正ガスを、前記燃焼排ガスとして前記空燃比センサ
の内部空間に導くことにより、前記空燃比センサを用い
て得られた実測空燃比信号と、かかる校正ガスにおける
既知のH2 濃度およびCO濃度から理論的に算出され
た理論空燃比信号との比に基づいて、前記第二の感度補
正係数を得、かかる第二の感度補正係数を用いて、前記
第二の感度補正を行なうことを特徴とする請求項2に記
載の空燃比センサの出力補正方法。
体電解質体と少なくとも一対の電極とから成る第一及び
第二の電気化学的セルを有する空燃比センサを用いて、
燃焼排ガスを測定し、該第一の電気化学的セルにおける
酸素濃淡電池作用によって、燃焼排ガスが所定の拡散抵
抗下に導かれる内部空間における酸素分圧に応じた起電
力を得る一方、前記第二の電気化学的セルにおける酸素
ポンピング作用によって、該第一の電気化学的セルの起
電力が略一定となるように、前記内部空間の酸素分圧を
調節することにより、かかる第二の電気化学的セルにお
けるポンプ電流値に応じて得られた空燃比センサの出力
信号から、燃焼用ガスの空燃比信号を得るに際し、前記
第一の感度補正を行ない、或いはそれに加えてバイアス
補正や第二の感度補正を行なうと共に、かかる空燃比セ
ンサの出力信号の信号レベルを検出し、この信号レベル
の大きさに応じて、該出力信号の増幅率を切り換えるよ
うにした空燃比センサの出力補正方法をも、その特徴と
するものである。
に明らかにするために、本発明方法に従う一つの空燃比
センサの出力補正の実施例を具体的に示し、図面を参照
しつつ、その出力補正操作を詳細に説明することとする
。
酸素センサを利用して、内燃機関における燃焼排ガス中
の酸素濃度を検出することにより、燃焼混合ガスの空燃
比等を測定するようにした空燃比センサを用い、そのセ
ンサ出力信号から空燃比信号を得るに際して、本発明に
従う補正処理を施す場合の具体的操作を示すブロック図
が、示されている。
って、公知の如く、燃焼排ガスが所定の拡散抵抗下に導
かれる内部空間内の酸素濃度に応じた起電力:Vs を
出力するセンサセル12と、該内部空間内に酸素イオン
を給排するポンプセル14を備えている。そして、セン
サセル12の起電力:Vs が、設定器16にて予め設
定された基準値:SVとなるように、ポンプセル14に
対して給電されるポンプ電流:Ipが、Ipコントロー
ラ18によって制御されるようになっている。そして、
そのようにポンプ電流:Ipをフィードバック制御せし
めた際における、かかるポンプ電流:Ipに対応した信
号が、Ipコントローラ18から、空燃比センサの出力
信号:YA として、出力されることとなるのである。
においては、かかるセンサの出力信号:YA が、電圧
信号として出力されるようになっており、ポンプセル1
4には、このIpコントローラ18からの信号(YA
)が、V/I変換器20を介して、ポンプ電流として給
電せしめられるようになっている。
って得られた、燃焼排ガス中の酸素濃度に応じたセンサ
出力信号:YA は、A/D変換器22によってデジタ
ル変換(YA →YD )された後、空燃比演算処理系
24に入力され、該空燃比演算処理系24において、酸
素濃度(±O2 )等の目的とする空燃比信号が算出さ
れて、外部出力装置25にて表示されることとなる。
ては、通常、先ず、センサ出力信号:YD からの酸素
濃度(±O2 )が算出されることとなるが、その算出
は、前記(数1),(数2)及び(数3)に基づいて為
される。具体的には、センサ出力信号:YD が、理論
空燃比点よりもリーン側(YD ≧0)である場合には
、YD→O2 演算手段26により、下記(数4)に基
づいて算出される一方、理論空燃比点よりもリッチ側(
YD <0)である場合には、YD →−O2 演算手
段28により、下記(数5)に基づいて、それぞれ、酸
素濃度(±O2 )が求められる。
明らかなように、YD≧1の場合には、酸素濃度(+O
2 )が比較的簡単な計算によって求められるが、YD
<1の場合には、計算が極めて複雑となることから、
好適には、下記(数6)に示すように、燃焼燃料の水炭
比に対応して、センサ出力信号:YD と酸素分圧:P
(−O2 )との関係を、折線近似や多次元多項式関数
等により、予めリニアライズ関数:F( )として求め
ておき、その逆リニアライズ関数:F−1( ) を用
いて、酸素濃度(−O2 )が求められる。
素過剰率(λ)や燃焼用ガス中の空燃比(A/F)が要
求される場合には、上記演算手段26,28において算
出された酸素濃度(±O2 )から、O2 →λ演算手
段30,−O2 →λ演算手段32およびλ→A/F演
算手段34により、目的とするλやA/Fが、公知の関
係式に基づいて、それぞれ算出され、それらの値が選択
的に或いは同時に出力されることとなる。
ステムにおいて、本実施例では、その第一の特徴的構成
要素として、A/D変換器22に対して接続された第一
の感度補正手段36を備えており、センサ出力信号:Y
A に対して第一の感度補正が加えられるようになって
いる。即ち、空燃比センサでは、前述の如く、センサの
製作上の誤差等に起因するO2 濃度電流感度係数:K
O2のばらつきによって、その出力信号:YA の変動
範囲が、各センサ個体毎にばらつくこととなる((数4
)参照)が、かかる第一の感度補正によって、このO2
濃度電流感度係数:KO2のばらつきに起因する出力
信号誤差が、有効に補正され得ることとなるのである。
一の感度補正手段36によって、A/D変換器22にお
ける入力電圧範囲:FSRを、使用する空燃比センサ1
0のO2 濃度電流感度係数:KO2に応じて設定せし
めることにより、行なわれる。それには、例えば、先ず
、YD ≧1となる組成既知の適当な校正ガスを用いて
、上述の空燃比信号の検出システムによって空燃比信号
を得る一方、かかる校正ガスの既知組成に基づいて理論
演算することにより、空燃比信号の理論値を求める。そ
して、検出システムによって実際に得られた空燃比信号
が、理論的に算出された空燃比信号に一致するように、
A/D変換器22におけるFSRを変化させることによ
って、行なわれることとなる。
感度補正を行なうことにより、A/D変換器22におけ
るFSRが基準値の1/KA (KA :第一の感度補
正係数)となった場合には、下記(数7)に示すように
、かかるA/D変換器22に入力されるセンサ出力信号
:YA が、1/KA だけ増幅されて、デジタル出力
信号:YD に変換されることとなる。 YD = YA /KA ・・
・ (数7)そして、それによって、YD ≧1の条
件下、センサの実際の出力信号が、理論上の出力信号に
合わせ込まれるのである。
は、空燃比センサ個体間におけるO2 濃度電流感度
係数:KO2のばらつきに対応するものであって、この
第一の感度補正係数:KA を用いて上述の如き第一の
感度補正を実施することにより、O2 濃度電流感度係
数:KO2のばらつきに起因する、YD ≧1の条件下
でのセンサ個体間の出力特性のばらつきが有効に補正さ
れ得ることとなるのである。
よれば、空燃比センサ個体間でのO2 濃度電流感度係
数:KO2のばらつき、即ち空燃比センサ10の出力値
の最大最小範囲に応じて、A/D変換器22のFSRが
設定されることとなるところから、使用する空燃比セン
サ10の感度が低い場合でも、かかるA/D変換器22
によるデジタル変換の際に、その量子化誤差に起因して
、センサ出力信号に及ぼされる誤差量が極めて効果的に
抑えられ得るのである。
ンサα,βにおいて、YD ≧1の条件下、同一組成の
構成ガスを測定した際の各センサの出力信号:YA が
、α=10V,β=2Vであった場合には、KA =5
として、βの方のA/D変換器におけるFSRを、αの
方のA/D変換器におけるFSRの略1/5に設定する
。そうすれば、各A/D変換器から略同一レベルのデジ
タル信号値が出力されることとなって、それら両空燃比
センサα,β間でのO2 濃度電流感度係数:KO2の
ばらつきに起因する誤差が有利に補正され得ると共に、
各空燃比センサA,Bにおいて、デジタル変換時の量子
化誤差に起因してセンサ出力信号に及ぼされる誤差量も
、略同一に抑えることができるのである。
る空燃比信号が、デジタル信号として出力される場合に
は、かかる第一の感度補正手段36として、図2に示さ
れている如く、A/D変換器22と同一ビット数:nの
D/A変換器38を用いることが可能である。それによ
って、下記(数8)に示されている如く、検出システム
によって実際に得られた空燃比信号:SD に応じて、
D/A変換器38に設定されたFSRを変化せしめて、
それをA/D変換器22におけるFSRとして設定する
ことができる。即ち、この場合には、下記(数8)中、
SD /(2n −1)が、第一の感度補正係数:KA
とされることとなる。
テムは、その第二の特徴的構成要素として、バイアス補
正手段40を備えており、上述の如く、第一の感度補正
係数:KA によって第一の感度補正が施されたセンサ
出力信号:YD に対して、更に、バイアス補正が施さ
れるようになっている。即ち、空燃比センサには、製作
上の誤差等に起因して、その感度のばらつきのみならず
、オフセット的な出力誤差も存在するのであり、センサ
出力信号:YD におけるそのような出力誤差が、かか
るバイアス補正手段40によって補正され得るのである
。
よる補正は、例えば、先ず、組成既知の構成ガスを用い
て、上述の空燃比信号の検出システムにより、理論空燃
比点(λ=1)における空燃比信号を得る。そして、こ
の実際に出力される空燃比信号が、理論値に一致するよ
うに、センサ出力信号に加えるバイアス補正値:Y0を
決定することによって行なわれる。即ち、それによって
、前記(数7)に示されているデジタル出力信号:YD
は、下記(数9)の如くバイアス補正されることとな
る。 YD =(YA −Y0 )/KA ・・・
(数9)
によって、センサ出力値:YD の原点が、理論上の原
点に合わせ込まれるのであり、それによって、空燃比セ
ンサにおけるオフセット的な出力誤差が、有利に補正さ
れ得ることとなるのである。
よびバイアス補正が施されたセンサ出力信号:YD は
、前記空燃比演算処理系24に入力され、前述の如くリ
ーン側かリッチ側かが判断されて、それぞれに対応した
演算手段26,28にて演算処理されることにより、空
燃比信号が算出されることとなるが、そこにおいて、本
実施例の空燃比信号の検出システムにあっては、その第
三の特徴的構成要素として、第二の感度補正手段42を
備えており、リッチ側のセンサ出力信号:YD に対し
て、第二の感度補正が加えられるようになっている。
理論空燃比点よりもリッチ側にある場合、前述の如く、
センサの製作上の誤差等に起因するH2 濃度電流感度
係数:KH2およびCO2 濃度電流感度係数:KCO
2 のばらつきによって、その出力特性が、各センサ毎
にばらつくこととなる(数5参照)が、そのような出力
特性のばらつきに起因するセンサ出力信号:YD にお
ける出力誤差が、かかる第二の感度補正によって補正さ
れ得るのである。
ば、先ず、H2 濃度およびCO2 濃度が既知の構成
ガスを用いて、上述の空燃比信号の検出システムにより
、空燃比信号を得る。そして、この実際に出力される空
燃比信号が、理論値に一致するように、センサ出力信号
に加える第二の感度補正係数:KM を決定することに
よって行なわれる。即ち、それによって、前記(数9)
に示されているデジタル出力信号:YD は、下記(数
10)の如く、第二の感度補正されることとなる。 YD =(YA −Y0 )
/(KA ・KM ) ・・・ (数10)
45】要するに、かくの如き第二の感度補正において採
用される第二の感度補正係数:KM は、空燃比センサ
個体間におけるH2 濃度電流感度係数:KH2および
CO2 濃度電流感度係数:KCO2 のばらつきに対
応するものであって、この第二の感度補正係数:KM
を用いて上述の如き第二の感度補正を実施することによ
り、H2 濃度電流感度係数:KH2およびCO2 濃
度電流感度係数:KCO2 のばらつきに起因する、Y
D <1の条件下でのセンサ個体間の出力特性のばらつ
きが有効に補正され得ることとなるのである。
よれば、空燃比センサ個体間でのH2 濃度電流感度係
数:KH2およびCO2 濃度電流感度係数:KCO2
のばらつきが、実際のセンサの出力特性に基づいて得
られた第二の感度補正係数:KM を用いた演算によっ
て補正されることから、グラフ等を用いた補正に比して
、その補正が容易且つ迅速に為され得ると共に、高精度
な補正が可能となるのである。
検出システムにあっては、空燃比センサ10からの出力
信号:YA に対して、第一の感度補正、バイアス補正
および第二の感度補正が加えられることとなる。そして
、それによって、センサ出力信号が理論空燃比点よりも
リーン側にある場合に適用される、前記(数4)に示さ
れたYD →O2 演算手段26における演算式および
センサ出力信号が理論空燃比点よりもリーン側にある場
合に適用される、前記(数6)に示されたYD →−O
2 演算手段28における演算式が、第一の感度補正係
数:KA ,バイアス補正値:Y0 ,第二の感度補正
係数:KM を用いて、それぞれ、下記(数11)およ
び(数12)の如く表されることとなる。
テムによれば、空燃比センサ個体間におけるセンサ出力
値の、O2 濃度電流感度係数:KO2、H2 濃度電
流感度係数:KH2、CO2 濃度電流感度係数:KC
O2 やオフセット的な原位のばらつきに起因するばら
つき(誤差)が、極めて有利に補正され得るのであり、
しかも、デジタル変換時における量子化誤差によってセ
ンサ出力信号に及ぼされる誤差量も、有利に抑えられ得
ることとなって、空燃比信号を高精度に得ることが可能
となるのである。
例を示す、空燃比信号の検出システムのブロック図が、
示されている。なお、本実施例では、前記実施例と同様
な構造乃至は構成とされた要素については、図中、前記
実施例と同一の符号を付することにより、その詳細な説
明は省略することとする。
ステムは、前記第一の実施例に示されたシステム構成に
加えて、空燃比センサ10の出力信号:YA のレベル
を測定し、該信号レベルが、或る設定レベルの1/N以
上か以下かを判別して判定信号を出力する1/Nレベル
検知器46と、空燃比センサ10の出力信号を増幅する
切換増幅器44とを備えている。そして、かかる1/N
レベル検知器46にて出力される判定信号、即ちセンサ
出力信号:YA のレベルに応じて、切換増幅器44の
作動、即ち増幅率:Gが、適宜、切り換えられるように
なっているのである。
46によって、空燃比センサ10にて出力されるセンサ
出力信号:YA の信号レベルが、基準値の1/5以上
か以下かの判定信号を出力するようにすると共に、かか
るセンサ出力信号:YA が基準値の1/5以下となっ
た場合には、増幅率:Gが5倍となるように、切換増幅
器のゲインが設定されることとなる。
る判定信号は、バイアス補正手段40とYD →O2
演算手段26およびYD →−O2 演算手段28に対
して、それぞれ入力されるようになっている。
(数13)に示されているように、前述の如きバイアス
補正を実施するに際して、そのバイアス補正値:Y0
が、切換増幅器44における増幅率:Gに応じて修正さ
れることとなる。 YD =(YA −Y0 ′)/KA ・・・
(数13)Y0 ′=Y0 ・G 即ち、上述の如き、センサ出力信号:YA の増幅率:
Gの切換えによって、センサ個体におけるオフセット的
な原位のばらつきの大きさも、同様に増大することから
、かかる増幅率:Gに応じて、バイアス補正値:Y0
も修正することが必要となるのである。
よびYD→−O2 演算手段28では、下記(数14)
および(数15)に示されているように、前述の如き演
算処理を実施するに際して、センサ出力値:YD が、
切換増幅器44における増幅率:Gだけレベルを落とさ
れることとなる。即ち、それによって、上述の如き、セ
ンサ出力信号:YA の増幅率:Gの切換えによる、セ
ンサ出力信号の見掛け上の変動が除去されるのである。
燃比検出システムによれば、被測定ガスが理論空燃比点
付近となって、空燃比センサ10の出力信号:YA の
レベルが小さくなった場合に、切換増幅器44の増幅率
が上げられることによって、A/D変換器22に入力さ
れる信号レベルが有利に確保され得るのであり、それに
よって、出力信号:YA のレベルが小さくなった場合
にも、A/D変換時における量子化誤差に起因して出力
信号に及ぼされる誤差量の増大が、極めて効果的に抑制
乃至は防止されて、優れた測定精度が有利に維持され得
ることとなるのである。
一般に、理論空燃比点付近で実施されることとなるとこ
ろから、上述の如き切換増幅器44の採用は、測定精度
の向上とその安定化に、極めて優れた効果を発揮し得る
のである。
たが、これらは文字通りの例示であって、本発明は、か
かる具体例にのみ限定して解釈されるものではない。
度補正に対して、バイアス補正および第二の感度補正を
組合せたシステムと、更にそれにセンサ出力信号の増幅
率の切換操作を組合せたシステムとを、それぞれ示した
が、それらの補正方法、特に第一の感度補正方法は、他
の補正方法と独立して採用可能であって、そのように独
立的に採用しても有効な効果を発揮し得るものである。
第二の感度補正係数:KM は、それぞれ、O2 濃度
電流感度係数、H2 濃度電流感度係数およびCO2
濃度電流感度係数に対応するものであることから、各空
燃比センサにおけるそれらガス濃度電流感度係数を、空
燃比信号の検出システムに組み込む前に測定し、その結
果に基づいて、空燃比信号の検出システムに対して、か
かる第一の感度補正係数:KA および第二の感度補正
係数:KM を、外部入力することも、可能である。
22によってデジタル変換された出力信号:YD に対
して、バイアス補正が加えられるようになっていたが、
デジタル変換される前の出力振動:YA に対して、そ
のようなバイアス補正を加えることも可能である。
0の出力信号として、IPコントローラ18から出力さ
れる電圧信号が用いられていたが、IPコントローラ1
8から電流信号(IP)が出力される場合には、図4に
示されている如く、かかる電流信号を、I/V変換器4
8を介して、取り出すことにより、同様に取り扱うこと
ができる。なお、かかる図4中において、その理解を容
易とするために、前記第一の実施例と同様な構造とされ
た部材については、それぞれ、同一の符号を付しておく
こととする。
44として、その増幅率が二段階に切換可能なものを用
いる場合について、具体的に説明したが、増幅率が、セ
ンサの出力信号に応じて、三段階以上に切換可能なもの
を用いることも可能である。
テムを自動車用内燃機関に対して適用するに際し、内燃
機関の燃料としてアルコール混合燃料が採用される場合
には、ガソリンおよびアルコールの水炭比(H/C,O
/C)やそれらの混合比によって、燃料の水炭比が変化
する。そこで、例えば、アルコール濃度検出手段等を設
けて、燃料の水炭比を検出し、それの値に応じて、YD
→−O2 演算手段28による演算処理を行なうこと
によって、一層有利に実施され得ることとなる。
種工業炉等における燃焼混合ガスの空燃比の計測システ
ムに対して、広く適用され得るものであることは、勿論
である。
に従えば、A/D変換器におけるFSRを、使用する空
燃比センサ個体のO2 濃度電流感度係数に応じて設定
せしめて、第一の感度補正を実施することにより、セン
サ出力信号における、O2 濃度電流感度係数のばらつ
きに起因する誤差が有利に補正され得ると共に、A/D
変換器によるデジタル変換時の量子化誤差に起因する誤
差量も、有利に軽減され得て、安定した測定精度が発揮
され得ることとなるのである。
のような第一の感度補正に加えて、原位合わせを行なう
バイアス補正と、H2 濃度電流感度係数およびCO2
濃度電流感度係数に応じてリッチ側の感度を理論値に
合わせ込む第二の感度補正とを、それぞれ加えることに
よって、より一層高い測定精度を、リッチ側においても
安定して確保することができるのである。
、前記第一の感度補正を行なうと共に、かかる空燃比セ
ンサの出力信号のレベルに応じて、該出力信号の増幅率
を切り換えるようにすれば、特に理論空燃比点付近での
空燃比信号の測定精度が、より一層有利に向上され得る
こととなるのである。
出システムのブロック図である。
において、第一の感度補正手段としてD/A変換器を用
いた場合の構成を説明するためのブロック図である。
検出システムのブロック図である。
センサに対して、本発明方法を適用する場合の具体例を
説明するためのブロック図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 酸素イオン伝導性の固体電解質体と少
なくとも一対の電極とから成る第一及び第二の電気化学
的セルを有する空燃比センサを用いて、燃焼排ガスを測
定し、該第一の電気化学的セルにおける酸素濃淡電池作
用によって、燃焼排ガスが所定の拡散抵抗下に導かれる
内部空間における酸素分圧に応じた起電力を得る一方、
前記第二の電気化学的セルにおける酸素ポンピング作用
によって、該第一の電気化学的セルの起電力が略一定と
なるように、前記内部空間の酸素分圧を調節することに
より、かかる第二の電気化学的セルにおけるポンプ電流
値に応じて得られた空燃比センサの出力信号から、燃焼
用ガスの空燃比信号を得るに際し、かかるポンプ電流値
に応じて得られた出力信号を、A/D変換器によってデ
ジタル出力信号に変換した後、空燃比演算処理系に供し
て、目的とする前記空燃比信号を得るようにすると共に
、該A/D変換器の入力信号範囲を、空燃比センサ個体
のO2 濃度電流感度係数に対応した第一の感度補正係
数にて設定することにより、第一の感度補正を行なうこ
とを特徴とする空燃比センサの出力補正方法。 - 【請求項2】 請求項1記載の空燃比センサの出力補
正方法に従い、前記空燃比演算処理系に入力されること
となる、前記A/D変換器にて出力される第一の感度補
正が施されたデジタル出力信号に対して、前記空燃比セ
ンサにおける理論空燃比点での出力値と、前記空燃比演
算処理系で採用される基準出力特性に基づく理論空燃比
点での基準出力値との差に応じた補正値を用いて、バイ
アス補正を行ない、更に、このバイアス補正が施された
デジタル出力信号が、理論空燃比点よりもリッチ側にあ
る場合に、該デジタル出力信号に対して、前記空燃比セ
ンサ個体のH2 濃度電流感度係数およびCO濃度電流
感度係数に対応した第二の感度補正係数により、第二の
感度補正を行なうことを特徴とする空燃比センサの出力
補正方法。 - 【請求項3】 H2 濃度およびCO濃度が既知の校
正ガスを、前記燃焼排ガスとして前記空燃比センサの内
部空間に導くことにより、前記空燃比センサを用いて得
られた実測空燃比信号と、かかる校正ガスにおける既知
のH2濃度およびCO濃度から理論的に算出された理論
空燃比信号との比に基づいて、前記第二の感度補正係数
を得、かかる第二の感度補正係数を用いて、前記第二の
感度補正を行なうことを特徴とする請求項2に記載の空
燃比センサの出力補正方法。 - 【請求項4】 酸素イオン伝導性の固体電解質体と少
なくとも一対の電極とから成る第一及び第二の電気化学
的セルを有する空燃比センサを用いて、燃焼排ガスを測
定し、該第一の電気化学的セルにおける酸素濃淡電池作
用によって、燃焼排ガスが所定の拡散抵抗下に導かれる
内部空間における酸素分圧に応じた起電力を得る一方、
前記第二の電気化学的セルにおける酸素ポンピング作用
によって、該第一の電気化学的セルの起電力が略一定と
なるように、前記内部空間の酸素分圧を調節することに
より、かかる第二の電気化学的セルにおけるポンプ電流
値に応じて得られた空燃比センサの出力信号から、燃焼
用ガスの空燃比信号を得るに際し、かかる空燃比センサ
の出力信号の信号レベルを検出すると共に、この信号レ
ベルの大きさに応じて、該出力信号の増幅率を切り換え
るようにしたことを特徴とする請求項1乃至3の何れか
に記載の空燃比センサの出力補正方法。
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