JPH0738849Y2 - 多気筒エンジンの空燃比計測装置 - Google Patents

多気筒エンジンの空燃比計測装置

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JPH0738849Y2
JPH0738849Y2 JP12702488U JP12702488U JPH0738849Y2 JP H0738849 Y2 JPH0738849 Y2 JP H0738849Y2 JP 12702488 U JP12702488 U JP 12702488U JP 12702488 U JP12702488 U JP 12702488U JP H0738849 Y2 JPH0738849 Y2 JP H0738849Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この考案は多気筒エンジンの空燃比計測装置に関する。
(従来の技術) セラミクスとしたジルコニアは高温下(約500℃以上)
で選択的に酸素のみを透過する特性を有することが知ら
れており、この特性からジルコニア板の両主面側の酸度
濃度の相違に応じた起電圧が得られる。ここに、起電圧
とジルコニア板の一方の主面側の酸度濃度が既知であれ
ば、反対の主面側の酸度濃度を一定の式(ネルンストの
式)から算出できるので、ジルコニアを酸度濃度検出素
子として用いることができる。
また、ジルコニア板は、その2つの主面間にそのジルコ
ニア板を貫通するように電流(ポンピング電流)を流す
と、ポンピング電流の向きとは反対方向へ酸度を汲み出
すという作用(ポンピング作用)を有する。
こうしたジルコニアの酸素濃度検出作用およびポンピン
グ作用を組み合わせてなる空燃比検出器が知られている
(特開昭62−274255号公報参照)。
第2図は、こうした空燃比検出器を用いて空燃比を検出
する原理を説明するための回路図である。
同図において、空燃比検出器1は、酸素濃度検出の動作
を行う第1のジルコニア板(センシングセルともいう)
2と、ポンピング動作を行う第2のジルコニア板(ポン
ピングセルともいう)3と、各ジルコニア板2,3の両主
面に形成された薄膜状の電極(たとえば白金電極)4〜
7と、両ジルコニア板2,3間に設けられた中空室8と、
第2のジルコニア板3に貫通して形成された小孔9とか
らなり、第1のジルコニア板2の外側主面(電極4側)
は大気と、また第2のジルコニア板3の外側主面(電極
7側)は、温度拡散により流れてきた排気ガス(被測定
ガス)とそれぞれ接するようにされ、被測定ガスは拡散
速度を律する部位としての小孔9を介して中空室8へと
流入する。なお、小孔9については、小孔と等価な特性
を有する多孔質のコーティング層としても良い。
11はこの空燃比検出器1を駆動する回路で、第1のジル
コニア板2の外側電極4が差動増幅器12の(−)入力端
子と、第2のジルコニア板3の外側電極7が差動増幅器
12の出力端子とそれぞれ接続される。また、各ジルコニ
ア板2,3の内側電極5,6は接地される。なお、差動増幅器
12の(+)入力端子には電源13の基準電圧Erが印加され
る。
以下、空燃比が大きく希薄燃焼を行う場合と、空燃比が
小さく過濃燃焼を行う場合に別けて第2図の動作を説明
する。
(1)希薄燃焼時の動作 希薄燃焼時は、被測定ガス中に比較的多量の残留酸素が
存在するので、このような被測定ガスが中空室8内に流
入すると、中空室8内の酸素濃度Cvと大気中の酸素濃度
Crとの温度差が比較的小さくなって、第1のジルコニア
板2で生ずる起電圧、つまり電極4,5間(酸素濃度検出
電極間)の電圧Eが基準電圧Erよりも小さくなる。
このため、差動増幅器12の出力が正となり、Erと前記起
電圧Eの差に応じた矢印A方向(正方向)のポンピング
電流Ipが電極7を介して第2のジルコニア板3に供給さ
れる。ここに、中空室8内の酸素が、ジルコニアのポン
ピング作用により、第2のジルコニア板3を通過しその
外方主面側(電極7側)へ汲み出され、前記正方向のポ
ンピング電流により汲み出される酸素量と、中空室8内
に流入される酸素量とがバランスするようになると、前
記ポンピング電流Ipがある一定値に安定する。
(2)過濃燃焼時の動作 過濃燃焼時は、被測定ガス中に比較的多量の水素および
一酸化炭素が存在するため、このような被測定ガスが小
孔9から中空室8内に流入すると、中空室8内の酸素と
化合して水および二酸化炭素となるので、中空室8内の
酸素濃度Cvが大幅に減少し、大気中の酸素濃度Crとの温
度差が大きくなり、差動増幅器12の(−)入力端子に印
加される電圧Eが基準電圧Erを越える。
このため、差動増幅器12の出力が負となり、基準電圧Er
と起電圧Eの差に応じた矢印B方向(負方向)のポンピ
ング電流Ipが第2のジルコニア板3に供給されると、ジ
ルコニア板3の外方主面側の酸素(被測定ガス中の酸
素)が、ジルコニアのポンピング作用によって中空室8
内に取り込まれる。そして、前記負方向のポンピング電
流Ipによって取り込まれる酸素量と、水素または一酸化
炭素と化合する酸素量とがバランスすると、前記ポンピ
ング電流Ipはある値に落ち着く。
前記のような構成および動作によって正負のポンピング
電流Ipが得られると、このポンピング電流、前記被測定
ガス中の各ガス成分(酸素,水素,一酸化炭素)の温度
に対する空燃比検出器1の感度係数、さらに燃料性状の
1つである水炭比に基づいて既知の演算により空燃比を
求めることができる。
なお、空燃比検出器1の各ガス成分濃度に対する感度係
数は、空燃比検出器1の機械的構造(たとえば小孔9の
寸法など)によって決定される定数であり、既知の適宜
の方法により、特定ガス成分に対する感度係数が決定さ
れれば、残りのガス成分に対する感度係数も周知の方法
により決定されるものである。
また、前記水炭比はエンジンが消費している燃料中に含
まれる水素原子と炭素原子の比であり、燃料の種類が決
まればこれに応じて決定される定数である。
ところで、空燃比の算出は、具体的には演算回路におい
て前記ポンピング電流を実時間で計測しながらなされ
る。この場合、希薄燃焼側では空燃比の算出が簡単な四
則演算により容易になされるので、実時間の空燃比検出
も大きな困難なしに実現される。
これに対し、過濃燃焼側では極めて複雑な演算を必要と
することが一般に知られている。そのため過濃燃焼側で
の空燃比の算出は、小型かつ低コストの演算回路を用い
ては、実時間で行うことは事実上不可能であった。
ただし、反対に空燃比と水炭比から、これらに対応する
ポンピング電流を算出することは容易に行い得たので、
従来から、小型かつ低コストの演算回路を用いて過濃燃
焼側での空燃比の算出を行うために、次のような手法を
採用していた。
すなわち、前記水炭比をパラメータとして、空燃比とポ
ンピング電流との関係を示す数値対応表を作成する。そ
して、この数値対応表を演算回路内のメモリに記憶させ
る。
実際に過濃燃焼側での空燃比を算出する場合には、第2
図に関して説明したようにして検出したポンピング電流
に基づき、内挿法により、前記数値対応表からそのポン
ピング電流に対応する空燃比を算出するのである。
なお、以上のように過濃燃焼側における空燃比の算出
を、数値対応表を用いて行う場合には、希薄燃焼側での
空燃比の算出も、同様の数値対応表を用いて行うのが一
般的である。
(考案が解決しようとする課題) ところで、多気筒エンジンについて各気筒の空燃比を個
別に計測しようとする場合、各気筒に対して従来装置を
単純に取り付けるだけであると、気筒数倍の計測装置が
必要となって、装置全体の大型化やコストアップを招
く。また、気筒間の空燃比差(空燃比分配)を計測する
にはそのための新たな計測装置が必要となる。
その一方で、コストダウンを目的として、1つの空燃比
検出器だけしか設けず、その空燃比検出器を用いて各気
筒についての空燃比を算出しようとすると、空燃比検出
器を取付けた位置から離れた気筒については空燃比計測
装置が低下してしまう。
この考案はこのような従来の課題に着目してなされたも
ので、各気筒に対応して空燃比検出器を取り付けるとと
もに、ポンピング電流と空燃比との関係ではなく、酸素
濃度と空燃比(あるいは当量比)との関係を示す数値対
応表を作成することで、空燃比検出器の特性が相違して
も同じ数値対応表を使えるようにした装置を提供するこ
とを目的とする。
(課題を解決するための手段) この考案は、酸素濃度検出の動作とポンピング動作をそ
れぞれ行うジルコニア板と、各ジルコニア板の両主面に
形成された電極と、両ジルコニア板の間に設けられた被
測定ガスの導かれる中空室と、この中空室への被測定ガ
スの拡散速度を律する部位とからなる空燃比検出器をエ
ンジンの各気筒の排気管に取り付けるとともに、前記酸
素濃度検出の動作を行うジルコニア板の中空室側電極近
傍の酸素濃度が常に予め定めた基準値(たとえば理論空
燃比相当)と一致するように、前記各空燃比検出器への
ポンピング電流を制御する回路と、前記各空燃比検出器
の被測定ガス中の特定ガス成分濃度に対する感度係数を
それぞれ設定する手段と、燃料の種類に応じて決定され
る水炭比を設定する手段と、前記水炭比の設定値を用
い、燃料と空気の燃焼反応式に基づいた所定の演算か
ら、予め設定された数値の異なる複数の空燃比もしくは
予め設定された数値の異なる複数の当量比のいずれか一
方とこれに対応する酸素濃度との関係を示す数値対応表
を作成する手段と、この数値対応表を記憶する手段と、
前記ポンピング電流と前記感度係数の設定値とからその
ときの酸素濃度を気筒別に算出する手段と、この気筒別
の酸素濃度に対応する空燃比を前記数値対応表を用いて
算出する手段とを備える。
(作用) 各気筒に対応して空燃比検出器が取り付けられることよ
り、空燃比の計測精度が高くなる。
ただし、空燃比検出器からの出力に基づいて空燃比を算
出するのに用いる数値対応表までが気筒数分必要となれ
ば、メモリ容量の増加を招く。しかしながら、この考案
によれば、酸素濃度と空燃比(あるいは当量比)の関係
を示す数値対応表とすることにより、気筒全体で1つの
数値対応表だけで足り、数値対応表を記憶するためのメ
モリ容量が小さくなる。
(実施例) 第1図はこの考案を4気筒エンジンに適用した一実施例
のブロック図である。
同図において、1aは酸素濃度検出の動作とポンピング動
作をそれぞれ行う一対のジルコニア板(センシングセル
とポンピングセル),各ジルコニア板の両主面に設けら
れる電極などからなる1番気筒用の空燃比検出器、11a
は差動増幅器12aや電源13aからなる空燃比検出器1aの駆
動回路である。同様にして、1b〜1dは2番気筒ないし4
番気筒用の空燃比検出器で、11b〜11dの意味するところ
は1番気筒と同じである。ここに、各気筒に対応して空
燃比検出器を取り付けることで、空燃比の計測精度が高
まる。
この場合、空燃比検出器1a〜1dからの出力はポンピング
電流であるが、実際には電流電圧変換回路21a〜21dによ
り電圧変換した値で扱われる。ただし、以下の空燃比の
演算についてはポンピング電流のままで説明する。
41は空燃比検出器1a〜1dからの合計4つの信号を受ける
マルチプレクサで、このマルチプレクサ41は後述するCP
U33からの指令信号(セレクト信号)に応じて4つの入
力信号のうちから1つの信号だけを選択する。たとえ
ば、各空燃比検出器1a〜1dが順次(たとえば1-2-3-4番
気筒の順)駆動されるように、マルチプレクサ41へのセ
レクト信号を決定すると、セレクト信号が1番気筒を選
択するとき、1番気筒用の駆動回路11aからのポンピン
グ電流が出力される。セレクト信号が2番気筒から4番
気筒のうちの1つを選択するときも同様である。
ここに、マルチプレクサ41を使用することにより、4つ
の空燃比検出器からの出力が時分割で得られることにな
り、後述する空燃比演算回路から出力回路までが共用化
され、コストダウンと装置の小型化が図れる。
この時分割の空燃比検出器出力をA/D変換回路22により
デジタル値に変換した信号と、デジタルスイッチ23a〜2
3d,24からの信号を入力する演算回路31では、水炭比の
数値が変化するたびに、この水炭比に応じた後述する数
値対応表を作成してこれを演算回路内のメモリに記憶
し、記憶した数値対応表を用いて空燃比を算出する。
まず、感度係数設定用の一組のデジタルスイッチ23a〜2
3dでは、予め決められている空燃比検出器1a〜1dの対酸
素濃度感度係数(酸素濃度に対する感度係数)を、水炭
比設定用の他のデジタルスイッチ24は、エンジンが消費
している燃料の種類に応じて予め決まる水炭比を、それ
ぞれデジタル値で設定する。なお、デジタルスイッチ24
に3桁のものを使用すると、0.01刻みで水炭比を設定す
ることができるので、エンジンで消費する燃料の種類に
応じた正確な空燃比を算出することができる。
演算回路31は、入出力用のインターフェース32、中央演
算装置(CPU)32およびメモリ34から構成されており、
後述する演算処理を実行する。表示器35は演算回路31で
算出された空燃比をデジタル表示する。36は表示切換ス
イッチである。
CPU33の行う動作を説明すると、一組のデジタルスイッ
チ23a〜23dを、これらに対応する空燃比検出器1a〜1dの
対酸素濃度感度係数に設定することにより、これらの対
酸素濃度感度係数がすべて、インターフェース32を介し
て、メモリ34内のRAMに記憶される。なお、このように
対酸素濃度感度係数が記憶されると、CPU33は周知の方
法により空燃比検出器1a〜1dの対水素濃度感度係数およ
び対一酸化炭素濃度感度係数をそれぞれ算出し、これら
の感度係数もまた、メモリ34内のRAMに記憶される。
つづいて、他のデジタルスイッチ24を、燃料の種類に応
じて決定される水炭比に設定する。これにより水炭比
は、インターフェース32を介してメモリ34内のRAMに記
憶される。
このように、デジタルスイッチにより水炭比あるいは空
燃比検出器1a〜1dの対酸素濃度感度係数が新たに設定さ
れたとき、または空燃比測定装置に電源が投入されたと
きには、メモリ34内のRAMに、デジタルスイッチ23a〜23
d,24の数値に対応した各空燃比検出器1a〜1dのすべての
感度係数および水炭比が記憶される。
そして、演算回路31では、メモリ34内のRAMに新たな水
炭比または対酸素濃度感度係数が記憶された場合には、
後述するようにして、CPU33において、これらの値に対
応した空燃比算出用の数値対応表を作成する。
この場合、数値対応表の作成の方法はどの気筒も同じで
あるので、以下1番気筒で代表して述べることにする。
なお、以下の数式に出てくる文字(AFR,λ,η,ζな
ど)に付した数字は気筒番号を表すものとする。
過濃燃焼側での公知の作成方法によれば(特開昭62-274
255号参照)、メモリ34内のバッテリーバックアップさ
れているROMから数値の異なる複数の予め設定した空燃
比を読み出すとともに、メモリ34内のRAMから前述した
ようにして設定された水炭比、空燃比検出器1aの対水素
濃度感度係数および対一酸化炭素濃度感度係数を読み出
し、次の(1)式ないし(6)式から、前記各空燃比に
対応するポンピング電流を算出する。
AFR1=138λ1(1+n/4)/(12+n) …(1) Ip1=−(B1/η1+C1/ζ1)/A1 …(2) A1=1+n/2+3.73λ1(1+n/4) …(3) C1=2(1+n/4)(1−λ1)−B1 …(5) Q1={(1+n/4)(1−λ1)+(n/4+K/2)/(K−
1)}2−2K(1+n/4)(1−λ1)/(K−1) …(6) ただし、上記(1)式ないし(6)式において、AFR1
空燃比、nは水炭比、λ1は当量比と呼ばれる変数、Ip1
はポンピング電流、η1は空燃比検出器1aの対一酸化炭
素濃度感度係数、ζ1は空燃比検出器1aの対水素濃度感
度係数、A1,B1,C1,Q1は中間変数、Kは水性ガス反応定
数を示している。
演算回路31は、前述のようにして算出された各ポンピン
グ電流を、メモリ34内のRAMに記憶する。これにてメモ
リ34内のRAMには、ある特定値の水炭比nに対応する数
値対応表が記憶されることになる。
さて、上記の(2)式において、η1とζ1は空燃比検出
器の特性(特に感度係数)に依存する値であるため、出
力されるポンピング電流はそのときの空燃比(あるいは
当量比)が同じでも空燃比検出器の感度係数が異なれば
違った値を持つ。そのため、上記のようにポンピング電
流と空燃比との関係で数値対応表を作成するのであれ
ば、計測精度を高くするためにも、空燃比検出器ごとに
1つの数値対応表が必要となる。つまり4気筒エンジン
であれば合計4つの数値対応表が必要となるのである。
そこで、この例では各気筒に設けた空燃比検出器の感度
係数が相互間で相違しても1つの数値対応表で対処でき
るように、ポンピング電流と空燃比の関係ではなく、酸
素濃度と空燃比との関係で数値対応表を作成する。
まず、過濃燃焼側では、数値対応表を作成するための酸
素濃度に、水素と一酸化炭素を燃焼させるに必要な酸素
濃度(この酸素濃度を「換算酸素濃度」という)を採用
するものとし、これを次式(7)にて求める。
X02 *=−(B1・μ+C1・ν)/A1 …(7) ただし、X02 *は換算酸素濃度で、は後述する希薄燃焼
側での酸素濃度と区別するために用いている。また、
μ,νは空燃比検出器1aの対一酸化炭素濃度感度係数η
1,対水素濃度感度係数ζ1をそれぞれ対酸素濃度感度係
数γ1で割った値で、次式にて表されるものである。
μ=η1/γ1 …(8) ν=ζ1/γ1 …(9) ここに、その比μ,νは空燃比検出器の感度係数が気筒
間で違っても同じ値をとることが知られている(たとえ
ば、η1/γ1=η2/γ2=η3/γ3=η4/γ4、ζ1
γ1=ζ2/γ2=ζ3/γ3=ζ4/γ4)。つまり、これ
ら数値μ,νは空燃比検出器の相違に左右されない固有
の値であり、したがって(7)式によれば、空燃比が同
じであれば、どの空燃比検出器1a〜1dをい用いても、同
じ値の換算酸素濃度が得られるのである。
そこで、これら(7)〜(9)式と前述の(1),
(3)〜(6)式を用いて前記各空燃比に対応する換算
酸素濃度を算出し、その各換算酸素濃度を、メモリ34内
のRAMに記憶すると、メモリ34内のRAMに、換算酸素濃度
と空燃比との関係を示す数値対応表が記憶される。
ここで、過濃燃焼側における空燃比の測定動作について
説明すると、過濃燃焼側では、前述したように、空燃比
検出器1aに供給されるポンピング電流Ip1が負(Ip1
0)となり、これが電流電圧変換回路21a,マルチプレク
サ41,A/D変換回路22を介して演算回路31に入力される。
CPU33では、入力されたポンピング電流Ip1から次式(1
0)により、そのときの換算酸素濃度X02 *を算出する。
X02 *=Ip1/γ1 …(10) そして、内挿法により、前記した換算酸素濃度と空燃比
の関係を示す数値対応表から、(10)式で得られたその
ときの換算酸素濃度X02 *に対応する空燃比を算出する。
このようにして算出された1番気筒についての空燃比
は、インターフェース32を介して表示器35へ出力され、
デジタル表示される。
同様にして、残りの気筒用の空燃比検出器1b〜1dに供給
されるポンピング電流Ip2〜Ip4からも(10)式と同様の
式よりそのときの換算酸素濃度が算出され、1番気筒に
ついて使用した同一の数値対応表を用いて、それら換算
酸素濃度に対応する2番ないし4番気筒についての空燃
比が算出される。
ここに、数値対応表を用いて各気筒の空燃比を算出する
と、過渡運転時においてもダイナミックな空燃比の計測
が可能となり、しかも、気筒別に空燃比検出器を設けて
いてもこれらに対する数値対応表は全体で1つだけで足
りるため、数値対応表を記憶するためのメモリ容量が小
さなもので済み、空燃比計測装置の低コスト化を実現す
ることができる。
一方、希薄燃焼側でもメモリ34内のRAMに記憶された水
炭比nに基づいて次式(11)〜(13)により酸素濃度を
算出する。
X02=D1/E1 …(11) D1=(1+n/4)(λ1−1) …(12) E1=n/4+(1+n/4)λ1/0.209 …(13) ただし、X02は酸素濃度、D1,E1は中間変数である。
(11)式によれば、酸素濃度X02は空燃比検出器の違い
に依存しないので、(11)〜(13)式と前述の(1)式
を用いて酸素濃度と空燃比との関係を示す数値対応表を
作成すれば、その数値対応表が全部の気筒に共通に使用
できるものとなる。したがって、以後その数値対応表を
用いて過濃燃焼側と同様に各気筒についての空燃比が算
出される。
最後に、気筒間の空燃比差を求めるには、各気筒につい
て算出した4つの空燃比をメモリ34のRAMに格納してお
き、格納した値を用いて減算を行わせる。そして、表示
切換スイッチ36により、表示器35に空燃比差を表示させ
る。
(考案の効果) この考案は、各気筒に対応して空燃比検出器を取り付け
るとともに、酸素濃度と空燃比(あるいは当量比)との
関係を示す数値対応表を作成し、この数値対応表を用い
て各気筒の空燃比を算出する構成としたため、計測精度
を高めつつも、数値対応表を記憶しておくためのメモリ
容量を少なくしてコストの上昇を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの考案の一実施例のブロック図、第2図は空
燃比検出器により空燃比を検出する原理を説明するため
の回路図である。 1a〜1d……空燃比検出器、11a〜11d……駆動回路、21a
〜21d……電流電圧変換回路、22……A/D変換回路、23a
〜23d……感度係数設定用のデジタルスイッチ、24……
水炭比設定用のデジタルスイッチ、31……演算回路、32
……インターフェース、33……CPU、34……メモリ、35
……表示器、41……マルチプレクサ。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸素濃度検出の動作とポンピング動作をそ
    れぞれ行うジルコニア板と、各ジルコニア板の両主面に
    形成された電極と、両ジルコニア板の間に設けられた被
    測定ガスの導かれる中空室と、この中空室への被測定ガ
    スの拡散速度を律する部位とからなる空燃比検出器をエ
    ンジンの各気筒の排気管に取り付けるとともに、前記酸
    素濃度検出の動作を行うジルコニア板の中空室側電極近
    傍の酸素濃度が常に予め定めた基準値と一致するよう
    に、前記各空燃比検出器へのポンピング電流を制御する
    回路と、前記各空燃比検出器の被測定ガス中の特定ガス
    成分濃度に対する感度係数をそれぞれ設定する手段と、
    燃料の種類に応じて決定される水炭比を設定する手段
    と、前記水炭比の設定値を用い、燃料と空気の燃焼反応
    式に基づいた所定の演算から、予め設定された数値の異
    なる複数の空燃比もしくは予め設定された数値の異なる
    複数の当量比のいずれか一方とこれに対応する酸素濃度
    との関係を示す数値対応表を作成する手段と、この数値
    対応表を記憶する手段と、前記ポンピング電流と前記感
    度係数の設定値とからそのときの酸素濃度を気筒別に算
    出する手段と、この気筒別の酸素濃度に対応する空燃比
    を前記数値対応表を用いて算出する手段とを備えること
    を特徴とする多気筒エンジンの空燃比計測装置。
JP12702488U 1988-09-28 1988-09-28 多気筒エンジンの空燃比計測装置 Expired - Lifetime JPH0738849Y2 (ja)

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