JPH04368102A - 焼結磁石およびその製造方法、磁石粉末およびその製造方法、樹脂ボンディッド磁石ならびに金属ボンディッド磁石 - Google Patents

焼結磁石およびその製造方法、磁石粉末およびその製造方法、樹脂ボンディッド磁石ならびに金属ボンディッド磁石

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JPH04368102A
JPH04368102A JP3170709A JP17070991A JPH04368102A JP H04368102 A JPH04368102 A JP H04368102A JP 3170709 A JP3170709 A JP 3170709A JP 17070991 A JP17070991 A JP 17070991A JP H04368102 A JPH04368102 A JP H04368102A
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particles
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Akira Fukuno
亮 福野
Tsutomu Ishizaka
力 石坂
Tetsuto Yoneyama
米山 哲人
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TDK Corp
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F1/00Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
    • H01F1/01Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
    • H01F1/03Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
    • H01F1/032Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of hard-magnetic materials
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    • H01F1/053Alloys characterised by their composition containing rare earth metals
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    • H01F1/059Alloys characterised by their composition containing rare earth metals and magnetic transition metals, e.g. SmCo5 and Va elements, e.g. Sm2Fe17N2

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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、異方性を有する焼結磁
石およびその製造方法、異方性を有する磁石粉末および
その製造方法、異方性を有する樹脂ボンディッド磁石な
らびに異方性を有する金属ボンディッド磁石に関する。
【0002】
【従来の技術】高性能希土類磁石としては、Sm−Co
系磁石やNd−Fe−B系磁石が知られているが、近年
、新規な希土類磁石の開発が盛んに行なわれている。
【0003】例えば、Sm2 Fe17とNとの化合物
であるSm2 Fe17N2.3 付近の組成で、4π
Is =15.4kG、Tc =470℃、HA =1
4Tの基本物性が得られること、Znをバインダとする
金属ボンディッド磁石として10.5MGOeの(BH
)max が得られること、また、Sm2 Fe17金
属間化合物へのNの導入により、キュリー温度が大幅に
向上して熱安定性が改良されたことが報告されている(
PaperNo.S1.3 at the Sixth
 International Symposium 
on Magnetic Anisotropy an
dCoercivity in Rare Earth
−Transition MetalAlloys,P
ittsburgh,PA,October 25,1
990.(Proceedings Book:Car
negie Mellon University,M
ellon Institute,Pittsburg
h,PA 15213,USA) )。
【0004】この報告では、Sm2 Fe17N2.3
の粉末をZn粉末と混合してコールドプレスした場合、
μ0 Hc =0.2T( iHc =2kG)である
が、さらに磁場プレスしてZnの融点付近の温度で熱処
理して金属ボンディッド磁石とした場合、μ0Hc =
0.6T( iHc =6kG)が得られている。
【0005】上記報告の金属ボンディッド磁石に用いら
れている磁石粒子は、ほぼ単結晶粒子となる程度の粒径
を有し、保磁力発生機構はニュークリエーションタイプ
である。このため、磁気特性が粒子の表面状態の影響を
受け易い。すなわち、粉砕時の機械的衝撃や粒子の酸化
等により磁石粒子表面には微小突起等の欠陥が生じ、磁
化方向と反対側に磁界が印加されたときに前記欠陥が逆
磁区発生の核となって粒内に磁壁が発生するが、ニュー
クリエーションタイプの磁石では結晶粒内に磁壁のピン
ニングサイトがないため容易に磁壁移動が起こるので、
高い保磁力が得られない。上記報告では、金属ボンディ
ッド磁石とする際に、溶融した高温のバインダに磁石粒
子を接触させ、これにより磁石粒子の表面粗さを減少さ
せて磁壁の発生を抑制し、高い保磁力を得ていると考え
られる。
【0006】ボンディッド磁石は、形状の自由度が大き
く、用途が広いが、高磁気特性のボンディッド磁石とす
るためには、異方性化する必要がある。良好な異方性化
を行なうためには、上記したように単結晶の磁石粒子ま
たは異方性化された多結晶磁石粒子を用いる必要がある
【0007】しかし、Sm−Fe−N系の磁石粒子は、
単結晶粒子となる程度の粒径とすると耐酸化性が不十分
となり、また、粒径が小さいとボンディッド磁石に適用
した場合に十分な充填率が得られない。
【0008】また、Sm2 Fe17磁石の(BH)m
axの理論値である約59MGOeから予測されるボン
ディッド磁石の(BH)max が約40MGOeであ
るのに比べ、上記報告に示される金属ボンディッド磁石
の(BH)max は低く、特に保磁力が低い。これは
、逆磁区発生の核となる磁石粒子表面欠陥の修復が不十
分であるためと考えられる。
【0009】一方、多結晶磁石粒子を用いた場合、磁石
の粒子径を大きくできるため、これらの問題はある程度
解決されるが、Sm−Fe−N系の多結晶粒子を異方性
化する提案はなされていない。
【0010】また、ボンディッド磁石はバインダが存在
するため、高エネルギー積が得られないので、形状の自
由度が要求されない用途には焼結磁石を用いることが好
ましいが、Sm−Fe−N系の焼結磁石の提案はなされ
ておらず、当然、異方性焼結磁石の提案もなされていな
い。Sm−Fe−N系磁石を製造する際には、窒素を含
む雰囲気中で熱処理してSm−Fe系合金にNを固溶さ
せる必要があるが、この際、合金を数百μm 程度以下
の粒子径にまで粉砕する必要がある。しかし、高密度焼
結体を得るために、窒化した粒子を650℃を超えるよ
うな温度で焼結すると、Sm−Fe−N化合物が分解し
、Sm−N化合物が形成されて磁石特性が得られなくな
ってしまう。従来、Sm−Fe−N系の高温焼結磁石の
提案がなされていないのは、このような理由によると考
えられる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような事
情からなされたものであり、Sm、FeおよびNを主成
分とする磁石について、異方性を有する焼結磁石および
その製造方法ならびに異方性多結晶磁石粒子からなる磁
石粉末およびその製造方法を提供することを目的とし、
また、前記磁石粉末を用いた異方性樹脂ボンディッド磁
石および異方性金属ボンディッド磁石を提供することを
目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(11)の構成を有する本発明により達成され
る。
【0013】(1)  R(ただし、Rは希土類元素か
ら選択される1種以上の元素であり、Smを必須元素と
して含む。)と、T(ただし、TはFe、またはFeお
よびCoである。)と、N、またはNおよびCとを含有
し、Rの含有率が5〜15原子%、Nの含有率が0.5
原子%以上、Nの含有率とCの含有率の合計が25原子
%以下、残部がTであって、異方性を有することを特徴
とする焼結磁石。
【0014】(2)  樹脂または金属の補強材が含浸
されている上記(1)に記載の焼結磁石。
【0015】(3)  R(ただし、Rは希土類元素か
ら選択される1種以上の元素であり、Smを必須元素と
して含む。)と、T(ただし、TはFe、またはFeお
よびCoである。)と、N、またはNおよびCとを含有
し、Rの含有率が5〜15原子%、Nの含有率が0.5
原子%以上、Nの含有率とCの含有率の合計が25原子
%以下、残部がTであって、異方性多結晶磁石粒子を含
むことを特徴とする磁石粉末。
【0016】(4)  R(ただし、Rは希土類元素か
ら選択される1種以上の元素であり、Smを必須元素と
して含む。)と、T(ただし、TはFe、またはFeお
よびCoである。)と、N、またはNおよびCとを含有
し、Nの含有率とCの含有率の合計が0.5原子%以上
である原料合金粉末を磁場中で成形して成形体を得る磁
場中成形工程と、減圧雰囲気中での熱処理により前記成
形体中のNを除去する脱窒素処理工程と、Nが除去され
た前記成形体を焼結して焼結体を得る焼結工程と、前記
焼結体を窒素雰囲気中で熱処理することにより、Rの含
有率が5〜15原子%、Nの含有率が0.5原子%以上
、Nの含有率とCの含有率の合計が25原子%以下、残
部がTであって、異方性を有する焼結磁石を得る窒化処
理工程とを有することを特徴とする焼結磁石の製造方法
【0017】(5)  R(ただし、Rは希土類元素か
ら選択される1種以上の元素であり、Smを必須元素と
して含む。)、T(ただし、TはFe、またはFeおよ
びCoである。)およびCを含有し、Cの含有率が0.
5原子%以上である原料合金粉末を磁場中で成形して成
形体を得る磁場中成形工程と、前記成形体を焼結して焼
結体を得る焼結工程と、前記焼結体を窒素雰囲気中で熱
処理することにより、Rの含有率が5〜15原子%、N
の含有率が0.5原子%以上、Nの含有率とCの含有率
の合計が25原子%以下、残部がTであって、異方性を
有する焼結磁石を得る窒化処理工程とを有することを特
徴とする焼結磁石の製造方法。
【0018】(6)  上記(4)または(5)に記載
の方法により製造された焼結磁石を粉砕して、異方性多
結晶磁石粒子を含む磁石粉末を得ることを特徴とする磁
石粉末の製造方法。
【0019】(7)  R(ただし、Rは希土類元素か
ら選択される1種以上の元素であり、Smを必須元素と
して含む。)と、T(ただし、TはFe、またはFeお
よびCoである。)と、N、またはNおよびCとを含有
し、Nの含有率とCの含有率の合計が0.5原子%以上
である原料合金粉末を磁場中で成形して成形体を得る磁
場中成形工程と、減圧雰囲気中での熱処理により前記成
形体中のNを除去する脱窒素処理工程と、Nが除去され
た前記成形体を焼結して焼結体を得る焼結工程と、前記
焼結体を粉砕して、多結晶合金粒子を含む合金粉末を得
る粉砕工程と、前記合金粉末を窒素雰囲気中で熱処理す
ることにより、Rの含有率が5〜15原子%、Nの含有
率が0.5原子%以上、Nの含有率とCの含有率の合計
が25原子%以下、残部がTであって、異方性多結晶磁
石粒子を含む磁石粉末を得る窒化処理工程とを有するこ
とを特徴とする磁石粉末の製造方法。
【0020】(8)  R(ただし、Rは希土類元素か
ら選択される1種以上の元素であり、Smを必須元素と
して含む。)、T(ただし、TはFe、またはFeおよ
びCoである。)およびCを含有し、Cの含有率が0.
5原子%以上である原料合金粉末を磁場中で成形して成
形体を得る磁場中成形工程と、前記成形体を焼結して焼
結体を得る焼結工程と、前記焼結体を粉砕して、多結晶
合金粒子を含む合金粉末を得る粉砕工程と、前記合金粉
末を窒素雰囲気中で熱処理することにより、Rの含有率
が5〜15原子%、Nの含有率が0.5原子%以上、N
の含有率とCの含有率の合計が25原子%以下、残部が
Tであって、異方性多結晶磁石粒子を含む磁石粉末を得
る窒化処理工程とを有することを特徴とする磁石粉末の
製造方法。
【0021】(9)  上記(3)に記載の磁石粉末が
樹脂バインダ中に分散されており、異方性を有すること
を特徴とする樹脂ボンディッド磁石。
【0022】(10)  前記磁石粉末に含まれる異方
性多結晶磁石粒子の表面に金属の被覆層が形成されてい
る上記(9)に記載の樹脂ボンディッド磁石。
【0023】(11)  上記(3)に記載の磁石粉末
が金属バインダ中に分散されており、異方性を有するこ
とを特徴とする金属ボンディッド磁石。
【0024】
【作用】本発明の焼結磁石は、異方性を有する焼結体で
あり、本発明の磁石粉末は、異方性多結晶磁石粒子から
構成される。本発明の焼結磁石および磁石粉末は、Sm
2 (Fe,Co)17系の合金に窒素(N)またはN
および炭素(C)を含有させたものである。Nの含有に
よりキュリー温度が向上し、優れた熱安定性が得られる
。また、Nを含有することにより高い飽和磁化が得られ
、異方性エネルギーも向上して高い保磁力が得られる。 磁気特性の向上は、Nが結晶格子の特定位置に侵入型の
固溶をすることにより、Fe原子同士の距離や、Fe原
子と希土類金属原子との距離が最適化されるためである
と考えられる。
【0025】このようなSm−Fe−N系組成を有する
異方性焼結磁石を製造するために、本発明では、まず、
磁場中配向が可能なSm−Fe−N系またはSm−Fe
−C系の粉末を用いて異方性成形体を作製する。菱面体
晶系のSm2 Fe17結晶を有する合金は磁化容易軸
がc面内に分布し、一軸磁気異方性を示さず磁場により
配向させることが不可能であるが、NやCが結晶格子間
に侵入して固溶した場合、磁気異方性が発生して磁場中
配向による異方性化が可能となる。
【0026】次いで、前記成形体を低温で焼結して比較
的ポーラスな焼結体を得、この焼結体を粉砕することな
く窒化してSm−Fe−N系異方性焼結磁石を製造する
。なお、Sm−Fe−N系の粉末を用いた場合は、脱窒
素をした後に焼結する。
【0027】異方性多結晶磁石粒子は、焼結体を粉砕し
て多結晶粒子とした後に窒化する方法、あるいは焼結体
を窒化後に多結晶粒子となるように粉砕する方法により
製造する。粉砕してから窒化する方法では、緻密な焼結
体でも窒化できるため、高磁気特性が得られる。
【0028】
【具体的構成】以下、本発明の具体的構成について詳細
に説明する。
【0029】<焼結磁石および磁石粉末>本発明の焼結
磁石は、R(ただし、Rは希土類元素から選択される1
種以上の元素であり、Smを必須元素として含む。)、
T(ただし、TはFe、またはFeおよびCoである。 )およびNを含有するか、あるいはさらにCを含有する
異方性磁石である。
【0030】また、本発明の磁石粉末は、異方性多結晶
磁石粒子を含み、組成、結晶構造等は、本発明の焼結磁
石と同様である。
【0031】Rは、Sm単独、あるいはSmおよびその
他の希土類元素の1種以上である。Sm以外の希土類元
素としては、例えばY、La、Ce、Pr、Nd、Eu
、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu等
が挙げられる。Sm以外の希土類元素が多すぎると結晶
磁気異方性が低下するため、Sm以外の希土類元素はR
の70%以下とすることが好ましい。Rの含有率は、5
〜15原子%、好ましくは7〜14原子%とする。Rの
含有率が前記範囲未満であると保磁力 iHc が低下
し、前記範囲を超えると残留磁束密度Br が低下して
しまう。
【0032】Nの含有率は、0.5〜25原子%、好ま
しくは5〜20原子%とする。本発明では、Nの一部に
換えてCを含有する構成としてもよい。この場合、Nの
含有率は0.5原子%以上とし、NおよびCの合計含有
率は25原子%以下とする。Nの含有率が前記範囲未満
となると、キュリー温度の上昇と飽和磁化の向上が不十
分であり、NおよびCの合計含有率が前記範囲を超える
とBr が低下する。
【0033】Nの一部に換えて含有されるCは、飽和磁
化、保磁力およびキュリー温度向上効果を示す。Cの含
有率の下限は特にないが、合計含有率が0.25原子%
以上であれば、前記した効果は十分に発揮される。ただ
し、後述するように、製造方法によっては、Cが必須元
素として含有される場合もある。
【0034】なお、このような組成を有する本発明の焼
結磁石および磁石粉末のキュリー温度は、組成によって
も異なるが430〜650℃程度である。
【0035】TはFe、またはFeおよびCoであり、
T中のFeの含有率は20原子%以上、特に30原子%
以上であることが好ましい。T中のFeの含有率が前記
範囲未満となるとBr が低下する。なお、T中のFe
含有率の上限は特にないが、80原子%を超えるとBr
 が低下する傾向にある。
【0036】磁石中には、Mn、Ni、Zn等の上記以
外の元素が含有されていてもよい。これらの元素の含有
率は3重量%以下とすることが好ましい。また、B、O
、P、S等の元素が含有されていてもよいが、これらの
元素の含有率は2重量%以下とすることが好ましい。
【0037】焼結磁石および磁石粉末の平均結晶粒径は
、0.3〜100μmとすることが好ましい。平均結晶
粒径が前記範囲未満であると磁場により配向しにくく、
前記範囲を超えると高い保磁力が得られにくい。なお、
本発明の焼結磁石および磁石粉末は、主としてTh2 
Zn17型の菱面体晶系の結晶構造を有する。
【0038】本発明の焼結磁石および磁石粉末の製造に
好適な2種の方法のフローチャートを、図1および図2
にそれぞれ示す。以下、各方法について説明する。
【0039】<方法A(図1)> 原料合金粉末 図1に示される方法Aでは、まず、R、TおよびNを含
有するか、またはR、T、CおよびNを含有する原料合
金粉末を製造する。
【0040】原料合金粉末中におけるNの含有率とCの
含有率の合計は、0.5原子%以上とする。すなわち、
原料合金粉末がR、TおよびNを含有する場合、Nの含
有率は0.5原子%以上とし、原料合金粉末がさらにC
を含有する場合、Nの含有率とCの含有率の合計は0.
5原子%以上とする。これらの含有率が前記範囲未満で
あると十分な磁気異方性が得られず、後述する磁場中成
形により異方性成形体を得ることが難しくなる。
【0041】Nの含有率とCの含有率の合計を0.5原
子%以上とすることにより一軸異方性の発生が認められ
、例えば、結晶磁気異方性の度合いを示す異方性磁界(
HA)は、Nが13原子%のとき140kOe 程度に
達するため、異方性成形体が容易に得られる。
【0042】なお、RおよびTは、後述する窒化処理工
程後に上記した本発明の磁石組成となるように含有され
ていればよい。
【0043】原料合金粉末は、下記のようにして製造す
ることが好ましい。
【0044】まず、目的とする組成が得られるように各
原料金属や合金を混合し、次いで混合物を溶解して鋳造
し、母合金インゴットを製造する。母合金インゴットの
結晶粒径は特に限定されず、通常、0.05〜5000
μm 程度とすればよいが、後述する粉砕により単結晶
粒子が得られるような寸法とすることが好ましい。
【0045】次に、必要に応じて母合金インゴットに溶
体化処理を施す。溶体化処理は、インゴットの均質性を
向上させるために施され、処理温度は900〜1230
℃、特に1000〜1200℃、処理時間は0.5〜2
4時間程度とすることが好ましい。なお、溶体化処理は
種々の雰囲気中で行なうことができるが、不活性ガス雰
囲気等の非酸化性雰囲気、還元性雰囲気、真空中等で行
なうことが好ましい。
【0046】次いで、母合金インゴットを粉砕して合金
粉末とする。合金粉末の平均粒子径は特に限定されない
が、十分な耐酸化性を得るためには、平均粒子径を好ま
しくは2μm 以上、より好ましくは10μm 以上、
さらに好ましくは15μm 以上とすることがよい。平
均粒子径の上限は特にないが、通常、1000μm 程
度以下、特に200μm 以下とすることが好ましい。
【0047】粉砕手段は特に限定されず、通常の各種粉
砕機を用いればよいが、母合金インゴットに水素ガスを
吸蔵させて粉砕する手段を用いてもよい。
【0048】なお、本発明において平均粒子径とは、篩
別により求められた重量平均粒子径D50を意味する。 重量平均粒子径D50は、径の小さな粒子から重量を加
算していって、その合計重量が全粒子の合計重量の50
%となったときの粒子径である。
【0049】次いで、合金粉末に窒化処理を施し、Nを
固溶させる。この窒化処理は窒素雰囲気中で合金粉末に
熱処理を施すものであり、これにより合金粉末には窒素
が吸収される。窒化処理の際の保持温度は400〜70
0℃、特に450〜650℃程度とすることが好ましい
。また、温度保持時間は、0.5〜200時間、特に2
〜100時間程度とすることが好ましい。また、窒素ガ
スの圧力は0.1気圧以上とすることが好ましい。合金
粉末中のN量は、ガス分析法により測定することができ
る。
【0050】なお、母合金インゴットに水素を吸蔵させ
て粉砕し、さらに合金粉末を大気にさらすことなく窒化
処理工程に供すれば、粒子表面の酸化膜の発生を抑える
ことができるので、窒化処理の際に高い反応性が得られ
る。
【0051】磁場中成形工程 磁場中成形工程では、原料合金粉末を磁場中で成形して
、磁化容易軸(c軸)が配向した成形体を製造する。 磁場中成形の条件に特に制限はなく、目的とする配向が
得られるように適宜選択すればよいが、例えば、磁場強
度は3〜20kOe程度が好ましい。また、成形手段と
しては、例えば、油圧によるダイプレスなどを用いれば
よい。
【0052】脱窒素処理工程 脱窒素処理工程では、磁場中成形により得られた成形体
を減圧雰囲気中で熱処理して、成形体から窒素を除去す
る。窒素を除去せずに常圧付近で焼結すると、600℃
以上の温度となったときに、SmNと、FeまたはFe
2 Nとに分解し、磁気異方性を示さなくなってしまう
ので、窒素含有率が0.1原子%以下、特に0.01原
子%以下となるまで熱処理することが好ましい。
【0053】この工程における熱処理温度は250〜6
50℃とすることが好ましく、温度保持時間は0.5〜
15時間とすることが好ましい。また、1×10−2T
orr以下、特に1×10−3Torr以下のArガス
雰囲気中で熱処理することが好ましい。
【0054】なお、Cを含有しない原料合金粉末は脱窒
素処理により一軸異方性を失うが、成形体中の粒子配向
は維持される。
【0055】焼結工程 焼結工程では、Nが除去された成形体を焼結する。
【0056】焼結磁石を製造する場合には、比較的低温
で焼結し、比較的低密度の焼結体を作製する。低密度焼
結体、すなわちポーラスな焼結体とするのは、焼結体を
粉砕せずに窒化するためである。
【0057】低密度焼結体の密度は特に限定されず、バ
ルク状のまま窒化が可能であるように適宜密度を選択す
ればよいが、通常、理論密度に対して80%以下、特に
75%以下とすることが好ましい。また、焼結体の密度
が低過ぎると、十分な磁気特性が得られず、強度も不十
分となるので、通常、理論密度に対して60%以上とす
ることが好ましい。
【0058】低密度焼結体を得るための焼結条件は、成
形体の組成によっても異なるので特に限定されず、必要
とされる密度の焼結体が得られるように適宜選択すれば
よいが、通常、保持温度は800〜1180℃、特に9
50〜1100℃程度であり、温度保持時間は0.5〜
5時間程度である。
【0059】一方、本発明の磁石粉末を製造する場合、
焼結体を粉砕した後に窒化処理を施すことができるので
、焼結体の密度が高くても窒化することができる。この
場合の焼結体の密度は特に限定されないが、密度が高い
ほど高磁気特性が得られるので、この場合は高密度焼結
体とすることが好ましい。高密度焼結体の密度は、通常
、理論密度に対して85%以上、特に93%以上とする
ことが好ましい。
【0060】高密度焼結体を得るための焼結条件は、成
形体の組成によっても異なるので特に限定されず、必要
とされる密度の焼結体が得られるように適宜選択すれば
よいが、通常、保持温度は1100〜1320℃、特に
1150〜1280℃程度であり、温度保持時間は0.
5〜5時間程度である。
【0061】焼結工程の雰囲気は、不活性ガス雰囲気等
の非酸化性雰囲気、還元性雰囲気、あるいは真空等から
適宜選択することが好ましい。
【0062】なお、脱窒素処理工程後、降温せずに焼結
を行なうことができる。
【0063】焼結の際には、結晶粒表面が平滑化されて
、逆磁区発生の核となる欠陥が殆どなくなるが、原料粉
末の組成を適宜選択することにより結晶粒界にFe3 
Smを析出させた場合、後述する混在部と同様な作用に
より、さらに高い保磁力が得られる。Fe3 Smが析
出しやすい組成は、化学量論組成(Sm2 Fe17)
に対しSmがリッチな組成である。
【0064】熱処理工程 焼結後、必要に応じて熱処理を施す。原料合金の組成や
焼結条件によっても異なるが、主相である結晶粒中には
各種の不純物が固溶していることがあるので、熱処理を
施すことにより不純物を結晶粒界に集め、主相を純化す
る。この熱処理の際の条件は、主相の純化ができるよう
に適宜選択すればよいが、通常、保持温度500〜90
0℃、温度保持時間0.5〜5時間程度で、Arガス等
の不活性ガス雰囲気中で行なうことが好ましい。
【0065】なお、磁石粉末を製造する場合、粉砕工程
後に熱処理工程を設けてもよい。
【0066】粉砕工程 磁石粉末を製造する場合、窒化処理後の焼結体を粉砕し
てもよいが、窒化を容易に行なうためには、窒化処理工
程の前に粉砕工程を設けることが好ましい。特に、バル
ク状では窒化が不可能な高密度焼結体を作製した場合に
は、この粉砕工程は必須である。
【0067】この粉砕工程では、多結晶合金粒子を含む
合金粉末を作製する。合金粉末の平均粒子径は特に限定
されないが、良好な耐酸化を得るためおよびボンディッ
ド磁石に適用した場合に高い充填率を得るためには、3
〜200μm とすることが好ましい。
【0068】粉砕手段は特に限定されず、ディスクミル
やコーヒーミル等の通常の手段を用いればよい。
【0069】なお、合金粉末中には単結晶合金粒子が含
まれていてもよいが、合金粉末中の多結晶合金粒子の比
率は90重量%以上であることが好ましい。
【0070】水素吸蔵処理工程 上記工程後に得られた焼結体または多結晶合金粒子には
、直ちに窒化処理を施すこともできるが、焼結体や合金
粒子に水素を吸蔵させ、さらに脱水素した後に窒化処理
すれば、容易に窒化することができる。水素吸蔵処理は
、寸法の大きな焼結体や粒径が大きく窒化されにくい合
金粒子に対して極めて有効である。水素を吸蔵させるこ
とにより、焼結体や合金粒子中に微細なガス通路が形成
され、続く窒化処理の際に、このガス通路を通って窒素
が深部まで侵入するため、Nを容易に固溶させることが
可能になると考えられる。
【0071】水素吸蔵処理は、水素ガス雰囲気中で熱処
理することにより合金に水素を吸蔵させるものであり、
このときの熱処理温度は350℃以下、特に100〜3
00℃とすることが好ましく、温度保持時間は0.5〜
24時間、特に1〜10時間とすることが好ましい。ま
た、水素ガスの圧力は、0.1〜10気圧、特に0.5
〜2気圧とすることが好ましい。
【0072】水素吸蔵の際の雰囲気は、水素ガスだけに
限らず、水素ガスと不活性ガスとの混合雰囲気であって
もよい。この場合の不活性ガスとしては、例えばHeま
たはAr、あるいはこれらの混合ガスが好ましい。
【0073】なお、生産性を高くするために、水素吸蔵
処理後、焼結体から水素を放出させずに続いて窒化処理
を施すことが好ましい。この場合、焼結体や合金粒子中
の水素は窒化処理の際の加熱により放出されるので、窒
化後の焼結体や合金粒子中に水素は実質的に含まれず、
例えば、水素含有率を0.009原子%以下とすること
ができる。
【0074】ただし、水素吸蔵処理後に、減圧雰囲気中
で熱処理を施して焼結体や合金粒子から水素を放出させ
る工程を設けてもよい。この場合の熱処理温度は200
〜400℃とすることが好ましく、温度保持時間は0.
5〜2時間とすることが好ましい。また、圧力は1×1
0−2Torr以下、特に1×10−3Torr以下と
することが好ましく、Arガス雰囲気中で熱処理するこ
とが好ましい。
【0075】窒化処理工程 窒化処理工程では、焼結体または多結晶合金粒子を、窒
素雰囲気中で熱処理することにより窒化する。この工程
により、本発明の焼結磁石または磁石粉末が得られる。
【0076】この窒化処理工程における保持温度、温度
保持時間、窒素ガス圧力等の各種条件の好ましい範囲は
、原料合金粉末製造の際の窒化処理と同様である。
【0077】なお、窒化処理の前に水素吸蔵処理を行な
った場合、窒化処理の際の保持温度を低くすることがで
き、350〜650℃、特に400〜550℃にて窒化
が可能である。ただし、この際の温度は水素吸蔵処理の
温度よりも高いことが好ましい。
【0078】このようにして製造された本発明の焼結磁
石は、比較的低密度であるため、軽量なバルク磁石とし
て使用することができる。
【0079】補強材含浸 本発明の焼結磁石を、機械的強度が要求される用途に適
用する場合には、焼結磁石に金属や樹脂等の補強材を含
浸させて、機械的強度を向上させることが好ましい。本
発明の焼結磁石はポーラスなので、このような含浸が容
易である。
【0080】含浸させる補強材は特に限定されず、各種
樹脂や各種金属から適宜選択すればよいが、焼結磁石の
温度が550℃を超えるとNの放出により磁気特性が極
端に低下してしまうため、550℃以下、特に500℃
以下で溶融状態となる補強材を用いることが好ましい。 樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂やフェノール樹脂
等の各種熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂などが挙げられ、
含浸後、必要に応じて硬化する。また、金属としては、
融点が150〜500℃程度の金属単体、合金および金
属間化合物が好ましく、例えば、Zn、Sn、Pb、M
g−Ba、Ba−Pb、Bi、In、Bi−Li、Ni
−Ce、Ce−Ga、Ce−Znなどが挙げられる。
【0081】金属の補強材を用いた場合、焼結磁石中に
溶融した補強材が侵入することにより、逆磁区発生の核
となる結晶粒表面の欠陥が修復されるため、ニュークリ
エーションフィールドが増大して保磁力が向上する。特
に、焼結磁石の結晶粒と補強材との界面に、磁石構成元
素と補強材構成元素とを含む混在部が形成されている場
合、極めて高い保磁力が得られる。この混在部は、後述
する混在部と同種のものであり、補強材含浸時にも形成
することができるが、補強材含浸後、550℃以下、好
ましくは500℃以下で熱処理を施すことにより、混在
部を形成したり、あるいは含浸時に形成されている混在
部の厚さや混在部の化合物含有率などを調整することが
できる。このような混在部を形成するためには、金属の
被覆層としてZnまたはSnを用いることが好ましい。
【0082】補強材の含浸量は、通常、焼結磁石の空隙
部に対し70〜95体積%程度とすることが好ましい。
【0083】また、補強材の含浸を容易に行なうために
は、減圧雰囲気中で含浸させることが好ましい。
【0084】焼結磁石粉砕工程 本発明の磁石粉末は、上記のようにして得られた焼結磁
石を粉砕することによっても製造することができる。こ
の粉砕は、上記した粉砕工程と同様にして行なえばよく
、上記粉砕工程と同様に、磁石粉末中の多結晶磁石粒子
の比率が90重量%以上となるように粉砕することが好
ましい。
【0085】<方法B(図2)>図2に示される方法B
では、R、TおよびCを含有する原料合金粉末を用いる
。すなわち、Nの代わりにCを含有させることにより原
料合金粒子の異方性を向上させ、磁場中成形による異方
性化を可能にする。この方法では、原料合金粉末を作製
する際の窒化処理および焼結前の脱窒素処理が不要であ
り、工数が少なくて済む。
【0086】この方法では、Cの含有率が0.5原子%
以上である原料合金粉末を用いる。Cの含有率が前記範
囲未満であると十分な磁気異方性が得られず、後述する
磁場中成形により異方性成形体を得ることが難しくなる
【0087】Cの含有率をこのような範囲とすることに
より一軸異方性の発生が認められ、例えば、結晶磁気異
方性の度合いを示す異方性磁界(HA )は、Cが10
原子%のとき90kOe 程度に達するため、異方性成
形体が容易に得られる。
【0088】原料合金粉末は、前述した方法Aと同様に
して製造すればよいが、方法Bで用いる原料合金粉末は
窒素を含まないため、原料合金粉末製造工程に窒化処理
は含まれない。
【0089】方法Bにおける各種条件は、原料合金粉末
が異なることおよび脱窒素処理工程がないことの他は、
上記した方法Aと同様である。
【0090】<ボンディッド磁石>本発明の磁石粉末は
、通常、各種ボンディッド磁石に適用される。ボンディ
ッド磁石は、磁石粉末がバインダ中に分散された構成を
有する磁石であり、バインダとして樹脂を用いる樹脂ボ
ンディッド磁石や、バインダとして金属を用いる金属ボ
ンディッド磁石などが一般的であるが、本発明の磁石粉
末は、これらのいずれにも好適である。
【0091】本発明の磁石粉末の保磁力発生機構はニュ
ークリエーションタイプである。一般に、ニュークリエ
ーションタイプの磁石粉末は、磁気特性が磁石粒子表面
状態の影響を受け易い。すなわち、粉砕時の機械的衝撃
や粒子の酸化等により磁石粒子表面には微小突起等の欠
陥が生じ、磁化方向と反対側に磁界が印加されたときに
前記欠陥が逆磁区発生の核となって粒内に磁壁が発生す
るが、ニュークリエーションタイプの磁石では結晶粒内
に磁壁のピンニングサイトがないため容易に磁壁移動が
起こるので、高い保磁力が得られない。
【0092】しかし、本発明の磁石粉末を構成する磁石
粒子は焼結体を粉砕した多結晶粒子であり、磁石粒子内
部の結晶粒表面には殆ど欠陥が存在しないため、高い保
磁力が得られる。
【0093】また、金属ボンディッド磁石に適用する場
合は、製造時に多結晶磁石粒子表面が溶融した高温のバ
インダと接触するため、多結晶磁石粒子表面に存在する
突起等の表面欠陥が平滑化されて表面粗さが減少するた
め逆磁区発生の核が減少し、さらに高い保磁力が得られ
る。
【0094】また、多結晶磁石粒子表面に、金属の被覆
層を形成した場合にも、磁石粒子の表面欠陥を修復する
ことができるので、このような被覆層を有する磁石粒子
を樹脂バインダ中に分散すれば、樹脂ボンディッド磁石
においてもさらに高い保磁力を得ることが可能である。
【0095】そして、磁石粒子周囲のバインダあるいは
磁石粒子周囲の被覆層に、磁石粒子を構成する元素を含
有する混在部が形成されている場合、極めて高い保磁力
が得られる。
【0096】この混在部は、バインダや被覆層を構成す
る元素と磁石粒子構成元素とが相互に拡散することによ
り形成されるものであり、磁石粒子とは磁気的性質が異
なるものである。磁石粒子の表面粗さの原因となってい
る突起等の表面欠陥は、上記した相互拡散により混在部
の一部となって磁石粒子とは磁気的に隔絶されるので、
磁石粒子表面の実質的な表面粗さは極めて小さくなり、
逆磁区発生の核が著減して極めて高い保磁力が得られる
と考えられる。
【0097】以下、これらのボンディッド磁石について
詳細に説明する。
【0098】<樹脂ボンディッド磁石>被覆層 樹脂ボンディッド磁石に適用する場合には、上記したよ
うな被覆層を形成することが好ましい。
【0099】被覆層を構成する金属は、磁石粒子表面に
被覆可能であり、かつ磁石粒子表面の欠陥を修復できる
ものであれば特に制限はない。ただし、被覆層と磁石粒
子との間に後述する混在部が形成され得る金属を選択す
ることが好ましい。
【0100】このような金属としては、融点が150〜
500℃程度の金属単体、合金および金属間化合物が好
ましく、例えば、Zn、Sn、Pb、Mg−Ba、Ba
−Pb、Bi、In、Bi−Li、Ni−Ce、Ce−
Ga、Ce−Znなどが挙げられる。これらのうち特に
、ZnまたはSnが好ましい。
【0101】被覆層は、磁石粒子全表面を被覆している
連続膜である必要はない。すなわち、上記した組成を有
する磁石粒子は結晶磁気異方性エネルギーが大きいため
、被覆層は磁石粒子表面の少なくとも一部、好ましくは
表面の70%以上を覆っていれば十分な保磁力向上効果
が実現する。
【0102】被覆層の厚さは、保磁力向上のためには0
.1μm 以上、特に0.5μm 以上であることが好
ましい。また、被覆層の厚さの上限は特にないが、樹脂
ボンディッド磁石としたときの磁石粒子の充填率を高く
し、かつ樹脂ボンディッド磁石製造時に良好な成形性を
得るためには、通常、25μm以下とすることが好まし
い。
【0103】また、磁石粒子と被覆層の合計に対する被
覆層の比率は、0.5〜15体積%であることが好まし
い。被覆層の比率が前記範囲未満であると被覆層の厚さ
を上記範囲とすることが困難であり、前記範囲を超える
と、樹脂ボンディッド磁石に適用した場合に磁石粒子充
填率を高くすることが困難となり、成形性も低下する。
【0104】混在部 被覆層の少なくとも一部には、磁石粒子構成元素を含有
する混在部が形成されていることが好ましい。混在部は
、磁石粒子構成元素と被覆層構成元素とが相互に拡散す
ることにより形成され、磁石粒子周囲に存在する。この
混在部の存在により、保磁力の劣化は著しく改善される
【0105】混在部中には、通常、磁石粒子構成元素の
うち少なくともTおよび/またはR、特にFeおよび/
またはSmが含有される。磁石粒子構成元素と被覆層構
成元素とは金属間化合物として存在することが好ましく
、特に、磁石粒子のTと被覆層構成元素との金属間化合
物が混在部に含まれることが好ましい。例えば、被覆層
がZnから構成される場合、混在部には、Zn7 Fe
3 、Zn9 Fe1 、Sm2 Zn17などの金属
間化合物が含有されることが好ましく、特にZn7 F
e3 やZn9 Fe1 が含有されることが好ましい
【0106】混在部の厚さは、高保磁力を得るためには
0.05μm 以上、特に0.5μm以上であることが
好ましい。また、混在部の厚さの上限は特になく、被覆
層全体が混在部となっていてもよいが、高い飽和磁化を
得るためには10μm 以下であることが好ましい。
【0107】なお、被覆層中において複数の磁石粒子が
互いに接触し二次粒子化して存在する場合、混在部は二
次粒子の周囲に存在することになる。
【0108】混在部の組成および厚さは、X線回折や電
子線プローブマイクロアナライザ(EPMA)などによ
り測定することができる。なお、本明細書において混在
部の厚さとは、磁石粒子構成元素の含有率が10〜90
原子%である領域の厚さとする。
【0109】被覆層および混在部形成方法磁石粒子表面
に被覆層を形成する方法に特に制限はなく、被覆層の材
質などに応じて適宜選択すればよい。
【0110】例えば、被覆層は、熱CVD、プラズマC
VD等のCVD法や、蒸着、スパッタ、イオンプレーテ
ィング等のPVD法など、各種気相成長法により形成す
ることができる。
【0111】これらのうちCVD法は、ステップカバレ
ージが高く、磁石粒子全表面にほぼ均一な厚さの被覆層
を形成することができるので好ましい。特に、熱CVD
を用いる場合、磁石粒子を加熱しながら被覆層を形成す
るので、被覆層形成時の条件を適宜選択することにより
、被覆層構成元素と磁石粒子構成元素とを相互に拡散さ
せて、上記した混在部を容易に形成することができる。 また、例えば、加熱した皿状体の上に磁石粒子を載置し
、前記皿状体を振動させたり回転させたりしながら熱C
VDを行なえば、磁石粒子表面にほぼ均質かつ均一な厚
さの被覆層を形成することができる。
【0112】熱CVDにより被覆層を形成する場合、原
料ガスとしては各種有機金属を用いればよく、例えば亜
鉛アルコキシド等の各種アルコキシドやステアリン酸亜
鉛等の金属セッケンなどを用いることができる。
【0113】被覆層は、機械的エネルギーにより形成す
ることもできる。例えば、被覆層構成元素を含有する被
覆層原料粒子と磁石粒子とを混合し、これらの粒子に機
械的エネルギーを与えて融合させる。このとき、少なく
とも磁石粒子の磁気特性が破壊されないように機械的エ
ネルギーを与える。
【0114】このように機械的エネルギーを与える方法
としては、被覆条件の制御および作業が容易で、しかも
均質かつ均一な厚さの連続膜を形成でき、膜厚の制御が
容易な点で、メカノフュージョンが好ましい。
【0115】本明細書においてメカノフュージョンとは
、複数の異なる素材粒子間に機械的エネルギー、特に機
械的歪力を加えて、メカノケミカル的な反応を起こさせ
る技術のことである。このような機械的な歪力を印加す
る装置としては、例えば、特開昭63−42728号公
報等に記載されているような粉粒体処理装置があり、具
体的には、ホソカワミクロン社製のメカノフュージョン
システムや奈良機械製作所製ハイブリダイゼーションシ
ステムなどが好適である。
【0116】メカノフュージョン被覆装置の一例を図3
に示す。図3においてメカノフュージョン被覆装置7は
、粉体を入れたケーシング8を高速回転させて粉体層6
をその内周面81に形成すると共に、摩擦片91、かき
取り片95をケーシング8と相対回転させ、ケーシング
8の内周面81にて、摩擦片91により粉体層6に圧縮
や摩擦をかけ、同時にかき取り片95により、かき取り
や分散、攪拌を行なうものである。
【0117】メカノフュージョンの際の各種条件は、被
覆層原料粒子の組成や目的とする被覆層の構成に応じて
適宜設定すればよいが、例えば上記の装置にて、混合時
間は20〜40分程度、ケーシング8の回転数は800
〜2000rpm 程度、温度は15〜70℃程度とし
、その他の条件は通常のものとすればよい。また、被覆
層原料粒子の平均粒子径は、0.5〜10μm 程度と
することが好ましい。
【0118】このようなメカノフュージョンにおいて各
種条件を適宜選択することにより、被覆層形成と共に混
在部を形成することが可能である。
【0119】また、液相めっきにより被覆層を形成する
こともできる。液相めっきとしては、各種の電気めっき
や無電解めっきなどを用いればよい。
【0120】なお、上記した各方法により被覆層を形成
した場合、磁石粒子が凝集することがあるが、樹脂ボン
ディッド磁石に適用する場合には必要に応じて解砕すれ
ばよく、被覆層中に複数の磁石粒子が存在していてもよ
い。
【0121】以上に挙げた方法のように磁石粒子に直接
被覆層を形成する方法の他、金属のバインダ中に磁石粉
末が分散されている金属ボンディッド磁石を粉砕する方
法を用いても、被覆層を有する磁石粒子を製造すること
ができる。この場合、バインダが被覆層となる。
【0122】粉砕される金属ボンディッド磁石の製造方
法に特に制限はない。例えば、磁石粉末とバインダの粉
末とを混合して成形した後、熱処理すれば、磁石粒子を
バインダにより結合することができ、金属ボンディッド
磁石が得られる。
【0123】この方法を用いる場合、550℃以下、好
ましくは500℃以下で磁石粒子を結合可能なバインダ
を用いる。また、バインダの粉末を構成する粒子の平均
粒子径は特に限定されないが、磁石粉末と均一に混合す
るためには、0.5〜30μm 程度とすることが好ま
しい。混合手段にも特に制限はなく、例えば、ライカイ
機などを用いればよい。
【0124】磁石粉末とバインダの粉末との混合物中に
おけるバインダの粉末の含有率は特に限定されないが、
バインダの粉末の含有率が低過ぎると成形性が悪くなっ
て粉砕したときに均一な被覆層が得られにくくなり、含
有率が高すぎると粉砕したときに被覆層が厚くなりすぎ
るので、通常、2〜25体積%とすることが好ましい。 成形手段は特に限定されないが、通常、コンプレッショ
ン成形を行なう。成形時の圧力に特に制限はないが、通
常、0.2〜16t/cm2 程度である。
【0125】なお、本発明では、金属ボンディッド磁石
を粉砕して用いるため、金属ボンディッド磁石に異方性
を付与する必要はないが、被覆層中に複数の磁石粒子を
含む粉砕粉が得られる場合は、これら複数の磁石粒子の
磁化容易軸方向が配向していることが好ましい。このよ
うに配向させるには、上記した成形を磁場中で行なえば
よい。
【0126】バインダにより磁石粒子を結合するための
熱処理温度は、550℃以下、好ましくは500℃以下
とする。熱処理温度が550℃を超えると磁石粉末が分
解してNが放出されてしまい、磁気特性が極端に低下す
る。熱処理温度は550℃以下であれば特に制限はなく
、必要な粘度が得られるようにバインダの融点に応じて
適宜選択すればよいが、150℃未満で溶融するバイン
ダを用いた場合、実用的に十分な熱安定性が得られない
。また、熱処理の際の温度保持時間は、10分〜5時間
程度することが好ましい。熱処理手段は特に限定されな
いが、加圧しながら加熱する手段が好ましく、例えば、
ホットプレスやプラズマ活性化焼結(PAS)等が好ま
しい。
【0127】なお、バインダにより磁石粒子を結合する
際にホットプレス等の加圧加熱手段を用いる場合、熱処
理温度がバインダの融点以下であっても、すなわちバイ
ンダが溶融状態になっていなくても、金属ボンディッド
磁石を形成することが可能である。
【0128】熱処理後、冷却する。なお、磁場中で冷却
すれば、上記した磁場中成形による異方性化を良好に保
つことができる。
【0129】この方法において混在部は、バインダによ
り磁石粒子を結合する際の熱処理時および冷却時に形成
される。混在部の組成および厚さを制御して高保磁力を
得るためには、熱処理および冷却の際の温度やその時間
的変化を適宜制御すればよい。
【0130】また、金属ボンディッド磁石を製造する際
には、鋳造法により成形を行なってもよい。鋳造法を用
いる場合、溶湯状のバインダ中に磁石粉末が分散された
流動体を鋳造により成形する。前記流動体を作製する方
法に特に制限はない。例えば、バインダを溶融して溶湯
状とし、この中に磁石粉末を投入して攪拌混合する方法
を用いてもよく、あるいは、バインダの粉末と磁石粉末
とを混合した後、加熱してバインダを溶融する方法を用
いてもよい。
【0131】磁石粉末を溶湯状バインダ中に投入する方
法を用いる場合、磁石粉末とバインダとを攪拌混合する
手段に特に制限はなく、例えば、バインダと反応しない
材質(ステンレス等)のインペラにより攪拌する方法な
どを用いることができる。
【0132】流動体中のバインダの含有率は特に限定さ
れないが、バインダの含有率が低過ぎると成形性が悪く
なって粉砕したときに均一な被覆層が得られにくくなり
、含有率が高すぎると粉砕したときに被覆層が厚くなり
すぎるので、通常、バインダの含有率を10〜40体積
%とすることが好ましい。
【0133】また、上記流動体を作製後、必要に応じて
バインダの一部を除去してもよい。磁石粉末をバインダ
中に均一に分散するためには一定量以上のバインダが必
要とされるが、板状などの比較的単純な形状の金属ボン
ディッド磁石を製造する場合、成形時に高い流動性は必
要とされないため、バインダ量は少なくてもよい。樹脂
ボンディッド磁石製造に用いる場合には、金属ボンディ
ッド磁石の形状は単純な塊状や板状であってよいため、
十分な量のバインダを用いて分散した後、バインダの一
部を除去しても成形可能であり、これにより被覆層の厚
さを薄くできる。被覆層の厚さを薄くできれば、樹脂ボ
ンディッド磁石を形成する際に磁石粒子の充填率を高く
することができ、しかも成形性は低下しない。バインダ
の一部を除去する方法としては、例えば濾過や遠心分離
などが好ましく、また、減圧下で加熱してバインダを蒸
発させる方法を用いてもよい。
【0134】溶湯状バインダと磁石粉末からなる流動体
は、鋳型中において冷却されて凝固するが、バインダの
凝固する温度が磁石粉末のキュリー温度以下である場合
、磁場中で凝固させれば磁石粒子の磁化容易軸を配向さ
せることができ、異方性金属ボンディッド磁石を得るこ
とができるので、上記したように被覆層中に複数の磁石
粒子が含有される場合に磁気特性の向上が可能である。
【0135】本発明では、分散および鋳造する際の流動
体の温度を550℃以下、好ましくは500℃以下とす
る。流動体の温度が550℃を超えると、磁石粉末が分
解してNが放出されてしまい、磁気特性が極端に低下す
る。流動体の温度は550℃以下であれば特に制限はな
く、鋳造に必要とされる粘度が得られるようにバインダ
の融点に応じて適宜選択すればよいが、150℃未満で
溶融するバインダを用いた場合、実用的に十分な熱安定
性が得られない。
【0136】なお、磁石粒子構成元素とバインダ構成元
素との相互拡散による混在部は、磁石粉末を溶湯状バイ
ンダ中に分散させる際や、鋳造、冷却時の条件を適宜選
択することにより形成可能である。
【0137】これらの方法により製造された金属ボンデ
ィッド磁石を粉砕する方法に特に制限はなく、例えば、
ディスクミルやアトライター等により粉砕すればよい。 粉砕により、金属のバインダを被覆層として有する磁石
粒子が得られる。なお、被覆層中に1個の磁石粒子が含
まれるように粉砕することが好ましいが、前述したよう
に複数の磁石粒子が含まれていてもよい。
【0138】上記した各種の被覆層形成方法により好ま
しい混在部が得られない場合、被覆層を有する磁石粒子
に熱処理を施すことにより、混在部を形成したり混在部
の組成や厚さを制御することが可能である。また、金属
ボンディッド磁石を用いる方法では、粉砕前の金属ボン
ディッド磁石にこのような熱処理を施してもよい。
【0139】このような熱処理の際の保持温度および温
度保持時間に特に制限はなく、磁気特性向上に有効な混
在部が形成されるような条件を適宜選択すればよいが、
通常、250〜470℃にて10分〜5時間程度である
【0140】本発明では、被覆層形成後、必要に応じて
被覆層の一部を除去してもよい。例えば被覆層をZnで
構成した場合、混在部にはZn7 Fe3 が含まれる
が、ZnおよびZn7 Fe3 は非磁性である。そし
て、前述したように、被覆層は磁石粒子の表面欠陥を修
復する作用をもてばよいので、磁石粒子の表面欠陥修復
に必要とされる厚さを超える領域の被覆層を除去すれば
、本発明の効果を維持したままでさらに磁気特性を向上
させることが可能となる。特に、上記した被覆層形成方
法のうち、金属ボンディッド磁石を粉砕する方法を用い
る場合、被覆層が厚くなり易いので、この方法は有効で
ある。
【0141】被覆層の一部を除去する方法は特に限定さ
れないが、被覆層を有する磁石粒子をアルカリ性溶液や
酸性溶液により洗浄する方法が好ましい。例えば被覆層
をZnで構成した場合、Znは両性化合物なのでアルカ
リ性溶液および酸性溶液のいずれにも容易に溶解する。 一方、混在部構成成分であるZn7Fe3 は、これら
の溶液に溶解しにくい。このため、混在部以外の被覆層
だけを選択的に除去することができる。被覆層の一部除
去に用いる溶液のpHや温度、あるいは洗浄時間や洗浄
方法等の各種条件は特に限定されず、適当な条件を実験
的に定めればよいが、例えば、0.1〜0.2mol/
l 程度のNa2 CO3 溶液を50〜70℃程度に
加熱し、この溶液中に被覆層を有する磁石粒子を投入し
て10分〜4時間程度攪拌すれば、混在部を残して大部
分の被覆層を除去することができる。
【0142】なお、混在部が形成されていない場合でも
、溶解時間を制御することにより被覆層の一部を必要な
だけ除去することが可能である。
【0143】樹脂ボンディッド磁石の製造方法上記のよ
うにして製造された被覆層を有する磁石粒子は、樹脂バ
インダ中に分散されて樹脂ボンディッド磁石とされる。
【0144】樹脂ボンディッド磁石の製造は、通常の方
法に従って行なえばよい。すなわち、まず、被覆層を有
する磁石粒子と樹脂バインダとを混合後、成形し、必要
に応じて熱処理を施す。
【0145】成形方法に特に制限はなく、本発明はコン
プレッション成形を用いるコンプレッションボンディッ
ド磁石およびインジェクション成形を用いるインジェク
ションボンディッド磁石のいずれにも適用することがで
きる。
【0146】これらのいずれの場合でも、磁場中で成形
することにより、異方性樹脂ボンディッド磁石を作製す
ることができる。磁場強度に特に制限はないが、通常、
3〜15kOe 程度とする。
【0147】用いるバインダに特に制限はなく、公知の
樹脂ボンディッド磁石に利用される各種樹脂を用いれば
よい。例えば、コンプレッションボンディッド磁石の場
合は各種硬化剤を用いたエポキシ樹脂等の各種熱硬化性
樹脂を、また、インジェクションボンディッド磁石の場
合はポリアミド樹脂等の各種熱可塑性樹脂を用いればよ
い。なお、混合時のバインダの状態には特に制限はない
【0148】磁石粒子とバインダとの混合方法に特に制
限はなく、水平回転円筒型混合機、正立方体型混合機、
縦形二重円錐型混合機、V型混合機、鋤板混合機、らせ
ん混合機、リボン混合機、衝撃回転混合機等のいずれを
用いてもよい。コンプレッション成形あるいはインジェ
クション成形の条件に特に制限はなく、公知の条件から
適当に選択すればよい。
【0149】なお、樹脂ボンディッド磁石には、上記し
た磁石粒子およびバインダに加え、必要に応じて潤滑剤
、カップリング剤、可塑剤、酸化防止剤等が含有されて
いてもよい。
【0150】<金属ボンディッド磁石>本発明の磁石材
料を金属ボンディッド磁石に適用する場合、上記した被
覆層形成の際と同様な方法により金属ボンディッド磁石
を作製すればよい。そして、成形を磁場中で行なうこと
により、異方性金属ボンディッド磁石を得ることができ
る。
【0151】その場合の磁場強度は、前記した樹脂ボン
ディッド磁石と同様な範囲とすればよい。
【0152】<磁気特性>本発明の焼結磁石では、5k
Oe 以上、特に9kOe 以上の保磁力 iHc が
得られ、また、10kG以上、特に11kG以上の残留
磁化Br が得られる。
【0153】また、本発明の樹脂ボンディッド磁石およ
び金属ボンディッド磁石では、5kOe 以上、特に9
kOe 以上の保磁力 iHc が得られ、また、8k
G以上、特に8.5kG以上の残留磁化Brが得られる
【0154】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明
をさらに詳細に説明する。
【0155】[実施例1] <焼結磁石の作製>まず、高周波誘導加熱により母合金
インゴットを作製した。母合金インゴットの組成は、原
子比で11.5Sm−88.5Feとした。この母合金
インゴットはTh2 Zn17型の菱面体晶構造の結晶
粒を有し、平均結晶粒径は約150μmであった。なお
、結晶構造はX線回折法により確認した。
【0156】次に、母合金インゴットに溶体化処理を施
した。溶体化処理は、Arガス雰囲気中にて1150℃
で16時間行なった。
【0157】溶体化処理後、母合金インゴットを粉砕し
て平均粒子径5μm の合金粉末とし、この合金粉末に
窒化処理を施して、原料合金粉末Aとした。窒化処理は
、窒素ガス雰囲気中にて450℃で10時間熱処理する
ことにより行なった。原料合金粉末Aの組成は、9.5
Sm−77.5Fe−13Nであった。
【0158】また、母合金インゴットの組成を10.5
Sm−83Fe−6.5Cとした他は上記と同様にして
合金粉末を作製し、これを原料合金粉末Bとした。ただ
し、原料合金粉末Bには窒化処理を施さなかった。
【0159】原料合金粉末Aおよび原料合金粉末Bを、
それぞれ図1に示される方法Aおよび図2に示される方
法Bに適用し、本発明の焼結磁石を作製した。各方法の
各工程における条件を、以下に示す。
【0160】■磁場中成形工程 成形方法  :横磁場プレス 成形圧力  :1.5ton/cm2 磁界強度  :12kOe 成形体寸法:18mm×20mm×10mmの直方体(
18mmの方向に磁界印加)
【0161】■脱窒素処理工程(方法Aのみ)雰囲気 
   :Ar(5×10−4Torr)温度     
 :500℃ 時間      :1時間
【0162】■焼結工程 雰囲気    :Ar 温度      :1050℃ 時間      :2時間
【0163】■熱処理工程 雰囲気    :Ar 温度      :750℃ 時間      :4時間
【0164】■水素吸蔵処理工程 雰囲気    :水素気流 温度      :230℃ 時間      :1時間
【0165】■窒化処理工程 雰囲気    :窒素気流 温度      :450℃ 時間      :8時間
【0166】方法Aにより作製された焼結磁石Aおよび
方法Bにより作製された焼結磁石Bの組成、密度(理論
密度に対する比率)、結晶粒径、 iHc、Br を測
定した。結果を以下に示す。
【0167】
【0168】これらの焼結磁石は、Th2 Zn17型
の菱面体晶構造の結晶粒を有していた。また、X線回折
によりFe3 Smが含まれていることが確認された。 このFe3Smは、結晶粒界に存在するものと推定され
る。
【0169】なお、原料合金粉末Aの代わりに、組成が
9Sm−77.5Fe−9N−4.5Cである原料合金
粉末を用いた場合も、焼結磁石Aとほぼ同等の磁気特性
が得られた。
【0170】また、比較のために、原料合金粉末Aと同
様にして、原子比組成が9Sm−78Fe−13Nであ
る原料合金粉末Cを作製し、磁場中成形および熱処理を
行なって、バルク磁石Cを作製した。成形時の印加磁界
強度は12kOe とし、Nの放出を避けるために、窒
素ガス雰囲気中で450℃にて1時間熱処理した。
【0171】このバルク磁石Cについても、上記焼結磁
石と同様に特性を測定した。結果を以下に示す。
【0172】
【0173】バルク磁石Cと本発明の焼結磁石Aおよび
Bとの比較から、本発明の効果が明らかである。
【0174】また、液状のエポキシ樹脂にアセトンを加
えて1000psi の粘度に調整したものに、10−
2Torrの真空中で焼結磁石AおよびBを浸漬した後
、引き上げて、180℃にて熱処理して樹脂を硬化した
。エポキシ樹脂の比率は、焼結磁石の空隙の92体積%
を占有するものであった。
【0175】このようにエポキシ樹脂を含浸させた結果
、割れや欠けに対する焼結磁石の機械的強度が著しく向
上した。
【0176】[実施例2] <磁石粉末の作製>実施例1で作製した原料合金粉末A
および原料合金粉末Bを、それぞれ図1に示す方法Aお
よび図2に示す方法Bに適用して、焼結体を粉砕後に窒
化処理を施す方法により本発明の磁石粉末を作製した。
【0177】各方法の各工程における条件を、以下に示
す。
【0178】■磁場中成形工程 実施例1と同じ
【0179】■脱窒素処理工程(方法Aのみ)実施例1
と同じ
【0180】■焼結工程 雰囲気  :Ar 温度    :1220℃ 時間    :3時間
【0181】■熱処理工程 実施例1と同じ
【0182】■粉砕工程 雰囲気  :窒素ガス 粉砕手段:スタンプミル、ディスクミル
【0183】■
水素吸蔵処理工程 実施例1と同じ
【0184】■窒化処理工程 実施例1と同じ
【0185】方法Aにより作製された磁石粉末A1およ
び方法Bにより作製された磁石粉末B1の組成、粉砕前
の焼結体の密度(理論密度に対する比率)、結晶粒径、
 iHc 、Br を測定した。なお、磁気特性はVS
Mにより測定し、Br を算出するに際しては理論密度
を用いた。結果を以下に示す。
【0186】
【0187】これらの磁石粉末は、Th2 Zn17型
の菱面体晶構造の結晶粒からなる多結晶磁石粒子から構
成されており、磁石粒子1個に含まれる結晶粒は平均3
0個であった。また、X線回折によりFe3 Smが含
まれていることが確認された。このFe3 Smは結晶
粒界に存在するものと推定される。
【0188】一方、実施例1で作製した焼結磁石Aおよ
び焼結磁石Bをスタンプミルおよびディスクミルにより
粉砕し、それぞれ多結晶磁石粒子からなる磁石粉末A2
および磁石粉末B2を作製した。これらについても、磁
石粉末A1およびB1と同様な測定を行なった。結果を
以下に示す。
【0189】
【0190】これらの磁石粉末は、Th2 Zn17型
の菱面体晶構造の結晶粒からなる多結晶磁石粒子から構
成されており、磁石粒子1個に含まれる結晶粒は平均3
0個であった。
【0191】なお、原料合金粉末Aの代わりに、組成が
9.2Sm−77.5Fe−8.8N−4.5Cである
原料合金粉末を用いた場合でも、製造方法に応じてそれ
ぞれ磁石粉末A1および磁石粉末A2とほぼ同等の磁気
特性が得られた。
【0192】また、比較のために、実施例1で作製した
バルク磁石をスタンプミル、ディスクミルおよびジェッ
トミルにより粉砕して磁石粉末を作製したところ、単結
晶粒子にまで粉砕されてしまい、多結晶粒子は得られな
かった。
【0193】[実施例3] <金属ボンディッド磁石の作製>実施例2で作製した各
磁石粉末を、超硬合金製ライカイ機により平均粒子径3
.5μm のバインダの粉末とそれぞれ混合した。バイ
ンダにはZn(融点419℃)を用い、混合物中のバイ
ンダの粉末の含有率は12.5体積%とした。混合物を
磁場中でコンプレッション成形した。印加磁界強度は1
3kOe とした。得られた成形体をホットプレスによ
り加圧熱処理した。ホットプレスの際のプレス時間は1
時間、保持温度は450℃、加圧圧力は8ton/cm
2 とした。なお、ホットプレスは、1気圧の窒素ガス
流中で行なった。
【0194】ホットプレス後、冷却し、さらに窒素ガス
雰囲気中で450℃にて1時間熱処理を施して、本発明
の金属ボンディッド磁石を得た。
【0195】磁石粉末A1、B1、A2およびB2をそ
れぞれ用いた金属ボンディッド磁石A1、B1、A2お
よびB2の特性は、下記のとおりであった。なお、下記
の相対密度とは、理論密度に対する実測密度の比であり
、ボンディッド磁石中の空孔率の指標となる値である。
【0196】
【0197】また、比較のために、実施例1で作製した
原料合金粉末Cを用い、上記と同様にして金属ボンディ
ッド磁石Cを作製した。これについても上記と同様に特
性を測定した。結果を以下に示す。
【0198】
【0199】これらの結果から、多結晶磁石粒子を用い
た本発明の金属ボンディッド磁石では、高い保磁力が得
られ、また、高い充填率が得られて残留磁化が向上する
ことがわかる。
【0200】[実施例4] <樹脂ボンディッド磁石の作製>実施例2で作製した各
磁石粉末を用い、樹脂ボンディッド磁石を作製した。
【0201】まず、磁石粉末をエポキシ系樹脂バインダ
と混合し、磁場中でコンプレッション成形した。成形圧
力は8ton/cm2 とし、印加磁界強度は14kO
e とした。 次いで、熱硬化を行なってバインダを硬化し、樹脂ボン
ディッド磁石とした。
【0202】磁石粉末A1、B1、A2およびB2をそ
れぞれ用いた樹脂ボンディッド磁石A1、B1、A2お
よびB2の特性は、下記のとおりであった。
【0203】
【0204】また、比較のために、上記磁石粉末に替え
て実施例1で作製した原料合金粉末Cを用い、上記と同
様にして樹脂ボンディッド磁石Cを作製した。これにつ
いても上記と同様に特性を測定した。結果を以下に示す
【0205】
【0206】これらの結果から、多結晶磁石粒子を用い
た本発明の樹脂ボンディッド磁石では、単結晶磁石粒子
を用いた樹脂ボンディッド磁石Cに比べて極めて高い保
磁力が得られ、また、高い充填率が得られて残留磁化が
向上することがわかる。
【0207】また、実施例3で作製した金属ボンディッ
ド磁石A1、B1、A2およびB2をディスクミルによ
り粉砕し、被覆層を有する磁石粒子を得た。なお、一部
の粉砕粉は、10個程度以下の凝集した磁石粒子の周囲
を被覆層が囲んだ構成となっていた。
【0208】被覆層の厚さおよび混在部の厚さをEPM
Aにより測定し、また、X線回折により混在部に含まれ
る化合物を調べた。この結果、被覆層の厚さは0.05
〜6μm 、混在部の厚さは0.05〜5μm 、混在
部に含まれている化合物はFe7Zn3 であった。
【0209】被覆層を有するこれらの磁石粒子を用いて
樹脂ボンディッド磁石を作製したところ、上記樹脂ボン
ディッド磁石A1、B1、A2およびB2に対し、2〜
25%程度の保磁力向上が認められた。
【0210】なお、上記各実施例において原料合金粉末
のFeの一部をCoで置換した場合、Tc の上昇、B
r の向上および iHc の僅かな低下が認められた
【0211】以上の実施例から、本発明の効果が明らか
である。
【0212】
【発明の効果】本発明では、R2 T17系合金にCを
含有させて磁気異方性を向上させた原料合金粉末を磁場
中で成形し、異方性成形体を得る。そして、この異方性
成形体を焼結し、焼結後に窒化することにより、異方性
R2 T17−N系磁石を焼結体として得ることができ
る。焼結体とすることにより結晶粒子表面の欠陥が極め
て少なくなって高い保磁力が得られ、また、焼結体は密
度が高いため高い磁化が得られる。さらに、本発明の焼
結磁石は異方性化されているので、極めて高い磁気特性
が得られる。
【0213】また、本発明の他の方法では、原料合金粉
末にCの代わりにNを含有させて異方性成形体を作製す
る。この方法では、焼結前に異方性成形体から窒素を除
去する必要があるが、上記と同様に異方性R2 T17
−N系焼結磁石が得られる。
【0214】本発明の磁石粉末は、上記異方性成形体を
焼結後に粉砕して多結晶粒子とし、これを窒化する方法
、あるいは、窒化された焼結体を多結晶粒子となるよう
に粉砕する方法により製造され、R2 T17−N系の
異方性多結晶磁石粒子から構成される。多結晶磁石粒子
の各結晶粒は焼結されており、しかも磁化容易軸方向が
揃っているため、本発明の焼結磁石と同様に高磁気特性
が得られる。また、多結晶粒子とすることにより磁石粒
子の径を大きくできるため、優れた耐酸化性が得られ、
また、ボンディッド磁石に適用したときに高い充填率が
得られる。
【0215】そして、異方性多結晶磁石粒子から構成さ
れる本発明の磁石粉末を用い、磁場中成形を行なってボ
ンディッド磁石を作製すれば、高い磁気特性を有するボ
ンディッド磁石が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の焼結磁石および磁石粉末のそれぞれの
製造工程を示すフローチャートである。
【図2】本発明の焼結磁石および磁石粉末のそれぞれの
製造工程を示すフローチャートである。
【図3】本発明の磁石粉末の製造に用いるメカノフュー
ジョンによる被覆装置の1例を示す断面図である。
【符号の説明】 6  粉体層 7  メカノフュージョン被覆装置 8  ケーシング 91  摩擦片 95  かき取り片

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  R(ただし、Rは希土類元素から選択
    される1種以上の元素であり、Smを必須元素として含
    む。)と、T(ただし、TはFe、またはFeおよびC
    oである。)と、N、またはNおよびCとを含有し、R
    の含有率が5〜15原子%、Nの含有率が0.5原子%
    以上、Nの含有率とCの含有率の合計が25原子%以下
    、残部がTであって、異方性を有することを特徴とする
    焼結磁石。
  2. 【請求項2】  樹脂または金属の補強材が含浸されて
    いる請求項1に記載の焼結磁石。
  3. 【請求項3】  R(ただし、Rは希土類元素から選択
    される1種以上の元素であり、Smを必須元素として含
    む。)と、T(ただし、TはFe、またはFeおよびC
    oである。)と、N、またはNおよびCとを含有し、R
    の含有率が5〜15原子%、Nの含有率が0.5原子%
    以上、Nの含有率とCの含有率の合計が25原子%以下
    、残部がTであって、異方性多結晶磁石粒子を含むこと
    を特徴とする磁石粉末。
  4. 【請求項4】  R(ただし、Rは希土類元素から選択
    される1種以上の元素であり、Smを必須元素として含
    む。)と、T(ただし、TはFe、またはFeおよびC
    oである。)と、N、またはNおよびCとを含有し、N
    の含有率とCの含有率の合計が0.5原子%以上である
    原料合金粉末を磁場中で成形して成形体を得る磁場中成
    形工程と、減圧雰囲気中での熱処理により前記成形体中
    のNを除去する脱窒素処理工程と、Nが除去された前記
    成形体を焼結して焼結体を得る焼結工程と、前記焼結体
    を窒素雰囲気中で熱処理することにより、Rの含有率が
    5〜15原子%、Nの含有率が0.5原子%以上、Nの
    含有率とCの含有率の合計が25原子%以下、残部がT
    であって、異方性を有する焼結磁石を得る窒化処理工程
    とを有することを特徴とする焼結磁石の製造方法。
  5. 【請求項5】  R(ただし、Rは希土類元素から選択
    される1種以上の元素であり、Smを必須元素として含
    む。)、T(ただし、TはFe、またはFeおよびCo
    である。)およびCを含有し、Cの含有率が0.5原子
    %以上である原料合金粉末を磁場中で成形して成形体を
    得る磁場中成形工程と、前記成形体を焼結して焼結体を
    得る焼結工程と、前記焼結体を窒素雰囲気中で熱処理す
    ることにより、Rの含有率が5〜15原子%、Nの含有
    率が0.5原子%以上、Nの含有率とCの含有率の合計
    が25原子%以下、残部がTであって、異方性を有する
    焼結磁石を得る窒化処理工程とを有することを特徴とす
    る焼結磁石の製造方法。
  6. 【請求項6】  請求項4または5に記載の方法により
    製造された焼結磁石を粉砕して、異方性多結晶磁石粒子
    を含む磁石粉末を得ることを特徴とする磁石粉末の製造
    方法。
  7. 【請求項7】  R(ただし、Rは希土類元素から選択
    される1種以上の元素であり、Smを必須元素として含
    む。)と、T(ただし、TはFe、またはFeおよびC
    oである。)と、N、またはNおよびCとを含有し、N
    の含有率とCの含有率の合計が0.5原子%以上である
    原料合金粉末を磁場中で成形して成形体を得る磁場中成
    形工程と、減圧雰囲気中での熱処理により前記成形体中
    のNを除去する脱窒素処理工程と、Nが除去された前記
    成形体を焼結して焼結体を得る焼結工程と、前記焼結体
    を粉砕して、多結晶合金粒子を含む合金粉末を得る粉砕
    工程と、前記合金粉末を窒素雰囲気中で熱処理すること
    により、Rの含有率が5〜15原子%、Nの含有率が0
    .5原子%以上、Nの含有率とCの含有率の合計が25
    原子%以下、残部がTであって、異方性多結晶磁石粒子
    を含む磁石粉末を得る窒化処理工程とを有することを特
    徴とする磁石粉末の製造方法。
  8. 【請求項8】  R(ただし、Rは希土類元素から選択
    される1種以上の元素であり、Smを必須元素として含
    む。)、T(ただし、TはFe、またはFeおよびCo
    である。)およびCを含有し、Cの含有率が0.5原子
    %以上である原料合金粉末を磁場中で成形して成形体を
    得る磁場中成形工程と、前記成形体を焼結して焼結体を
    得る焼結工程と、前記焼結体を粉砕して、多結晶合金粒
    子を含む合金粉末を得る粉砕工程と、前記合金粉末を窒
    素雰囲気中で熱処理することにより、Rの含有率が5〜
    15原子%、Nの含有率が0.5原子%以上、Nの含有
    率とCの含有率の合計が25原子%以下、残部がTであ
    って、異方性多結晶磁石粒子を含む磁石粉末を得る窒化
    処理工程とを有することを特徴とする磁石粉末の製造方
    法。
  9. 【請求項9】  請求項3に記載の磁石粉末が樹脂バイ
    ンダ中に分散されており、異方性を有することを特徴と
    する樹脂ボンディッド磁石。
  10. 【請求項10】  前記磁石粉末に含まれる異方性多結
    晶磁石粒子の表面に金属の被覆層が形成されている請求
    項9に記載の樹脂ボンディッド磁石。
  11. 【請求項11】  請求項3に記載の磁石粉末が金属バ
    インダ中に分散されており、異方性を有することを特徴
    とする金属ボンディッド磁石。
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