JPH04356997A - 多層配線基板の製造方法 - Google Patents

多層配線基板の製造方法

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JPH04356997A
JPH04356997A JP13101091A JP13101091A JPH04356997A JP H04356997 A JPH04356997 A JP H04356997A JP 13101091 A JP13101091 A JP 13101091A JP 13101091 A JP13101091 A JP 13101091A JP H04356997 A JPH04356997 A JP H04356997A
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JP
Japan
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plasticizer
resin
transfer sheet
powder
paste
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Application number
JP13101091A
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English (en)
Inventor
Tatsuo Ogawa
立夫 小川
Kazuyuki Okano
和之 岡野
Mariko Ishikawa
真理子 石川
Ryo Kimura
涼 木村
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高密度実装技術を実現
する多層配線基板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の電子機器の高機能化,高密度化に
対応する電子回路技術としてセラミック多層配線基板の
技術がある。これには未焼成のセラミックシート、いわ
ゆるグリーンシートを積層する方法(特公昭40−84
58号公報、特公昭55−7720号公報、特公昭55
−8837号公報、特公昭61−45876号公報)と
、絶縁体基板上に積層体を形成する方法の2つがあり、
前者は焼成による収縮があるため、寸法精度に難点があ
り、スルホールの歩留まりが低いという欠点がある。こ
れに対し、後者は面内での収縮がないため、この点にお
いて有利である。後者の方法としては、ベースフィルム
上に支持されたグリーンシートを圧着,積層する方法(
特開平1−100997号公報)(以下転写法と呼ぶ)
、およびスクリーン印刷などの厚膜プロセスを用いて積
層を行う方法(以下厚膜法と呼ぶ(特公昭59−195
99号公報))がある。最近では誘電体層を絶縁層で挟
んでコンデンサを内蔵化したもの等(特開昭63−13
318号公報)も報告されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の転写法は、平坦
化,高積層化が可能であるが、シート中の樹脂含有量が
基板との接着およびシート間の接着に対して十分であり
、熱圧着が容易に行える程度に多いと、粉体の充填密度
が低く、焼成前後の収縮が大きく欠陥が生じやすくなる
。反対に焼成後に欠陥が生じない程度まで樹脂含有量を
減少させて、粉体の密度を増加させると、十分な接着性
が得られず、熱圧着が困難となるという課題があった。 これを解決する手段として、圧着時の圧力を大きくする
方法や、圧着時間を長くする方法があるが、前者では、
得られた多層基板に割れや、ひび等の欠陥を生じやすく
、後者では量産性が損なわれる。また樹脂含有量が低く
熱圧着の困難なシートをある種の接着剤シートにて基板
上に接着させる方法があるが、脱バインダ後に剥離を起
こすことがある。一方、厚膜法では、パターンの部分的
な重畳により生ずる段差をなくすことが不可能で、積層
数は3〜4層が限界であり、表面の凹凸も大きいため、
素子の実装性も劣る。
【0004】本発明は上記の従来の問題点を解決するも
ので、基板に対する接着,各層間の接着が十分であり、
熱圧着が容易で、焼成後の欠陥のない高積層体を平坦性
良く作成する方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の製造方法は、絶縁体,磁性体,誘電体または
導体のうち少なくとも1種類以上の粉体に対し、絶縁体
基板上に転写可能な量よりも少ない樹脂,可塑剤および
溶剤を加えてペーストを作成し、可とう性のベースフィ
ルム上にこのペーストを塗布または印刷した後乾燥し第
1の粉体層を形成することで第1の転写用シートを構成
するとともに、絶縁体,磁性体,誘電体または導体のう
ち少なくとも1種類以上の粉体に対し、絶縁体基板上に
転写可能な量以上の樹脂,可塑剤および溶剤を加えてペ
ーストを作成し、可とう性のベースフィルム上にこのペ
ーストを塗布または印刷した後乾燥し第2の粉体層を形
成することで第2の転写用シートを構成し、かつ前記第
2の転写用シートを絶縁体基板に重ね合わせ、熱圧着に
より基板上に第2の粉体層を転写した後、ベースフィル
ムを剥離する工程,前記工程で転写された第2の粉体層
上に、第1の転写用シートまたは第2の転写用シートを
任意の組み合わせで複数枚順次転写することで第1の粉
体層または第2の粉体層が任意の組み合わせで複数層積
層された積層体を形成する工程を備え、さらに前記積層
体の全体の樹脂,可塑剤含有量が焼成後に欠陥が生じる
量よりも少なくなるように各転写用シートの樹脂,可塑
剤量および膜厚を制御することを特徴とするものである
【0006】また、本発明の多層配線基板の製造方法は
、絶縁体,磁性体,誘電体または導体のうち少なくとも
1種類以上の粉体に対し、絶縁体基板上に転写可能な量
よりも少ない樹脂,可塑剤および溶剤を加えることで第
1のペーストを形成するとともに、絶縁体,磁性体,誘
電体または導体のうち少なくとも1種類以上の粉体に対
し、絶縁体基板上に転写可能な量以上の樹脂,可塑剤お
よび溶剤を加えることで第2のペーストを形成し、可と
う性のベースフィルム上に前記第1のペーストを塗布ま
たは印刷した後乾燥して形成した第1の粉体層上に、前
記第2のペーストを積層するように塗布または印刷した
後乾燥し形成した第2の粉体層が配置された積層転写用
シートを構成し、かつ前記積層転写用シートを絶縁体基
板に重ね合わせ、熱圧着により第1,第2の粉体層を転
写した後、ベースフィルムの剥離を行った後に、前記工
程で転写された第1の粉体層上に別の1枚または複数枚
の積層転写用シートを順次重ね合わせて転写することで
第1,第2の粉体層からなる積層体を形成する工程を備
え、さらに前記積層体の全体の樹脂,可塑剤含有量が焼
成後に欠陥が生じる量よりも少なくなるように積層転写
シートの樹脂,可塑剤量および膜厚を制御することを特
徴とするものである。
【0007】
【作用】本発明によれば、絶縁体基板上の粉体層の第1
層目は樹脂,可塑剤含有量の多い転写用シートを熱圧着
により転写することで形成し、かつこの粉体層上に、第
1の転写用シートまたは第2の転写用シートを任意の組
み合わせで複数枚順次転写することで第1の粉体層また
は第2の粉体層が任意の組み合わせで複数層が任意の組
み合わせで複数層積層された積層体を形成することによ
り、基板との接着性および各粉体層間の接着性に優れ、
また各粉体層の厚みを加減することで積層体全体の樹脂
,可塑剤含有量を制御して焼成後の欠陥のない多層配線
基板を提供することができる。またベースフィルム上に
樹脂,可塑剤量の少ないペーストにより形成した第1の
粉体層上に、樹脂,可塑剤量の多いペーストを重ね印刷
して第2の粉体層を形成して積層転写シートを構成し、
これを用いて順次転写積層して積層体を形成することに
より基板との接着性および各粉体層間の接着性,粉体層
の厚み調節による樹脂,可塑剤含有量の制御の観点から
同様の効果がある。またもとより段差のないシートを平
坦な基板上に積層することより、高積層化が可能でしか
も平坦性にすぐれた多層配線基板となることはいうまで
もない。
【0008】
【実施例】以下本発明の一実施例の多層配線基板につい
て図面を用いて説明する。図1および図2は請求項1の
一連の手順を用いて作成した多層配線基板の断面図であ
る。図1に示すものは、絶縁体基板上に第1層として基
板上に転写可能な第2の転写用シートを転写した後に、
第2層として第1の転写用シートを転写し、以下この2
種類のシートを交互に積層したものである。図2に示す
ものは絶縁体基板上に第1層として同じく第2の転写用
シートを転写した後、第1の転写用シートを転写し、以
後第1の転写用シートのみと順次して転写、積層したも
のである。ここに示した2例以外にも、請求項の構成と
しては、絶縁体基板上に第1層として、第2の転写用シ
ートを転写しておけば、以後任意の組合せで、第1の転
写用シートまたは第2の転写用シートを順次転写,積層
することが可能であることはいうまでもない。
【0009】以下具体的な実施例について説明する。 (実施例1)ガラスとアルミナの混合物である絶縁体粉
末に対して、バインダ樹脂としてブチラール樹脂、可塑
剤としてブチルベンジルフタレート、溶剤としてブチル
カルビトールを加えて3本ロールを用いて混練し絶縁体
ペーストを作成した。これを、あらかじめ市販の酸化銅
ペーストを用いて配線層12を形成してあるベースフィ
ルム上にスクリーン印刷でシート状に塗布、乾燥したも
のを第1の転写用シートとし、単にベースフィルム上に
絶縁体ペーストのみを塗布,乾燥したものを第2の転写
用シートとした。絶縁体粉末と樹脂,可塑剤の比を変え
た各種のシートを作成し、これらの第1,第2の転写シ
ートのうち各1種類を選んで96%アルミナ基板11上
に、熱プレス機を用いて転写を行った。このとき第2の
転写用シートをアルミナ基板11上に転写する積層体の
奇数番目に配置される第1の粉体層14を形成するシー
トとし、第1の転写用シートを第2の転写用シート上に
転写する偶数番目に配置される第2の粉体層13を形成
するシートとして、この2種類のシートを交互に20層
積層した。このときの転写性とシート中の樹脂,可塑剤
量の関係について(表1)に示す。なお、この場合2種
類のシートは乾燥膜厚100μmのものを用いた。また
、実施例の一連の実験において熱圧着条件は105℃、
80Kgf/cm2である。また、樹脂,可塑剤の含有
量についてはすべて体積百分率で示した。
【0010】
【表1】
【0011】この結果からアルミナ基板との密着および
シート間の接着を十分なものとし、転写が可能となるた
めには、シート中の樹脂,可塑剤含有量が、第2の転写
用シートについては30%であり、その時第1の転写用
シートについて15%以上であれば良いことが分かる。
【0012】しかし、このようにして作成した積層体を
空気中440℃、2時間で脱バイし、水素中350℃、
4時間で還元した後、窒素中880℃、10分間で焼成
すると、絶縁体層にひび,われ,クラックなどの欠陥が
生じる。これは積層体中の樹脂,可塑剤含有量が多すぎ
て絶縁体粉末の充填密度が低いためと考えられるので、
第2の転写用シートの乾燥膜厚を薄くして積層体全体の
樹脂,可塑剤含有量を減少させることを試みた。第1の
転写用シートの樹脂,可塑剤含有量を15%、乾燥膜厚
を100μmと一定にした時、第2の転写用シートの樹
脂,可塑剤含有量30%として、この乾燥膜厚と積層体
樹脂,可塑剤含有量および焼成後の欠陥の有無の関係に
ついて(表2)に示す。
【0013】
【表2】
【0014】これより積層体全体の樹脂,可塑剤含有量
が、18.5%以下であれば良いことが分かる。
【0015】また比較のために転写用シート中の樹脂,
可塑剤含有量が18.5%である1種類の転写用シート
について転写,積層化を試みたが、アルミナ基板上へ転
写することが不可能であった。
【0016】このようにして図1に示す積層構造の20
層(配線10層)の積層体を得たが、アルミナ基板上に
樹脂,可塑剤量が30%である第2の転写用シートを転
写した上に、樹脂,可塑剤量が15%以上である第1の
転写シートのみを連続して転写,積層することも可能で
あり、このようにして配線層10層の積層体を作成した
ところ、上記の実験結果と同様に積層体中の全体の樹脂
,可塑剤含有量が18.5%以下になるように各シート
の樹脂,可塑剤量および乾燥膜厚を制御すれば、焼成後
に欠陥のないものが得られた。このようにして図2に示
す積層体を得るものである。
【0017】以上のように本実施例によれば、絶縁体基
板上の粉体層の第1層目は樹脂,可塑剤含有量の多い転
写用シートを熱圧着により転写することで形成し、かつ
この粉体層上に、第1の転写用シートまたは第2の転写
用シートを任意の組み合わせで複数枚順次転写すること
で第1の粉体層または第2の粉体層が任意の組み合わせ
で複数層が任意の組み合わせで複数層積層された積層体
を形成することにより、基板との接着性および各粉体層
間の接着性に優れ、また各粉体層の厚みを加減すること
で積層体全体の樹脂,可塑剤含有量を制御して焼成後の
欠陥のない多層配線基板を提供することができる。
【0018】(実施例2)次に本発明の他の実施例につ
いて説明する。前記実施例と同様の手順で、同様の絶縁
体粉末に対して、市販の銀ペーストで配線層を形成した
ベースフィルム上に、樹脂,可塑剤含有量が15%の第
1のペーストを用いて100μmの厚みで第1の粉体層
を形成,乾燥した後に、この第1の粉体層上に樹脂,可
塑剤含有量が30%であるような第2のペーストを20
μmの厚みで塗布,乾燥して第2の粉体層を形成し、積
層転写用シートとする。この各々の粉体層の厚みは実施
例1で積層体に焼成後に欠陥が発生しないことが確かめ
られている樹脂,可塑剤含有量に対応している。このよ
うにして作成した積層転写用シートを用いて実施例1と
同様の条件にて熱圧着を行ったところ、基体上への転写
性は良好であり、複数枚転写を繰り返せば図1と同様な
無欠陥の配線10層の積層体を得た。また本実施例の方
法によれば、重ね印刷時の印刷条件を適当に選択するこ
とにより、積層転写用シート上に形成される第2のペー
ストによる粉体層の厚みをさらに薄くすることが可能で
あり、積層体全体の樹脂,可塑剤の含有量を減らすとい
う観点からは有利である。
【0019】(実施例3)さらに本発明の他の実施例に
ついて説明する。マグネシウムニオブ酸鉛とチタン酸鉛
の混合物である誘電体粉末について、第1の実施例と同
様にして、誘電体ペーストを作成した。配線層に市販の
銀−パラジウムペーストを用いて、以下第1の実施例と
同様の操作を行い、アルミナ基板上に転写する積層体の
奇数層を形成する誘電体層のみのシートを第2の転写用
シートとし、偶数層を形成する配線層を含むシートを第
1の転写用シートとして、この2種類のシートを交互に
20層積層したときの転写性とシート中の樹脂,可塑剤
量の関係について(表3)に示す。なお、この場合2種
類のシートは乾燥膜厚100μmのものを用いた。
【0020】
【表3】
【0021】この結果から基板との密着およびシート間
の接着を十分なものとし、転写を可能とするためには、
シート中の樹脂,可塑剤含有量が、第2の転写用シート
については35%以上であり、その時第1の転写用シー
トについて15%以上であれば良いことが分かる。この
ようにして作成した積層体を空気中440℃、2時間で
脱バイした後、880℃、10分間で焼成すると、誘電
体層にクラックなどの欠陥が生じた。そこで、第1の実
施例と同様に、第2の転写用シートの乾燥膜厚と積層体
の樹脂,可塑剤含有量と焼成後の欠陥の有無の関係につ
いて調べた。その結果を(表4)に示す。
【0022】
【表4】
【0023】これより積層体全体の樹脂,可塑剤含有量
が、19.6%以下であれば良いことが分かる。比較の
ためにシート中の樹脂,可塑剤含有量が19.6%であ
る1種類のシートについて転写,積層を試みたが、アル
ミナ基板上へ転写することが不可能であった。以上のよ
うに本実施例によれば、前記の実施例と同様に基板とシ
ートとの接着およびシート間の接着を十分なものとしつ
つ、シートの乾燥膜厚を制御することにより積層体の全
体の樹脂、可塑剤含有量をコントロールすることが可能
で、焼成後に欠陥のない積層体を得ることができる。本
実施例の手順で図3に示す20層(配線10層)の積層
体を得た。
【0024】(実施例4)さらに本発明の他の実施例に
ついて説明する。本実施例において、実施例3と同様の
手順で、同様の誘電体粉末に対して、銀−パラジウムペ
ーストで電極パターンが上下の電極にて対向するように
レイアウトされた配線層を形成したベースフィルム上に
、樹脂,可塑剤含有量が15%のペーストを用いて10
0μmの厚みで第1の粉体層を形成,乾燥した後に、こ
のシート上に樹脂,可塑剤含有量が35%であるような
ペーストを20μmの厚みで塗布,乾燥して第2の粉体
層を形成し、積層転写用シートとする。この各々の厚み
は第3の実施例で積層体に焼成後に欠陥が発生しないこ
とが確かめられている樹脂,可塑剤含有量に対応してい
る。このようにして作成した積層転写用シートを用いて
第1の実施例と同様の条件で熱圧着を行ったところ、基
板上への転写性は良好であり、各シート間の接着のよい
第3の実施例における図3と同様な無欠陥の配線10層
の積層体を得ることができた。
【0025】このようにして第3の実施例および第4の
実施例によれば、アルミナ基板の上にセラミックコンデ
ンサを構成することができる。
【0026】(実施例5)さらに本発明の他の実施例に
ついて説明する。本実施例においてニッケル−亜鉛系フ
ェライト磁性体粉末について、第1の実施例と同様にし
て、磁性体ペーストを作成した。この磁性体ペーストと
市販の銀ペーストを用いて、ベースフィルム上にインダ
クタが構成できるような電極配線層を形成し、以下第1
の実施例と同様の操作を行い、アルミナ基板上に転写す
る積層体の奇数層を形成する磁性体層のみのシートを第
1の転写用シートとし、偶数層を形成する配線層を含む
シートを第2の転写用シートとして、この2種類のシー
トを交互に20層積層したときの転写性とシート中の樹
脂,可塑剤量の関係について(表5)に示す。なお、こ
の場合2種類のシートは乾燥膜厚100μmのものを用
いた。
【0027】
【表5】
【0028】この結果から基体との密着およびシート間
の接着を十分なものとし、転写を可能とするためには、
シート中の樹脂,可塑剤含有量が、第2の転写用シート
については、35%以上でありその時第1の転写用シー
トについて15%以上であれば良いことが分かる。この
ようにして作成した積層体を空気中440℃、2時間で
脱バイした後、880℃、10分間で焼成すると、磁性
体層にクラックなどの欠陥が生じた。そこで、第1の実
施例と同様に、第2の転写用シートの乾燥膜厚と積層体
の樹脂,可塑剤含有量と焼成後の欠陥の有無の関係につ
いて調べた。その結果を(表6)に示す。
【0029】
【表6】
【0030】これより積層体全体の樹脂,可塑剤含有量
が、19.6%以下であれば良いことが分かる。比較の
ためにシート中の樹脂,可塑剤含有量が19.6%であ
る1種類のシートについて転写,積層を試みたがアルミ
ナ基板上へ転写することが不可能であった。以上のよう
に本実施例によれば、前記の実施例と同様に基板とシー
トとの接着およびシート間の接着を十分なものとしつつ
、シートの乾燥膜厚を制御することにより積層体の全体
の樹脂,可塑剤含有量をコントロールすることが可能で
、焼成後に欠陥のない積層体を得ることができる。本実
施例の手順で図4に示す20層(配線10層)の積層体
を得た。
【0031】(実施例6)さらに本発明の他の実施例に
ついて説明する。本実施例において、実施例5と同様の
手順で、同様の磁性体粉末に対して、銀ペーストで配線
層を形成したベースフィルム上に、樹脂,可塑剤含有量
が15%のペーストを用いて100μmの厚みで第1の
粉体層を形成,乾燥した後に、このシート上に樹脂,可
塑剤含有量が35%であるようなペーストを20μmの
厚みで塗布,乾燥して第2の粉体層を形成し、積層転写
用シートとする。この各々の厚みは第5の実施例で積層
体に焼成後に欠陥が発生しないことが確かめられている
樹脂,可塑剤含有量に対応している。このようにして作
成した積層転写用シートを用いて第1の実施例と同様の
条件で熱圧着を行ったところ、基板上への転写性は良好
であり、各シート間の接着のよい第5の実施例における
図4と同様な無欠陥の配線10層の積層体を得ることが
できた。
【0032】このように、第5の実施例および第6の実
施例によれば、絶縁体基板の上に積層インダクタを構成
することができる。
【0033】なお、上記第1〜第6の実施例では樹脂と
してブチラール系樹脂を用いたが、セルロース系,フェ
ノール系,ケトン系樹脂を使用することも可能であり、
可塑剤としては、他のアルキルフタレート類およびアリ
ルフタレート類を使用することも可能である。また、溶
剤としては上記の樹脂に対する溶解能、可塑剤に対する
相溶性があれば何を使用しても良い。シート形成にはス
クリーン印刷法を用いたが、ドクターブレードなどを用
いる各種キャスティング法,グラビアなどの凹版あるい
は平版印刷法などが適用できることは言うまでもない。 熱圧着条件については、樹脂および可塑剤の量,種類に
あわせて、80℃〜125℃で40〜120kgf/c
m2の範囲で選択できる。基板としては上記の96%ア
ルミナ基板以外にもベリリア系,窒化アルミニウム,炭
化珪素など900℃での焼成において、寸法変化の小さ
いものであれば使用できる。
【0034】
【発明の効果】以上のように本発明は、基体との密着性
および層間の接着性を保持すると同時に積層体全体での
樹脂,可塑剤含有量を制御することができ、その結果高
積層化が可能で平坦性にすぐれた、焼成後に欠陥のない
多層配線基板を実現するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における積層体の断面図
【図
2】本発明の他の実施例における積層体の断面図
【図3
】本発明の他の実施例における積層体の断面図
【図4】
本発明の他の実施例における積層体の断面図
【符号の説明】
11  アルミナ基板 12  配線層 13  第2の粉体層 14  第1の粉体層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁体,磁性体,誘電体または導体のうち
    少なくとも1種類以上の粉体に対し、絶縁体基板上に転
    写可能な量よりも少ない樹脂、可塑剤および溶剤を加え
    てペーストを作成し、可とう性のベースフィルム上にこ
    のペーストを塗布または印刷した後乾燥し第1の粉体層
    を形成することで第1の転写用シートを構成するととも
    に、絶縁体,磁性体,誘電体または導体のうち少なくと
    も1種類以上の粉体に対し、絶縁体基板上に転写可能な
    量以上の樹脂、可塑剤および溶剤を加えてペーストを作
    成し、可とう性のベースフィルム上にこのペーストを塗
    布または印刷した後乾燥し第2の粉体層を形成すること
    で第2の転写用シートを構成し、かつ前記第2の転写用
    シートを絶縁体基板に重ね合わせ、熱圧着により基板上
    に第2の粉体層を転写した後、ベースフィルムを剥離す
    る工程、および前記工程で転写された第2の粉体層上に
    、第1の転写用シートまたは第2の転写用シートを任意
    の組み合わせで複数枚順次転写することで第1の粉体層
    または第2の粉体層が任意の組み合わせで複数層積層さ
    れた積層体を形成する工程を備え、さらに前記積層体の
    全体の樹脂、可塑剤含有量が焼成後に欠陥が生じる量よ
    りも少なくなるように各転写用シートの樹脂,可塑剤量
    および膜厚を制御することを特徴とする多層配線基板の
    製造方法。
  2. 【請求項2】絶縁体,磁性体,誘電体または導体のうち
    少なくとも1種類以上の粉体に対し、絶縁体基板上に転
    写可能な量よりも少ない樹脂,可塑剤および溶剤を加え
    ることで第1のペーストを形成するとともに、絶縁体,
    磁性体,誘電体または導体のうち少なくとも1種類以上
    の粉体に対し、絶縁体基板上に転写可能な量以上の樹脂
    ,可塑剤および溶剤を加えることで第2のペーストを形
    成し、可とう性のベースフィルム上に前記第1のペース
    トを塗布または印刷した後乾燥して形成した第1の粉体
    層上に、前記第2のペーストを積層するように塗布また
    は印刷した後乾燥し形成した第2の粉体層が配置された
    積層転写用シートを構成し、かつ前記積層転写用シート
    を絶縁体基板に重ね合わせ、熱圧着により第1,第2の
    粉体層を転写した後、ベースフィルムの剥離を行う工程
    、前記工程で転写された第1の粉体層上に別の1枚また
    は複数枚の積層転写用シートを順次重ね合わせて転写す
    ることで第1,第2の粉体層からなる積層体を形成する
    工程を備え、さらに前記積層体の全体の樹脂,可塑剤含
    有量が焼成後に欠陥が生じる量よりも少なくなるように
    積層転写用シートの樹脂,可塑剤量および膜厚を制御す
    ることを特徴とする多層配線基板の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5972780A (en) * 1996-08-22 1999-10-26 Nippon Telegraph Telephone Corporation Thin film forming apparatus and method
US6232216B1 (en) 1996-04-16 2001-05-15 Nippon Telegraph And Telephone Corporation Thin film forming method
JP2006066763A (ja) * 2004-08-30 2006-03-09 Tdk Corp 積層型インダクタの製造方法

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