JPH04355291A - 浮上型磁気ヘッド装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、いわゆるハードディス
クに対して記録再生を行う浮上型磁気ヘッド装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】ハードディスクに対して情報信号の書込
み或いは読出しを行う磁気ヘッドは、記録再生に際して
ディスク面に対し微小間隙（いわゆるフライングハイト
）を持って浮上走査させる必要があり、スライダと一体
構造とされるのが一般的である。

【０００３】かかる磁気ヘッドとしては、例えばスライ
ダを含めて全体がフェライト材等により一体形成された
モノリシック型や、スライダに別途作製した磁気ヘッド
を埋め込だコンポジット型、さらにはスライダの一主面
に真空薄膜形成技術によって磁気ヘッドを形成した薄膜
型の磁気ヘッド等が開発されている。

【０００４】ところで、この種の磁気ヘッドにおいて、
高記録密度化を達成するためには、磁気ヘッドの磁気ギ
ャップ部をハードディスクにできる限り近づける，つま
りフライングハイトを極力小さなものとなすとともに、
浮上状態を安定させる必要がある。しかし、磁気ギャッ
プ部を余りハードディスクに近づけ過ぎると、コンタク
ト・スタート・ストップ特性（ＣＳＳ特性）が劣化し、
ハードディスクや磁気ヘッドの耐久性が低下するばかり
か、ヘッドクラッシュ等を誘発する虞れがある。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、上述
の従来の実情に鑑みて提案されたものであって、低浮上
化と同時にＣＳＳ特性を満足させることが可能な高記録
密度化に有利な浮上型磁気ヘッド装置を提供することを
目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明は、ハードディスクと対向する浮上面の略
中央部に空気流入用溝を有し、該ハードディスクに対し
て微小な間隙を隔てて磁気ヘッドを浮上させるスライダ
を備えてなる浮上型磁気ヘッド装置において、上記空気
流入用溝の空気流入端側及び／又は空気流出端側の一部
を切り欠いた切り欠き部に電圧の印加により形状変化す
る圧電素子が設けられ、上記圧電素子の形状変化により
スライダの浮上面の形状が可変されてなることを特徴と
するものである。

【０００７】

【作用】本発明においては、スライダの空気流入用溝の
空気流入端側と空気流出端側或いは何れか一方に、この
空気流入用溝の一部を切り欠く切り欠き部に電圧の印加
により形状変化する圧電素子が設けられているので、こ
の圧電素子の形状変化によりスライダの浮上面の形状が
可変され、当該浮上面の面積が増加又は減少せしめられ
る。したがって、上記ハードディスクとスライダ間に流
れる空気層の圧力が変化し、当該スライダの浮上量が変
化する。

【０００８】

【実施例】以下、本発明を適用した具体的な実施例につ
いて図面を参照しながら説明する。 実施例１ 本実施例の浮上型磁気ヘッド装置は、図１および図２に
示すように、ハードディスクに対して情報信号を書込み
又は読出す磁気ヘッドと、この磁気ヘッドをハードディ
スクに対して微小な間隙を隔てて浮上させるスライダ１
とを有してなる。

【０００９】上記磁気ヘッドには、フェライト等からな
る一対の磁気コアよりなるバルク型の磁気ヘッドや、真
空薄膜形成技術により形成される薄膜型の磁気ヘッド、
或いはスライダを含めて全体がフェライト材により一体
形成されるモノリシック型の磁気ヘッドがいずれも使用
される。バルク型の磁気ヘッドを使用する場合には、後
述するスライダ１の空気流入方向（図１中矢印Ｘで示す
。）の空気流入端１ａ側に浮上面２の一部を切り欠くス
リットを設け、このスリットにバルクヘッドを埋め込む
。薄膜型の磁気ヘッドを使用する場合には、スライダの
空気流入端１ａ側の側壁に真空薄膜形成技術によって薄
膜ヘッドを形成する。モノリシック型の磁気ヘッドとす
る場合には、スライダ１をフェライト材で作製し、その
スライダ１の空気流入端１ａ側の側壁にギャップ膜を介
してフェライト材よりなる磁気コアを接合する。

【００１０】一方、スライダ１は、例えばセラミックス
等の非磁性材料よりなり、平面略矩形状の長方体として
形成されている。上記スライダ１のハードディスクと対
向する浮上面２には、当該スライダ１の浮上状態を安定
させるための断面略矩形状の空気流入用溝３が設けられ
ている。上記空気流入用溝３は、スライダ１の長手方向
、つまり図１中矢印Ｘで示す空気流入方向である空気流
入端１ａより空気流出端１ｂ側に亘ってこの浮上面２の
略中央部に断面矩形状の溝として形成されている。この
空気流入用溝３は、ハードディスクの回転により生ずる
空気を溝内に導入させることにより、上記スライダ１の
左右方向の振れを防止し浮上状態を安定なものとなす役
目をする。

【００１１】また、上記スライダ１には、上記ハードデ
ィスクと対向する浮上面２へ空気をスムーズに回り込ま
せ当該浮上面２とハードディスク間に生ずる空気層の剛
性を高めることにより、上記スライダ１の安定浮上状態
を図るための傾斜面４ａ，４ｂが設けられている。上記
傾斜面４ａ，４ｂは、空気流入端１ａ側の浮上面２の一
部を削りとるようにして設けられ、空気流入方向より導
入される空気が上記浮上面２へ容易に回り込むように傾
斜されている。

【００１２】そして特に本実施例では、上記空気流入用
溝３にこの空気流入用溝３の一部を切り欠く切り欠き部
５が形成されている。上記切り欠き部５は、空気流入用
溝３の溝幅よりも若干狭い幅で空気流入端１ａより空気
流出端１ｂ側へ向かってスライダ１の略中途部まで形成
され、当該空気流入用溝３よりこれとは反対側のヘッド
支持部材取付け面１ｃへ貫通した矩形状の切り欠きとし
て形成されている。上記切り欠き部５には、電圧の印加
により厚み方向に形状変化する圧電素子６が設けられて
いる。上記圧電素子６は、上記切り欠き部５の形状に応
じて略直方体として形成され、当該切り欠き部５の側壁
５ａに取付けられている。上記圧電素子６のハードディ
スクとの対向部は、上記スライダ１に設けた傾斜面４ａ
，４ｂと平行なテーパ面６ａを有するとともに、スライ
ダ１の浮上面２と平行な平行面６ｂを有している。

【００１３】そして上記圧電素子６には、厚み方向にお
ける相対向する両側面にそれぞれ電極７ａ，７ｂが設け
られている。これら電極７ａ，７ｂには、スイチッチ回
路が接続された電源８が接続されている。そして上記圧
電素子６は、電圧が印加されない状態では、図２に示す
ようにテーパ面６ａ及び平行面６ｂが空気流入用溝３の
底面３ａと浮上面２との略中間位置に設けられるように
なされており、電圧が印加された状態では、厚み方向に
伸びてテーパ面６ａがスライダ１の傾斜面４ａ，４ｂと
略同一の高さとなされる。つまり、スライダ１の浮上面
２の一部である傾斜面４ａ，４ｂの面積が増加・減少さ
れる。

【００１４】したがって、上記のようにしてスライダ１
に設けられた圧電素子６に電圧を適宜印加又は停止すれ
ば、容易にＣＳＳ特性を大幅に向上させることができる
。すなわち、起動時においては、電圧を圧電素子６に印
加し当該圧電素子６を伸長させ、上記テーパ面６ａをス
ライダ１の傾斜面４ａ，４ｂと略同一の高さにする。 この結果、スライダ１の浮上面２の一部である傾斜面４
ａ，４ｂの面積が増加し、上記ハードディスクとスライ
ダ１間に流れる空気層の圧力が高くなって図４中線Ａで
示すように素早く浮き上がる。一方、浮上状態時におい
ては、電圧の印加を止め圧電素子６を縮めて浮上面２の
面積を減少させ浮上状態を安定なものとする。ローディ
ング時においては、起動時と同様に圧電素子６に電圧を
印加し当該圧電素子６を伸長させ、上記傾斜面４ａ，４
ｂの面積を増加させる。この結果、ハードディスクとス
ライダ１間に流れる空気層の圧力が高くなり、同図中線
Ａで示すように素早くハードディスクに着陸する。

【００１５】このように圧電素子６を用いてスライダ１
の浮上面２の一部である傾斜面４ａ，４ｂの面積を起動
時、浮上時、ローディング時のそれぞれに応じて変化さ
せれば、スライダ１の浮上面の中央部に空気流入用溝３
を単に形成したときの浮上特性（図４中線Ｂで示す。）
に比べ、ハードディスクに対する接触時間（換言すれば
、摺動距離）を大幅に短縮することができる。したがっ
て、スライダ１のハードディスクに対する接触時間の短
縮により、低浮上状態でも磁気ヘッド及びハードディス
クの耐久性が大幅に向上する。つまり、ＣＳＳ特性が大
幅に向上することになる。

【００１６】実施例２ 実施例２では、電圧の印加により機械的変位を生ずる圧
電体を積層して構成したマルチモルフ素子を圧電素子と
した例である。なお、本実施例では、圧電素子としてマ
ルチモルフ素子を使用した以外は実施例１と同じ構成で
あるため、実施例１と同一の部材については同一の符号
を付しその説明は省略する。

【００１７】スライダ１の切り欠き部５に設けられるマ
ルチモルフ素子９は、図５及び図６に示すように、焼成
したセラミックス等よりなる一対の圧電体１０，１１の
片面に電極１２，１３がそれぞれ形成され、これら電極
１２，１３が形成されていない面を突合わせ面としてこ
れら圧電体１０，１１が電極１４を挾んで貼り合わされ
、当該圧電体１０，１１が分極処理されて構成されてい
る。

【００１８】上記マルチモルフ素子９は、上記ハードデ
ィスクと対向する側の電極１２が空気流入用溝３の底面
３ａと略面一となるように、一端側を切り欠き部５の側
壁５ａにいゆる片持ち梁状態に固定されている。このハ
ードディスクと対向する電極１２は、スライダ１に取付
けられる基端部側にのみ形成され、当該電極１２が形成
される圧電体１０の先端部を露出させるようになってい
る。その露出した圧電体１０の先端部には、スライダ１
の傾斜面４ａ，４ｂと略平行なテーパー部１０ａが設け
られている。

【００１９】上記のようにして構成されたマルチモルフ
素子９は、上記電極１２，１３，１４に電圧が印加され
るとこの電圧の向きと逆向きに分極された圧電体１１が
面方向に伸び、電圧の向きと同一の向きに分極された圧
電体１２がこれとは逆に面方向に縮む。この結果、上記
マルチモルフ素子９は、全体として図７中矢印Ｙ方向に
屈曲する。この屈曲した状態では、上記ハードディスク
に対向する圧電体１０のテーパー部１０ａがスライダ１
の傾斜面４ａ，４ｂと面一となる。したがって、この状
態ではスライダ１の浮上面２の一部である傾斜面４ａ，
４ｂの面積が増大し、ハードディスクとスライダ１間に
生ずる空気層の剛性が高まって図８に示すように浮上量
が大幅に向上する。なお、電圧を印加しない状態では、
マルチモルフ素子９は、電極１２が空気流入用溝３の底
面３ａと略面一の状態にある。

【００２０】したがって、上記マルチモルフ素子９を先
の実施例１と同様に、起動時及びローディング時に電圧
を印加しマルチモルフ素子９を屈曲させることで素早く
ハードディスクに対して離陸及び着陸させることができ
る。また、浮上状態では、マルチモルフ素子９への電圧
の印加を止めることで、スライダ１を安定して浮上させ
ることができる。このようにすれば、実施例１と同様に
ＣＳＳ特性を大幅に向上させることができる。

【００２１】実施例３ 実施例３では、マルチモルフ素子９を磁気ヘッドが設け
られる空気流出端１ｂ側に設けた例である。以下、実施
例３の浮上型磁気ヘッド装置について図９及び図１０を
参照して説明する。

【００２２】この例のスライダ１においては、マルチモ
ルフ素子９を空気流入端１ｂ側に片持ち梁状態に固定す
るため、先の実施例２に設けた切り欠き部５と同一の切
り欠き部５を空気流出端１ｂ側に設ける。そして、この
切り欠き部５にマルチモルフ素子９を、実施例２と同様
にしてハードディスクと対向する電極１２が空気流入用
溝３の底面３ａと略面一となるように片持ち梁状態に固
定する。そして、上記マルチモルフ素子９を屈曲状態に
おいて、図１１に示すように、圧電体１０に設けたテー
パ部１０ａがスライダ１の浮上面２と略面一となるよう
に設定する。

【００２３】上記のように空気流出端１ｂ側にマルチモ
ルフ素子９を設け、起動時及びローディング時にマルチ
モルフ素子９を屈曲させ、圧電体１０のテーパー部１０
ａをスライダ１の浮上面２と面一とすれば、スライダ１
の浮上面２の増加により浮上量が図１２に示すように大
幅に向上する。したがって、本実施例３の装置でも、起
動時及びローディング時に電圧を印加しマルチモルフ素
子９を屈曲させることで素早くハードディスクに対して
離陸及び着陸させることができ、ＣＳＳ特性の大幅な向
上が期待できる。

【００２４】以上、本発明を適用した浮上型磁気ヘッド
装置の一例について説明したが、本発明は上述の実施例
に限定されることなく種々の変更が可能である。例えば
、前述の実施例１ないし実施例３では、いずれもスライ
ダ１の空気流入端１ａ側又は空気流出端１ｂ側に圧電素
子を設けたが、スライダ１の両端側に圧電素子を設ける
ようにしても同様の作用効果がある。

【００２５】

【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明の浮上型磁気ヘッド装置においては、空気流入用溝の
空気流入端側と空気流出端側またはこれら何れか一方に
この空気流入用溝の一部を切り欠いた切り欠き部に電圧
の印加により形状変化する圧電素子を設けているため、
この圧電素子の形状変化によるスライダの浮上面の形状
が可変され、当該浮上面の面積を増加又は減少すること
ができ、上記スライダの浮上量を調節することができる
。

【００２６】したがって、起動時及びローディング時に
圧電素子を形状変化させ浮上面の形状を可変させればハ
ードディスクに対して素早い離陸及び着陸が望め、ハー
ドディスク及び磁気ヘッドの耐久性を大幅に向上させる
ことができる。これにより、低浮上状態でもＣＳＳ特性
を大幅に向上できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例１の浮上型磁気ヘッド装置の平面図であ
る。

【図２】圧電素子に電圧を印加していない状態を示す実
施例１の浮上型磁気ヘッド装置の断面図である。

【図３】圧電素子に電圧を印加した状態を示す実施例１
の浮上型磁気ヘッド装置の断面図である。

【図４】実施例１の浮上型磁気ヘッド装置におけるヘッ
ドとハードディスクの摩擦係数に対する経時変化を示す
特性図である。

【図５】実施例２の浮上型磁気ヘッド装置の平面図であ
る。

【図６】マルチモルフ素子に電圧を印加していない状態
を示す実施例２の浮上型磁気ヘッド装置の断面図である
。

【図７】マルチモルフ素子に電圧を印加した状態を示す
実施例２の浮上型磁気ヘッド装置の断面図である。

【図８】実施例２の浮上型磁気ヘッド装置における電圧
印加によるフライングハイトの経時的変化を示す特性図
である。

【図９】実施例３の浮上型磁気ヘッド装置の平面図であ
る。

【図１０】マルチモルフ素子に電圧を印加していない状
態を示す実施例３の浮上型磁気ヘッド装置の断面図であ
る。

【図１１】マルチモルフ素子に電圧を印加した状態を示
す実施例３の浮上型磁気ヘッド装置の断面図である。

【図１２】実施例３の浮上型磁気ヘッド装置における電
圧印加によるフライングハイトの経時的変化を示す特性
図である。

【符号の説明】

１・・・スライダ ３・・・空気流入用溝 ５・・・切り欠き部 ６・・・圧電素子 ９・・・マルチモルフ素子

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　ハードディスクと対向する浮上面の略
   中央部に空気流入用溝を有し、該ハードディスクに対し
   て微小な間隙を隔てて磁気ヘッドを浮上させるスライダ
   を備えてなる浮上型磁気ヘッド装置において、上記空気
   流入用溝の空気流入端側及び／又は空気流出端側の一部
   を切り欠いた切り欠き部に電圧の印加により形状変化す
   る圧電素子が設けられ、上記圧電素子の形状変化により
   スライダの浮上面の形状が可変されてなることを特徴と
   する浮上型磁気ヘッド装置。