JP3105850B2 - 磁気ヘッド - Google Patents

磁気ヘッド

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JP3105850B2 JP09313487A JP31348797A JP3105850B2 JP 3105850 B2 JP3105850 B2 JP 3105850B2 JP 09313487 A JP09313487 A JP 09313487A JP 31348797 A JP31348797 A JP 31348797A JP 3105850 B2 JP3105850 B2 JP 3105850B2
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  • Adjustment Of The Magnetic Head Position Track Following On Tapes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ディスク装置
に使用する磁気ヘッドに関し、特に、磁気ディスクから
浮上して情報の書き込みや読み出しを行うスライダを有
する磁気ヘッドにに関する。
【0002】
【従来の技術】磁気ヘッドが磁気ディスク媒体(磁気デ
ィスク)から浮上して情報の書き込みや読み出しをを行
う従来の磁気ディスク装置は、高密度化を実現するため
の手段として、磁気ヘッドの磁気ディスクからの浮上距
離を小さくする低浮上化を行ってきているが、この場
合、磁気ヘッドの浮上特性が磁気ディスク装置の書き込
み読み出し性能の安定に大きな影響を与える。
【0003】磁気ヘッドの浮上特性と一つである浮上量
変動値が大きくなる(悪化する)と、磁気ヘッドの書き
込み読み出し特性(R/W特性)が低下したり、磁気デ
ィスクと磁気ヘッドのスライダとが接触していわゆるヘ
ッドクラッシュが発生したりするトラブルが生じること
がある。
【0004】このような磁気ヘッドの浮上量の変動を引
き起す要因の一つに、外部環境の気圧の変化があり、従
って近年の磁気ディスク装置においては、外部環境の気
圧の変化による浮上量の変動(浮上量変動の気圧依存
性)が小さいスライダを有する磁気ヘッドの開発が重要
な課題となっている。
【0005】図5は従来の磁気ヘッドの一例のスライダ
の浮上面を示す平面図である。
【0006】図5において、磁気ヘッドのスライダは、
空気の流入端となるチャンファ部29と、それに続く空
気ベアリング面(ABS面)24とを有している。
【0007】空気ベアリング面(ABS面)24は、チ
ャンファ部29に続く基部24aと、基部24aから空
気流出端22に方に伸長して外側に向けて大きく開いた
二つの主レール24cと、主レール24cと基部24a
とを連結する二つの細い中間部24bと、サイド溝部2
6を挟んで中間部24bの外側に設けてある三角形状の
二つの側部レール24dとで構成されており、二つの中
間部24bおよび主レール24cの間の中央溝部25
と、中間部24bと側部レール24dの間の二つのサイ
ド溝部26の深さは、同じ深さとなっている。
【0008】図6は図5の幅方向(矢印A方向)のスラ
イダの圧力分布を示す特性図である。
【0009】図6から明かなように、スライダ内で発生
する負圧は、中央溝部25で発生する中央溝部負圧25
aが大半であり、その大きさも大きいが、両サイド溝部
26で発生するサイド溝部負圧26aは小さい。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の磁気ヘッドのスライダは、中央溝部と両サイド溝部と
が同じ深さとなっているため、スライダ内で発生する負
圧は、中央溝部で発生する負圧が大半であって両サイド
溝部で発生する負圧が小さいため、全体的な負圧のバラ
ンスが悪く、このため外部環境の気圧変化による浮上量
の変動が大きくなって磁気ディスク装置のR/W特性を
低下させ、またヘッドクラッシュを発生させるという問
題点を有している。
【0011】本発明の目的は、上述のような従来の磁気
ディスク装置の磁気ヘッドの欠点を解消するため、中央
溝部と両サイド溝部の深さを変えて両サイド溝部におけ
る負圧が大きなるようにすることにより、外部環境の気
圧変化による浮上量の変動を小さくできるようにして、
磁気ディスク装置のR/W特性を安定させ、またヘッド
クラッシュの発生が少ない磁気ディスク装置の磁気ヘッ
ドを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の磁気ヘッドは、
スライダの浮上面のABS面の両サイド溝部の深さを、
中央溝部の深さの0.9〜0.2倍となるようにするこ
とにより、両サイド溝部における負圧を大きくして外部
環境の気圧変化による浮上量の変動を小さくすることが
できるようにしたものである。
【0013】すなわち、本発明の磁気ヘッドは、空気の
流入端となるチャンファ部と、前記チャンファ部に続く
基部および前記基部から前記チャンファ部と反対側の空
気流出端の方に向って伸長し前記空気流出端に向かうに
従って次第に間隔を広げかつ幅を広くした2本の主レー
ルおよび前記2本の主レールと前記基部とを連結する2
本の中間部およびサイド溝部を挟んで前記2本の中間部
の外側に設けた二つの側部レールとを有する空気ベアリ
ング面と、前記2本の主レールの間に形成した中央溝部
と、前記中間部と前記側部レールとの間に形成した2個
の前記サイド溝部と、前記2本の主レールのうちの1本
の主レールの先端の近傍のトレーリング面に設けた電磁
変換素子とを有する浮上面を有するスライダを備える磁
気ヘッドにおいて、前記中央溝部および前記サイド溝部
の表面を前記空気ベアリング面の表面よりも低くし、か
つ、前記サイド溝部の深さを前記中央溝部の深さよりも
浅くしたものであり、特に前記サイド溝部の深さを前記
中央溝部の深さの0.9〜0.2倍とし、更に、前記中
央溝部15の深さを4μmとし、前記サイド溝部の深さ
を1.5μmとしたものである。
【0014】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0015】図1は本発明の一実施形態のスライダの浮
上面を示す平面図,図2は図1の実施形態を使用する磁
気ディスク装置の一例を示す平面図、図3は図1の実施
形態の圧力分布を示す特性図である。
【0016】図2において、磁気ディスク装置10は、
情報を記録する磁気ディスク媒体(磁気ディスク)1
と、磁気ディスク1を回転させるスピンドル2と、回転
している磁気ディスク1に対して情報の書き込みや読み
出しを行う磁気ヘッド3と、磁気ヘッド3を磁気ディス
ク1上の指定された位置に位置決めするアクチュエータ
4と、アクチュエータ4の運動を駆動するボイスコイル
モータ5と、密封されている磁気ディスク装置10の内
部を清浄に保つためのエアフィルタ6とを備えている。
【0017】磁気ヘッド3は、磁気ディスク1の回転に
よってその表面から僅かに浮上して情報の書き込みや読
み出しを行うが、その浮上力を発生するスライダの磁気
ディスク1に対向する浮上面は、図1に示す構成を有し
ている。
【0018】図1において、磁気ヘッドのスライダは、
空気の流入端となるチャンファ部19と、それに続く空
気ベアリング面(ABS面)14とを有している。
【0019】空気ベアリング面(ABS面)14は、図
5の従来例と同じ構成であり、空気の流入のために斜面
が形成されているチャンファ部19に続く基部14a
と、基部14aから空気流出端12に方に伸長して外側
に向けて大きく開いた2本の主レール14cと、主レー
ル14cと基部14aとを連結する二つの細い中間部1
4bと、サイド溝部16を挟んで中間部14bの外側に
設けてある三角形状の二つの側部レール14dとで構成
されており、2本の主レール14cは、中間部14bか
ら空気流出端12に向かうに従って次第にそれらの間隔
を広げ、またそれらの幅も広くなっている。一方の主レ
ール14cの先端の近傍のトレーリング面には、情報の
書き込みおよび読み出しを行うための電磁変換素子11
が設けてある。
【0020】二つの中間部14bおよび主レール14c
の間の部分の表面は、中間部14bおよび主レール14
cの表面よりも深くなっていて、中央溝部15(中心は
中央負圧部18)を構成している。同様に、二つの中間
部14bと側部レール14dとの間の部分の表面も、中
間部14bおよび側部レール14dの表面よりも深くな
っていて、サイド溝部16(中心はサイド負圧部17)
を構成している。
【0021】中央溝部15の深さとサイド溝部16の深
さは同じではなく、サイド溝部16の深さは、中央溝部
15の深さの0.9〜0.2倍となっており、これによ
ってサイド溝部16において発生する負圧力が従来より
も大きくなるようにしている。
【0022】図3は、中央溝部15の深さを4μmと
し、これに対してサイド溝部16の深さを1.5μm
(0.375倍)としたときの図1の幅方向(矢印B方
向)のスライダの圧力分布を示す特性図である。
【0023】図3から明かなように、両サイド溝部16
で発生する負圧のサイド溝部負圧16aは、図6の従来
の磁気ヘッドのサイド溝部負圧26aよりも大きくなっ
ている。このため、スライダ全体の負圧量は5.5gf
となり、図6の場合の5.3gfよりも0.2gf増加
している。従って、両サイド溝部16のサイド溝部負圧
16aと中央溝部15の中央溝部負圧15aとのバラン
スが向上し、外部環境の気圧変化による浮上量の変動を
抑制することができる。
【0024】図4は、上述のように構成した磁気ヘッド
のコンタクトスタートストップ(CSS)ゾーンにおけ
る浮上量の気圧依存性をシュミレーションによって求め
た結果を、従来の磁気ヘッドの場合と共に示した特性図
である。
【0025】図4において、横軸は外部気圧(単位at
m)を示し、縦軸は磁気ヘッドの浮上量(単位nm)を
示す。また特性線31は本実施形態の場合を示し、特性
線32は図5の従来例の場合を示す。
【0026】図4から明かなように、特性線31は特性
線32よりも傾斜がゆるやかであり、気圧変動に対する
安定性が優れていることがよく判る。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の磁気ヘッ
ドは、スライダの空気ベアリング面の主レールの間の中
央溝部の深さと、空気ベアリング面の中間部と側部レー
ルとの間のサイド溝部の深さを変え、サイド溝部の深さ
を中央溝部の深さの0.9〜0.2倍とすることによ
り、サイド溝部による負圧が大きくなって中央溝部によ
る負圧とのバランスが改善されるため、外部環境の気圧
変化による浮上量の変動を小さくすることが可能になる
という効果があり、従って磁気ディスク装置のR/W特
性を安定させることができ、またヘッドクラッシュの発
生を少くすることができる磁気ディスク装置の磁気ヘッ
ドが得られるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のスライダの浮上面を示す
平面図である。
【図2】図1の実施形態を使用する磁気ディスク装置の
一例を示す平面図である。
【図3】図1の実施形態の圧力分布を示す特性図であ
る。
【図4】図1の実施形態の浮上量の気圧依存性を従来の
磁気ヘッドの浮上量の気圧依存性と共に示した特性図で
ある。
【図5】従来の磁気ヘッドの一例のスライダの浮上面を
示す平面図である。
【図6】図5の磁気ヘッドの圧力分布を示す特性図であ
る。
【符号の説明】
1 磁気ディスク媒体(磁気ディスク) 2 スピンドル 3 磁気ヘッド 4 アクチュエータ 5 ボイスコイルモータ 6 エアフィルタ 10 磁気ディスク装置 11 電磁変換素子 12 空気流出端 14 空気ベアリング面(ABS面) 14a 基部 14b 中間部 14c 主レール 14d 側部レール 15 中央溝部 15a 中央溝部負圧 16 サイド溝部 16a サイド溝部負圧 17 サイド負圧部 18 中央負圧部 19 チャンファ部 22 空気流出端 24 空気ベアリング面(ABS面) 24a 基部 24b 中間部 24c 主レール 24d 側部レール 25 中央溝部 25a 中央溝部負圧 26 サイド溝部 26a サイド溝部負圧 29 チャンファ部 31・32 特性線

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空気の流入端となるチャンファ部と、前
    記チャンファ部に続く基部および前記基部から前記チャ
    ンファ部と反対側の空気流出端の方に向って伸長し前記
    空気流出端に向かうに従って次第に間隔を広げかつ幅を
    広くした2本の主レールおよび前記2本の主レールと前
    記基部とを連結する2本の中間部およびサイド溝部を挟
    んで前記2本の中間部の外側に設けた二つの側部レール
    とを有する空気ベアリング面と、前記2本の主レールの
    間に形成した中央溝部と、前記中間部と前記側部レール
    との間に形成した2個の前記サイド溝部と、前記2本の
    主レールのうちの1本の主レールの先端の近傍のトレー
    リング面に設けた電磁変換素子とを有する浮上面を有す
    るスライダを備える磁気ヘッドにおいて、前記中央溝部
    および前記サイド溝部の表面を前記空気ベアリング面の
    表面よりも低くし、かつ、前記サイド溝部の深さを前記
    中央溝部の深さよりも浅くしたことを特徴とする磁気ヘ
    ッド。
  2. 【請求項2】 前記サイド溝部の深さを前記中央溝部の
    深さの0.9〜0.2倍としたことを特徴とする請求項
    1記載の磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記中央溝部15の深さを4μmとし、
    前記サイド溝部の深さを1.5μmとしたことを特徴と
    する請求項1記載の磁気ヘッド。
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