JPH04353858A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JPH04353858A
JPH04353858A JP12800091A JP12800091A JPH04353858A JP H04353858 A JPH04353858 A JP H04353858A JP 12800091 A JP12800091 A JP 12800091A JP 12800091 A JP12800091 A JP 12800091A JP H04353858 A JPH04353858 A JP H04353858A
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Shinichi Tamura
信一 田村
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は電子写真感光体の下引
き層に関し、特に下引き層に用いられる物質に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真法は、既に、カ−ルソンが米国
特許第2,297,691号明細書に明らかにしたよう
に、光導電性と静電現象とを巧妙に組み合わせたもので
あり、光導電性感光体を暗所にて、コロナ放電等により
表面を一様に帯電させたのち、光導電性を利用して光像
を静電潜像に変え、これに着色した電荷粉体(トナー)
を付着させて可視像に変える画像形成法の一種である。
【0003】このような電子写真法における感光体に要
求される基本的な電気的および光電気的特性として、暗
所において適当な電位に帯電できること、さらに、光照
射により速やかに電荷を逸散する事ができることなどが
あげられる。このような電子写真感光体の光導電体素子
として、従来は、 無定型セレン、硫化カドミウム、酸
化亜鉛等の無機光導電性物質が広く使用されてきた。こ
れらの無機物質は上記条件は満足するが、いくつかの欠
点も同時に有する。例えば硫化カドミウムや酸化亜鉛は
結着材としての樹脂に分散させて感光体として用いられ
るが、平滑性、可とう性、硬度、引っ張り強度、耐摩擦
性などの機械的な欠点を有するため、そのままでは反復
使用に耐えることができない。さらに硫化カドミウムに
おいては衛生の問題にも考慮が必要である。また、無定
型セレンにおいては、製法が蒸着によらなくてはならず
、製造コストが高価となるばかりでなく、可とう性がな
く、ベルト状に加工することが困難であるほか、熱や機
械的衝撃に対して鋭敏なため取り扱いには注意を要する
【0004】近年、これらの無機系感光体の欠点を排除
するために、有機系感光体の研究が進み、有機系感光体
における、製膜の容易性、製造の容易性、軽量、可撓性
、分光感度の多様性等の多く長所を生かして種々の有機
系感光体が考案され実用に供されるようになっている。
【0005】一般に、有機感光体を感光体の構成より分
類すると、単層型感光体と機能分離型感光体に大別され
る。単層型感光体とは、従来の酸化亜鉛、硫化カドミウ
ムを用いた無機系感光体のように、有機光導電体素子を
結着材樹脂中に分散させたもの、あるいは、 さらに米
国特許第3,764,315号明細書に記載されている
ように、光により電荷を発生する物質を電荷を輸送する
ことのできる物質中に分散せしめることにより感光体特
性をもたらすものである。 即ち、 同一の感光層中で
電荷の発生と電荷の輸送がなされるという極めて単純な
構成にて理想的なものである。 しかしながら、 この
ような単層型感光体の場合、 増感するするために電荷
発生物質として作用する有色色素を多量に含有させる必
要があり、これは感光体の機械的強度の劣化、帯電性の
低下、電荷保持力の低下、また電荷発生物質の強い分子
吸光度により、有効な光が感光層内部で十分に透過しな
いために感光層内部に十分な電荷を発生することができ
ないため感度の低下を引き起こす等の問題がある。 こ
のように、 同一層内で電荷の発生と輸送を行なうこと
は技術的にはかなり難しい問題を含んでいる。
【0006】このような理由から、 米国特許第3,4
84,237 号明細書、 米国特許第3,791,8
26号明細書、 米国特許第3,871,882 号明
細書、 特開昭49ー105537 号公報、 特開昭
51ー90827号公報などに記載されているように電
荷の発生と電荷の輸送をそれぞれ別の層で行なうことに
より高感度を得る機能分離型感光体が現状では主流とな
っている。
【0007】ところで、 前述の機能分離型構造を感光
層とした電子写真感光体の電荷発生層は、 十分な正孔
と電子からなるフォトキャリアーを発生させるためにで
きるかぎり多くの染料や顔料などからなる光導電体を含
有させ、 さらに発生したフォト・キャリアーを再結合
や捕獲により失活することなくそれぞれ電荷輸送層、 
基体に分離・ 注入・ 輸送せしめる必要がある。 こ
の時、 電荷発生層中におけるフォトキャリアーの移動
度が小さい事から感度を良くするためには発生したフォ
ト・キャリアーの飛程をできるかぎり短くする事が必要
である。 従って、 通常電荷発生層の厚さは1 μm
以下、 好ましくは0.5 μm以下にすることが必要
である。
【0008】このような感光体における電荷発生層は膜
厚が非常に薄いので、 その塗膜形成の際には、 基体
表面の粗度や表面汚染、 酸化被膜、 さらには、 基
体材質が合金である場合には合金成分の結晶粒の大きさ
に基づく基体表面の影響を受け易く、 そのため電荷発
生層はこれらの要因に起因する塗布ムラや膜厚ムラの発
生を引き起こす。
【0009】このようなムラの発生は、 画像欠陥や濃
度ムラなどの原因となるので、 極力避ける必要がある
。 そのため、 従来では基体表面に切削加工や鏡面研
磨などの工程を加えていた。 しかしながら、 このよ
うに表面を平滑に加工された基体を用いた感光体におい
ては電子写真プロセスに用いられるような感光体に高い
電界がかけられたときには感光体表面に向かって基体よ
り感光体表面の電荷と反対の自由電荷が注入されること
により感光体表面の電荷の保持を悪くしたり、 高速使
用時における感光体としての安定性を悪くしたり、 あ
るいはメモリー現象等を引き起こす。
【0010】このような理由より、 基体上の欠陥の被
覆と基体から電荷の注入を防ぐために基体と電荷発生層
の間に下引き層と称される導電率で制御された障壁層を
設ける事が提案されている。 ところで、 この障壁層
の電気的絶縁性が高い場合には暗時の帯電時における基
体からの自由電荷の注入が防止できるものの露光時にお
ける発生するキャリアーの移動を妨げる。 従って、 
障壁層は適度にキャリアーが流れる必要がある。 その
ために障壁層が完全な絶縁層であることは好ましくない
事から電気的には比較的低抵抗あるいは半導体的物性を
有する素材が用いられる事が必要である。 通常、 用
いられる素材の好ましい体積抵抗率は1013Ω・cm
以下、好ましくは1012Ω・cm以下が適していると
されている。
【0011】即ち、 下引き層として要求される基本的
役割りは電気的には■暗時において基体からの電荷の注
入を防止すると同時に露光時には感光体中の電荷を基体
に放散させること。 ■電荷の蓄積がなく連続使用時に
おける電気特性の変化がないこと。 また、 画像上は
■基体表面上の欠陥を軽減させるものである事。 また
、 製造上、 実用上の機械的耐久性の観点から■基体
との密着性、 さらに下引き層の上に作成される電荷発
生層に対して均一且つ強固な密着性を有することなどが
挙げられる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従来、 このような目
的から使用されてきた下引き層としては無機化合物では
アルマイトのような金属酸化被膜、 あるいは、有機化
合物においては塗布可能な低抵抗の有機樹脂としてカゼ
イン、ポリビニルアルコール、 ポリビニルメチルエー
テル、 ポリ−N −ビニルイミダゾール、 エチルセ
ルロース、 メチルセルロース、エチレン−アクリル酸
コポリマー、、ゼラチン、 ポリアミドなどが知られて
いる。しかし、 酸化被膜のような無機化合物下引き層
は作成する工程も複雑であると同時に基体自身も平滑に
加工しなくてはならないことから、 経済的に十分でな
いという欠点を有する。 また有機樹脂系の下引き層に
おいては形成された下引き層は未だ高抵抗であるために
その膜厚を薄くしなければ感光体からの電荷を露光時に
基体上に逃がすことができない事から残留電位の上昇や
、 感度の低下をもたらす。 そのために、下引き層を
薄膜で作成する必要があり、 この薄膜作成自体が技術
的にも難しいことと、 基体の表面の粗度が粗いときに
は基体表面の欠陥の影響を軽減できないなどの欠点があ
る。 即ち、 基体の表面の粗度が大きく、 形成され
た下引き層の表面が平滑である場合には基体の凸部と凹
部から下引き層表面に至る距離が異なるために体積抵抗
がその距離に比例して変化することにより障壁層として
の特性がこれらの部分で異なって来る。 特に、その障
壁層の平均厚さが薄い場合には当然の事ながらその影響
が顕著となり、 画像特性、 電気特性にも悪影響を及
ぼす。 従って、 下引き層の厚さが薄い場合には基体
の表面粗度をある程度小さくさせることが必要であり、
 基体表面の加工の必要がある。 即ち、 このような
場合、 暗時帯電時における基体からの自由電荷の注入
は阻止できるものの基体の欠陥を軽減することに対して
は十分ではない。 このように導電率で制御された下引
き層において基体の欠陥の影響を低減させるためには下
引き層の厚さを厚くする必要がある。 この為には、 
下引き層の見掛けの抵抗を小さくする必要がある。この
ような事から、 下引き層有機樹脂中に金属粉( ニッ
ケル、 銅や銀など) を混入させることにより導電性
を上げることにより上記の問題を解決することも提案さ
れている。 しかし、 金属粉を分散させた下引き層で
は金属粒子が粗いために、下引き層の表面性が低下する
などの欠点がある。 また、 このような粗大な金属粒
子の影響を軽減させるために、 特公昭62−4249
8号公報においては、 基体の上に酸化錫、 酸化イン
ジウム、 酸化亜鉛、酸化アルミニウム等の導電性金属
酸化物あるいはカーボン、 アルミニウム等の導電性微
粉末を分散した樹脂の被覆層を設けたものが開示されて
いる。このような金属粉と較べてより微細な導電性微粉
末を含有せしめた下引き層においては基体の表面状態の
影響をかなり軽減できるが、 これにおいても実用的に
は完全なものではない。 すなわち、 導電性微粉末の
添加量が少ないと比抵抗が低くならず導電性が十分でな
いために下引き層としての機能が十分でなく、 一方、
 添加量が多いと機械的強度や可撓性の低下をもたらし
シートやベルト状の感光体に使用できない等の欠点を有
する。 さらに、 この導電層上に直接感光層を設ける
と、 感光層が導電層の微細孔の中に染み込んだり、 
埋没してしまったりする事により画像上に微細な画像ノ
イズを発生したり、 あるいは、 下引き層の上層であ
る電荷発生層の材料の種類によっては前記層から感光層
に自由電荷が注入されることがある。 そのような現象
があると感光層の電位減衰が大きくなり、 画像形成が
困難になる。 このような場合には導電性微粉体を含む
層上にさらに導電性微粉末を含まない第2 の樹脂層を
付けることによって自由電荷の注入を防がなくてはなら
ない。 この時、 実質的には下引き層が多層構成とな
り生産技術的、 または生産コスト的にも不利である等
の欠点を有する。 このように、 今までに知られた下
引き層は基本的には導電率で制御されたものであること
から上述された種々の欠点の他に低電界時においては感
光層の電荷が基体に逃げにくいという問題があり、 感
度的には不利である。
【0013】本発明者らは上述の下引き層およびこれを
有する感光体の欠点を解消すべく鋭意研究を重ねた結果
、 ある種のジフェノキノン誘導体ポリマーを下引き層
に用いることにより基体からの正孔の注入を阻止すると
同時に露光時において感光層中の電荷を速やかに選択的
に基体に逃すことを見出だした。 その結果、 従来の
導電率によって制御された下引き層の欠点およびこれを
有する感光体の欠点を完全になくすことを見出だし、 
本発明に至ったものである。
【0014】本発明は上述の点に鑑みてなされその目的
は、 基体の粗度などの表面欠陥を実質的になくすこと
ができる下引き層を有する電子写真感光体を提供するこ
とにある。本発明の他の目的は、 電荷発生層の材料の
種類によらず該下引き層から電荷の注入を阻止し、 下
引き層と電荷発生層の間に中間層を必要としない単純に
て安価な感光体を提供することにある。本発明のさらに
他の目的は、 可撓性を有し、 シート状、 ベルト状
感光体に使用可能な下引き層を提供することにある。本
発明のさらに異なる他の目的は、 高感度にして安定し
た特性を有する電子写真感光体を得るに適した下引き層
を有する支持体を提供することにある。本発明のまたさ
らに異なる他の目的は、 環境安定性および耐久性に優
れた電子写真感光体を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上述の目的はこの発明に
よれば、基体の上に下引き層、電荷発生層、電荷輸送層
を順次積層してなり、電荷発生層は電荷発生物質を含む
層であり、電荷輸送層は電荷輸送物質を含む層であり、
下引き層はフェノールホルムアルデヒト樹脂から誘導さ
れ化学式(I)の構造単位を含むジフェノキノン誘導体
ポリマーを有するものである、とすることにより達成さ
れる。
【0016】
【化2】
【0017】(ここにR1 、R2 、R3 、R4 
、R5 、R6 は水素原子、炭素数が1ないし20の
直鎖または分岐アルキル基、アラルキル基、ハロゲン原
子、フェニル基、アルコキシ基またはフェノキシ基を表
す。)
【0018】
【作用】本発明に係るジフェノキノン誘導体ポリマーは
基体からの正孔の注入を阻止すると同時に露光時におい
て速やかに感光層中の電荷を基体に逃がす。
【0019】
【実施例】これらのジフェノキノン誘導体ポリマーは酸
化剤の存在下でフェノール−ホルムアルデヒド樹脂と対
応するフェノール誘導体の酸化カップリング反応により
簡単に且つ高収率で合成することができる。 次に、 
本発明で用いるジフェノキノン誘導体ポリマーのうち、
 代表的な化合物について、 その合成法を示す。炭酸
ソーダでpH9に調整されたアルカリ水溶液1l中にフ
ェノール94g 、35%ホルムアルデヒド水溶液13
0gを加え4時間反応した。 その後、 反応物を凍結
乾燥にて水、 および未反応物を除去した。 得られた
白色のフェノールホルムアルデヒド樹脂はトリクロロメ
タン4 00mlに溶かした後、 その溶液に2,6−
ジt−ブチル−フェノール61.8g、 過マンガン酸
カリウム180 gを仕込み、 還流下3 時間反応を
行なった。 次に、 メタノールを加えさらに冷却して
十分な沈澱物を形成させてから、 この沈澱物を濾別し
た後、 さらに水洗を行なった。 次に、メチルエチル
ケトンとジメチルメタンからなる溶液でシリカゲルを用
いて分別したところ、褐色のジフェノキノン構造を有す
るポリマー132gが得られた。 生成物は赤外吸収ス
ペクトルとNMR からジフェノキノン誘導体ポリマー
であることが確認された。本発明に用いられる他のジフ
ェノキノン誘導体ポリマーも同様に容易に合成すること
ができる。
【0020】本発明におけるポリマーは通常それ自身で
は皮膜形成能を有するので下引き層として単独で用いる
ことができるが、結着材樹脂中に本発明に基づくポリマ
ーを溶解若しくは分散させて用いてもよい。本発明にお
いて好ましく用いられる結着材樹脂は、フィルム形成性
高分子重合体、あるいは共重合体である。
【0021】具体的にはゼラチン、カゼイン、ロジン、
 セルロース、 フェノ−ル樹脂、ポリエステル樹脂、
酢酸ビニル樹脂、ポリカ−ボネ−ト樹脂、ポリペプチド
樹脂、セルロ−ス系樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリ
エチレンオキサイド、ポリ塩化ビニル樹脂、でん粉類、
ポリビニルアルコ−ル、アクリル系共重合体樹脂、メタ
クリル系共重合体樹脂、シリコ−ン樹脂、メタアクリロ
ニトリル系共重合樹脂、ポリビニルブチラ−ル、ポリ塩
化ビニリデン樹脂、 ポリマレイン酸樹脂、ポリアリレ
ート樹脂、 ポリスチレン樹脂、 ポリエチレン樹脂、
ポリ塩化ビニル樹脂、 ポリアミド樹脂、 ポリスチレ
ン−マレイン酸共重合体樹脂、 ポリスチレン−メチル
メタアクリレート共重合体樹脂、 ナイロン樹脂、 ポ
リメチルメタクリレート樹脂、ポリアミド樹脂、 塩化
ゴム、 ポリ塩化ビニル、 エチルセルロース、 ポリ
ビニルピリジン樹脂等が挙げられる。これらの高分子バ
インダ−は、単独で用いられても良くまた2種以上混合
物として用いられても差しつかえない。 好ましくは、
 下引き層を塗布した後、 電荷発生層を塗布する際に
その使用する溶剤によって下引き層が溶けだすことによ
り電荷発生層が形成できない様な状態にならないような
ものであれば差し支えなく、 本発明に使用できる結着
材は、上記に示したものに限定されるものではない。
【0022】本発明に係る下引き層は導電性が付与され
たアルミニウム、バナジウム、 ニッケル、 銅、 亜
鉛、 パラジウム、インジウム、 スズ、、 白金、 
ステンレス、 クロム、 真鋳等の金属ドラムや金属シ
ートあるいは金属を蒸着あるいはラミネートしたプラス
チックシートなどの基体上にディップコート、 スプレ
ーコート、 ワイアーバーコート等の通常知られている
塗布法によって塗布し、 下引き層が形成される。 こ
の際、 下引き層の膜厚は基体の表面状態や結着材の導
電率やジフェノキノンの含有率によって適宜選ばれるが
、実質的には0.1μm以上好ましくは1μmから20
μmが好ましい。
【0023】本発明の電子写真感光体は、 前述の下引
き層を形成した基体の上に電荷発生層と電荷輸送層を積
層した構造の感光層を用いることによって作成される。 電荷発生層は用いる電荷発生材料の種類により塗布のみ
ならず真空蒸着、 スパッタリング、 ないしはグロー
放電などの手段によって設けることができる。 塗布に
際しては、 電荷発生材料をバインダーフリーで設ける
場合や樹脂分散液として設ける場合や、 バインダーと
電荷発生剤の均一溶液として設ける場合などがある。
【0024】電荷発生層に用いる電荷発生材料としては
光を吸収し電荷坦体を発生する材料であればいずれの材
料であっても使用することができ、 好ましい材料とし
てはセレン、 セレン・ テルル、 セレン・ 砒素、
 硫化カドミウム、 アモルファスシリコン等の無機物
質やピリリウム系染顔料、 チオピリリウム系染顔料、
 トリアリールメタン系染顔料、 チアジン系染顔料、
 アズレニウム系染顔料、 シアニン系染顔料、フタロ
シアニン顔料、 ペリレン顔料、 インジゴ系顔料、 
チオインジゴ系顔料、 キナクリドン系顔料、 スクア
リック酸顔料、 スーダンレッド、ダイアンブルー、 
ジナスグリーンB 等のアゾ系顔料、 アルゴールイエ
ロー、 ピレンキノン、 インダンスレンブリリアント
バイオレットRRP等の多環キノン系顔料等の有機物質
が挙げられる。 これらの顔料は、 一種または二種以
上組み合わせて用いることができる。 また、 これら
の顔料の結晶型に多形が存在するときには電荷発生機能
を向上させるものであればいずれのものであっても良い
【0025】また、 前述の電荷発生物質を分散、 溶
解させた電荷発生層を用いる場合には、結着材としては
、 下引き層に用いられる前述の樹脂などが用いられる
。電荷発生層より上層の電荷輸送層は正孔輸送能を有す
る物質から形成される。 本発明に用いられる正孔輸送
性物質としては従来より知られている種々の物質を用い
ることが可能である。 正孔輸送能を有する物質として
は米国特許第4,150,987号明細書、同第4,2
78,747号明細書、西ドイツ特許出願公開明細書第
2,939,483号、英国特許出願公開明細書第2,
034,493号、ヨーロッパ特許出願公開明細書第1
3,172号等に記載されている様なヒドラゾン系化合
物、特開昭49−105536号に記載されているよう
なピラゾリン系化合物、特開昭54−112637号公
報、特開昭50−31773号公報に参照されているよ
うなスチリル化合物、 米国特許第3,567,450
号明細書、特公昭49−35702号公報、西ドイツ特
許第1,110,518号、米国特許第3,180,7
03号、米国特許第3,240,597号、米国特許第
3,658,520号、米国特許第3,658,520
 号、 米国特許第4,232,103 号、 米国特
許第4,175, 961号、米国特許第4,012,
376号各明細書、特開昭55−144250号公報、
特開昭56−119132号公報、特公昭39−275
77号公報に記載されているようなアリールアミン化合
物、 米国特許第3,542,546号明細書、に記載
されているようなオキサゾール系化合物、米国特許第3
,180,729号明細書、特開昭49−105536
号公報、に記載されているようなピラゾリン、ピラゾロ
ン系化合物、 米国特許第315,402号明細書、米
国特許第3,820,989号、米国特許第3,542
,544号各明細書、特公昭45−555号公報、特公
昭51−10983号公報、に記載されているようなポ
リアリールアルカン系化合物、 特公昭34−1096
6号公報に記載されているようなポリビニルカルバゾー
ルおよびその誘導体、特開昭50−85337号公報、
に記載されているようなN−アクリルアミドメチルカル
バゾールの重合体、特開昭50−93432号公報に記
載されているようなキノキサリンポリマー、特公昭43
−18674号公報、特公昭43−19192号公報に
記載されているようなビニル重合体、特開昭56−90
883号公報、  特開昭56−161550号公報に
記載されているようなトリフェニルメタンポリマー、特
公昭43−19193号公報に記載されているようなス
チレン共重合体、ポリアセナフテン、ポリインデン、ア
セナフチレンとスチレンの共重合体、 特公昭56−1
3940号公報に記載されているようなホルムアルデヒ
ド系縮合樹脂等の化合物を挙げることができる。 これ
らの正孔輸送物質はそれ自身が被膜形成能を有する場合
にはそれ自身で用いても良いが、 低分子化合物でそれ
自身が被膜形成能を有しない場合には成膜性のある樹脂
に溶解させて電荷輸送層が形成される。 電荷輸送層の
厚さは5 〜40μm程度で用いられる。
【0026】このようにして作成された感光体の静電特
性は川口電機製静電複写紙試験装置SP428にて測定
した。 また、 画像特性は市販の複写機、 レーザー
プリンターを感光体の形状に合うように改造した機械に
よって試験を行なった。以下、実施例により本発明を説
明する。実施例中、部とは重量部を、%とは重量%をそ
れぞれ表す。
【0027】実施例1 最大表面あらさ1.2ミクロンおよび平均表面あらさ1
.0μmの表面粗さを持つアルミニウム管の表面にポリ
ビニルブチラール10部、合成例で示した2,6−ジt
ブチル−フェノールから誘導されるジフェノキノンポリ
マー誘導体3部、シクロヘキサノン100部から成る組
成の塗布液を乾燥膜厚が4μmとなるように塗布した。
【0028】次いで、 ビスアゾ顔料(クロロダイアン
ブルー)5gと、ブチラール樹脂( ブチラール化度6
3モル%)2gをエタノール100mlに溶解、分散し
て電荷発生用塗布液を調製して下引き層の上に塗布し乾
燥膜厚が0.2μmとなるようにした。次に、 N−エ
チルカルバゾール−3−アルデヒドジフェニルヒドラゾ
ン50部とポリカーボネート樹脂( 三菱化成製、 商
標ノバレックス7030A)50部をトルエン550部
に溶解した溶液を乾燥膜厚が25μmとなるように塗布
し、 電荷輸送層を設けて電子写真感光体を作成した。  これを試料1とした。次に、 比較例1として、 下
引き層の使用を省略したほかは、 同様の方法によって
電子写真感光体を作成した。
【0029】比較例2 実施例1に用いたジフェノキノンポリマー誘導体を使用
しないでポリカーボネート樹脂バインダーのみで下引き
層を作製した。各試料について静電複写機試験装置( 
川口電機製SP428)にて各試料の電子写真初期特性
、 耐久性および環境安定性を測定した。この結果を表
1、表2に示す。
【0030】
【0031】
【0032】表1、表2 が示す静電特性における初期
特性と耐久性試験の結果からは、 本発明による実施例
1 は電位的に安定したものであるが、 比較例1 は
繰り返しにより表面電位の低下が著しかった。 また、
 比較例2 は初期特性において感度が悪く、 また、
 繰り返し特性においては残留電位の増加と感度の低下
が著しいものであり実用特性としては極めて悪いもので
あった。
【0033】次に、 このようにして作成した感光体を
複写機に装填し画像試験を行なった。本発明の電子写真
感光体は、 高精度の表面加工した導電性支持体を用い
たものと同等、 あるいはそれ以上の画像ノイズの少な
い良質の画像が得られた。 さらに、30000枚の連
続コピー後の画像を評価すると本発明に基づく感光体は
画像の変化が全く認められないのに対して比較例1 の
ものは画像ノイズが著しく増大した。 また比較例2は
帯電電位の増加と残留電位の増加の為にコピー画像は全
面が黒くかぶり、実用的には不適のものであった。
【0034】実施例2 実施例1におけるジフェノキノンポリマー誘導体の代わ
りに、 合成例におけるフェノールを3、 5−ジt−
ブチル−フェノールに代えて得られたジフェノキノンポ
リマー誘導体を用いて実施例1と同様に試験を行なった
。 静電特性および画像試験は実施例1 と同様にジフ
ェノキノンポリマー誘導体を用いたものは静電特性的に
も安定し、 また、 画像的にもノイズの極めて少ない
ものであった。
【0035】実施例3 実施例1におけるジフェノキノンポリマー誘導体の代わ
りに、 合成例におけるフェノール誘導体を3,5−ジ
イソプロピル−フェノールに代えて得られたジフェノキ
ノンポリマー誘導体を用いて実施例1と同様に試験を行
なった。 静電特性および画像試験は実施例1 と同様
にジフェノキノンポリマー誘導体を用いたものは静電特
性的にも安定し、 また、 画像的にもノイズの極めて
少ないものであった。
【0036】実施例4 実施例1におけるジフェノキノンポリマー誘導体の代わ
りに、 合成例におけるフェノール誘導体を3,6−ジ
クロロ−フェノールに代えて得られたジフェノキノンポ
リマー誘導体を用いて実施例1と同様に試験を行なった
。 静電特性および画像試験は実施例1 と同様にジフ
ェノキノンを用いたものは静電特性的にも安定し、 ま
た、 画像的にもノイズの極めて少ないものであった。
【0037】
【発明の効果】この発明によれば、基体の上に下引き層
、電荷発生層、電荷輸送層を順次積層してなり、電荷発
生層は電荷発生物質を含む層であり、電荷輸送層は電荷
輸送物質を含む層であり、下引き層はフェノールホルム
アルデヒト樹脂から誘導され化学式(I)の構造単位を
含むジフェノキノン誘導体ポリマーを有するものである
ので、
【0038】
【化3】
【0039】(ここにR1 、R2 、R3 、R4 
、R5 、R6 は水素原子、炭素数が1ないし20の
直鎖または分岐アルキル基、アラルキル基、ハロゲン原
子、フェニル基、アルコキシ基またはフェノキシ基を表
す。)
【0040】ジフェノキノン誘導体ポリマーは基
体からの正孔の注入を阻止すると同時に露光時において
速やかに感光層中の電荷を基体に逃がし、その結果本発
明による下引き層を有する電子写真感光体は基体の表面
加工をしない導電性支持体においても下引き層を基体の
粗度以上の厚さに塗布する事により下地の影響のない、
 画像ノイズやムラのない美しい画像が得られ、 基体
加工にかけるコストを大幅に低下させることができた。  さらに静電特性的にも従来の下引き層を用いた電子写
真感光体に較べて、 初期電位が高く、 しかも暗減衰
が小さく、 極めて好ましいものであった。 また、 
繰り返し時の静電特性、 画像特性においても変化の無
い優れたものが得られ実用上有効なものであった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基体の上に下引き層、電荷発生層、電荷輸
    送層を順次積層してなり、電荷発生層は電荷発生物質を
    含む層であり、電荷輸送層は電荷輸送物質を含む層であ
    り、下引き層はフェノールホルムアルデヒト樹脂から誘
    導され化学式(I)の構造単位を含むジフェノキノン誘
    導体ポリマーを有するものであることを特徴とする電子
    写真感光体。 【化1】 (ここにR1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R
    6 は水素原子、炭素数が1ないし20の直鎖または分
    岐アルキル基、アラルキル基、ハロゲン原子、フェニル
    基、アルコキシ基またはフェノキシ基を表す。)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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