JPH04351478A - 静電アクチュエータ - Google Patents
静電アクチュエータInfo
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- JPH04351478A JPH04351478A JP15965091A JP15965091A JPH04351478A JP H04351478 A JPH04351478 A JP H04351478A JP 15965091 A JP15965091 A JP 15965091A JP 15965091 A JP15965091 A JP 15965091A JP H04351478 A JPH04351478 A JP H04351478A
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、静電アクチュエータに
関するものであり、詳しくは、湿度の影響を受けず、且
つ、正確に駆動し得るように改良された静電アクチュエ
ータに関するものである。
関するものであり、詳しくは、湿度の影響を受けず、且
つ、正確に駆動し得るように改良された静電アクチュエ
ータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】静電アクチュエータは、絶縁性支持体に
帯状電極を所定間隔で並べた固定子と絶縁性フィルムの
ような絶縁性薄葉体に抵抗体層を設けた移動子とから成
り、当該固定子と当該移動子とが接するように配置され
て構成される。そして、静電気の作用により、移動子を
瞬間的に浮上させて摩擦を防止しながら移動させるもの
である(平成元年度電気学会全国大会講演予稿集6−1
91,日経メカニカル1989.5.29,112〜1
13ページ等)。
帯状電極を所定間隔で並べた固定子と絶縁性フィルムの
ような絶縁性薄葉体に抵抗体層を設けた移動子とから成
り、当該固定子と当該移動子とが接するように配置され
て構成される。そして、静電気の作用により、移動子を
瞬間的に浮上させて摩擦を防止しながら移動させるもの
である(平成元年度電気学会全国大会講演予稿集6−1
91,日経メカニカル1989.5.29,112〜1
13ページ等)。
【0003】静電アクチュエータは、電極やギャップの
寸法を小さくすることにより、力密度を大きくでき、ま
た、小型化し易いという特徴を有する。そのため、静電
アクチュエータは、ワードプロセッサーやファクシミリ
等における用紙搬送機構のような小型駆動装置、その他
の微小な機械システムの駆動装置として応用されること
が期待されている。
寸法を小さくすることにより、力密度を大きくでき、ま
た、小型化し易いという特徴を有する。そのため、静電
アクチュエータは、ワードプロセッサーやファクシミリ
等における用紙搬送機構のような小型駆動装置、その他
の微小な機械システムの駆動装置として応用されること
が期待されている。
【0004】図1(a)〜(d)は、移動子を絶縁性フ
ィルムにて構成した静電アクチュエータ(静電フィルム
アクチュエータ)の駆動原理の説明図であり、図中、(
1)は絶縁性支持体、(2)は帯状電極、(3)は固定
子、(4)は絶縁性フィルム、(5)は抵抗体層、(6
)は移動子、(7)〜(9)は電線を示す。
ィルムにて構成した静電アクチュエータ(静電フィルム
アクチュエータ)の駆動原理の説明図であり、図中、(
1)は絶縁性支持体、(2)は帯状電極、(3)は固定
子、(4)は絶縁性フィルム、(5)は抵抗体層、(6
)は移動子、(7)〜(9)は電線を示す。
【0005】先ず、図1(a)に示すように、電線(7
)に正、電線(8)に負の電圧を印加する。これにより
、電線(7)に接続した電極に存する電荷■と電線(8
)に接続した電極に存する電荷■の電位差により、抵抗
体層(5)に電流が流れ、移動子(6)の絶縁性フィル
ム(4)と抵抗体層(5)の境界に電荷が誘導されて平
衡状態となる。この電荷は、説明の便宜上、図1(b)
の点線で示した鏡像電荷で置き換えることができる。そ
して、この電荷■、■の極性は、それぞれ電荷■、■の
極性と異なるので、図1(b)の状態では移動子(6)
は固定子(3)に吸引されている。
)に正、電線(8)に負の電圧を印加する。これにより
、電線(7)に接続した電極に存する電荷■と電線(8
)に接続した電極に存する電荷■の電位差により、抵抗
体層(5)に電流が流れ、移動子(6)の絶縁性フィル
ム(4)と抵抗体層(5)の境界に電荷が誘導されて平
衡状態となる。この電荷は、説明の便宜上、図1(b)
の点線で示した鏡像電荷で置き換えることができる。そ
して、この電荷■、■の極性は、それぞれ電荷■、■の
極性と異なるので、図1(b)の状態では移動子(6)
は固定子(3)に吸引されている。
【0006】次に、図1(c)に示すように、電線(7
)に負、電線(8)に正、電線(9)に負の電圧を印加
する。これにより、電極内の電荷は、瞬時に移動できる
が、移動子(6)の誘導電荷は、抵抗体層(5)の抵抗
値が高いために直ぐには移動できない。その結果、移動
子(6)と固定子(3)の間には反発力が発生する。反
発力が発生することにより、固定子(3)と移動子(6
)の間の摩擦が減少し、電線(9)に電圧を印加した結
果生じる負の電荷■と正の誘導電荷(鏡像電荷で言えば
■)によって、右方向の駆動力が発生する。
)に負、電線(8)に正、電線(9)に負の電圧を印加
する。これにより、電極内の電荷は、瞬時に移動できる
が、移動子(6)の誘導電荷は、抵抗体層(5)の抵抗
値が高いために直ぐには移動できない。その結果、移動
子(6)と固定子(3)の間には反発力が発生する。反
発力が発生することにより、固定子(3)と移動子(6
)の間の摩擦が減少し、電線(9)に電圧を印加した結
果生じる負の電荷■と正の誘導電荷(鏡像電荷で言えば
■)によって、右方向の駆動力が発生する。
【0007】図1(d)は、上記の駆動力により、移動
子(6)が電極1ピッチ分右方向に移動した結果を示し
ている。移動子(6)を左方向に移動させる場合には、
電線(9)に正の電圧を印加すればよい。そして、上記
の電極1ピッチ毎の移動操作における印加電圧パターン
(図1(c)に示すパターン)は、図1(a)に示す状
態とは逆符号の電圧を電線(7)、(8)に印加するも
のであるから、図1(c)における誘導電荷(鏡像電荷
で言えば、■及び■)は減衰することになる。
子(6)が電極1ピッチ分右方向に移動した結果を示し
ている。移動子(6)を左方向に移動させる場合には、
電線(9)に正の電圧を印加すればよい。そして、上記
の電極1ピッチ毎の移動操作における印加電圧パターン
(図1(c)に示すパターン)は、図1(a)に示す状
態とは逆符号の電圧を電線(7)、(8)に印加するも
のであるから、図1(c)における誘導電荷(鏡像電荷
で言えば、■及び■)は減衰することになる。
【0008】従って、移動子(6)を右方向に電極1ピ
ッチ毎に連続移動させるには、電荷充電操作と移動操作
とを繰り返す次のようなパターンの電圧を繰り返し印加
することが必要である。なお、以下の[表1]に例示し
た電圧パターンは、1サイクルの電圧パターンであり、
(G)は電圧を印加してない状態を示し、(C)及び(
A)は、それぞれ、電荷充電操作、移動操作を示し、最
初の(C)は図1(a)に示す状態、最初の(A)は図
1(c)に示す状態である。
ッチ毎に連続移動させるには、電荷充電操作と移動操作
とを繰り返す次のようなパターンの電圧を繰り返し印加
することが必要である。なお、以下の[表1]に例示し
た電圧パターンは、1サイクルの電圧パターンであり、
(G)は電圧を印加してない状態を示し、(C)及び(
A)は、それぞれ、電荷充電操作、移動操作を示し、最
初の(C)は図1(a)に示す状態、最初の(A)は図
1(c)に示す状態である。
【0009】
【表1】
【0010】そして、静電アクチュエータを電極1ピッ
チ毎に安定に連続移動させるには、移動子(6)(抵抗
体層(5))の表面固有抵抗率は、1012〜1015
Ω/□の範囲でなければならないとされている。その理
由は、次の通りである。すなわち、移動子(6)の表面
固有抵抗が大きい場合には電荷充電に比較的長い時間を
要し、小さい場合には誘導された電荷が瞬時に減衰する
。 ところが、図1に示した静電アクチュエータの場合には
、移動子を構成する絶縁性フィルムの抵抗値が大き過ぎ
るために、上記のような抵抗体層を当該絶縁性フィルム
に設けて僅かな導電性を付与する必要がある。なお、当
然ではあるが、図1に示した公知の静電アクチュエータ
において、絶縁性フィルム(4)の代わりに、これと同
程度の抵抗値を有する他の絶縁性薄葉体を使用してもよ
い。
チ毎に安定に連続移動させるには、移動子(6)(抵抗
体層(5))の表面固有抵抗率は、1012〜1015
Ω/□の範囲でなければならないとされている。その理
由は、次の通りである。すなわち、移動子(6)の表面
固有抵抗が大きい場合には電荷充電に比較的長い時間を
要し、小さい場合には誘導された電荷が瞬時に減衰する
。 ところが、図1に示した静電アクチュエータの場合には
、移動子を構成する絶縁性フィルムの抵抗値が大き過ぎ
るために、上記のような抵抗体層を当該絶縁性フィルム
に設けて僅かな導電性を付与する必要がある。なお、当
然ではあるが、図1に示した公知の静電アクチュエータ
において、絶縁性フィルム(4)の代わりに、これと同
程度の抵抗値を有する他の絶縁性薄葉体を使用してもよ
い。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、静電ア
クチュエータは、未だ研究段階にあり、実用化のために
は、各要素の詳細を検討しなければならない状況にある
。特に、抵抗体層の抵抗率が大き過ぎる場合には、移動
子に電荷を誘導するのに時間を要し、また、抵抗率が小
さ過ぎる場合には、誘導された電荷が瞬時に消滅して静
電アクチュエータが正しく駆動しなくなるという問題が
あり、また、抵抗体層の抵抗値は、湿度の影響を受け易
いという問題がある。従って、静電アクチュエータの実
用化のためには、適切な抵抗率を有する信頼性の高い抵
抗体層が必要である。
クチュエータは、未だ研究段階にあり、実用化のために
は、各要素の詳細を検討しなければならない状況にある
。特に、抵抗体層の抵抗率が大き過ぎる場合には、移動
子に電荷を誘導するのに時間を要し、また、抵抗率が小
さ過ぎる場合には、誘導された電荷が瞬時に消滅して静
電アクチュエータが正しく駆動しなくなるという問題が
あり、また、抵抗体層の抵抗値は、湿度の影響を受け易
いという問題がある。従って、静電アクチュエータの実
用化のためには、適切な抵抗率を有する信頼性の高い抵
抗体層が必要である。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記実情
に鑑み、種々検討を重ねた結果、特定の構成より成る抵
抗体層の採用により、上記の問題を一挙に解決し得ると
の知見を得た。本発明は、上記知見を基に完成されたも
のであり、湿度の影響を受けず、且つ、正確に駆動し得
るように改良された静電アクチュエータの提供を目的と
するものである。本発明の上記目的は、本発明に従い、
絶縁性支持体に帯状電極を所定間隔で並べた固定子と絶
縁性薄葉体に抵抗体層を設けた移動子とが接するように
配置されて成る静電アクチュエータにおいて、抵抗体層
がカーボンブラックを含有する樹脂層より成り、カーボ
ンブラックの比表面積が5m2 /g以上であり、且つ
、樹脂層中のカーボンブラックの含有量が0.1〜1.
0g/m2 の範囲であることを特徴とする静電アクチ
ュエータにより容易に達成される。
に鑑み、種々検討を重ねた結果、特定の構成より成る抵
抗体層の採用により、上記の問題を一挙に解決し得ると
の知見を得た。本発明は、上記知見を基に完成されたも
のであり、湿度の影響を受けず、且つ、正確に駆動し得
るように改良された静電アクチュエータの提供を目的と
するものである。本発明の上記目的は、本発明に従い、
絶縁性支持体に帯状電極を所定間隔で並べた固定子と絶
縁性薄葉体に抵抗体層を設けた移動子とが接するように
配置されて成る静電アクチュエータにおいて、抵抗体層
がカーボンブラックを含有する樹脂層より成り、カーボ
ンブラックの比表面積が5m2 /g以上であり、且つ
、樹脂層中のカーボンブラックの含有量が0.1〜1.
0g/m2 の範囲であることを特徴とする静電アクチ
ュエータにより容易に達成される。
【0013】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
静電アクチュエータの基本的構成は、図1において、移
動子(6)の構成材料が絶縁性フィルムに限定されない
点を除き、同図に示した公知の静電アクチュエータと同
じである。従って、以下の説明においては、便宜上、図
1中の(4)を絶縁性薄葉体として図1を参照する。本
発の明静電アクチュエータは、絶縁性支持体(1)に帯
状電極(2)を所定間隔で並べた固定子(3)と絶縁性
薄葉体(4)に抵抗体層(5)を設けた移動子(6)と
から成る。
静電アクチュエータの基本的構成は、図1において、移
動子(6)の構成材料が絶縁性フィルムに限定されない
点を除き、同図に示した公知の静電アクチュエータと同
じである。従って、以下の説明においては、便宜上、図
1中の(4)を絶縁性薄葉体として図1を参照する。本
発の明静電アクチュエータは、絶縁性支持体(1)に帯
状電極(2)を所定間隔で並べた固定子(3)と絶縁性
薄葉体(4)に抵抗体層(5)を設けた移動子(6)と
から成る。
【0014】先ず、固定子(3)について説明する。固
定子(3)を構成する絶縁性支持体(1)は、絶縁性材
料より成るフィルムやシート等より構成される。絶縁性
材料としては、特に制限はなく、絶縁性の良好な各種の
合成樹脂、セラミックス、ガラス等を使用することがで
きる。絶縁性樹脂の具体例としては、エポキシ樹脂、ポ
リイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂
、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリア
ミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポ
リビニルアルコール系樹脂等が挙げられる。好ましい絶
縁性樹脂は、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂である。
定子(3)を構成する絶縁性支持体(1)は、絶縁性材
料より成るフィルムやシート等より構成される。絶縁性
材料としては、特に制限はなく、絶縁性の良好な各種の
合成樹脂、セラミックス、ガラス等を使用することがで
きる。絶縁性樹脂の具体例としては、エポキシ樹脂、ポ
リイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂
、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリア
ミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポ
リビニルアルコール系樹脂等が挙げられる。好ましい絶
縁性樹脂は、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂である。
【0015】絶縁性支持体(1)に設けられる帯状電極
(2)は、絶縁性支持体(1)の表面に並べて設けても
、または、絶縁性支持体(1)の中に埋設して設けても
よい。また、帯状電極(2)の間隔は、特に限定される
ものではないが、通常0.1〜2mmであり、静電アク
チュエータの発生力、駆動電圧等の駆動性能を向上させ
る為には帯状電極間隔の微細化が望ましい。
(2)は、絶縁性支持体(1)の表面に並べて設けても
、または、絶縁性支持体(1)の中に埋設して設けても
よい。また、帯状電極(2)の間隔は、特に限定される
ものではないが、通常0.1〜2mmであり、静電アク
チュエータの発生力、駆動電圧等の駆動性能を向上させ
る為には帯状電極間隔の微細化が望ましい。
【0016】次に、移動子(6)について説明する。移
動子(6)を構成する絶縁性薄葉体(4)は、好適には
、固定子(3)を構成する前記の絶縁性樹脂と同様の合
成樹脂より構成されるが、斯かる合成樹脂と同程度の抵
抗値を有するガラス又はセラミックスにて構成すること
もできる。絶縁性薄葉体(4)を絶縁性フィルムで構成
する場合、特に好ましいフィルムは、密度、曲げ弾性率
、耐皺性等の点からポリエチレンテレフタレートフィル
ムである。絶縁性薄葉体(4)の厚さは、通常、10〜
200μmであり、好ましくは、絶縁性薄葉体(4)に
並べた帯状電極(5)の間隔をPとし、帯状電極(5)
の表面と絶縁性薄葉体(4)と抵抗体層(5)との境界
面との距離をGとした場合、絶縁性薄葉体(4)の厚さ
は、0.15<G/P<0.4の関係を満足する範囲で
ある。
動子(6)を構成する絶縁性薄葉体(4)は、好適には
、固定子(3)を構成する前記の絶縁性樹脂と同様の合
成樹脂より構成されるが、斯かる合成樹脂と同程度の抵
抗値を有するガラス又はセラミックスにて構成すること
もできる。絶縁性薄葉体(4)を絶縁性フィルムで構成
する場合、特に好ましいフィルムは、密度、曲げ弾性率
、耐皺性等の点からポリエチレンテレフタレートフィル
ムである。絶縁性薄葉体(4)の厚さは、通常、10〜
200μmであり、好ましくは、絶縁性薄葉体(4)に
並べた帯状電極(5)の間隔をPとし、帯状電極(5)
の表面と絶縁性薄葉体(4)と抵抗体層(5)との境界
面との距離をGとした場合、絶縁性薄葉体(4)の厚さ
は、0.15<G/P<0.4の関係を満足する範囲で
ある。
【0017】本発明において、移動子を構成する抵抗体
層(5)は、カーボンブラックを含有する樹脂層より成
り、カーボンブラックの比表面積が5m2/g以上であ
り且つ、樹脂層中のカーボンブラックの含有量が0.1
〜1.0g/m2 の範囲でなければならない。すなわ
ち、静電アクチュエータを安定的に動かす為には、抵抗
体層(5)の表面固有抵抗を1012〜1015Ω/□
の範囲にすることが必要であり、その為めに、本発明で
は、比表面積が5m2 /g以上のカーボンブラックを
使用し、脂層中の含有量を0.1〜1.0g/m2 の
範囲とするのである。
層(5)は、カーボンブラックを含有する樹脂層より成
り、カーボンブラックの比表面積が5m2/g以上であ
り且つ、樹脂層中のカーボンブラックの含有量が0.1
〜1.0g/m2 の範囲でなければならない。すなわ
ち、静電アクチュエータを安定的に動かす為には、抵抗
体層(5)の表面固有抵抗を1012〜1015Ω/□
の範囲にすることが必要であり、その為めに、本発明で
は、比表面積が5m2 /g以上のカーボンブラックを
使用し、脂層中の含有量を0.1〜1.0g/m2 の
範囲とするのである。
【0018】カーボンブラックとしては、ファーネスブ
ラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等の
導電性カーボンブラックが使用され、具体的には、例え
ば、三菱化成社製の#3950、#3750P、#32
50B、キャボット社製のXC72,ライオンアクゾ社
製のケッチェンブラック等が挙げられる。
ラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等の
導電性カーボンブラックが使用され、具体的には、例え
ば、三菱化成社製の#3950、#3750P、#32
50B、キャボット社製のXC72,ライオンアクゾ社
製のケッチェンブラック等が挙げられる。
【0019】一方、樹脂(バインダー)としては、フェ
ノキシ樹脂、塩ビ/酢ビ共重体、ポリエステル樹脂、ポ
リウレタン樹脂、セルロース、ポリサルフォン樹脂、ポ
リビニールブチラール樹脂、アクリルブタジエンスチレ
ン共重合体、アクリルスチレン共重合体、ポリカーボネ
ート樹脂等が挙げられる。
ノキシ樹脂、塩ビ/酢ビ共重体、ポリエステル樹脂、ポ
リウレタン樹脂、セルロース、ポリサルフォン樹脂、ポ
リビニールブチラール樹脂、アクリルブタジエンスチレ
ン共重合体、アクリルスチレン共重合体、ポリカーボネ
ート樹脂等が挙げられる。
【0020】カーボンブラックは、バインダー中に分散
され、絶縁性薄葉体(4)の一方の面に塗布されて抵抗
体層(5)を構成する。そして、静電アクチュエータに
おいては、抵抗体層(5)に誘導された電荷が駆動力と
なるために、カーボンブラックのバインダー中への分散
は均一であることが重要である。従って、カーボンブラ
ックの分散には、通常、サンドミル、ロールミル、ボー
ルミル、ホモジナイザーとの分散処理装置が使用される
。また、塗布方法としては、特に限定されるものではな
いが、通常、グラビアロール、ダイ、リバースロール、
バーコーター等を用いて行われる。この際、テトラヒド
ロフラン等の適宜の溶剤が使用される。
され、絶縁性薄葉体(4)の一方の面に塗布されて抵抗
体層(5)を構成する。そして、静電アクチュエータに
おいては、抵抗体層(5)に誘導された電荷が駆動力と
なるために、カーボンブラックのバインダー中への分散
は均一であることが重要である。従って、カーボンブラ
ックの分散には、通常、サンドミル、ロールミル、ボー
ルミル、ホモジナイザーとの分散処理装置が使用される
。また、塗布方法としては、特に限定されるものではな
いが、通常、グラビアロール、ダイ、リバースロール、
バーコーター等を用いて行われる。この際、テトラヒド
ロフラン等の適宜の溶剤が使用される。
【0021】抵抗体層(5)を設ける方向は、移動子(
6)の固定子(3)と接する面または他方の面の何れで
も可能であるが、後者の面上が好ましい。そして、抵抗
体層(5)の厚さ(乾燥塗膜の厚さ)は、通常、10μ
m以下、好ましくは、1〜5μmの範囲とされる。
6)の固定子(3)と接する面または他方の面の何れで
も可能であるが、後者の面上が好ましい。そして、抵抗
体層(5)の厚さ(乾燥塗膜の厚さ)は、通常、10μ
m以下、好ましくは、1〜5μmの範囲とされる。
【0022】本発明の静電アクチュエータは、上記のよ
うにして構成された固定子(3)と移動子(6)とから
成り、公知の静電アクチュエータと同様の駆動原理に従
って駆動される。
うにして構成された固定子(3)と移動子(6)とから
成り、公知の静電アクチュエータと同様の駆動原理に従
って駆動される。
【0023】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳しく説明
するが、本発明は、その要旨を越えない限り以下の実施
例に限定されるものではない。
するが、本発明は、その要旨を越えない限り以下の実施
例に限定されるものではない。
【0024】なお、以下の例においては、次に記載の材
料を使用した。 (1)移動子の絶縁性薄葉体:ポリエチレンテレフタレ
ートフィルム(ダイアホイル社製、S−100、厚さ1
00μm)又は薄板ガラス(日本電気硝子社製の硼珪酸
ガラス、厚さ50μm、100×150mm)(2)抵
抗体層のカーボンブラック:カーボンブラック(三菱化
成社製、#3750P) (3)抵抗体層の樹脂:ポリウレタン樹脂溶液(溶媒:
テトラヒドロフラン、固形分濃度:15重量%)(4)
塗布溶剤:テトラヒドロフラン
料を使用した。 (1)移動子の絶縁性薄葉体:ポリエチレンテレフタレ
ートフィルム(ダイアホイル社製、S−100、厚さ1
00μm)又は薄板ガラス(日本電気硝子社製の硼珪酸
ガラス、厚さ50μm、100×150mm)(2)抵
抗体層のカーボンブラック:カーボンブラック(三菱化
成社製、#3750P) (3)抵抗体層の樹脂:ポリウレタン樹脂溶液(溶媒:
テトラヒドロフラン、固形分濃度:15重量%)(4)
塗布溶剤:テトラヒドロフラン
【0025】実施例1
移動子のポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の
面に、下記の[表2]に示すカーボンブラック含有組成
物を塗布して乾燥し、移動子を作製した。塗布量は、カ
ーボンブラックの量が0.14g/m2 となるように
マイクログラビアロールで調整した。乾燥後の塗膜の厚
さは、約1.8μmであった。
面に、下記の[表2]に示すカーボンブラック含有組成
物を塗布して乾燥し、移動子を作製した。塗布量は、カ
ーボンブラックの量が0.14g/m2 となるように
マイクログラビアロールで調整した。乾燥後の塗膜の厚
さは、約1.8μmであった。
【表2】
カーボンブラック
26gポリウレタン樹脂溶液
1974g塗布溶剤
380g
26gポリウレタン樹脂溶液
1974g塗布溶剤
380g
【0
026】得られた移動子の抵抗体層の表面抵抗率を測定
したところ、(測定器High Resistance
Meter 4329A、YHP社製、測定条件23
℃、50%)2.4×1014Ω/□であった(3分経
過後の値。以下同じ)。また、この抵抗体層を強制的に
加湿させた状態(23℃、80%)で、表面抵抗率を測
定(測定器は上記と同様)したところ、2.0×101
4Ω/□であり、湿度の影響はなかった。また、帯状電
極のピッチが1.27mmの固定子(絶縁性支持体:エ
ポキシ樹脂シート、電極部の面積:150×200mm
)を使用して時定数を測定したところ、80秒であった
。そして、図1(a)〜(d)に示す要領に従って、以
下の[表3]に示す駆動条件で駆動させたところ、移動
子は円滑に移動した。
026】得られた移動子の抵抗体層の表面抵抗率を測定
したところ、(測定器High Resistance
Meter 4329A、YHP社製、測定条件23
℃、50%)2.4×1014Ω/□であった(3分経
過後の値。以下同じ)。また、この抵抗体層を強制的に
加湿させた状態(23℃、80%)で、表面抵抗率を測
定(測定器は上記と同様)したところ、2.0×101
4Ω/□であり、湿度の影響はなかった。また、帯状電
極のピッチが1.27mmの固定子(絶縁性支持体:エ
ポキシ樹脂シート、電極部の面積:150×200mm
)を使用して時定数を測定したところ、80秒であった
。そして、図1(a)〜(d)に示す要領に従って、以
下の[表3]に示す駆動条件で駆動させたところ、移動
子は円滑に移動した。
【0027】
【表3】<駆動条件>
初期充電時間:100s
充電時間 :450ms
移動時間 :50ms
駆動周波数 :2Hz
駆動電圧 :±800v
【0028】実施例2
下記の[表4]に示すカーボンブラック含有組成物に変
更した他は、実施例1と同様にして移動子を作製した。 塗布量は、カーボンブラックが0.2g/m2 となる
ように調整した。乾燥後の塗膜の厚さは、約1.8μm
であった。
更した他は、実施例1と同様にして移動子を作製した。 塗布量は、カーボンブラックが0.2g/m2 となる
ように調整した。乾燥後の塗膜の厚さは、約1.8μm
であった。
【表4】
カーボンブラック
37gポリウレタン樹脂溶液
1940g塗布溶剤
393g
37gポリウレタン樹脂溶液
1940g塗布溶剤
393g
【0
029】得られた移動子の抵抗体層の表面抵抗率につい
て、実施例1と同様にして測定したところ、4.7×1
013Ω/□であった。また、実施例1と同様にして時
定数を測定したところ、10秒であり、実施例1の移動
子に比べて素早く移動させることができた。また、初期
充電時間を20sに変更した他は、実施例1と同一の駆
動条件で駆動させたところ、移動子は円滑に移動した。
029】得られた移動子の抵抗体層の表面抵抗率につい
て、実施例1と同様にして測定したところ、4.7×1
013Ω/□であった。また、実施例1と同様にして時
定数を測定したところ、10秒であり、実施例1の移動
子に比べて素早く移動させることができた。また、初期
充電時間を20sに変更した他は、実施例1と同一の駆
動条件で駆動させたところ、移動子は円滑に移動した。
【0030】実施例3
実施例1において、ポリエチレンテレフタレートフィル
ムの代わりに薄板ガラスを使用した他は、実施例1と同
様にして移動子を作製した。得られた移動子について、
実施例1と同様に抵抗体層の表面抵抗率および時定数を
測定したところ、実施例1とほぼ同一の結果であった。 また、駆動電圧を±1000vに変更した他は、実施例
1と同一の駆動条件で駆動させたところ、移動子は円滑
に移動した。
ムの代わりに薄板ガラスを使用した他は、実施例1と同
様にして移動子を作製した。得られた移動子について、
実施例1と同様に抵抗体層の表面抵抗率および時定数を
測定したところ、実施例1とほぼ同一の結果であった。 また、駆動電圧を±1000vに変更した他は、実施例
1と同一の駆動条件で駆動させたところ、移動子は円滑
に移動した。
【0031】比較例1
下記の[表5]に示すカーボンブラック含有組成物に変
更した他は、実施例1と同様にして移動子を作製した。 塗布量は、カーボンブラックが0.05g/m2 とな
るように調整した。乾燥後の塗膜の厚さは、約1.3μ
mであった。
更した他は、実施例1と同様にして移動子を作製した。 塗布量は、カーボンブラックが0.05g/m2 とな
るように調整した。乾燥後の塗膜の厚さは、約1.3μ
mであった。
【表5】
カーボンブラック
12gポリウレタン樹脂溶液
1988g塗布溶剤
380g
12gポリウレタン樹脂溶液
1988g塗布溶剤
380g
【0
032】得られた移動子の抵抗体層の表面抵抗率につい
て、実施例1と同様にして測定したところ、4.7×1
016Ω/□であった。また、実施例1と同様にして時
定数を測定したところ、1000秒以上であり、移動子
は移動しなかった。
032】得られた移動子の抵抗体層の表面抵抗率につい
て、実施例1と同様にして測定したところ、4.7×1
016Ω/□であった。また、実施例1と同様にして時
定数を測定したところ、1000秒以上であり、移動子
は移動しなかった。
【0033】比較例2
下記の[表6]に示すカーボンブラック含有組成物に変
更した他は、実施例1と同様にして移動子を作製した。 塗布量は、カーボンブラックが1.5g/m2 となる
ように調整した。乾燥後の塗膜の厚さは、約6.0μm
であった。
更した他は、実施例1と同様にして移動子を作製した。 塗布量は、カーボンブラックが1.5g/m2 となる
ように調整した。乾燥後の塗膜の厚さは、約6.0μm
であった。
【表6】
カーボンブラック
100gポリウレタン樹脂溶液
1990g塗布溶剤
400g
100gポリウレタン樹脂溶液
1990g塗布溶剤
400g
【00
34】得られた移動子の抵抗体層の表面抵抗率について
、実施例1と同様にして測定したところ、1.0×10
4 Ω/□であった。また、実施例1と同様にして時定
数を測定したところ、0.001秒以下であり、移動子
は駆動しなかった。
34】得られた移動子の抵抗体層の表面抵抗率について
、実施例1と同様にして測定したところ、1.0×10
4 Ω/□であった。また、実施例1と同様にして時定
数を測定したところ、0.001秒以下であり、移動子
は駆動しなかった。
【0035】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、湿度の影
響を受けず、且つ、正確に駆動し得る静電アクチュエー
タが提供される。よって、本発明は、静電アクチュエー
タの実用化に寄与するところ大である。
響を受けず、且つ、正確に駆動し得る静電アクチュエー
タが提供される。よって、本発明は、静電アクチュエー
タの実用化に寄与するところ大である。
【図1】静電アクチュエータの駆動原理の説明図である
。
。
(1):絶縁性支持体
(2):帯状電極
(3):固定子
(4):絶縁性フィルム又は絶縁性薄葉体(5):抵抗
体層 (6):移動子 (7)〜(9):電線
体層 (6):移動子 (7)〜(9):電線
Claims (1)
- 【請求項1】 絶縁性支持体に帯状電極を所定間隔で
並べた固定子と絶縁性薄葉体に抵抗体層を設けた移動子
とが接するように配置されて成る静電アクチュエータに
おいて、抵抗体層がカーボンブラックを含有する樹脂層
より成り、カーボンブラックの比表面積が5m2 /g
以上であり、且つ、樹脂層中のカーボンブラックの含有
量が0.1〜1.0g/m2 の範囲であることを特徴
とする静電アクチュエータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15965091A JPH04351478A (ja) | 1990-06-05 | 1991-06-04 | 静電アクチュエータ |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14707990 | 1990-06-05 | ||
JP2-147079 | 1990-06-05 | ||
JP15965091A JPH04351478A (ja) | 1990-06-05 | 1991-06-04 | 静電アクチュエータ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04351478A true JPH04351478A (ja) | 1992-12-07 |
Family
ID=26477739
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15965091A Withdrawn JPH04351478A (ja) | 1990-06-05 | 1991-06-04 | 静電アクチュエータ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH04351478A (ja) |
-
1991
- 1991-06-04 JP JP15965091A patent/JPH04351478A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 19980903 |