JPH04349616A - 多結晶シリコン薄膜の形成方法 - Google Patents

多結晶シリコン薄膜の形成方法

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JPH04349616A
JPH04349616A JP12331491A JP12331491A JPH04349616A JP H04349616 A JPH04349616 A JP H04349616A JP 12331491 A JP12331491 A JP 12331491A JP 12331491 A JP12331491 A JP 12331491A JP H04349616 A JPH04349616 A JP H04349616A
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film
polycrystalline
amorphous silicon
crystal
thin film
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JP12331491A
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Tatsuro Nagahara
達郎 長原
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Tonen General Sekiyu KK
Original Assignee
Tonen Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薄膜トランジスタや太
陽電池等に利用可能な多結晶シリコン薄膜の形成方法に
係り、特に、薄膜でかつ結晶粒径が大きくしかも結晶の
連続性に優れた多結晶シリコン薄膜を高温条件に晒すこ
となく短時間で求められる多結晶シリコン薄膜の形成方
法の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】多結晶シリコン薄膜は数百オングストロ
ーム〜数μmの結晶シリコンが多数集合して形成された
結晶シリコンの薄膜で、アモルファスシリコンと較べ電
子の移動度が1〜2桁程大きい優れた特性を有している
上、単結晶シリコンでは困難なガラス等の非晶質基板上
へ成膜可能な利点を有している。
【0003】そして、この種の薄膜を形成する方法とし
て、従来、ガラス等の基板上に多結晶シリコンを直接成
膜して多結晶シリコン薄膜を求める熱CVDやプラズマ
CVD等の気相成長法、上記基板上にアモルファスシリ
コンを一旦成膜しこれを加熱炉内で長時間加熱し結晶成
長させて多結晶シリコン薄膜を求める固相成長法等が利
用されている。
【0004】しかし、上記気相成長法により多結晶シリ
コン薄膜を求めた場合、この成膜法では図12に示すよ
うにシリコンの結晶成長が基板aとの界面部位から開始
するため成膜された多結晶シリコン薄膜bの上記基板a
との界面部位に結晶成長の不十分な未成長領域cが形成
され易く、結晶の連続性がなくなって電子移動度等の電
気的特性が劣化する欠点があった。
【0005】そして、上記基板上に形成する多結晶シリ
コン薄膜の膜厚を薄く設定しようとすると膜中に含まれ
る未成長領域の割合が相対的に多くなるため、この気相
成長法では薄膜でかつ結晶粒径が大きくしかも結晶の連
続性に優れた多結晶シリコン薄膜を求めることが困難な
欠点があった。
【0006】このため、上述したような欠点のない固相
成長法が主に利用されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この固相成
長法にて多結晶シリコン薄膜を形成する場合、ガラス等
の基板a上にプラズマCVD等の着膜手段によりアモル
ファスシリコン膜を一旦成膜し、かつ、これを加熱して
アモルファスシリコン膜内にシリコンの結晶核を発生さ
せると共に、このシリコンの結晶核を固相成長させて図
13に示すような多結晶シリコン薄膜bを求める方法で
あった。
【0008】そして、上記シリコン結晶核の発生速度は
約580℃以下の温度条件では結晶核の固相成長速度に
較べて極端に遅く(約2桁程度遅い)、この温度条件下
で多結晶シリコン薄膜を求めようとするとその膜厚にも
よるが10時間以上の結晶化アニール時間を要する問題
点があった。
【0009】一方、結晶化アニール時間の短縮を図る目
的で結晶化アニール温度を600℃以上の高温に設定す
ると、結晶核の発生速度が速すぎるため図14(A)に
示すように結晶核dの核密度が低温設定の場合(図14
B参照)に較べて高くなり、得られた多結晶シリコンの
結晶粒径が小さくなってしまう問題点があった。
【0010】本発明はこの様な問題点に着目してなされ
たもので、その課題とするところは、薄膜でかつ結晶粒
径が大きくしかも結晶の連続性に優れた多結晶シリコン
薄膜を高温条件に晒すことなく短時間で求められる多結
晶シリコン薄膜の形成方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち請求項1に係る
発明は、基板上へ若しくはこの基板に設けられた絶縁膜
上へ多結晶シリコンの薄膜を形成する方法を前提とし、
上記基板若しくは絶縁膜上へアモルファスシリコン膜を
形成し、このアモルファスシリコン膜上へシリコンと格
子整合可能な結晶性物質の多結晶膜を一様に形成すると
共に、上記アモルファスシリコン膜を加熱し隣接する結
晶性物質の多結晶膜を結晶核にしてアモルファスシリコ
ン膜を結晶成長させこのアモルファスシリコン膜を多結
晶シリコン膜にすることを特徴とするものである。
【0012】このような技術的手段において、ガラス、
セラミックス等の基板上若しくはこの基板上に形成され
たSiOX 、SiNX 等の絶縁膜上へアモルファス
シリコン膜を形成する手段としては、従来同様、SiH
4 、Si2 H6 、Si3 H8 等の水素化珪素
、SiHm X4−m (但し、mは0〜3、XはCl
又はF原子好ましくはF原子である)、Si2 F6で
示されるハロゲン化シラン等を反応ガスとする熱CVD
やプラズマCVD法等が適用できる。
【0013】また、アモルファスシリコン膜上へ形成さ
れシリコンと格子整合可能な結晶性物質とは、その結晶
化が容易で、例えば、真空蒸着法やスパッタリング法あ
るいは適宜塗布方法によりその多結晶膜をガラス、セラ
ミックス等の基板上若しくは絶縁膜上へ容易に形成でき
る化合物で、しかもその結晶の格子定数がシリコンの格
子定数と近似しシリコンとの格子整合可能な物質である
。このような物質としてはフッ化カルシウム(CaF2
 )、酸化セリウム(CeO2 )、酸化プラセオジウ
ム(PrO2 又はPr6 O11若しくはこれ等の混
合物)等が挙げられる。
【0014】また、シリコンの格子定数と近似しなくて
もシリコンとの格子整合可能な物質も適用することがで
きる。例えば、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3
 )は図5(A)や図6(A)に示すようにその格子定
数が3.93オングストロームの立方晶であり、その格
子定数が5.41オングストロームのシリコンとはこの
ままでは格子整合はとれない。しかし、(100)方向
へ成長したチタン酸ストロンチウムの結晶格子を真上か
らみると図5(B)のようになり、この図から明らかな
ようにシリコンの格子を45度回転させて考えると、3
.93×√2=5.56オングストロームとなりシリコ
ンの格子定数と近似しシリコンとの格子整合が可能とな
る。同様に、シリコンの結晶が(110)方向へ成長し
た場合、これを真上からみたときの格子は5.41オン
グストローム×7.65オングストロームの長方形とな
るが、(110)方向へ成長したチタン酸ストロンチウ
ムの結晶格子を真上からみた図6(B)の斜線領域から
明らかなようにこの領域は5.56オングストローム×
7.86オングストロームの長方形となり、従って、こ
の場合においてシリコンとの格子整合が可能となる。
【0015】また、これ等の結晶性物質は成膜時におけ
る基板の加熱温度や成膜速度(供給ガスの分圧、ヒータ
ー温度、RFパワー等設定条件による)等を適宜設定す
ることによりその多結晶膜を(100)方向(図5参照
)、(110)方向(図6参照)、又は、(111)方
向へ単一配向させることが可能な化合物である。
【0016】そして、これ等結晶性物質の多結晶膜が一
定の方向へ優先配向している場合にはこの多結晶膜を結
晶核にして結晶成長(固相成長)させた多結晶シリコン
薄膜も同じ配向をしているため、ランダム成長した多結
晶シリコン薄膜に較べてその電気特性の向上が図れる利
点を有している。
【0017】次に、これ等結晶性物質の多結晶膜をアモ
ルファスシリコン膜上の選択された領域にのみ成膜した
場合、その部位のアモルファスシリコンのみを優先的に
結晶成長させることが可能となる。
【0018】請求項2に係る発明はこの様な技術的根拠
に基づき完成されており、基板上へ若しくはこの基板に
設けられた絶縁膜上へ多結晶シリコンの薄膜を形成する
方法を前提とし、上記基板若しくは絶縁膜上へアモルフ
ァスシリコン膜を形成し、このアモルファスシリコン膜
上の選択された領域にシリコンと格子整合可能な結晶性
物質の多結晶膜を形成すると共に、上記アモルファスシ
リコン膜を加熱し隣接する結晶性物質の多結晶膜を結晶
核にしてアモルファスシリコン膜を結晶成長させ上記多
結晶膜上のアモルファスシリコン膜を多結晶シリコン膜
にすることを特徴とするものである。
【0019】この場合、成膜されたアモルファスシリコ
ン膜のある領域へ結晶性物質の多結晶膜を選択的に形成
する手段としては、アモルファスシリコン膜上へ上記多
結晶膜を一様に成膜しかつこれをウエットエッチング法
やドライエッチング法により選択的にエッチングして選
択形成する方法、あるいはアモルファスシリコン膜上に
マスクを設置しこのマスクから露出したアモルファスシ
リコン膜上へ多結晶膜を選択的に成膜する方法等が適用
できる。
【0020】また、この技術的手段においては結晶性物
質の多結晶膜を結晶核にしてアモルファスシリコンを結
晶成長させているため、求められた多結晶シリコン薄膜
の結晶粒径は上記多結晶膜の結晶粒径に対応した粒径と
なる。従って、多結晶膜の結晶粒径を適宜制御すること
により上記多結晶シリコン薄膜の結晶粒径の大きさを調
整することが可能となる。
【0021】請求項3に係る発明はこの様な技術的根拠
に基づき完成されており、基板上へ若しくはこの基板に
設けられた絶縁膜上へ多結晶シリコンの薄膜を形成する
方法を前提とし、上記基板若しくは絶縁膜上へアモルフ
ァスシリコン膜を形成し、このアモルファスシリコン膜
上へシリコンと格子整合可能な結晶性物質の多結晶膜を
その結晶粒径を制御して形成すると共に、上記アモルフ
ァスシリコン膜を加熱し隣接する結晶性物質の多結晶膜
を結晶核にしてアモルファスシリコン膜を結晶成長させ
このアモルファスシリコン膜を上記多結晶膜の結晶粒径
に対応した粒径の多結晶シリコン膜にすることを特徴と
するものである。
【0022】この場合、上記多結晶膜の結晶粒径を制御
する方法としては、多結晶膜の配向を調整する上述した
方法と同様に成膜時における基板の加熱温度や成膜速度
(供給ガスの分圧、ヒーター温度、RFパワー等設定条
件による)等を適宜設定することにより容易に調整する
ことができる。
【0023】尚、これ等請求項1〜3に係る発明におい
ては、真性の多結晶シリコン薄膜を形成するだけでなく
、例えば、成膜時における適用ガス中に元素周期率表第
III族又は第V族のドーパントガスを混入することに
より求めた多結晶シリコン薄膜をp型又はn型にするこ
とができる。この場合のドーパントガスとしてはジボラ
ン、ホスフィン、アルシン等の水素化物が挙げられる。
【0024】また、上記多結晶シリコン薄膜を求めた後
における結晶性物質の多結晶膜については原則として適
宜エッチング手段により除去することが望ましい。
【0025】但し、上述したフッ化カルシウム(CaF
2 )、酸化セリウム(CeO2 )、酸化プラセオジ
ウム(PrO2 、Pr6 O11)、および、チタン
酸ストロンチウム(SrTiO3 )等の結晶性物質は
1015Ω・cm以上の高い絶縁性を示し電子素子等に
適用した際にこれ等結晶性物質が弊害を及ぼすことがな
いため、これ等結晶性物質の多結晶膜を除去するか否か
は任意である。
【0026】
【作用】請求項1に係る発明によれば、基板若しくは絶
縁膜上へアモルファスシリコン膜を形成しこのアモルフ
ァスシリコン膜上へシリコンと格子整合可能な結晶性物
質の多結晶膜を一様に形成すると共に、上記アモルファ
スシリコン膜を加熱し隣接する結晶性物質の多結晶膜を
結晶核にしてアモルファスシリコン膜を結晶成長させて
おり、上記多結晶膜をアモルファスシリコンの結晶核と
して利用しているためアモルファスシリコン膜に結晶核
を生成させる必要がなく、その分、従来より低温、短時
間の加熱条件で多結晶シリコン薄膜を形成することが可
能となり、また、請求項2に係る発明によれば、基板若
しくは絶縁膜上へアモルファスシリコン膜を形成しこの
アモルファスシリコン膜上の選択された領域にシリコン
と格子整合可能な結晶性物質の多結晶膜を形成すると共
に、上記アモルファスシリコン膜を加熱し隣接する結晶
性物質の多結晶膜を結晶核にしてアモルファスシリコン
膜を結晶成長させており、請求項1に係る発明と同様に
多結晶膜をアモルファスシリコンの結晶核として利用し
ているため加熱温度条件の緩和と加熱時間の短縮が図れ
、かつ、多結晶膜と隣接しない部位のアモルファスシリ
コン膜は結晶成長が抑制されるため結晶領域と非結晶領
域とを有する多結晶シリコン薄膜を求めることが可能と
なる。
【0027】他方、請求項3に係る発明によれば、基板
若しくは絶縁膜上へアモルファスシリコン膜を形成しこ
のアモルファスシリコン膜上へシリコンと格子整合可能
な結晶性物質の多結晶膜をその結晶粒径を制御して形成
すると共に、上記アモルファスシリコン膜を加熱し隣接
する結晶性物質の多結晶膜を結晶核にしてアモルファス
シリコン膜を結晶成長させており、請求項1に係る発明
と同様に多結晶膜をアモルファスシリコンの結晶核とし
て利用しているため加熱温度条件の緩和と加熱時間の短
縮が図れ、かつ、多結晶シリコン薄膜の結晶粒径は上記
多結晶膜の結晶粒径の大きさに対応するため多結晶膜の
結晶粒径を制御することで多結晶シリコン薄膜の結晶粒
径を所望の大きさに制御することが可能となる。
【0028】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て詳細に説明する。
【0029】[実施例1]この実施例に係る多結晶シリ
コン薄膜は、図1に示すようにガラス基板1上に形成さ
れた厚さ1000オングストロームの多結晶シリコン薄
膜3により構成されこの上面に厚さ1000オングスト
ロームのフッ化カルシウム(CaF2 )多結晶膜2が
形成されているものである。
【0030】そして、この多結晶シリコン薄膜3は以下
のような工程を経て形成されたものである。
【0031】まず、図2(A)に示すようにガラス基板
1上へプラズマCVD法にて厚さ1000オングストロ
ームのアモルファスシリコン膜30を成膜する。
【0032】尚、図3はこの成膜手段としてのプラズマ
CVD法を説明するものであり、図中、11は真空チャ
ンバ、12は電極、13はヒータが内蔵された電極、1
5は高周波電源、16はシランガス(SiH4 )、1
7はポンプである。
【0033】そして、上記ポンプ17で排気した真空チ
ャンバ11内へシランガス16を導入し、かつ、高周波
電源15により電極12、13間でプラズマ放電を生じ
させてシランガス16を分解させると共に、このガスを
電極13内のヒータにて加熱されたガラス基板1上へ成
膜させて上述したような厚さ1000オングストローム
のアモルファスシリコン膜30を形成する。尚、このプ
ラズマCVD処理は200〜300℃程度の条件下で行
われている。
【0034】次に、このアモルファスシリコン膜30上
へ図2(B)に示すように真空蒸着法にて厚さ1000
オングストロームのフッ化カルシウム(CaF2 )多
結晶膜2を形成する。
【0035】尚、図4はこの成膜に適用された真空蒸着
装置の概略を示したもので、真空チャンバ20内に設置
された容器23へフッ化カルシウム(CaF2 )原料
24を収容し、これをヒータ22で加熱することにより
同じくヒータ21で加熱されたガラス基板1のアモルフ
ァスシリコン膜30上にこのCaF2 が堆積される。 このCaF2 はシリコンと格子整合可能な化合物で極
めて結晶化し易く、アモルファスシリコン膜30上に容
易にその多結晶膜を形成することができる。この場合、
成膜時におけるガラス基板1の加熱温度や成膜速度(ヒ
ータ22の設定温度条件等)等を適宜設定することによ
りその多結晶膜を、例えば(100)方向に単一配向さ
せることができる。
【0036】次に、アモルファスシリコン膜30とフッ
化カルシウム(CaF2 )の多結晶膜2が成膜された
ガラス基板1を600℃に設定された加熱炉内に投入し
、かつ、1時間放置しアモルファスシリコン膜30を固
相成長させて多結晶シリコン薄膜3を求めた。
【0037】このとき、フッ化カルシウムとシリコンと
は格子整合が可能で上記フッ化カルシウムの多結晶膜2
を結晶核にしてアモルファスシリコン膜30が固相成長
するため、アモルファスシリコン膜30に結晶核を発生
させる必要がなくなる分、結晶化アニール条件の緩和が
図れ、上述したような低温、短時間(1時間)の条件で
薄膜かつ結晶粒径が大きくしかも結晶の連続性に優れた
多結晶シリコン薄膜3の形成が可能となる。
【0038】尚、比較例として上記フッ化カルシウムの
多結晶膜2を設けないでアモルファスシリコン膜を同一
温度条件で固相成長させたところ、その結晶化アニール
時間は15時間を要するものであった。
【0039】また、フッ化カルシウムの多結晶膜2は1
015Ω・cm以上の高い絶縁性を示すため、このフッ
化カルシウムの多結晶膜2が残存したままでも上記多結
晶シリコン薄膜を電子素子に応用する際に妨げとなるこ
とはなかった。
【0040】[実施例2]まず、図7に示すガラス基板
1上に実施例1と同一の条件でシランガスを用いたプラ
ズマCVD法により厚さ1000オングストロームのア
モルファスシリコン膜30を形成し(図8参照)、かつ
、図9に示すようにこのアモルファスシリコン膜30上
にマスク80を設置した後、この状態で実施例1と同一
の条件で真空蒸着法により厚さ1000オングストロー
ムのフッ化カルシウム多結晶膜を成膜し、かつ、上記マ
スク80をアモルファスシリコン膜30から取除いてア
モルファスシリコン膜30の特定領域に帯状のフッ化カ
ルシウム多結晶膜2を形成する(図10参照)。
【0041】そして、アモルファスシリコン膜30とフ
ッ化カルシウム多結晶膜2が形成されたガラス基板1を
600℃に設定された加熱炉内に投入し、かつ、1時間
放置しフッ化カルシウム多結晶膜2に隣接する部位のア
モルファスシリコン膜30を固相成長させ図11に示す
ような多結晶シリコン薄膜3を求めた。
【0042】このとき、フッ化カルシウムとシリコンと
は格子整合が可能で上記フッ化カルシウムの多結晶膜2
を結晶核にしてこの多結晶膜2と隣接する部位のアモル
ファスシリコン膜30が固相成長するため、アモルファ
スシリコン膜30に結晶核を発生させる必要がなくなる
分、結晶化アニール条件の緩和が図れ、上述したような
低温、短時間(1時間)の条件で薄膜かつ結晶粒径が大
きくしかも結晶の連続性に優れた結晶領域31と非結晶
領域32を有する多結晶シリコン薄膜3の形成が可能と
なる。
【0043】尚、この多結晶シリコン薄膜3においては
その結晶領域31と非結晶領域32とで電子移動度等の
電気的特性が相違するため、同一基板上に特性が相違す
る薄膜トランジスタを形成するような場合に適用するこ
とができる。例えば、アクティブマトリックス型液晶デ
ィスプレイにおいてその液晶ディスプレイのスイッチン
グ素子用トランジスタとドライブ回路用トランジスタと
を同一のガラス基板上に形成するような場合、上記ドラ
イブ回路用トランジスタを多結晶シリコン薄膜3の結晶
領域31で形成し他方のスイッチング素子用トランジス
タを非結晶領域32で形成することにより特性の優れた
アクティブマトリックス型液晶ディスプレイを簡単に求
めることが可能となる。
【0044】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、多結晶膜
をアモルファスシリコンの結晶核として利用しているた
めアモルファスシリコン膜に結晶核を生成させる必要が
なく、その分、従来より低温、短時間の加熱条件で多結
晶シリコン薄膜を形成できる効果を有しており、また、
請求項2に係る発明によれば、請求項1に係る発明と同
様に多結晶膜をアモルファスシリコンの結晶核として利
用しているため加熱温度条件の緩和と加熱時間の短縮が
図れ、かつ、多結晶膜と隣接しない部位のアモルファス
シリコン膜は結晶成長が抑制されるため結晶領域と非結
晶領域とを有する多結晶シリコン薄膜を求めることが可
能となり、従って、部分的にその電子移動度等電気特性
が相違する多結晶シリコン薄膜を簡便に製造できる効果
を有している。
【0045】他方、請求項3に係る発明によれば、請求
項1に係る発明と同様に多結晶膜をアモルファスシリコ
ンの結晶核として利用しているため加熱温度条件の緩和
と加熱時間の短縮が図れ、かつ、多結晶シリコン薄膜の
結晶粒径は上記多結晶膜の結晶粒径の大きさに対応する
ため多結晶膜の結晶粒径を制御することで多結晶シリコ
ン薄膜の結晶粒径を所望の大きさに制御することができ
る効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1に係る多結晶シリコン薄膜の断面図。
【図2】(A)と(B)は実施例1に係る多結晶シリコ
ン薄膜の形成工程図。
【図3】実施例1において適用したプラズマCVD装置
の構成説明図。
【図4】実施例1において適用した真空蒸着装置の構成
説明図。
【図5】(A)はチタン酸ストロンチウムの結晶格子を
示すモデル図、(B)はその結晶格子の(100)面を
真上からみた平面図。
【図6】(A)はチタン酸ストロンチウムの結晶格子を
示すモデル図、(B)はその結晶格子の(110)面を
真上からみた平面図。
【図7】実施例2に係る多結晶シリコン薄膜の形成工程
図。
【図8】実施例2に係る多結晶シリコン薄膜の形成工程
図。
【図9】実施例2に係る多結晶シリコン薄膜の形成工程
図。
【図10】実施例2に係る多結晶シリコン薄膜の形成工
程図。
【図11】実施例2に係る多結晶シリコン薄膜の形成工
程図。
【図12】従来の気相成長法により形成された多結晶シ
リコン薄膜の断面図。
【図13】従来の固相成長法により形成された多結晶シ
リコン薄膜の断面図。
【図14】(A)と(B)は従来の固相成長法の原理説
明図。
【符号の説明】
1    ガラス基板 2    CaF2 多結晶膜 3    多結晶シリコン薄膜

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  基板上へ若しくはこの基板に設けられ
    た絶縁膜上へ多結晶シリコンの薄膜を形成する方法にお
    いて、上記基板若しくは絶縁膜上へアモルファスシリコ
    ン膜を形成し、このアモルファスシリコン膜上へシリコ
    ンと格子整合可能な結晶性物質の多結晶膜を一様に形成
    すると共に、上記アモルファスシリコン膜を加熱し隣接
    する結晶性物質の多結晶膜を結晶核にしてアモルファス
    シリコン膜を結晶成長させこのアモルファスシリコン膜
    を多結晶シリコン膜にすることを特徴とする多結晶シリ
    コン薄膜の形成方法。
  2. 【請求項2】  基板上へ若しくはこの基板に設けられ
    た絶縁膜上へ多結晶シリコンの薄膜を形成する方法にお
    いて、上記基板若しくは絶縁膜上へアモルファスシリコ
    ン膜を形成し、このアモルファスシリコン膜上の選択さ
    れた領域にシリコンと格子整合可能な結晶性物質の多結
    晶膜を形成すると共に、上記アモルファスシリコン膜を
    加熱し隣接する結晶性物質の多結晶膜を結晶核にしてア
    モルファスシリコン膜を結晶成長させ上記多結晶膜上の
    アモルファスシリコン膜を多結晶シリコン膜にすること
    を特徴とする多結晶シリコン薄膜の形成方法。
  3. 【請求項3】  基板上へ若しくはこの基板に設けられ
    た絶縁膜上へ多結晶シリコンの薄膜を形成する方法にお
    いて、上記基板若しくは絶縁膜上へアモルファスシリコ
    ン膜を形成し、このアモルファスシリコン膜上へシリコ
    ンと格子整合可能な結晶性物質の多結晶膜をその結晶粒
    径を制御して形成すると共に、上記アモルファスシリコ
    ン膜を加熱し隣接する結晶性物質の多結晶膜を結晶核に
    してアモルファスシリコン膜を結晶成長させこのアモル
    ファスシリコン膜を上記多結晶膜の結晶粒径に対応した
    粒径の多結晶シリコン膜にすることを特徴とする多結晶
    シリコン薄膜の形成方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5753541A (en) * 1995-04-27 1998-05-19 Nec Corporation Method of fabricating polycrystalline silicon-germanium thin film transistor
WO2011149215A3 (ko) * 2010-05-24 2012-04-19 노코드(주) 다결정 실리콘 박막의 제조방법
CN106252210A (zh) * 2016-07-27 2016-12-21 北京大学 一种利用盖帽层退火结晶的多晶硅制备方法

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