JPH04347645A - インクジェットヘッド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、インク液滴を画像記録
媒体上へ選択的に付着させるインクジェットヘッドに関
する。

【０００２】

【従来の技術】従来のインクジェットヘッドの構造は、
特開昭６３−２５２７５０号公報、あるいは特開昭６３
−２４７０５１号公報に開示されてある。

【０００３】これらのインクジェットヘッドは、ノズル
の並び方向に互いに間隔を有する多数の流路を有してお
り、これら流路は流路の長手方向とノズル並び方向の両
方に垂直に伸びる側壁により区画されている。これら流
路の一端はノズルプレートに流路毎に配設されたノズル
に接続され、他の一端は供給側の流路を経てインクを各
チャンネルに供給するインク供給流路に接続されている
。側壁はその一部あるいは全体が圧電物質で構成され、
電気的アクチュエート手段により剪断モードなどのノズ
ルの並び方向に平行な変形を引き起こし、流路を圧力を
発生させる圧力発生流路としてインクの圧力を変化させ
、ノズルからインク滴を噴射させるものであった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記従来技術のインク
ジェットヘッドにおいて、圧力発生流路で発生した圧力
変化により、圧力発生流路を満たすインクは、一部はイ
ンク滴としてノズルより吐出し、一部はインク供給流路
側へ流出する。これら２つのインク流れは、インクジェ
ットヘッドの流路系の形状に大きく依存する。特に供給
側の流路の形状は、インクジェットヘッドの応答性・効
率・隣接流路とのクロストークなど、インクジェットヘ
ッドの特性を決める重要な因子で、必要な流体力学的抵
抗を持つように設計する必要がある。しかし、上記従来
技術には、供給側の流路の具体的形成方法が記述されて
いない。

【０００５】そこで本発明の課題は、これらの問題点を
解決することで、その目的とするところは、各流路毎に
配設される供給側の流路（供給抵抗流路）の流体力学的
抵抗を必要な値に製造する技術を確立することにより、
高密度・高ノズル数・高信頼性のインクジェットヘッド
を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明によるインクジェ
ットヘッドは、ノズルの並び方向に互いに間隔を有する
多数の流路を有し、これら流路内の側壁の一部または全
表面に電極が形成され、前記側壁はその一部または全体
が圧電物質で構成され、この側壁の電気的アクチュエー
ト手段による変形により、流路に接続されたノズルから
インク滴を噴射せしめるインクジェットヘッドにおいて
、前記流路は２つの基板を、それぞれの表面に形成され
た流路溝同士が対向して重なるように接合して成り、前
記流路を形成する前記２つの流路溝の一方は、他方より
流路溝の長さが長く、インク供給流路は、前記流路を形
成する前記長い流路溝が他方の流路溝より長くなる部分
に接続していることを特徴とする。

【０００７】

【実施例】本発明の実施例を以下で詳細に説明する。

【０００８】図１は、本発明の実施例のインクジェット
ヘッドの斜視図で、一部を断面で示し内部の構造が分か
るように図示されている。図１において、厚さ方向に分
極されたチタン酸ジルコン酸鉛の圧電物質からなる、厚
さ１ｍｍの上部基板２１と下部基板２２には、ノズル３
の並び方向に互いに間隔を有する多数の平行な流路３５
が同一形状で形成されており、これら流路３５は流路３
５の長手方向とノズル３の並び方向の両方に垂直に伸び
る側壁３６により区画されている。これら流路３５の一
端はノズルプレート２に流路毎に配設されたノズル３に
接続され、他の一端は供給側の流路３９（以後、供給抵
抗流路と呼ぶ）を経てインクを圧力発生室となる各流路
３５（以後、圧力発生流路と呼ぶ）に供給するインク供
給流路９に接続されている。

【０００９】側壁３６と圧力発生流路３５と供給抵抗流
路３９は、上部基板２１と下部基板２２のそれぞれに、
流路となる溝を幅８０μｍ、深さ２００μｍ、ピッチ１
６９．３μｍで形成した後、両基板の流路溝同士が対向
して重なるように接合・固着することにより形成される
。このとき、上部基板２１に形成された流路溝は、下部
基板２２に形成された流路溝より長く、従って、両基板
を接合・固着することにより形成される供給抵抗流路３
９の一部は、上部基板２１に形成された流路溝と下部基
板２２の表面により構成されている。

【００１０】図２は、図１の実施例のインクジェットヘ
ッドの流路の長手方向に沿った断面図である。本実施例
においては、圧力発生流路３５と供給抵抗流路３９が、
連続する部材・同一の加工手順により形成されるため、
明確な境界位置は無い。ここでは、上下基板２１、２２
の一定深さの流路溝で構成され、主として圧力を発生さ
せる機能を担う部分を圧力発生流路３５と呼ぶ。

【００１１】また、上下基板２１、２２の流路溝の深さ
が圧力発生流路３５部の流路溝より浅くなり、流体力学
的な流路抵抗が大きく、主として圧力損失部として機能
する部分を供給抵抗流路３９と呼ぶ。ただし、前述の通
り、両機能は厳密に分離することが不可能な場合がある
が、このことが本発明の範囲を限定することはない。図
１、図２に示すようにインク供給流路９は、上部基板２
１の流路溝が形成される面の反対面より、上部基板２１
に形成された流路溝が下部基板２２の流路溝より長くな
る部分に達するスリット状の溝を掘ることにより形成さ
れ、このインク供給流路９により各圧力発生流路３５に
インクが供給される。

【００１２】本実施例のインクジェットヘッドの製造工
程を、図４乃至６に示す。

【００１３】図４に示すように、厚さ方向に分極された
圧電セラミクスからなる下部基板２２上に平行な流路溝
３７を複数加工する。

【００１４】図５に示すように、隣接する流路溝３７を
区画する側壁３６の表面の電極４０と導電線４１を流路
溝ごとに形成する。流路溝３７は、回転する円形切り歯
を用いて、基板の一端から基板端面に垂直で基板表面に
平行に基板表面の中途まで切り進めて加工される。従っ
て、流路溝３７の端部は、概略、円形切り歯の弧に等し
い形状となるため、流路溝３７は流路溝の端に行くに従
い浅くなる部分を持つようになる。上部基板２１も下部
基板２２と同様に加工されるが、流路溝の長さは下部基
板２２より長くなるように加工され、また、基板の長さ
は下部基板２２より短くなるように加工される。

【００１５】上記工程を施した上部基板２１と下部基板
２２を、図６に示すように、両基板の流路溝同士が対向
して重なり、上部基板２１の導電線と下部基板２２の導
電線が両基板の表面部で電気的に接続されるように、接
合・固着して、圧力発生流路３５と供給抵抗流路３９を
形成する。

【００１６】上記工程の後、図１に示すように、圧力発
生流路３５の開口端はノズルプレート２に流路毎に配設
されたノズル３に接続され、インク供給流路９が、上部
基板２１の流路溝が形成される面の反対面より、上部基
板２１に形成された流路溝が下部基板２２の流路溝より
長くなる部分に達するスリット状の溝により形成され、
インクジェットヘッドが製造される。

【００１７】次に、本実施例のインクジェットヘッドの
動作原理を図７、図８を用いて概説する。図７、図８は
本実施例のインクジェットヘッドの圧力発生流路３５を
流路の長手方向に垂直に切った断面図である（ただし外
部回路を除く）。図７において、圧力発生流路３５内に
形成されている電極４０ａ、４０ｂは電気的に接続され
、各圧力発生流路ごとに電気的アクチュエート手段であ
る駆動用ドライバ素子７０に接続されている。ドライバ
素子７０は制御部７１からの制御信号７２に対応して、
直流電源７３より高電圧出力あるいは低電圧出力を各圧
力発生流路３５内の電極４０に選択的に供給する。 各圧力発生流路３５は一つとばし（偶数番と奇数番）の
２つにグループ化され、それぞれのグループごとに時間
で区画化され交互に駆動される。図８に示すように、選
択された圧力発生流路３５ａとその隣接する圧力発生流
路３５ｂ、３５ｂとを区画する側壁である変形部３６、
３６に、圧電物質の分極方向５０、５１と直交するよう
に、選択された圧力発生流路３５ａとその隣接する圧力
発生流路３５ｂ、３５ｂとに接続されるドライバ素子を
制御すると、圧電物質からなる変形部３６は剪断モード
で図示のように変形する。この変形によって、選択され
た圧力発生流路３５ａの容積が縮小し圧力発生流路３５
ａを満たすインク６に圧力が発生する。発生した圧力は
、圧力発生流路３５ａ内を伝搬し、ノズル（図１参照）
からインク滴を吐出させる。

【００１８】次に、本実施例の効果を図２、図３を用い
て説明する。側壁３６の変形により圧力発生流路３５で
発生した圧力変化は圧力発生流路３５を満たすインクを
、一部はインク滴としてノズルより吐出させ、一部はイ
ンク供給流路側へ流出させる。上述したように（図８）
本実施例のインクジェットヘッドでは、一つの圧力発生
流路３５ａを駆動すると、隣接する圧力発生流路３５ｂ
、３５ｂの容積は拡大するため、隣接する圧力発生流路
３５ｂはその供給抵抗流路とインク供給流路と駆動され
た圧力発生流路３５ａの供給抵抗流路を経由して、駆動
された圧力発生流路３５ａを満たすインクを引き込む流
れを発生させる。

【００１９】従って、供給抵抗流路３９は、圧力発生流
路３５で発生した圧力が効率良くインク滴を吐出させる
ように、また、隣接素子間のクロストークを低減させる
ように、ノズル３の流体力学的抵抗と概略同じ抵抗とな
るように、流路を設計する必要がある。従来の図３に示
すような上下基板２１、２２に流路溝を同一の長さで形
成した場合には、供給抵抗流路３９の高さは流路溝の深
さの２倍となる。供給抵抗流路３９の各微小範囲の流体
力学的抵抗は、その部分の供給抵抗流路の高さの３乗に
概略比例する。従って、図３において、インク供給流路
９が供給抵抗流路３９に接続する位置を、供給抵抗流路
３９の終端部に非常に近い位置に非常に正確に加工する
必要がある。また、上部基板２１の流路溝に形成された
電極は、図３の４３で下部基板の電極と導通され、駆動
回路に接続するため、インク供給流路９が上部基板の電
極を完全に切断しないよう注意する必要がある。

【００２０】しかし、図２に示す本発明の実施例におい
ては、供給抵抗流路３９の抵抗は上部基板２１の流路溝
深さで決まるため、図３の供給流路抵抗３９の抵抗の概
略８倍の抵抗を持たせることができる。従って、図２の
実施例においては、インク供給流路９が供給抵抗流路３
９に接続する位置を、供給抵抗流路３９の終端部に非常
に近い位置に加工せずに、所定の抵抗値を得ることがで
きる。また、インク供給流路９が供給抵抗流路３９に接
続する位置における上部基板の流路溝の高さは、図３の
場合の概略２倍になるため、インク供給流路の加工精度
を非常に高くする必要がない。

【００２１】

【発明の効果】本発明によれば、圧力発生流路と供給抵
抗流路を形成する上下基板の流路溝の一方が、他方より
流路溝の長さが長く、インク供給流路が、長い流路溝が
他方の流路溝より長くなる部分に接続していることによ
り、供給抵抗流路が、応答性・効率・隣接流路とのクロ
ストークなどの特性確保に必要な流体力学的抵抗を持つ
ように設計できると言う効果が得られる。また、インク
供給流路の加工に必要な精度を低くできると言う効果が
得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるインクジェットヘッドの実施例の
構成を示す斜視図。

【図２】本発明によるインクジェットヘッドの実施例の
流路構造を示す断面図。

【図３】本発明の効果を説明する参考の流路構造を示す
断面図。

【図４】本発明によるインクジェットヘッドの製造方法
を示す工程図。

【図５】同じく工程図。

【図６】同じく工程図。

【図７】本発明によるインクジェットヘッドの作動原理
説明図。

【図８】同じく作動原理説明図。

【符号の説明】

２・・・ノズルプレート ３・・・ノズル ９・・・インク供給流路 ２１・・・上部基板 ２２・・・下部基板 ３５・・・圧力発生流路 ３６・・・側壁（変形部） ３７・・・流路溝 ３９・・・供給抵抗流路 ４０・・・電極 ４１・・・導電線

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　ノズルの並び方向に互いに間隔を有す
   る多数の流路を有し、これら流路内の側壁の一部または
   全表面に電極が形成され、前記側壁はその一部または全
   体が圧電物質で構成され、この側壁の電気的アクチュエ
   ート手段による変形により、流路に接続されたノズルか
   らインク滴を噴射せしめるインクジェットヘッドにおい
   て、前記流路は２つの基板を、それぞれの表面に形成さ
   れた流路溝同士が対向して重なるように接合して成り、
   前記流路溝の一方は、他方より流路溝の長さが長く、イ
   ンク供給流路は、前記流路を形成する前記長い流路溝が
   他方の流路溝より長くなる部分に接続していることを特
   徴とするインクジェットヘッド。