JPH0434338Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、空気調和機に関し、さらに詳しくは
空気調和機における本体ケーシングの前板と本体
ケーシング内に設けられた送風機取付台との組立
構造に関するものである。

（従来の技術） 従来の空気調和機、特に室外機の中には、第４
図に示すように本体ケーシング５１の前板５３と
本体ケーシング５１内に設けられた送風機取付台
５７とをビス６０で締着固定したものがある。と
ころで、このように本体ケーシングの前板５３と
送風機取付台５７とをビス固定するようにしたも
のにおいては、該前板５３と送風機取付台５７と
の位置ずれ防止及び運転中のビビリ音発生防止の
ために、通常は第４図に示す如く２本のビス６
０，６０を使用して相互の組立が行なわれてい
る。尚、第４図中、符号５２は本体ケーシング５
１の底板、５４は同側板、５５は同上板、５６は
熱交換器、５８は送風機を示している。

（考案が解決しようとする問題点） ところが、上記の従来例の如く、本体ケーシン
グ５１の前板５３と送風機取付台５７とを２本の
ビス６０，６０を使用して固定するようにしたも
のでは、該前板５３と送風機取付台５７の組付け
に際して、２本のビス締め作業を行わなければな
らず、その組付け作業性が悪くしかも部品点数
（ビスが２本）も多くなるという問題があつた。

本考案は、上記の点に鑑みてなされたもので、
本体ケーシングの前板と送風機取付台とを組付け
るに際して、その組付け作業を簡単にできるとと
もにビス個数を削減することができるようにする
ことを目的としてなされたものである。

（問題点を解決するための手段） 本考案では、上記問題点を解決するための手段
として、第１図ないし第３図に例示するように、
本体ケーシング１の前板３と前記本体ケーシング
１内に設けられた送風機取付台７のいずれか一方
に、複数個の尖頭状突起２４，２４もしくは該尖
頭状突起２４，２４の中段斜面部２４ａと係合し
得る穴径を有する複数個の突起受穴１４，１４の
いずれか一方を設け、前記前板３と前記送風機取
付台７の他の一方に前記尖頭状突起２４，２４と
前記突起受穴１４，１４の他の一方を設けて、前
記尖頭状突起２４，２４と前記突起受穴１４，１
４とを相互に密着嵌合させた状態で前記前板３と
前記送風機取付台７とを前記尖頭状突起２４と前
記突起受穴１４との２つの嵌合部Ａ，Ａ間におい
て１本のビス１０で締着固定している。

（作用） 本考案の空気調和機の組立構造によれば、上記
手段によつて次のような作用が得られる。

即ち、本体ケーシング１の前板３と送風機取付
台７とを、そのいずれか一方に設けた複数個の尖
頭状突起２４，２４と他の一方に設けた複数個の
突起受穴１４，１４とを相互に密着嵌合させた状
態で１本のビス１０で締着固定しているので、１
回のビス締め作業で前板３と送風機取付台７とを
固定することができ、しかもそのように１本のビ
ス１０のみで固定したものであつても上記各尖頭
状突起２４，２４の中断斜面部２４ａと各突起受
穴１４，１４とを相互に密着嵌合させしかもその
両嵌合部Ａ，Ａ間においてビス止めしているの
で、各尖頭状突起２４，２４と各突起受穴１４，
１４の口縁とが相互に突張り合つて前板３と送風
機取付台７とが位置ずれしたりあるいは運転中に
ビビリ音が発生したりすることがなくなる。

（実施例） 第１図ないし第３図を参照して本考案の好適な
実施例を説明すると、図示実施例では空気調和機
として室外機が採用されている。

第１図ないし第３図において、符号１は室外機
の本体ケーシングを示している。この本体ケーシ
ング１は、底板２、前板３、側板４及び上板５を
組付けて構成される。

本体ケーシング１内には、熱交換器６及び送風
機８を取付けた送風機取付台７が設けられてい
る。

送風機取付台７の上端部には、水平方向前方
（前板３側）に向けて突出する突出板２１が設け
られている。又該突出板２１の先端には若干高さ
だけ下向きに折曲された折曲片２２が形成されて
いる。この折曲片２２は、前板３を組付けるため
の組付部となるものであり、左右方向にかなりの
幅Ｗ（第２図）を有している。

前板３の上端部３ａには、送風機取付台７側の
折曲片２２が対応する位置に該折曲片２２を前板
上端部３ａの前側から係合させるための凹入部１
１が形成されていて、前板３を送風機取付台７と
を組付ける際には該折曲片２２が凹入部１１に前
側から係合される。

送風機取付台７と前板３とは、送風機取付台７
の折曲片２２と前板上端部３ａの凹入部１１とに
おいて、該折曲片２２の左右両端寄り位置にそれ
ぞれ１個づつ設けられた尖頭状突起２４，２４
を、凹入部１１に設けた左右２つの突起受穴１
４，１４にそれぞれ密着状態で嵌合させるととも
に、その左右両嵌合部Ａ，Ａの中間部を１本のビ
ス１０を使用して締着して組付けられている。即
ち、送風機取付台７側の折曲片２２には、その左
右両端寄り位置にそれぞれ後側（送風機取付台７
側）に向けて一対の尖頭状突起２４，２４が打ち
出し成形されているとともに該両尖頭状突起２
４，２４間に１つのビス挿通穴２３が形成されて
いる。各尖頭状突起２４，２４は、第３図に示す
ように基部側が太く先側が細くなるような先細テ
ーパ状に形成されている。他方、前板上端部３ａ
の凹入部１１には上記尖頭状突起２４，２４をそ
れぞれ嵌合させるための小穴からなる一対の突起
受穴１４，１４が形成されているとともに該両突
起受穴１４，１４間に１個のビス穴１３が形成さ
れている。各突起受穴１４，１４の穴径は、第３
図に示すように尖頭状突起２４の先側部分の外径
より大きく且つ該尖頭状突起２４の基部側部分の
外径より小さい範囲に形成されており、該突起受
穴１４内には尖頭状突起２４が途中までしか嵌入
できないようになつている。即ち、尖頭状突起２
４を突起受穴１４内に差し込んだときに、該尖頭
状突起２４の中段斜面部２４ａが突起受穴１４の
口縁に係合するようになつている。そして、送風
機取付台７側の折曲片２２と前板３とは、該折曲
片２２の各尖頭状突起２４，２４をそれぞれ前板
上端部３ａの凹入部１１の前側から各突起受穴１
４，１４に嵌合させた状態で、１本のビス１０を
前板３の前側から折曲片２２のビス挿通穴２３を
通して凹入部１１のビス穴１３にネジ込めば、第
２図及び第３図に示すように各尖頭状突起２４，
２４と各突起受穴１４，１４とがそれぞれ密着嵌
合された状態（尖頭状突起２４と突起受穴１４の
口縁とが相互に突張り合つた状態）で締着固定さ
れるようになる。

送風機取付台７と前板３とを組付けた状態で
は、１本のビス止めであつても各尖頭状突起２
４，２４と各突起受穴１４，１４の口縁とが相互
に突張り合つていることにより、送風機取付台７
と前板３とが相互に位置ずれすることがなく、し
かもビス１０によつて締着されているので、運転
中に送風機取付台７と前板３との間でビビリ音が
発生することがない。

又、送風機取付台７と前板３との組付けに際し
て、尖頭状突起２４と突起受穴１４とを相互に嵌
合させた状態で、１本のビス１０で締着すればよ
いので、その組付け作業が簡単となるとともにビ
スの個数を少なくすることができる。

尚、この実施例の空気調和機の組立構造では、
尖頭状突起２４，２４を送風機取付台７側に設け
突起受穴１４，１４を前板３側に設けているが、
他の実施例では尖頭状突起２４を前板３側に設け
突起受穴１４を送風機取付台７側に設けることが
できる。

（考案の効果） 叙上の如く、本考案の空気調和機の組立構造
は、本体ケーシング１の前板３と送風機取付台７
とを、そのいずれか一方に設けた複数個の尖頭状
突起２４，２４と他の一方に設けた突起受穴１
４，１４とを相互に密着嵌合させた状態でその両
嵌合部Ａ，Ａ間において１本のビス１０で締着固
定しているので、該前板３と送風機取付台７との
組付け作業が簡単となるとともにビス１０の個数
を削減することができるという効果がある。又、
前板３と送風機取付台７とを１本のビス１０で締
着したものであつても、尖頭状突起２４の中段斜
面部２４ａが突起受穴１４の内面に係合し得るよ
うにしていることにより、該尖頭状突起２４，２
４と突起受穴１４，１４とが相互に突張り合つて
前板３と送風機取付台７とが位置ずれしたりある
いは運転中に前板３と送風機取付台７との間でビ
ビリ音が発生することがない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例にかかる空気調和機の
組立構造を示す分解斜視図、第２図は第１図の空
気調和機における前板と送風機取付台との組付け
状態を示す一部拡大斜視図、第３図は第２図の
−断面図、第４図は従来の空気調和機の組立構
造を示す分解斜視図である。 １……本体ケーシング、３……前板、７……送
風機取付台、１０……ビス、１４……突起受穴、
２４……尖頭状突起、２４ａ……中段斜面部、Ａ
……嵌合部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 本体ケーシング１の前板３と前記本体ケーシン
   グ１内に設けられた送風機取付台７のいずれか一
   方に、複数個の尖頭状突起２４，２４もしくは該
   尖頭状突起２４，２４の中段斜面部２４ａと係合
   し得る穴径を有する複数個の突起受穴１４，１４
   のいずれか一方を設け、前記前板３と前記送風機
   取付台７の他の一方に前記尖頭状突起２４，２４
   と前記突起受穴１４，１４の他の一方を設けて、
   前記尖頭状突起２４，２４と前記突起受穴１４，
   １４とを相互に密着嵌合させた状態で前記前板３
   と前記送風機取付台７とを前記尖頭状突起２４と
   前記突起受穴１４との２つの嵌合部Ａ，Ａ間にお
   いて１本のビス１０で締着固定していることを特
   徴とする空気調和機の組立構造。