JPH04341843A - 多層積層体 - Google Patents

多層積層体

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JPH04341843A
JPH04341843A JP11426391A JP11426391A JPH04341843A JP H04341843 A JPH04341843 A JP H04341843A JP 11426391 A JP11426391 A JP 11426391A JP 11426391 A JP11426391 A JP 11426391A JP H04341843 A JPH04341843 A JP H04341843A
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JP
Japan
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polyvinyl alcohol
resin
layer
vinyl acetate
gas barrier
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Application number
JP11426391A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuyuki Watanabe
和幸 渡辺
Yuji Kira
吉良 裕司
Akio Harada
昭夫 原田
Ishiyuu Chiyou
張 為衆
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
Showa Highpolymer Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、食品,医療品等の包装
用フィルムや容器などに使用される高湿度条件下でのガ
スバリア性能に優れた多層積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ガスバリア性能を有する多層積層
体としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物(以
下EVOHと略すことがある),アクリロニトリル共重
合体樹脂,ポリビニルアルコール系樹脂,ポリアミド(
以下PAと略すことがある)系樹脂,塩化ビニリテン共
重合体などの酸素バリヤ性の高い樹脂またはアルミニウ
ム箔などの金属箔をガスバリア層として用い、さらにこ
の層にポリエチレン,ポリプロピレン,エチレン−α−
オレフィン共重合体などの疎水性のポリオレフィン系樹
脂を積層したものが用いられている。
【0003】このような構造の多層積層体は、低湿度下
ではガスバリア層によって酸素等のガスの透過が十分抑
えられ、内容物の酸化が防止されて、長時間にわたって
内容物の品質が安定するという特徴を有するものの、こ
の多層積層体をレトルト食品包装などのように、90〜
135℃の高温水中で沸騰して使用する際には、水分が
外層を経て侵入してガスバリア層に吸着され、ガスバリ
ア層が、オレフィン−酢酸ビニル共重合体鹸化物,ポリ
ビニルアルコール系樹脂,ポリアミド系樹脂のように吸
水性に富む重合体の場合は、この水分によってガスバリ
ア層のガス浸透抵抗性が急激に低下し、ガスバリア層の
機能を失ってしまう不都合があり、レトルト食品などの
用途には使用できないという問題があった。
【0004】例えば、ポリプロピレンと接着樹脂層およ
びEVOHからなる厚さ100μmの多層積層体をレト
ルト処理すると、120℃以上のレトルト条件ではEV
OHへの吸着水分が7重量%以上となり、レトルト処理
前の酸素透過量が1000倍以上に増加する場合がある
【0005】このような不都合を改善するものとして、
欧州特許59274号明細書,米国特許4407897
号明細書,同4464443号明細書,特開昭57−1
70748号公報には、ガスバリア層と外層とを接着す
る接着層に無機金属塩からなる乾燥剤を添加し、侵入し
てくる水分をこの層で捕捉しガスバリア性能の低下を防
止する方法が記載されている。しかしながら、この方法
では接着層とガスバリア層との層間接着強度の低下を起
こしたり、無機金属塩が異物として存在するため、使用
上の制限があった。
【0006】また、米国特許4347337号明細書,
同4289830号明細書では、フェノール化合物を添
加し、EVOHの水酸基同志を脱水反応によるエーテル
結合で架橋し、耐水性を向上させる方法が記されている
。一方、水蒸気透過性の良いポリカーボネート樹脂やE
VOH層に隣接してポリアミド系樹脂又はこれらの混合
物を最外層として積層する方法が、特開平1−2534
42号公報,同1−308626号公報,欧州特許03
22891号明細書などに記載されている。
【0007】これらの方法は、レトルト処理によりEV
OHに吸着された水分を早期に多層積層体から蒸散させ
、ガスバリア性能の回復を計るという方法である。しか
し、これらの方法は、フィルムのように薄い場合は有効
であるが、シートやボトルなどのように厚物の製品の場
合は有効でない。しかも、コスト的に高価なものとなっ
たり、ポリカーボネートなどは多層押出が難しく、特殊
な押出装置が必要であるなどの問題があった。
【0008】また、もう一つの試みとして、EVOHを
含む多層積層体において、EVOHを外側の位置に配し
、レトルト後のガスバリア性の回復を早めるという方法
がとられてきた。これらに関しては、例えばAL BL
ACKWELL:PAPER,FILM & FOIL
 CONVERTER OCT.P−54(1985)
 や猪狩恭一郎:フードパッケージ11月号 P−82
(1985)、12月号 P−67(1985)やER
IC B. SCHAPER:COEX’89 P−2
67, 1989(SCHOTLAND BUSINE
SSRESEARCH, INC.(USA)主催)等
に詳細に記載されている。しかし、この方法では、外層
の厚みが非対象形の多層構造となるため、共押出成形な
どでは対象形は外層の厚みが同じであるので、外層用樹
脂の押出機は1台で済むところ、もう1台余分に押出機
が必要となり、コスト的に問題があり、またガスバリア
性の回復が未だ不十分であった。
【0009】最近では、これらの方法はいずれも有効で
なく、エチレン含有量の高いEVOHをレトルトによる
ガスバリア性の低下分を見越して、予めEVOHの厚み
を厚く設定する必要があるといわれている(例えば、D
R.RICHAD A. L. EIDMAN:FUT
URE−PAK’90 P−125,1990 RYD
ER ASSOCIATES,INC.(USA)に記
載されている)。しかし、この方法もEVOH層を厚く
する必要があるので、コスト的に問題があった。
【0010】また、酸素バリヤ層,外層又は接着層のい
ずれかに、ビニルアルコール−アクリル酸塩共重合系網
目構造体などの高分子網目構造体をブレンドする方法が
開示されている(例えば特開昭62−182030号公
報,同62−208344号公報)。この方法では、高
分子網目構造体が、溶融成形性,熱安定性に劣るため、
成形に際して問題があった。一方、マイカ,セリサイト
などの無機物粉体を外層及びEVOH層にブレンドする
方法(特開平2−47139号公報)が知られている。 この方法は無機物粉体をブレンドするため硬くなり、ま
た脆くなるという問題があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、特殊
な押出装置を必要とせず、層間接着性,溶融成形性,熱
安定性が良好で、特に高湿度条件下でもガスバリア性能
に優れた安価な多層積層体を得ることである。
【0012】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は(A
)ポリビニルアルコールがポリビニルアルコールと酢酸
ビニルモノマーの合計量に対し少なくとも3重量%存在
する状態で、酢酸ビニルモノマー及びエチレンモノマー
をエマルジョン重合して得られるエチレン含有量1〜5
0重量%のポリビニルアルコール系共重合体樹脂5〜9
5重量%及び(B)ポリビニルアルコール系樹脂95〜
5重量%からなるポリビニルアルコール系樹脂組成物層
と、吸湿性ガスバリア樹脂層と、熱可塑性樹脂層を含む
ことを特徴とする多層積層体を提供するものである。
【0013】本発明の多層積層体は、上述の如く■ポリ
ビニルアルコール系樹脂組成物層,■吸湿性ガスバリア
樹脂層及び■熱可塑性樹脂層を必須の構成要素とするも
のである。その層構成は、上記■〜■の三層を含むもの
であれば、種々の態様があり、特に制限はないが、好ま
しくは■吸湿性ガスバリア樹脂層を中間層(内部層)と
し、これに一層あるいは二層以上の■ポリビニルアルコ
ール系樹脂組成物層を積層し、更に■熱可塑性樹脂層を
表面層として積層する構成である。
【0014】ここで、ポリビニルアルコール系樹脂組成
物層は、上記(A)成分であるポリビニルアルコール系
共重合体樹脂と(B)成分であるポリビニルアルコール
系樹脂からなるが、この(A),(B)成分から構成さ
れるポリビニルアルコール系樹脂組成物は、通常の溶融
押出成形が可能なものである。また本発明に用いるポリ
ビニルアルコール系樹脂組成物の(A)成分であるポリ
ビニルアルコール系共重合体樹脂(以下PVA系共重合
体樹脂と略すことがある)の製造法の一例を挙げれば、
平均重合度20〜5000のポリビニルアルコールの存
在下で、公知の触媒を用いて酢酸ビニルモノマー及びエ
チレンモノマーと共重合することにより得られる。
【0015】この際に使用するポリビニルアルコールは
任意の加水分解度のものでよいが、好ましくは平均鹸化
度が50〜99%のもの、特に平均鹸化度が70〜99
%のものがより好ましい。とりわけ、平均鹸化度70〜
99%、平均重合度100〜3000のものが好適であ
り、更に平均鹸化度78〜99%、平均重合度300〜
2500のものが最適である。
【0016】酢酸ビニルモノマーとエチレンモノマーと
の共重合反応中、水性エマルジョン中に存在しているポ
リビニルアルコールの量は、酢酸ビニルモノマー及びポ
リビニルアルコールの合計量に対し少なくとも3重量%
必要である。3重量%未満の場合は、共重合反応中の水
性エマルジョンが不安定となり、本発明の目的には適さ
ないものとなる。
【0017】また、上記の方法により製造されるPVA
系共重合体樹脂中のエチレン含有量は1〜50重量%で
あり、10〜45重量%が好ましい。エチレン含有量が
50重量%を超えると、(B)成分であるポリビニルア
ルコール系樹脂との相溶性やガスバリア性等が劣り本発
明の目的には適さない。一方、1重量%未満では、溶融
成形性が劣るため使用できない。
【0018】なお、PVA系共重合体樹脂中の酢酸ビニ
ル単位の含有量については、特に制限はないが、1〜8
9重量%がよい。1重量%未満であると溶融成形性が悪
く、また89重量%を超えるとPVAとの相溶性や成形
物の表面のベタツキが生ずる等の問題が起きるおそれが
ある。
【0019】上記PVA系共重合体樹脂には、酢酸ビニ
ルモノマー,エチレンモノマーに代えて以下のモノマー
を共重合するか、酢酸ビニルモノマー,エチレンモノマ
ーの他にさらにエチレン性不飽和結合を持つモノマーを
共重合することができる。これらのモノマーの一例とし
ては、アクリル酸,メタアクリル酸,クロトン酸,マレ
イン酸,フマール酸,イタコン酸などの不飽和酸あるい
はそのアルキルエステル、アクリルアミド,メタクリル
アミド,N−メチロールアクリルアミド等の不飽和カル
ボン酸アミド、スチレン,アクリロニトリルあるいはア
クリル酸2−ヒドロキシエチル,メタクリル酸2−ヒド
ロキシエチル,メタクリル酸グリシジル等の官能基モノ
マー、さらにはプロピレン,ブテン,デセン,オクタデ
セン等のα−オレフィン、プロピオン酸ビニル,酪酸ビ
ニル,ピバリン酸ビニル,ラウリン酸ビニル,バーサチ
ック酸ビニル等のビニルエステル類、塩化ビニル,フッ
化ビニル等のハロゲン化ビニルなどを挙げることができ
る。
【0020】本発明のポリビニルアルコール系樹脂組成
物層の(B)成分であるポリビニルアルコール系樹脂と
は、ポリ酢酸ビニルの部分又は完全鹸化物あるいはその
変性ポリビニルアルコール樹脂をいう。ポリ酢酸ビニル
の重合方法としては、塊状重合,溶液重合,乳化重合,
懸濁重合がある。これらのうち、塊状重合は重合度の粘
度の上昇、重合器へのポリマーの付着、重合熱の除去が
困難などの問題があり、好ましくない。一方、乳化重合
は、乳化重合した液をそのまま接着剤及び塗料などの原
料として用いられるが、ポリ酢酸ビニルの製造方法とし
ては必ずしも好適ではない。また、懸濁重合は、製造条
件などの調節が難しいなどの問題点がある。
【0021】従って、以下に述べる溶液重合が、一般に
ポリ酢酸ビニルの製造方法として好適に用いられる。こ
の溶液重合は、酢酸ビニルモノマーをメタノール,エタ
ノール,酢酸メチルなどの溶媒で希釈し、触媒を添加し
て重合を行い、重合熱を溶媒の蒸発熱で除去する方法が
採られている。溶液重合は粘度が低いので攪拌が容易と
なり、重合熱除去も容易となる。これらの重合は、通常
、熱で分解する開始剤を使用する方法によって行われる
。その他、紫外線による重合、γ線などの放射線による
重合、レドックス触媒による低温重合などによってもよ
い。熱で分解する開始剤としては、過酸化ベンゾイル(
BPO),アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)等
が通常用いられている。このように重合されたポリ酢酸
ビニルを、アルカリ触媒や酸触媒を用いて鹸化反応を行
うことによって本発明の(B)成分であるポリビニルア
ルコール系樹脂を得ることができる。
【0022】また、変性PVA樹脂とは、以下に述べる
共重合物の部分又は完全鹸化物をいう。例えば、酢酸ビ
ニルと炭素数4〜18のオレフィンとの共重合物、酢酸
ビニルとカルボン酸ビニル(バーサチック酸ビニル,ス
テアリン酸ビニル等)との共重合物、酢酸ビニルとアル
キルビニルエーテル(ラウリルビニルエーテル,メチル
ビニルエーテル等)との共重合物、酢酸ビニルと(メタ
)アクリレート(メチルメタアクリレート等)との共重
合物、酢酸ビニルとアクリルアミド(アクリルアミド;
メタクリルアミド;N,N−ジメチルアクリルアミド等
)との共重合体、酢酸ビニルと不飽和カルボン酸又はこ
れらの無水物もしくはエステル(アクリル酸,クロトン
酸,マレイン酸フマール酸,イタコン酸等)との共重合
物、酢酸ビニルとスルホン酸モノマー(ビニルスルホン
酸,アクリスルホン酸等)共重合物、酢酸ビニルとカチ
オン性モノマー(ジメチルアミノエチルメタクリレート
,ビニルイミダドール,ビニルピリジン,ビニルサクシ
イミド等)との共重合物、酢酸ビニルとその他のモノマ
ー(ビニレンカーボネート,アリルアルコール,アリル
アセテート等)との共重合物などである。
【0023】このようにして得られるポリビニルアルコ
ール(PVA)は、ビニルアルコール単位及び酢酸ビニ
ル単位とからなるものであり、その重合度は特に制限は
なく用途等に応じて適宜選定すればよいが、通常は50
〜2500のものが良い。とりわけ、溶融流動性及び機
械的強度等を考慮すると重合度200〜1800のもの
が好ましい。一方、鹸化度については50モル%以上が
良く、溶融流動性を考慮すると鹸化度70〜99.5モ
ル%のものが好ましい。鹸化度50モル%未満では機械
的強度に劣り、一方、99.5モル%を超えると溶融流
動性に劣る。
【0024】本発明に用いるポリビニルアルコール系樹
脂組成物層における(A)成分であるPVA系共重合体
樹脂と(B)成分であるポリビニルアルコール系樹脂と
の配合割合は、PVA系共重合体樹脂5〜95重量%、
ポリビニルアルコール系樹脂95〜5重量%であり、好
ましくはPVA系共重合体樹脂15〜85重量%、ポリ
ビニルアルコール系樹脂85〜15重量%である。また
、本発明のポリビニルアルコール系樹脂組成物層におい
て、特に重合度が低いポリビニルアルコール系樹脂を使
用した場合には、ポリビニルアルコール系樹脂の配合が
大きくなる程、溶融成形系が改善される傾向にある。 ここで、ポリビニルアルコール系樹脂の配合割合が95
重量%を超えると、過剰の溶融流動性のため、溶融成形
性が制限される場合がある。一方、5重量%未満では、
鹸化度の高いポリビニルアルコール系樹脂を混合した場
合、溶融形成性が発現せず、使用に耐えない。
【0025】ポリビニルアルコール系樹脂組成物層の溶
融指数(MFR,JIS−K6758による。荷重2.
16kg,温度230℃で測定)は、特に制限されるも
のではなく、成形法に応じて適宜選定すればよいが、押
出成形にあたっては0.1〜20g/10分の範囲が適
当である。
【0026】本発明の吸湿性ガスバリア樹脂層は、オレ
フィン−酢酸ビニル共重合体鹸化物又はポリアミド樹脂
からなるものが通常使用される。オレフィン−酢酸ビニ
ル共重合体鹸化物とは、各種オレフィン、例えばエチレ
ン,プロピレン,ブテン−1等のオレフィンと酢酸ビニ
ルとの共重合体の一部乃至全部の鹸化物をいい、例えば
エチレン−酢酸ビニル共重合体の鹸化物,プロピレン−
酢酸ビニル共重合体の鹸化物などがあり、とりわけ重合
の容易なことからエチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物
(EVOH)が好ましい。EVOHとしては、各種のも
のがあるが、エチレン含有量15〜60モル%及び鹸化
度90モル%以上の組成を有するものが好適に用いられ
る。エチレン含有量が15モル%未満では溶融成形性が
低下し、また酢酸ビニル成分の鹸化度が90モル%未満
ではガスバリア性が低下する場合がある。特に好ましく
はエチレン含有量25〜50モル%,鹸化度96モル%
以上のEVOHがあげられる。なお、エチレンと酢酸ビ
ニル(又はそれを鹸化したビニルアルコール)以外に、
アクリル酸,メタクリル酸,クロトン酸,マレイン酸な
どの不飽和酸或はそのアルキルエステル、さらにはプロ
ピレン,ブテン,α−デセン,α−オクタデセンなどの
α−オレフィン等をコモノマーとして少量含んでいても
差し支えない。
【0027】また吸湿性ガスバリア樹脂層に用いられる
ポリアミド系樹脂としては、各種のものがあるが、例え
ばラクタム,ε−アミノ酸,二塩基酸とジアミンとの重
縮合物であるポリアミド樹脂等である。具体的には、ε
−カプロラクタム,アミノラクタム,エナントラクタム
,11−アミノウンデカン酸,7−アミノヘプタン酸,
9−アミノノナン酸,α−ピロリドン,α−ピペリドン
などの重合体及びヘキサメチレンジアミン,ノナメチレ
ンジアミン,ウンデカメチレンジアミン,ドデカメチレ
ンジアミン,メタキシリレンジアミン等のジアミンとテ
レフタル酸,イソフタール酸,アジピン酸,セバチン酸
,ドデカン二塩基酸,グルタール酸等のジカルボン酸と
の重縮合体またはこれらの共重合体をあげることができ
る。より具体的には、ナイロン4,ナイロン6,ナイロ
ン7,ナイロン8,ナイロン11,ナイロン12,ナイ
ロン6・6,ナイロン6・9,ナイロン6・10,ナイ
ロン6・11,ナイロン6・12,ナイロンMXD等を
挙げることができる。
【0028】また、本発明の熱可塑性樹脂層は、通常表
面層に用いられるが、その具体的な種類をあげれば、ポ
リプロピレンやポリエチレンに代表されるポリオレフィ
ン系樹脂やポリアミド系樹脂,ポリスチレン系樹脂,ポ
リエステル系樹脂などがある。ここでポリオレフィン系
樹脂としては、中・高密度ポリエチレン,ホモポリプロ
ピレン,プロピレン−エチレンランダム共重合体,プロ
ピレン−エチレンブロック共重合体,エチレンと炭素数
3〜12の少量のα−オレフィン共重合体などがある。 エチレンと炭素数3〜12のα−オレフィン共重合体と
しては、例えばエチレン−ブテン−1共重合体,エチレ
ン−4−メチルペンテン−1共重合体,エチレン−ヘキ
セン−1共重合体,エチレン−ブテン−1共重合体,エ
チレン−プロピレンゴムなどをブレンドした変性ポリプ
ロピレン,変性ポリブテン,変性エチレン−4−メチル
ペンテン、さらには上述のオレフィン系ポリマーに不飽
和カルボン酸またはその無水物を有機過酸化物のもとに
グラフトあるいは他のモノマー(例えばメチルメタアク
リレート,エチルアクリレート等)とともに共重合した
もの等も、本発明の表面層の熱可塑性樹脂層として用い
られる。これらの中で、通常食品や医薬品等の包装に用
いられる殺菌手段、いわゆるレトルト処理を考慮すると
、ホモポリプロピレン,プロピレン−エチレンランダム
共重合体,プロピレン−エチレンブロック共重合体等の
ポリプロピレン系樹脂がとりわけ好ましい。
【0029】ところで、本発明の多層積層体の層構成に
関しては、少なくとも一層のポリビニルアルコール系樹
脂組成物層を積層することが必要であり、この層が無い
場合は何ら効果が認められない。ポリビニルアルコール
系樹脂組成物層は、EVOHなどの吸湿性ガスバリア層
に隣接しても良いし、離して設けても良い。例えば、吸
湿性ガスバリア層が、EVOHやPAのようにポリビニ
ルアルコール系樹脂組成物層と相溶性に優れる場合は直
接隣接して積層しても良い。また、両層の層間接着強度
を強固にしたい場合には、通常の接着剤層又は接着性樹
脂層を介して積層しても良い。
【0030】ポリビニルアルコール系樹脂組成物層の積
層位置は、EVOH層などの吸湿性ガスバリア層の外側
に積層する方が本発明の効果が顕著で好ましい。本発明
の多層積層体の加工方法としては、一般に、樹脂の種類
に対応する数の押出機を使用し、この押出機内で溶融さ
れた樹脂の流れを重ねあわせた多層状態で同時押出成形
する、いわゆる共押出成形(フィードブロック,マルチ
マニホールド)により実施される。また、共射出成形法
,共押出パイプ成形法,ポリエチレンイミンやチタネー
トカップリング剤、イソシアナートアクリル系等のドラ
イラミネート接着剤を用いるドライラミネート成形法や
サンドイッチラミネーション成形法、共押出ラミネーシ
ョン成形法等各種の成形法によって得ることができる。
【0031】このようにして得られる多層積層体は、さ
らに真空成形機,圧縮成形機,延伸ブロー成形機等を用
いて再加熱し、延伸操作を加える方法、あるいは前述の
多層積層体を一軸あるいは二軸延伸機を用いて加熱延伸
操作を施すことができる。
【0032】
【作用】本発明の多層積層体が、高湿度条件下でガスバ
リア性能に優れる理由は定かではないが、レトルト処理
などで侵入してくる水分が中間層の吸湿性ガスバリア層
に吸着される前に、同じく吸湿性材料である本発明のポ
リビニルアルコール系樹脂組成物層の部分に吸着される
ので、ガスバリア層が本来備えているガスバリア性能を
損なわずに維持する様に作用するものと思われる。
【0033】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説
明する。 (ポリビニルアルコール系樹脂組成物の調製)内容量3
0リットルのオートクレーブを使用し、重合度500,
鹸化度88%の部分鹸化ポリビニルアルコールである(
株)クラレ製,PVA205(商品名)を用い、触媒で
ある過硫酸アンモニウムおよびメタ重亜硫酸ナトリウム
を追添しながら、PVAと酢酸ビニルの濃度比が14/
86、25/75(重量比)となるように比率を変えて
仕込み、次にエチレンガスの圧力を調圧し、エチレン含
有量が17重量%となるようにエマルジョン重合を行い
、ポリビニルアルコール系共重合体樹脂(エマルジョン
)を得た。なお、エチレン含有量はアルカリ鹸化法によ
って求めた。重合したエマルジョン濃度は約35重量%
であった。このエマルジョンを蒸気で加熱したシングル
ロール乾燥機で乾燥し、ポリビニルアルコール系共重合
体樹脂を得た。これを温度80℃で真空乾燥し、中谷機
械(株)製二軸押出機を使用し、重合度500,鹸化度
88%のポリビニルアルコール系樹脂とをミキサーにて
混合後、温度210℃で混練りし造粒した。このとき、
ポリビニルアルコール系共重合体樹脂とポリビニルアル
コール系樹脂との比が50/50重量比となるように配
合した。
【0034】実施例1 エチレン含有量が44モル%のEVOHである日本合成
化学(株)製ソアノーDTを吸湿性ガスバリア樹脂層に
用いた。接着性樹脂層にはMFR(JIS−K6758
に準じ、230℃で測定した値)が55g/10分の変
性ポリプロピレン系樹脂(昭和電工(株)製,ER32
1P(商品名))を、表面層を形成する熱可塑性樹脂に
はMFRが0.5g/10分のポリプロピレン(昭和電
工(株)製,ショウアロマーSA510(商品名))を
用いた。ダイス温度220℃のフィードブロック方式の
多層シート成形機を用い、多層シートを作成した。この
ようにして得た多層シートを次に真空成形機にかけ、絞
り比0.5,内容量100ccの容器を作成した。この
容器を125℃で30分のレトルト処理を施し、Mod
ern Control社製OXTRAN−10/50
Aを使用しレトルト前後について、23℃,65%RH
の条件で3個の容器の酸素ガスバリア性を測定し、平均
値を求めた。なお、この容器の層構成および厚みは以下
の通りであった(ポリプロピレン層はPP,接着樹脂層
はAD,EVOH層はEV,ポリビニルアルコール系樹
脂組成物層はHPVAの記号で表わす。また、PPにお
いては、容器の外側のPPは外、内側のPPは内で示し
た)。 内PP/AD/HPVA/AD/EV/AD/HPVA
/AD/外PP=425/10/20/10/30/1
0/20/10/425 μmこれらの酸素透過量はレ
トルト前が0.01(cc/容器.day.atm)、
レトルト後が0.015(cc/cc/容器.day.
atm)であった。
【0035】比較例1 ポリビニルアルコール系樹脂組成物層を設けず、層構成
および厚みが内PP/AD/EV/AD/外PP=45
5/10/30/10/455 μmとなるようにし、
以下、実施例1と同様の処理および測定を行った。この
ときの酸素透過量はレトルト前が0.01(cc/容器
.day.atm)、レトルト後が0.82(cc/容
器.day.atm)であった。
【0036】実施例2 実施例1と同様の材料を用い、層構成において、外側の
PP層が薄くなるよう、内PP/AD/HPVA/AD
/EV/AD/HPVA/AD/外PP=610/10
/20/10/30/10/20/10/240 μm
とし、以下実施例1と同様の処理および測定を行った。 このときの酸素透過量はレトルト前が0.01(cc/
容器.day.atm)、レトルト後が0.03(cc
/容器.day.atm)であった。なお、一ヶ月後の
酸素透過量は0.05(cc/容器.day.atm)
であった。
【0037】実施例3 層構成及び厚みが内PP/AD/EV/AD/HPVA
/AD/外PP=425/10/30/10/20/1
0/425 μmとなるように積層し、以下実施例1と
同様の処理および測定を行った。このときの酸素透過量
はレトルト前が0.01(cc/容器.day.atm
)、レトルト後が0.03(cc/容器.day.at
m)であった。
【0038】実施例4 層構成および厚みが内PP/AD/EV/AD/HPV
A/AD/外PP=425/10/30/10/40/
10/425 μmとなるように積層し、以下実施例1
と同様の処理および測定を行った。このときの酸素透過
量はレトルト前が0.01(cc/容器.day.at
m)、レトルト後が0.02(cc/容器.day.a
tm)であった。
【0039】実施例5 層構成および厚みが内PP/AD/EV/AD/HPV
A/AD/外PP=425/10/20/10/30/
10/425 μmとなるように積層し、以下実施例1
と同様の処理および測定を行った。このときの酸素透過
量はレトルト前が0.01(cc/容器.day.at
m)、レトルト後が0.018(cc/容器.day.
atm)であった。
【0040】比較例2 層構成が、外側のPP層が薄くなるように内PP/AD
/EV/AD/外PP=610/10/30/10/2
40 μmとし、以下実施例1と同様の処理および測定
を行った。このときの酸素透過量はレトルト前が0.0
1(cc/容器.day.atm)、レトルト後が2.
97(cc/容器.day.atm)であった。なお、
一ヶ月後の酸素透過量は0.66(cc/容器.day
.atm)であった。
【0041】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の多層積層体
は、層間接着性,溶融成形性,熱安定性が良好で、特に
高湿度条件下でのガスバリア性能に優れたものである。 そのためレトルト処理などに有効であり、高湿度条件下
での保存に優れている。したがって、本発明の多層積層
体は、食品や医療品等を包装してレトルト殺菌を行うこ
とができ、しかも保存性に優れる等多くの長所を有する
ものである。それ故、本発明の多層積層体は、食品,医
療品等の包装フィルムや容器などに好適に使用すること
ができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  (A)ポリビニルアルコールがポリビ
    ニルアルコールと酢酸ビニルモノマーの合計量に対し少
    なくとも3重量%存在する状態で、酢酸ビニルモノマー
    及びエチレンモノマーをエマルジョン重合して得られる
    エチレン含有量1〜50重量%のポリビニルアルコール
    系共重合体樹脂5〜95重量%及び(B)ポリビニルア
    ルコール系樹脂95〜5重量%からなるポリビニルアル
    コール系樹脂組成物層と、吸湿性ガスバリア樹脂層と、
    熱可塑性樹脂層を含むことを特徴とする多層積層体。
  2. 【請求項2】  (B)成分のポリビニルアルコール系
    樹脂が、ビニルアルコール単位及び酢酸ビニル単位とか
    らなりかつ重合度50〜2,500,鹸化度50モル%
    以上であることを特徴とする請求項1記載の多層積層体
  3. 【請求項3】  吸湿性ガスバリア層が、オレフィン−
    酢酸ビニル共重合体鹸化物又はポリアミド系樹脂からな
    る中間層であることを特徴とする請求項1記載の多層積
    層体。
  4. 【請求項4】  熱可塑性樹脂層が、ポリオレフィン系
    樹脂,ポリアミド系樹脂,ポリスチレン系樹脂又はポリ
    エステル系樹脂からなる表面層であることを特徴とする
    請求項1記載の多層積層体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07251871A (ja) * 1994-01-26 1995-10-03 Sumitomo Chem Co Ltd 積層フィルム
WO2004037919A1 (ja) * 2002-10-25 2004-05-06 Toppan Printing Co., Ltd. 樹脂組成物およびそれを用いた積層体

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JPH07251871A (ja) * 1994-01-26 1995-10-03 Sumitomo Chem Co Ltd 積層フィルム
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