JPH0433951B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は床パンとして用いられる浴室床材と壁
パネルの水切構造に関するものである。

〔背景技術〕

従来の浴室床材１と壁パネル５との水切構造を
第１図に示す。浴室床材１は床面６のたわみによ
つてその周端部が若干下がることがあるので、水
切り性を良くするために浴室床材１の周端部に立
上り片７を全周に亘つて延出し、この立上り片７
を壁パネル５の裏面側に配して浴室床材１と壁パ
ネル５との間より水が裏面側へもれないようにし
ている。しかし乍ら、この構造では浴室床材１の
サイズが決まつているために浴室の大きさを浴室
床材１に合わせるしかなく、浴室の大きさが異な
つているような場合にはこの構造を採ることはで
きなかつた。また、第２図に示すように浴室床材
１の周端部に切断可能な水平片２を延設し、水平
片２から壁パネル５に亘つて水切り材３を配して
水切り材３をビス８などで壁側に固定したような
場合には浴室床材１がたわんで下方へ移動した際
に水切り材３と浴室床材１との間に隙間が発生す
るという欠点があつた。

〔発明の目的〕

本発明は上記の点に鑑みて成されたものであつ
て、浴室の大きさが異なる場合でも対応でき、し
かも水切り性の優れた浴室床材と壁パネルの水切
構造を提供することを目的とするものである。

〔発明の開示〕

すなわち、本発明の浴室床材と壁パネルの水切
構造は、平板状の浴室床材１の周縁部に中央部の
床面６より一段高くなり且つ切断可能な水平片２
を外側方へ延出し、水平片２の上に水平片２の上
方に突出する水切り材３を配置すると共に水切り
材３の下部を水平片２の上面に密着させて固着
し、水切り材３の上端に上方開口の挿入凹所４を
凹設すると共に壁面に沿わせた壁パネル５の下端
部を挿入凹所４に挿入して成ることを特徴とする
もので、水平片２を浴室の大きさに合わせて切断
することにより、異なる大きさの浴室にも浴室床
材１が設置できるようにし、また水平片２に水切
り材３を固着することで浴室床材１にたわみを生
じたとしても水切り材３と浴室床材１との間に隙
間を生じないようにし、上記目的を達成したもの
である。

以下本発明を実施例により詳述する。浴室床材
１は硬質ポリ塩化ビニル樹脂やFRPなどで形成
され、第３図に示すように浴室床材１の周縁には
中央の床面６に比して一段高くなつた水平片２が
水平方向に延出して形成してある。この水平片２
は巾広に形成してあつて、適宜切断することによ
りその巾寸法を調節することができるものであ
る。床面６は排水溝９部分が低くなるように周端
部から傾斜をつけてあり、また排水溝９もその略
中央部ほど低くなるように溝底には勾配が付けて
あつて、排水溝９の略中央部には排水口１０が穿
設してある。この浴室床材１の下面には補強材１
１が取付けてあつて、浴室床材１を補強してあ
る。各補強材１１は水平片２の床面６側に取付け
るもので、水平片２の周端部側は補強材１１が取
付けられていない寸法調整部２１となつている。
補強材１１の下面には適宜位置にてアジヤスタボ
ルト１２が取付けてある。図中３は水切り受材１
５と防水巾木１６とから成る水切り材である。防
水巾木１６はポリ塩化ビニル樹脂などの合成樹脂
材やアルミニウム材などで形成された長尺物で、
縦片２２の前面側に取付片２３を斜下方へ延出し
て形成してある。取付片２３の下部の裏面側には
嵌合突片２４が背方へ突出してあり、また取付片
２２の略中央部より押え片２５が上方へ突出し、
垂下片２６が下方へ垂下してある。水切り受材１
５はポリ塩化ビニル樹脂やアルミニウム材などで
形成されており、基片２７の下端より固定片２８
を前面側へ延出すると共に基片２７の上端より嵌
合片２９を前面側へ延出して形成してあつて、固
定片２８と嵌合片２９との間には嵌合凹所３０が
形成してある。

しかして、浴室床材１を浴室に設置するにあた
つては、浴室の大きさ及び浴槽のサイズを測り、
それに合わせて浴室床材１の水平片２部分を切断
する。水平片２は巾広に形成されているので、そ
れらの寸法に合わせて浴室床材１の巾寸法を調整
することができるものである。次に、第５図に示
すように水切り受材１５を水平片２上に配置して
水切り受材１５の固定片２８をビス３１にて固定
し、次いで防水巾木１６の嵌合突片２４を水切り
受材１５の嵌合凹所３０内に浴室側より挿入嵌合
させるのである。その際、防水巾木１６の取付片
２３下面に防水スポンジ３２をあらかじめ貼付け
ておき、防水巾木１６を水切り受材１５に取着す
る際に防水スポンジ３２を水切り受材１５に弾接
させて防水性を良くするものであり、また防水巾
木１６と浴室床材１との間にシリコン系シーリン
グ材などの防水材を充填するようにしても良い。
その後、防水巾木１６の縦片２２と押え片２５間
で形成される挿入凹所４内に壁パネル５の下端部
を上方より挿入して壁パネル５を壁下地３３に固
着するのである。防水巾木１６は水切り受材１５
を介して浴室床材１に固定されているので、浴室
床材１がたわんでその周端部が下がつたとしても
それに伴なつて水切り材３は移動することにな
り、水切り材３と浴室床材１との間には隙間が発
生することがないものである。また、壁パネル５
の下端部は挿入凹所４内で上下にスライド移動す
ることになり、押え片２５によつて壁パネル５の
下端部が覆われていて壁パネル５と防水巾木１６
との間に隙間ができることもないものである。

なお、第６図は水切り材３の他の実施例を示し
たものである。防水巾木１６の取付片２３の下端
部に取付部３４を背方へ延設し、水切り受材１５
の嵌合片２９より固定ボルト３５を螺入して水切
り受材１５の固定と同時に防水巾木１６の取付部
３４を浴室床材１の水平片２に固定するようにし
たものである。また、第７図に示す水切り材３
は、水切り受材１５に差し込み片３６を形成して
固定片２８と差し込み片３６との間に差し込み凹
所３７を形成し、この差し込み凹所３７を水平片
２の端部に被挿するようにしたものである。さら
に、水切り材３としては第８図に示すものも使用
することができる。水切り材３は載置片１７より
立上り片１８を立上がらせて断面略Ｌ字状に形成
した水切り受材１５と、防水巾木１６とで形成し
てある。水切り受材１５の前面側には上下一対の
係合片４４，４４が突設してあり、また防水巾木
１６の裏面側には被係合片４５が突出してあつ
て、第９図のように水切り受材１５を浴室床材１
に固着した後被係合片４５を係合片４４に挿入係
合させることにより、防水巾木１６を浴室床材１
から壁パネル５に亘つて取付けるのである。防水
巾木１６の上下端部には軟質な防水片２０，２０
が設けてあり、各防水片２０を浴室床材１及び壁
パネル５の表面に弾接することで水切り性を良く
し、浴室内の水が浴室床材１や壁パネル５の裏面
側にまわるのを防いでいる。上記の各実施例のも
のにおいては、いずれも水切り材３が浴室床材１
に固着されていて浴室床材１がたわみで変形した
としても水切り材３も浴室床材１に追従して移動
することになり、水切り材３と浴室床材１との間
に隙間を生じることがないものである。なお、第
１０図のように浴室床材１の水平片２を床面６よ
り一段高く形成しても良く、水切り性をさらに向
上することができるものである。

〔発明の効果〕

上記のように本発明は、浴室床材の周縁部に切
断可能な水平片を外側方へ延出するようにしたの
で、水平片を浴室や浴槽の大きさに合わせて切断
することで、浴室や浴槽の大きさが少々異なつた
場合でも支障なく浴室床材を設置することができ
るものであり、また、水平片の上面に水切り材を
固着し、水切り材の上部に形成した上方開口の挿
入凹所内に壁パネルの下端部を挿入するようにし
たので、浴室床材がたわみでその周端部が下がつ
たとしても水切り材との間に隙間ができるのを防
止することができ、水切り性を向上することがで
きるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例の概略断面図、第２図は他の従
来例の要部概略断面図、第３図は本発明一実施例
の斜視図、第４図は同上の水切り材の分解断面
図、第５図は同上の要部断面図、第６図は同上の
他の実施例の要部断面図、第７図は同上のさらに
他の実施例の要部断面図、第８図は同上のさらに
他の実施例の分解断面図、第９図及び第１０図は
同上の水切り材の取付状態を示す概略断面図であ
る。 １は浴室床材、２は水平片、３は水切り材、４
は挿入凹所、５は壁パネルである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 平板状の浴室床材の周縁部に中央部の床面よ
   り一段高くなり且つ切断可能な水平片を外側方へ
   延出し、水平片の上に水平片の上方に突出する水
   切り材を配置すると共に水切り材の下部を水平片
   の上面に密着させて固着し、水切り材の上端に上
   方開口の挿入凹所を凹設すると共に壁面に沿わせ
   た壁パネルの下端部を挿入凹所に挿入して成るこ
   とを特徴とする浴室床材と壁パネルの水切構造。