JPH0433776Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は化粧料、化粧用具等を収納し得るコン
パクト容器に関するものである。

〈従来の技術〉 従来のこの種のコンパクト容器は、パレツト状
に形成した身と蓋とよりなるパレツト式容器が一
般的であるが、このパレツト式容器は、使用目的
の異なる化粧料を夫々分散して平面的に収納する
ために使用時に飛散して化粧料どうしが混ざつて
しまう欠点があつた。

最近になつて、前述の容器の欠点を改善するた
めに化粧料を別々の層に収納し得る多段式容器が
開発され、実用化されるようになつて来た。

〈考案が解決しようとする課題〉 然るに、前述の多段式容器は化粧料を別々の層
に収納し得る特徴はあるが、この方式の場合には
各段ごとに鏡を設けなければ化粧がしにくいため
に複数の鏡が必要となり、従って、使用する鏡の
厚さだけ容器が厚くなり、重量を増し、携帯に不
便となり、更に容器全体がコスト高になる等の欠
点があつた。

また、最近になつて、本件出願人が開発した例
えば実開昭60−149313号公報に示す如く、容器本
体とは別に、容器本体と蓋との間に２個の中皿を
並列して設け、これ等の中皿を相互に独立させて
側方に開くことが出来るように構成した技術もあ
るが、この技術は容器本体と２個の中皿とが夫々
独立しているので、３個の蝶番を使用し、３個所
でこれ等を蝶着しなければならず、構成が複雑で
組立作業に手間取りコスト高になる問題があつ
た。

本考案は、従来のこれ等の欠点及び問題点に鑑
み開発された技術であつて、特に中皿の一部に貫
通穴を穿設し、かつ裏面に鏡を有すると共に表側
にポケツトを有する中皿をこの貫通穴に着脱自在
に嵌着し得るようにし、これによつて身、中皿、
中蓋及び蓋を１個の蝶番ピンで蝶着し得るように
した全く新規なコンパクト容器を提供しようとす
るものである。

〈課題を解決するための手段〉 本考案に係るコンパクト容器は、前述の従来の
問題点を根本的に改善した技術であつて、その要
旨は、化粧料或いは化粧用具を収納し得る凹所を
持つた身と、蓋と、表側の片側部に凹所を有しか
つ他側部に一端縁迄切欠されて穿設された貫通穴
を有する中皿と、表側にポケツトを有すると共に
裏面に鏡を設け更に前記貫通穴に着脱自在に嵌着
し得る中蓋との組み合わせよりなり、これ等の
身、蓋、中皿及び中蓋を夫々１個の蝶番ピンを挿
通することによつて相互に蝶着して構成したもの
である。

〈作用〉 本考案に於いては上述の如く、化粧料或いは化
粧用具を収納し得る身と蓋との間に、化粧料を収
納し得る中皿と、裏面に鏡を有し表側に化粧用具
等を収納し得る中蓋とを同層に並列して１本の蝶
番ピンで開閉自在に蝶着したので、身、蓋、中皿
及び中蓋を夫々相互に１本の蝶番ピンで蝶着する
ことが出来る。

中皿の一方には貫通穴を穿設し、この貫通穴の
中に前記中皿を嵌入し得るようにしたので、中蓋
は中皿と一体的に開閉したり、或いは中皿とは別
に独立させて開閉したりすることが出来、これに
よつて中蓋に裏面に設けられた鏡を身の化粧料で
化粧する時にも、或いは中皿の化粧料で化粧する
時にも、夫々使用することが出来る。

〈実施例〉 図により本考案に係るコンパクト容器の一実施
例を具体的に説明すると、第１図乃至第６図に於
いて、１は容器の身であり、その表側には複数の
化粧料或いは化粧用具を収納し得る凹所２，３，
４が設けられている。

５はこの身に積層されて蝶着された中皿であつ
て、左側部に化粧料を収納し得る凹所６を有し、
かつその右側部には後述の中皿を収納することが
出来る貫通穴７が穿設されている。この貫通穴７
は中皿５の一端縁迄切欠連通されており、この端
縁の切欠部に後述の中蓋８の蝶番部が挿入し得る
ように形成されている。

８は中蓋であつて、該貫通穴７に嵌入すること
が出来ると共に、前記中皿５とは独立して開閉し
得る如く蝶着され、また一方では中皿５を押し上
げて開いた際にはこの中蓋８も中蓋８の上縁に設
けた突条９によつて中皿５と同時に開くことが出
来るように構成されている。

更にこの中蓋８の表側にはパフ１０を収納し得
るポケツト１１が設けられると共にその裏面側に
は鏡１２が取り付けられている。

１３は蓋であつて、身１上に積層された中皿５
と中蓋８との上に被覆し得る如く、身１に螺着さ
れている。この蓋１３に設けたフック１４は、中
皿５の小穴１５を通つて身１のフック１６に係合
示し得る如く構成されている。

前記身１、蓋１３、中皿５及び中蓋８は夫々１
本の蝶番ピンを挿通することによつて、相互に蝶
着されている。

本考案の容器は、上述の構造を有するので、先
ず中皿５の化粧料を使用する場合には、第２図及
び第３図に示す如く、蓋１３と中蓋８を開き、中
蓋８の裏面の鏡１２を露出して使用することが出
来、次に身１の化粧料を使用する場合には、第４
図に示す如く、中皿５を開くことによつて身１の
凹所２，３，４と鏡１２とを夫々露出して使用す
ることが出来る。

〈考案の効果〉 本考案に係る容器は上述の如く、化粧料等を収
納し得る身と蓋との間に、化粧料を収納し得る中
皿と裏面に鏡を有する中蓋とを夫々並列して開閉
自在に蝶着し、更に該中蓋は中皿の片側部に設け
た貫通穴に嵌着し得るようにしたので、中蓋を開
いて裏面の鏡を露出した状態で身及び中皿に収納
した化粧料を取り出して使用することが出来る。

従つて、鏡は従来の多段式容器の如く各層に設
ける必要がなく、中蓋に取り付けた１枚だけで済
み、これによつて容器全体を薄く軽量化すること
が出来る。

また、身、蓋、中皿及び中蓋は夫々１本の蝶番
ピンで蝶着されているので、組立構成が容易であ
り、かつ本願コンパクト容器は携帯に便利である
と共に部品が少ないので、安価に大量生産するこ
とが出来る等の特徴を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の容器の一部切欠斜視図、第２
図乃至第４図は容器を徐々に開いた状態を示す斜
視図、第５図及び第６図はその断面説明図であ
る。 １は身、２，３，４，６は凹所、５は中皿、７
は貫通穴、８は中皿、１０はパフ、１１はポケツ
ト、１２は鏡、１３は蓋である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 化粧料或いは化粧用具を収納し得る凹所を持つ
   た身１と、蓋１３と、表側の片側部に凹所６を有
   しかつ他側部に一端縁迄切欠されて穿設された貫
   通穴７を有する中皿５と、表側にポケツト１１を
   有すると共に裏面に鏡１２を設け更に前記貫通穴
   ７に着脱自在に嵌着し得る中蓋８との組み合わせ
   よりなり、これ等の身１、蓋１３、中皿５及び中
   蓋８とを夫々１個の蝶番ピンを挿通することによ
   つて相互に蝶着して構成したことを特徴としたコ
   ンパクト容器。