JPH04337154A - タイミングベルトカバー装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は自動車用エンジンのタイ
ミングベルトカバー装置に関し、とくに上壁への水の溜
りを防止する構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】エンジンにおいて、クランクシャフトか
らカムシャフトを駆動するのにタイミングベルトを使用
する場合、タイミングベルトの信頼性を向上させるため
に、タイミングベルトカバーおよびタイミングベルトカ
バーガスケットを用いてタイミングベルトを覆い、タイ
ミングベルトに水、泥がかかるのを防ぐのが一般的であ
る。

【０００３】たとえばＶ型エンジンのタイミングベルト
カバーは、たとえば実開昭６２−６９０５９号公報に示
されているように、その上壁がカバー前面から見て凹状
となっている。このような場合、外観上の理由から図５
に示すように、タイミングベルトカバー２の上壁２ａよ
りさらに上方に延びる部分２ｂを設けてタイミングベル
トカバーガスケット４を覆いかくすようにすると、タイ
ミングベルトカバー前後方向にもタイミングベルトカバ
ーガスケット４によってブロックされた部分ができてし
まう。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】左右方向にも前後方向
にも凹となる袋部分が存在すると、そこに水がたまり、
タイミングベルトカバーガスケットと対向部材との間の
微細な隙間から徐々にタイミングベルトカバー内へと浸
透し、ついにはタイミングベルトにかかり、ベルト劣化
を生じるおそれがある。

【０００５】本発明は、タイミングベルトカバーが前面
から見て凹状の上壁をもつ場合、該上壁に水がたまるこ
とを防止し得る構造を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的は、本発明によ
れば、タイミングベルトカバー装置が次の手段を備える
ことによって、達成される。すなわち、前壁、該前壁の
上部から後方に延び前面からみて凹状となっている部分
を有する上壁、を有するタイミングベルトカバー、およ
び前記タイミングベルトカバー上壁の後端部に嵌着され
るタイミングベルトカバーガスケットであって、該タイ
ミングベルトカバーガスケットのうち、前記タイミング
ベルトカバー上壁の前記凹状の最も低い部位に対応する
部分に、切欠きを形成したもの。

【０００７】

【作用】上記本発明のタイミングベルトカバー装置では
、タイミングベルトカバー上壁外面に水がかかると上壁
をつたって上壁の最も低い部位に流れ落ちてくる。該水
が、この最も低い部位にたまろうとしても、タイミング
ベルトカバーガスケットに設けられた切欠きから流れ落
ちてしまうので、たまることはない。

【０００８】

【実施例】図１−図４は本発明の実施例を示している。 図３、図４において、１０はフロントエンジンフロント
ドライブ車に横置きで搭載されるＶ型エンジン（左右の
バンクがシリンダブロックからＶ字状に延びているエン
ジン）を示しており、図３に示す如く若干傾けて車両に
搭載される。ただし、本発明のタイミングベルトカバー
装置が装着されるエンジンは、横置きＶ型エンジンに限
るものではない。クランクシャフト１２の駆動力をカム
シャフト１４に伝えるのにタイミングベルト１６が用い
られている。タイミングベルト１６はタイミングベルト
カバー１８によって覆われている。

【０００９】タイミングベルトカバー１８は、第１のカ
バー１８Ａ、第２のカバー１８Ｂ、第３のカバー１８Ｃ
から成る。第２のカバー１８Ｂは金属板のプレス成形品
で、シリンダヘッドにまたはシリンダヘッドとシリンダ
ブロックの両方に締結される。第１のカバー１８Ａは樹
脂成形品で、第２のカバー１８Ｂに締結される。第３の
カバー１８Ｃも樹脂成形品でシリンダブロックに固定さ
れたオイルポンプに締結される。

【００１０】本発明で対象とするタイミングベルトカバ
ー１８は第１のカバー１８Ａであり、以下、タイミング
ベルトカバー１８と云うときは第１のカバー１８Ａのタ
イミングベルトカバーを指すものとする。そして、本発
明でとくに対象とする部分はタイミングベルトカバー１
８の上壁部であり、図３、図４で符号Ａを付した円で囲
んだ部分である。図３のＡ部の拡大を図２に示し、図４
のＡ部の拡大を図１に示してある。

【００１１】図１、図２に示すように、タイミングベル
トカバー１８は、上下、左右に拡がる前壁１８ａと、前
壁１８ａの上部から前壁１８ａに直角に後方に延びる上
壁１８ｂを有する。前記１８ａは上壁１８ｂよりさらに
上方に延び後方に湾曲しついには上壁１８ｂと平行に延
びる覆部１８ｃを有しており、覆部１８ｃによってタイ
ミングベルトカバーガスケット２０をかくす。

【００１２】上壁１８ｂは、図２、図３から分るように
、前面から見て（図３の状態で）凹状となる部分を有し
ており、上壁１８ｂのうち、エンジンを車両に搭載した
状態において最も低い部位が図３のＡ部であり、すなわ
ち図２の部位である。

【００１３】タイミングベルトカバー上壁１８ｂの後端
部にはタイミングベルトカバーガスケット２０が嵌着さ
れている。タイミングベルトカバーガスケット２０は、
弾性材、たとえばゴムから成り、上壁１８ｂと上壁の対
向部材である第２のカバー１８Ｂとに挟まれて両部材間
をシールし、タイミングベルトカバー１８内に水等が侵
入することを防止する。

【００１４】タイミングベルトカバーガスケット２０は
、切欠き２２を設けた部分以外では断面コ字状をなして
おり、コ字の両脚の間に上壁１８ｂの端部を挟み込むこ
とによって上壁１８ｂの端部に取り付いている。タイミ
ングベルトカバーガスケット２０のコ字の一方の脚はタ
イミングベルトカバー上壁１８ｂの上側に位置し、コ字
の他方の脚は上壁１８ｂの下側に位置する。

【００１５】タイミングベルトカバー上壁１８ｂのうち
タイミングベルトカバー前面から見たときに最も低い部
位に対応するタイミングベルトカバーガスケット部分は
、断面コ字のうち、タイミングベルトカバー上壁１８ｂ
の上側に位置する脚が除去されており、切欠き２２を形
成している。この切欠き２２の底面２２ａは、タイミン
グベルトカバー上壁１８ｂの上面と一致させてあるかあ
るいはそれより少し低い。ただし、切欠き２２の底面２
２ａは、第２のカバー１８Ｂとのシール面を残すために
、タイミングベルトカバー上壁１８ｂの下面よりは高い
位置になければならない。

【００１６】この切欠き２２のタイミングベルトカバー
１８の前面から見たときの巾ｄは、タイミングベルトカ
バーガスケット２２の高さｈ、すなわちコ字の両脚の外
面間距離にほぼ等しくしてある。巾ｄが大きすぎると、
タイミングベルトカバーガスケット２０のタイミングベ
ルトカバー上壁１８ｂへの固定が切欠き２２近傍におい
て悪化し、巾ｄが小さすぎると水はけが悪化するので、
ｄ＝ｈ程度が良い。

【００１７】図１に示すように、タイミングベルトカバ
ー上壁部１８ｂの後端がタイミングベルトカバーガスケ
ット２２を介して対向する第２のカバー１８Ｂは、その
上端がタイミングベルトカバー上壁１８ｂの上面と同じ
位置としてあり、タイミングベルトカバー前面から見た
ときの外形をタイミングベルトカバー上壁１８ｂの上面
の形状と同じにしてある。第２のカバー１８Ｂは図１に
示すように、その上端から下方に延び、そこから折曲っ
て後方に延び、さらに折曲って下方に延びる形状に形成
されている。第２のカバー１８Ｂの、上記後方に延びる
部分の上方の、ほぼ断面正方形の空間には、ワイヤハー
ネス（図示略）が配設される。そして、第２のカバー１
８Ｂの、上記後方に延びる部分の下方、およびタイミン
グベルトカバー上壁１８ｂの下方の空間には、タイミン
グベルト１６が配設されており、タイミングベルトカバ
ー１８およびタイミングベルトカバーガスケット２０に
よって外部から遮断されている。

【００１８】次に、作用を説明する。タイミングベルト
カバー上壁１８ｂは、タイミングベルトカバー前面から
見たときに凹状の部分を有し、図３のＡの部位、すなわ
ち図２に示した部位で、上壁１８ｂが最も低くなる。し
たがって、上壁１８ｂ上に水がかかると、水は上壁１８
ｂの外面をつたって、上記最も低くなる部分に移動し、
そこに溜ろうとする。

【００１９】しかし、図１に示す如く、タイミングベル
トカバーガスケット２０が上記１８ｂの最も低くなる部
位に対応する部分に切欠き２２を有しているので、水は
この切欠き２２から後方の第２のカバー１８Ｂ上に落ち
、さらに第２のカバー１８Ｂの外面をつたって下方に落
下する。したがって、タイミングベルトカバー上壁１８
ｂの最も低い部位に水がたまることが防止される。要す
るに、従来は切欠き２２がなかったので、図５に示すよ
うにタイミングベルトカバーガスケットによってブロッ
クされた袋状部分に水がたまるおそれがあったが、本発
明では切欠き２２が存在するので、切欠き２２を通して
水を逃がすことができる。

【００２０】切欠き２２が形成されていても、なおタイ
ミングベルトカバーガスケット２０は、断面コ字の両脚
をつなぐ連結部において、上壁１８ｂの端面と第２のカ
バー１８Ｂとの間をシールしているので、水がタイミン
グベルトカバー１８内に侵入することはない。

【００２１】本発明のように、タイミングベルトカバー
ガスケット２０に切欠き２２を設けるだけの水たまり防
止手段は、従来通りにタイミングベルトカバーガスケッ
ト２０を作製して部分的に切欠けばよいだけであるから
、タイミングベルトカバー１８、タイミングベルトカバ
ーガスケット２０の大々的な設計変更を伴わず、本質的
にコストアップを伴わない。

【００２２】また、タイミングベルトカバーから排出さ
れる水分は、エンジン後端側へ排出されるため、エンジ
ン前端に設けられた補機駆動ベルトに水分が付着し劣化
することも防止される。

【００２３】

【発明の効果】本発明によれば凹状部を有するタイミン
グベルトカバー上壁の最も低い部位に対応する、タイミ
ングベルトカバーガスケット部分に、切欠きを形成した
ので、タイミングベルトカバー上壁の最も低い部位に水
がたまろうとしても、前記切欠きを通して流れ落ち、そ
こに水がたまることが防止される。これによって、従来
のようにたまった水がタイミングベルトカバー内に浸透
していって、タイミングベルトにかかり、タイミングベ
ルトを劣化させるという問題が解消される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係るタイミングベルトカバ
ー装置の、凹状タイミングベルトカバー上壁の最も低い
部位の断面図であって、図２のＢ−Ｂ線に沿う断面図で
もある。

【図２】図１に対応する部位近傍のタイミングベルトカ
バー前面から見たときの正面図である。

【図３】本発明実施例のタイミングベルトカバー装置を
装着したエンジンの正面図である。

【図４】図３のエンジンの長手方向断面図である。

【図５】従来のタイミングベルトカバー装置の部分断面
図である。

【符号の説明】

１６　　タイミングベルト １８　　タイミングベルトカバー １８ａ　　前壁 １８ｂ　　上壁 ２０　　タイミングベルトカバーガスケット２２　　切
欠き

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　前壁、該前壁の上部から後方に延び前
   面から見て凹状となっている部分を有する上壁を有する
   タイミングベルトカバーと、前記タイミングベルトカバ
   ー上壁の後端部に嵌着されるタイミングベルトカバーガ
   スケットと、を備えたタイミングベルトカバー装置にお
   いて、前記タイミングベルトカバーガスケットのうち、
   前記タイミングベルトカバー上壁の前記凹状の最も低い
   部位に対応する部分に、切欠きを形成したことを特徴と
   するタイミングベルトカバー装置。