JPH0433569B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、電極と被加工物との間に形成され
た所定分寸法の加工間隙に、パルス性アーク放電
を繰り返し発生させることにより、被加工物を溶
融させて所定の加工を行なう放電加工装置に関
し、特にこの発明は、昇降自在に高速回転する電
極に非接触で加工液を供給しながら加工屑を排出
して加工性能を高くした放電加工装置に関するも
のである。

〔従来の技術〕

第２図および第３図は従来のこの種の放電加工
装置を示し、第２図は縦断面図、第３図は第２図
のＡ―Ａ断面図である。図において、１は放電加
工用電極で、クランプ装置２に着脱自在に保持さ
れ、絶縁体３を介してスピンドル軸４に一体に直
結されている。そして、このスピンドル軸４はヘ
ツドケース８の底部に取付けられた外筒６の内周
面に、たとてば玉軸受などの複数の軸受５を介し
て回転自在に支持されている。７はヘツドケース
８の底部に取付けられ、クランプ装置２を保護す
る円筒状のカバー、９はスピンドル軸４のほぼ中
間部に、玉軸受などの複数の軸受１０を介して回
転自在に取付けられ、ウオーム１１が常時噛合す
るウオームホイール９で、このウオームホイーム
９の上面には環状のクラツチアマチユア１２が取
付けられ、スピンドル軸４に固着されたクラツチ
ロータ１３と所定の間隙をあけて対向するように
構成されており、さらにこのクラツチロータ１３
の上面には取付金具１６によつてヘツドケース８
に取付けられたクラツチコイル１４所定の間隙を
隔てて対向し、かつこのクラツチコイル１４は玉
軸受などの軸受１５を介してクラツチロータ１３
に連結されている。

１７はヘツドケース８の上部開口を閉塞する上
蓋１８上に設けられたブレーキケース２１内にお
いて、上蓋１８に取付けられたブレーキ用マグネ
ツトで、このブレーキ用マグネツト１７にはスピ
ンドル軸４に固着されたブレーキアマチユア１９
が所定の間隙を隔てて対向するように構成されて
いる。なお、このブレーキ装置はいわゆる「無励
磁作動型」のもので、通常は永久磁石によつてブ
レーキアマチユア１９と一体に連結され、マグネ
ツト１７に電圧を印加することによつてブレーキ
アマチユア１９とマズネツト１７を解放するよう
になつている。２２はブレーキセーケース２１の
上部に取付けられた高速回転用モータで、この高
速回転用モータ２２の駆動軸は軸継手２０を介し
てスピンドル軸４に一体に連結されている。２３
は高速回転用モータ２２に直結され、この高速回
転用モータ２２によつて回転駆動されるスピンド
ル軸４の下端に取付けられた電極１の原点確認用
検出器である。

２５は複数のコロ軸受２４と、ボールねじ軸２
６を介してヘツドケース８を昇降自在に支承する
コラムで、このコラム２５に玉軸受などの複数の
軸受２７によつて回転自在に支承されたボールね
じ軸２６の上端部は、軸継手２８を介して取付台
３０に設置された昇降用モータ２９に連結されて
いる。

なお、ウオーム１１は、第３図に示すように、
玉軸受からなる複数の軸受３１によつてヘツドケ
ース８に回転自在に支承され、その支軸１１ａの
一端は軸継手３２を介して取付台３３上の微小角
度割出し用モータ３５に直結され、さらに、この
微小角度割出し用モータ３５には割出し角度用検
出器３４が連結されている。

〔発明が解決しようとする問題点〕

従来の放電加工装置は上記のように構成されて
いるので、クランプ装置に電極を保持し加工を行
なう場合には電極から加工液を噴出できない。こ
のことは加工深さが深い加工、あるいは穴明けな
どの貫通加工を場合には放電加工屑の排出が困難
になるため、放電休止幅を大きくしなければなら
ず、電極より加工液を噴出した場合に比べ、加工
速度が遅くなるという問題があつた。

この発明はかかる点に着目してなされたもの
で、電極の高速回転機能を具備している放電加工
装置においても電極より加工液を噴出させ、加工
速度が遅くなるという加工性能の低下を防止しよ
うとするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

この発明の放電加工装置は、電極を保持するク
ランプ装置の外周部に僅かな間〓を設けて非接触
な通液リングを設け、この通液リングよりクラン
プ装置内を経由して電極内部より加工液を噴出さ
せるようにしたものである。

〔作用〕

この発明においては電極を保持するクランウ装
置の外周部に通液リングを設けたので、電極が回
転しない場合のみならず、その高速回転時におい
ても何ら回転性能に影響を及ぼすことなく、電極
より加工液を噴出することが可能となり、加工性
能の低下を防止できる。

〔発明の実施例〕

第１図はこの発明の一実施例を示す縦断面図で
クランプ装置およびその外周部のみを図示し、記
載外のものは従来のもの（第２図および第３図）
と同一であるため、構成部材の図示およびその説
明を省略する。

７ａはヘツドケース８に取付けられたカバー本
体、４０はクランプ装置２の外周ときわめてわず
かな間隙ｇを隔てて対向するように配置された通
液リングで、カバー本体７ａに取付けられてい
る。４１は通液リング４０の下に取付けられた下
部カバーある。２ａはクランプ装置２に設けた通
液路１ａは電極１の中心部に設けられた通液路で
ある。

このような構成において、加工液供給装置（図
示せず）より給液された加工液（図中の矢印にて
図示）は、通液リング４０内の給液路４０ａから
クランプ装置２内の通液路２ａを通過して電極１
の通液路１ａより噴出する。ところで、クランプ
装置２と通液リング４０との間にはわずかな間隙
があるため、給液された加工液は前記間隙ｇより
わずかに洩れるが、上部へ洩れた加工液は通液リ
ング４０に設けられた回収口４０ｂより下部カバ
ー４１へ回収され、下部へ洩れた加工液は、直接
下部カバー４１に回収される。そして回収された
加工液は、下部カバー４１に設けられた排液口４
１ａより加工槽（図示せず）へ回収される。

なお、通液リング４０をセラミツクス等の絶縁
物で構成すれば、給液される加工液中に混入して
いる微細な放電加工屑が万一前記間隙ｇにはさま
つた場合においても、通液リング４０とクランプ
装置２との導通を防止することができる。

〔発明の効果〕

この発明の放電加工装置は、前述したように、
クランプ装置２の外周部に僅かな間〓を設けて非
接触な通液リング４０を設置したので、加工液は
通液リング４０、クランプ装置２を経由して電極
１より噴出することが可能となり、電極の回転に
影響を与えることなく高速回転させて深穴加工あ
るいは貫通加工を行なう場合においても放電加工
屑の排出が効率よく行なえ、加工性能の低下を防
止できるという優れた効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例の要部を示す縦断
面図、第２図は従来の放電加工装置のヘツドケー
スを示す縦断面図、第３図は第２図のＡ―Ａ断面
図である。 図において、１は電極、１ａは電極の通液路、
２はクランプ装置、２ａはクランプ装置内の通液
路、３は絶縁体、４はスピンドル軸、６は外筒、
７はカバー、７ａはカバー本体、８はヘツドケー
ス、４０は通液リング、４１ａは通液リング内の
給液路、４０ｂは通液リング内の回収口、４１は
下部カバー、４１ａは下部カバーの排液口で、図
中の矢印は加工液を示している。なお、図中の同
一符号は同一または相当部分を示す。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 静止するカバーに覆われた円柱状のクランプ
   装置に着脱可能に保持されて該クランプ装置と一
   体に昇降自在で高速回転する電極を備え、該電極
   と被加工物との間で形成する極間に加工液供給装
   置から供給された加工液を介在させて、前記極間
   に絶縁破壊電圧以上の加工電圧を印加して放電を
   発生させて、該放電エネルギーにより被加工物に
   放電加工を行なう放電加工装置において、 前記カバーに取り付けられ給液路及び該給液路
   に連通するリング状の通液路を内周面に設けて該
   内周面が前記クランプ装置の外周面との間に僅か
   な間〓を設けて配置された通液リングと、該通液
   リングの給液路に連通して前記クランプ装置と電
   極に設けられた通液路とを備え、前記加工液供給
   装置から供給された加工液を前記通液リングの給
   液路と通液路及び前記クランプ装置と電極の通液
   路を介して電極の先端から噴出させることを特徴
   とする放電加工装置。 ２ 前記通液リングをセラミツク等の絶縁物で構
   成したことを特徴とする特許請求の範囲第１項記
   載の放電加工装置。