JPH043354Y2 - - Google Patents

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JPH043354Y2
JPH043354Y2 JP1983199151U JP19915183U JPH043354Y2 JP H043354 Y2 JPH043354 Y2 JP H043354Y2 JP 1983199151 U JP1983199151 U JP 1983199151U JP 19915183 U JP19915183 U JP 19915183U JP H043354 Y2 JPH043354 Y2 JP H043354Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 この考案は電子吹奏楽器に関する。
〔従来技術〕
近年、マウスピース等のケース本体内に息を吹
き込むことにより、この吹き込まれた息の圧力を
電気信号に変換し、この電気信号に基づいて電子
楽器の楽音を制御する電子吹奏楽器が種々開発さ
れている。この種の電子吹奏楽器においては、吹
き込まれた息の圧力を電気信号に変換する変換器
として、例えば歪センサーが用いられている。即
ち、歪センサーはケース本体内に設けられた振動
板に一体的に固着され、この振動板が吹き込まれ
た息の圧力に応じて撓み変形したときに、その撓
み変形に伴なつて変化する電気抵抗を検出し、こ
の抵抗変化に応じて電子楽器の楽音を制御するよ
うになつている。
〔従来技術の問題点〕
しかし、上記のような歪センサーはコストが高
く、しかも吹き込まれた息の圧力を正確に検出す
るためには振動板に一体的に固着して、振動板の
わずかな変形にも追従しなければならず、このた
め取付構造が複雑で、かつ厄介であつた。また、
歪センサーは振動板と共に変形するため、耐久性
および低圧時の反応等が悪く、良好な感度が得に
くい等の問題点があつた。
〔考案の目的〕
この考案は、上記のような事情を考慮してなさ
れたもので、比較的簡単な構造で安価に製作する
ことができ、低圧時の感度も良く、耐久性にも優
れた電子吹奏楽器を提供することにある。
〔考案の要点〕
この考案は、上記のような目的を達成するため
に、ケース本体内において配設された蓋体の中央
部は、呼気操作時においては、前記ケース本体に
設けた流通孔から流入される空気流の流入を阻止
する一方で、吸気操作時においては、弾性シート
に形成した板状接触部と接触しその接触部の弾性
変形を阻止する板状部を有し、その周囲は、前記
弾性シートに形成した環状の空気収納部と対向す
るように、複数の開口部を有する構成としている
ことを要点とする。
〔第1実施例〕 以下、第1図ないし第4図を参照して、この考
案の第1実施例を説明する。
第1図は電子吹奏楽器の断面図である。この電
子吹奏楽器1はケース本体2内に流入した空気等
の流体の圧力に応じて電子楽器の楽音、詳しくは
楽音の音量、ビブラート等のイフエクトを制御す
るものであり、ケース本体2内に変換器3および
回路基板4を備え、接続コード5を介して電子楽
器(図示せず)に接続されるようになつている。
上記ケース本体2は上部ケース6と下部ケース7
とからなり、上部ケース6には演奏者が口をあて
呼気吸気を行なう大径の口当孔6aと、演奏者の
呼気吸気に応じて空気等の流体が流通する流通孔
6b,6bとがそれぞれ形成されている。また、
前記変換器3は、前記ケース本体2内において、
前記流通孔6aから流入される空気流の流入方向
と垂直方向またはほぼ垂直方向に配設され、中央
部に、前記空気流の流入を阻止する板状部10c
を有し、周囲に、前記空気流の流出入を許容する
ための複数の開口部10dを有する蓋体10と、
この蓋体10の前記流通孔6aの配設位置と反対
側位置に配設され、前記各開口部10dと対向し
た位置に、前記空気流の流出入を許容するため全
体が環状の空気収納部11aを有し、該空気収納
部11aにて取り囲まれた部位に、前記蓋体10
の板状部10cと接触可能な板状接触部を有する
弾性変形可能な弾性シート11と、この弾性シー
ト11の前記蓋体10の配設位置と反対側位置に
配設され、前記各開口部10dから前記空気収納
部11aに前記空気流が流入されたとき、または
前記空気収納部11aから前記各開口部10dに
前記空気流が流出されたとき、その空気流による
空気圧に応じて、前記板状部10cの側面に対し
垂直方向またはほぼ垂直方向に弾性変形する前記
板状接触部11cの弾性変形状態を検出し、この
検出結果に応じた楽音制御用電気信号を出力する
検出装置12とから構成されている。すなわち、
上記変換器3はケース本体2内に流入した流体の
圧力を電気信号に変換するものであり、口当孔6
aおよび流通孔6b,6bの下方に配置され、ビ
ス8,8によりケース本体2内に取り付けられて
いる。さらに、上記回路基板4は、変換器3に接
続されており、その下面にLSI等の電子部品4a
……を備え、変換器3から出力された電気信号に
基づいて楽音のイフエクトを制御する制御信号を
出力し、接続コード5を介して電子楽器(図示せ
ず)に入力するようになつている。
第2図および第3図は上記変換器3を示し、第
2図はその要部断面図、第3図はその分解斜視図
である。この変換器3は、変換器本体9と、この
変換器本体9の上部に配置される蓋体10と、変
換器本体9の内部に配置される弾性シート11お
よび検出装置12とから構成されている。上記変
換器本体9はケース本体2内にビス8,8により
取り付けられるものであり、底部を有する円筒状
をなし、その内部には上記検出装置12の一部を
収納する収納部9aが形成されていると共に、上
部にはダボ9b,9bが上方へ突出形成されてお
り、さらに外部側壁には取付部9c,9cが側方
へ突出して形成されていると共に、この取付部9
c,9cには上記ビス8,8が挿通する挿通孔9
d,9dが形成されている。上記蓋体10は変換
器本体9の上部に取り付けられるものであり、変
換器本体9の上部に対応する環状部10aと、こ
の環状部10a内の中心にリブ10b……を介し
て設けられた板状部10cとを有し、この円板部
10cと環状部10aとの間に空気等の流体が流
通する開口部10d……がほぼ環状に形成されて
いる。この場合、上記環状部10aには変換器本
体9の上部に形成されたダボ9b,9bが嵌着す
るダボ穴10e,10eが形成されている。ま
た、上記弾性シート11は可撓性を有するフイル
ムよりなり、変換器本体9の上部に配置されて上
記蓋体10により挾持され、蓋体10の開口部1
0d……を流通した流体の圧力に応じて上下に弾
性変形するものであり、開口部10d……と対応
する箇所に円弧状に凹んだ全体が環状の空気収納
部11aが形成されていると共に、変換器本体9
のダボ9b,9bと対応する箇所に挿通孔11
b,11bが形成されている。この場合、弾性シ
ート11の中央部分は、外周部分より低くなつて
おり、第2図に示すように変換器本体9に装着し
たときに、蓋体10の板状部10cに接触しない
ように離間対向している。また、上記検出装置1
2はコイル13とコア14とからなり、弾性シー
ト11の弾性変形に応じてコア14を上下に変位
させ、このコア14の変位に応じた上記コイル1
3の磁束変化を電気信号として検出するものであ
る。即ち、上記コア14は磁石等の磁性材からな
る断面「E」字状の円筒状部材であり、ホルダ1
5を介して弾性シート11の下面中央に取り付け
られ、弾性シート11の弾性変形に伴つて上下に
変位するようになつている。また、上記コイル1
3は基台13a上に立設された円筒状のものであ
り、上述した変換器本体9の収納部9a内に配置
され、コイル13に沿つてその内部および外部を
上記コア14が上下に変位したときに、磁束が変
化し、この磁束変化を検出して、電気信号として
検出するようになつている。つまり、コイル13
に沿つてその内部および外部をコア14が変位す
ると、その変位に応じてコイル13に起電力が発
生し、この起電力を電気信号として検出してい
る。この場合、コイル13の端部は基台13aの
下に設けられた出力線13b……に接続されてお
り、またこの出力線13b……は変換器本体9の
底部を通り抜けて下方へ突出し、この突出した部
分が、上述した回路基板4に接続されるようにな
つている。
次に、上記のように構成された電子吹奏楽器1
の動作について説明する。
まず、ケース本体2の口当孔6aに口をあて、
息を吹き込む。すると、吹き込まれた息は、ケー
ス本体2内に流入し、変換器3の蓋体10に形成
された開口部10d……を通して、その下の弾性
シート11に圧力を加えると共に、吹き込まれた
息の一部はケース本体2の流通孔6b,6bから
外部へ流出する。そして、上記のように弾性シー
ト11に吹き込まれた息の圧力が加わると、その
圧力に応じて弾性シート11は弾性変形し、この
弾性変形に伴つて検出装置12のコア14はコイ
ル13に沿つて下方へ変位する。すると、コア1
4の変位に応じてコイル13は磁束が変化する。
即ち、コア14の変位に応じてコイル13に起電
力が発生する。これにより、検出装置12はケー
ス本体2内に吹き込まれた息の圧力に応じたコイ
ル13の磁束の変化、つまりコイル13に発生し
た起電力を電気信号として検出し、この検出した
電気信号を回路基板4に出力する。このように検
出装置12から、電気信号が回路基板4に入力す
ると、回路基板4は、上記電気信号に基づいて、
制御信号を電子楽器(図示せず)に出力し、楽音
の音量、ビブラート等のイフエクトを制御する。
また、ケース本体2の口当孔6aに口をあて、
吸気を行なうと、今度は流通孔6b,6bから空
気がある程度流入するが、ケース本体2内は負圧
になる。このため、弾性シート11はケース本体
2内の負圧に応じて上方へ弾性変形するので、こ
の弾性変形に伴つて検出装置12のコア14は上
方へ変位する。すると、上述したようにコイル1
3は磁束が変化する。つまり、コア14の変位に
応じてコイル13に起電力が発生する。これによ
り、検出装置12は吸気によるケース本体2内の
負圧に応じた磁束の変化、つまりコイル13に発
生する起電力を電気信号として検出し、この検出
した電気信号を回路基板4に出力し、上述したよ
うに電子楽器の楽音を制御する。
この場合、呼気吸気によるケース本体2の内圧
に応じた電気信号を検出する検出装置12は、第
4図に示すような特性をもつている。即ち、この
図に示されたヒステリシス曲線は、流通孔6b,
6bを流通する流体の流量(Q:/min)とコ
イル13に発生する起電力(E0:V)との関係
を示したものであり、1点鎖線aは、ケース本体
2内に息を吹き込んだ場合、つまり呼気の場合を
示し、点線a,bは呼気の場合を示している。そ
して、各曲線a,bは呼気および吸気のいずれの
場合においても、ほぼ同様の曲線を描き、いずれ
の場合でも、ほぼ同じ起電力を発生することを示
している。なお、上記流量はケース本体2内の圧
力(正圧、負圧)に比例するものである。つま
り、呼気によつてケース本体2内の圧力が正圧方
向に高くなると、流量は多くなり、また吸気によ
つてケース本体2内の圧力が負圧方向に高くなる
と、流量は再び多くなる。したがつて、上記ヒス
テリシス曲線は、ケース本体2内の圧力が正圧方
向および負圧方向に高くなると、これに比例して
多くなる流量により、起電力が大きくなり、逆に
圧力が正圧方向および負圧方向に低くなると、起
電力も小さくなることを示している。
しかるに、上記のような電子吹奏楽器1によれ
ば、呼気吸気によるケース本体2内の圧力変化に
応じて弾性変形する弾性シート11と、この弾性
シート11の弾性変形に応じてコア14をコイル
13に沿つて変位させ、このコア14の変位に応
じてコイル13の磁束を変化させることにより、
コイル13に発生する起電力を電気信号として検
出する検出装置12とにより、変換器3を構成
し、この変換器3によりケース本体2内の圧力を
電気信号に変換して、電子楽器の楽音を制御する
ようにしたので、構造が比較的簡単で、容易に組
み立てることができると共に、安価に製作するこ
とができ、しかも検出装置12のコイル13とコ
ア14とが非接触構造であるから、低圧時におけ
る感度も極めて良く、楽音を良好に制御すること
ができ、耐久性にも優れたものとなる。
〔第2実施例〕 次に、第5図および第6図を参照して、この考
案の第2実施例を説明する。この第2実施例は検
出装置12のコイル13とコア14とを上下に入
れ換えたものであり、上述した第1実施例と同一
部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
即ち、変換器本体9の上部に配置されて蓋体1
0により挾持された弾性シート11の下面には、
コイル13が取り付けられており、また変換器本
体9の内側底部にはコア14が配置されている。
しかして、弾性シート11が呼気による圧力で弾
性変形すると、この弾性変形に伴つてコイル13
がコア14に沿つて上下に変位し、このコイル1
3の変位に応じてコイル13の磁束が変化し、コ
イル13に起電力が発生する。そして、コイル1
3に発生した起電力は電気信号として検出され、
リード線13c,13cおよび出力線13b,1
3bを介して回路基板4に出力される。この場
合、リード線13c,13cはコイル13の端部
と出力線13b,13bとを接続するものであ
り、出力線13b,13bはコア14に接触して
導通しないように絶縁部材14a,14aにより
絶縁されている。なお、弾性シート11は中央部
分が外周部分と同じ高さになつており、この中央
部分は通常状態で蓋体10の下面に接触してい
る。このため、上記弾性シート11は呼気吸気の
うち、呼気によつて弾性変形するが、吸気によつ
ては弾性変形しない、これに伴い、検出装置12
も呼気に応じた圧力を電気信号として検出する
が、吸気に応じた圧力は検出しない。
しかるに、上記のような変換器を備えた電子吹
奏楽器1においても、前述した第1実施例と同様
の効果があることは言うまでもない。
〔考案の効果〕
以上説明したように、この考案に係る電子吹奏
楽器によれば、ケース本体内において配設された
蓋体の中央部は、呼気操作時においては、前記ケ
ース本体に設けた流通孔から流入される空気流の
流入を阻止する一方で、吸気操作時においては、
弾性シートに形成した板状接触部と接触しその接
触部の弾性変形を阻止する板状部を有し、その周
囲は、前記弾性シートに形成した環状の空気収納
部と対向するように、複数の開口部を有する構成
としているので、呼気操作により前記流通孔から
ケース本体内に空気流を流入させた場合、空気流
入初期時において速い空気流入速度による急激な
空気圧を、前記板状部で受けることができ、した
がつて、呼気操作の操作初期時において、弾性シ
ートの板状接触部周辺が前記空気圧を直接に受け
るのを防止することができる。そのため、呼気操
作の操作初期時における急激な空気圧による異常
な楽音制御用電気信号の発生を未然に防止するこ
とができ、したがつて、安定して楽音制御用電気
信号を得ることができる。そればかりでなく、吸
気操作により前記空気収納部から前記各開口部に
空気流を流出させた場合、その空気収納部内の負
圧に応じて弾性変形する弾性シートに形成された
板状接触部が前記蓋体の板状部に接触し、それ以
上の弾性変形を阻止することができるので、吸気
操作時における弾性シートの異常な弾性変形を未
然に防止することができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第4図はこの考案の第1実施例を
示し、第1図は電子吹奏楽器の断面図、第2図は
その内部の変換器の断面図、第3図はその変換器
の分解斜視図、第4図はケース本体内の流量とコ
イルに発生する起電力との関係を示す図、第5図
および第6図はこの考案の第2実施例を示し、第
5図はその変換器の断面図、第6図はその分解斜
視図である。 1……電子吹奏楽器、2……ケース本体、3…
…変換器、4……回路基板、11……弾性シー
ト、12……検出装置、13……コイル、14…
…コア。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 ケース本体に設けた流通孔に対する呼気操作ま
    たは吸気操作に応じて、前記ケース本体内に流出
    入される空気流による空気圧を変換器で楽音制御
    用電気信号に変換し、この電気信号に基づいて所
    望の楽音を制御する吹奏型電子楽器において、 前記変換器は、 前記ケース本体内において、前記流通孔から流
    入される空気流の流入方向と垂直方向またはほぼ
    垂直方向に配設され、中央部に、前記空気流の流
    入を阻止する板状部を有し、周囲に、前記空気流
    の流出入を許容するための複数の開口部を有する
    蓋体と、 この蓋体の前記流通孔の配設位置と反対側位置
    に配設され、前記各開口部と対向した位置に、前
    記空気流の流出入を許容するため全体が環状の空
    気収納部を有し、該空気収納部にて取り囲まれた
    部位に、前記蓋体の板状部と接触可能な板状接触
    部を有する弾性変形可能な弾性シートと、 この弾性シートの前記蓋体の配設位置と反対側
    位置に配設され、前記各開口部から前記空気収納
    部に前記空気流が流入されたとき、または前記空
    気収納部から前記各開口部に前記空気流が流出さ
    れたとき、その空気流による空気圧に応じて、前
    記板状部の側面に対し垂直方向またはほぼ垂直方
    向に弾性変形する前記板状接触部の弾性変形状態
    を検出し、この検出結果に応じた楽音制御用電気
    信号を出力する検出装置と、 から構成されていることを特徴とする電子吹奏楽
    器。
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