JPS595897Y2 - 楽音制御装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は構造が簡単で応答性のよい楽音制御装置に関
するものである。

従来、空気袋などに空気を流入させ、この空気袋のふく
らみに応じて駆動レバーを介して可変抵抗器を動作し、
この抵抗変化で電子回路を制御して発音演奏する電子吹
奏楽器が知られている。

しかしながら、このような従来の電子吹奏楽器は、構造
が複雑で調整がむづかしく、また空気流入量と演奏音と
の対応性が安定して得られず演奏音にむらを起こし、正
確な演奏が困難である。

このため、通常の吹奏楽器と同様な感覚と操作で演奏で
きるような電子吹奏楽器はなかなか実用化されなかった
。

この考案は上記の点に鑑みてなされたもので、その目的
とするところは、構造が簡単で調整も容易になり、常に
安定かつ正確な演奏が可能となるような電子吹奏楽器な
どの楽音制御装置を提供することにある。

このような目的を達或するために、この考案は、風路内
の空気流の圧力に応じて体積の変化するベローズによっ
て、感圧素子を取付けたばね部材を変位させ、感圧素子
の出力で楽音信号を制御するようにしたものである。

以下、この考案を図面に基づいて詳細に説明する。

第１図はこの考案に係る楽音制御装置の一実施例の断面
図である。

図において、空気流制御本体１には、風路２とこの風路
２の途中に設けられた排気孔３とが形或され、風路２の
一端は送風口２ａ、他端はベローズ連通口２ｂになって
いる。

送風口２ａにはマウスピース４がはめ込まれ、ベローズ
連通口２ｂにはベローズ５が設けられる。

ベローズ５は皮、ゴムまたは合戒樹脂など可撓性のある
材質によって袋状に形或され、下面の中心部には孔５ａ
が設けられている。

そしてベローズ５は、この孔５ａとベローズ連通口２ｂ
とがほぼ同心になるように空気流制御本体１に取付けら
れるが、密閉度を向上させるために孔５ａの周辺部とべ
ローズ連通口２ｂの開口周辺部の間にはパッキング６が
介在されている。

ベローズ５の上面の中心部には摩擦係数が非常に小さい
材料からなるばね受板７が固着されている。

一方、ばね部材としての検圧ばね８は長板状のばね材か
らなり、その先端は曲面をもつように曲げられ押圧部８
ａが形或され、また検圧ばね８の基部近くには圧電素子
などからなる感圧素子９が接着されている。

１０は感圧素子９から電気信号を取り出すためのリード
線である。

そして検圧ばね８は、押圧部８ａがベローズ５上のばね
受板７のほぼ中心に接触するように配置され、ねじ１１
によってその基部を空気流制御本体１に固定される。

このような構戒において、マウスピース４から送風が行
なわれると、空気が送風口２ａから風路２内に送り込ま
れる。

風路２に送風された空気は排気孔３を経て排出されるが
、風路２内の圧力は送風量に応じて変化する。

このため、風路２と連通したべローズ５内の圧力もこれ
と同様に変化し、ベローズ５は膨張して体積が増加する
。

しかし、ベローズ５は検圧ばね８により上から押されて
いるので、ベローズ５を膨張させる圧力と検圧ばね８の
は゛ね力とがバランスするまで゛ベローズ５の体積は増
加する。

このとき、ばね受板７に押されて検圧ばね８は変位し、
この変位に応じて感圧素子９に電圧が発生する。

マウスピース４からの送風を中止すると、風路２内の圧
力は減少し検圧ばね８の復帰力によってベローズ５の体
積は縮少し、ベローズ５内の空気は排気孔３から排出さ
れる。

このとき、検圧ばね８は変位した状態から元の位置に戻
り感圧素子９に発生していた電圧は減少する。

このようにして、マウスピース４からの送風量によって
風路２内の圧力が変化し、この風路２内の圧力に対応し
てベローズ５内の圧力が変化して検圧ばね８が変位する
ため、感圧素子９には送風量に応じた電圧の電気信号が
発生する。

この電気信号はリード線１０を経て電子回路に導がれる
。

第２図は電子回路のブロック回路図である。

図において、電子発振回路などからなる音源回路２０に
おいて発生した音源信号は、開閉回路２１，音色回路２
２で処理されて所定の吹奏楽器の楽音信号となる。

さらにこの楽音信号は音量調整回路２３において感圧素
子９からの電気信号によって音量制御された後、演奏音
となってスピーカ２４から発音される。

したがって、マウスピース４からの吐息で送風量に応じ
て楽音信号を音量制御するため、通常の吹奏楽器と同じ
感覚で演奏することができる。

また、構造が簡単であるため、取扱い易く、かつ調整個
所も少ないので調整作業が容易になる。

送風量に対するベローズ５の膨張程度などは検圧ばね８
を操作して簡単に調整できる。

また楽音信号の音量は電気信号によって音量調整回路２
３を制御することにより調整できる。

さらに、べロ・−ズ５と検圧ばね８の摺動接触部分は、
摩擦係数の小さいばね受板７を用いているため機械的損
失が少なく、送風と電気信号の応答性が極めてよくなり
常に正確な演奏音が得られる。

以上の実施例では、吐息して使用するため風路の送風口
にマウスピースをはめ込んだが、オルガンなどのように
機械的に送風する場合は送風管を連結するためのジョイ
ントをはめ込むようにすればよい。

また、感圧素子は圧電素子などのように応力によって発
電するもののほが、ストレインゲージのように応力によ
って抵抗値が変化するようなものも使用できる。

また感圧素子の検圧ばねに対する取付けも接着のばか検
圧げねに感圧素子の一部又は全部を埋込んでもよい。

この場合、例えば第３図のように検圧ばね１２をＡＢＳ
樹脂等のプラスチックで戊形して、その中に感圧素子１
３を一体にモールド形戒すれば感圧素子を傷つけること
もなく、感圧素子を検圧ばねに接着する作業も不要とな
る。

また、検圧ばね自体を圧力素子等の感圧素子で形或して
もよい。

さらに、電気信号によって楽音信号を音量制御するほか
、音色制御、音高制御なども行なうことができ、シンセ
サイザー、電子オルガンなどのエフエクタとしても使用
することができる。

このようにこの考案に係る楽音制御装置によると、構造
が簡単であるため調整が容易で操作性がよく、かつコス
トも低減でき、しかも安定で正確な演奏が可能となるな
ど数多くの優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る楽音制御装置の一実施例の断面
図、第２図は電子回路のブロック回路図、第３図は検圧
ばねの他の実施例の断面図である。 １・・・・・・空気流制御本体、２・・・・・・風路、
３・・・・・・排気孔、４・・・・・・マウスピース、
５・・・・・・ベローズ、６・・・・・・パッキング、
７・・・・・・ばね受板、８，１２・・・・・・検圧ば
ね、８ａ・・・・・・押圧部、９，１３・・・・・・感
圧素子。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 風路に連通してこの風路内の空気流の圧力に応じて体積
   が変化するベローズを設け、このベローズの体積変化に
   応じて変位するばね部材を前記ベローズに係合させ、こ
   のばね部材に設けた感圧素子の出力で楽音信号を制御す
   るようにした楽音制御装置。