JPH043318B2

JPH043318B2 -

Info

Publication number: JPH043318B2
Application number: JP57098229A
Authority: JP
Priority date: 1982-06-08
Filing date: 1982-06-08
Publication date: 1992-01-22
Also published as: JPS58215396A

Description

【発明の詳細な説明】本発明は印画紙上に解像度の高い鮮明な画像を
形成するための感熱記録用シート材料に関する。

従来、ビデオカメラで撮影した画像あるいはテ
レビジヨン、VTR、ビデオデイスク、コンピユ
ーターの静止画像等を印画紙上に直接フルカラー
で再現するシステムが開発されている。該システ
ムで使用する発色材料は加熱により気化する色素
を紙等のシート材料に塗布したものであるが、該
システムの目的には従来公知の織布用の熱転写捺
染紙では不適当であり、印画紙上に微細な発色む
ら（このような発色むらは従来の大柄な熱転写捺
染では問題にならなかつた）が生じ、人物や風景
の如き精密な画像の再現は困難であり、得られる
画像は従来の銀塩方式写真には品質的に及ばない
もであつた。本発明者は以前に、このような欠点
を解決する方法として、気化性色素を塗布したシ
ート材料をカレンダーロールで圧熱処理する方法
を提案し、問題点の大部分を解決したが、この方
法では圧熱処理時に気化性色素の一部が揮散する
という別の問題が生じた。

本発明者は、このような問題を解決すべく鋭意
研究の結果、気化性色素塗布シートの塗布面にア
ルミニウムシート等の耐熱性シート状基材を重ね
合せて加熱処理することにより、気化性色素が殆
んど揮散せず、気化性色素と結合剤とを基材中に
均一に分布させ、且つシート表面の凹凸を無くす
ることができ、その結果従来技術の欠点が十分に
解決されることを知見して本発明を完成した。

本発明の感熱記録用シート材料の製造方法は、
耐熱性シート状基材に、加熱気化性色素、結合剤
および溶剤からなる被覆組成物を塗布、乾燥し、
ついで得られた被覆シート材料の被覆面に、少な
くとも一方の面が平滑な気体不透過性シート材料
を、その平滑面と被覆シート材料の被覆面とが対
面するように重ね合わせて加熱処理することから
なる。

本発明において、基材として使用する耐熱性シ
ート状材料の代表的なものは紙であるが、加熱処
理の温度に耐えるものであれば、合成樹脂フイル
ムや、フイルムと紙の積層材など、他の材料も使
用できる。紙の場合、厚さが約20〜60μであり、
かつ坪量が約15〜30ｇ／m²のものが好ましい。こ
のように比較的緻密で薄いシート材料を使用する
ことにより、微細なサーマルヘツドで加熱したと
きに十分な熱伝導性を示し、良好な感熱記録が可
能となる。紙以外の材料を使用した場合も、これ
と同様である。

本発明で使用する気化性色素を含有する被覆組
成物は、気化性色素、結合剤、溶剤およびその他
の任意成分からなる液状組成物であつて、任意の
被覆方法により上記の基材表面に塗布される。該
組成物に使用する気化性色素とは比較的分子量の
小さい（例えば約200〜400程度）有機色素であ
り、従来公知の気化性染料あるいは分散性染料中
に多く包含されている。本発明で使用する気化性
色素とは、約100〜200℃の温度で固体または液体
から気化し、ポリエステル、ポリプロピレン、ア
セテート等の疎水性樹脂材料に染着するものであ
り、構造的にはアゾ系、アントラキノン系、スチ
リル系、キノフタロン系、ニトロジフエニルアミ
ン系等の色素が主たるものである。

本発明の被覆組成物において使用する結合剤と
しては、従来のオフセツトインキ、グラビアイン
キ、あるいは塗料に使用されている天然または合
成の結合剤樹脂のいずれもが使用できるが、本発
明における転写用シートの加熱処理時に結合剤同
志、あるいは架橋剤の作用により三次元網状化
し、本発明の転写用シートの使用時のサーマルヘ
ツドの加熱により溶融粘着しない結合剤層を形成
する結合剤を使用するのが好ましい。このような
架橋性樹脂自体および架橋剤等は公知のものがい
ずれも使用できる。

本発明で使用する被覆組成物は、上記の色素、
結合剤および溶剤からなり、溶剤としては水のほ
か、アルコール系、芳香族系、脂肪族系、ナフテ
ン系、イソパラフイン系、エステル系、ケトン系
等各種の溶剤が単独または混合物として使用され
る。

本発明で使用する被覆組成物の必須成分は上述
のとおりであるが、その他必要に応じて従来公知
の各種添加剤が使用できる。

このような被覆組成物は上記の成分を配合して
通常の分散処理を行つて製造されるが、その各成
分の使用割合は、被覆組成物中、色素が約１〜20
重量％、結合剤が約２〜40重量％、溶剤が約40〜
97重量％となる割合が好ましい。

上記の被覆組成物の前記基材への塗布は、ブレ
ードコーター、エアナイフコーター、ロールコー
ター、カーテンコーター、バーコーター、グラビ
アコーター、フレキソコーター、スプレーコータ
ー、シルクスクリーン、ロータリースクリーン等
いずれの方法でもよく、好ましい塗布量は約0.1
〜２ｇ／m²（但し、色素量として）であり、必要
に応じて乾燥して色素被覆シート材料が得られ
る。このようにして得られたシート材料は、織布
の熱転写捺染用等、他の目的には十分なものであ
るが、写真調の精密画像の形成には前述の通り不
十分である。すなわち、顕微鏡的には被覆面に微
細な凹凸が存在し、色素の存在が粒子状で不均一
であり、且つ大部分の色素が基材表面上に存在
し、基材中に均一に含浸されていない。

本発明においては、上記の如き転写用シート材
料を加熱処理し、表面の凹凸や色素の不均一性を
改良するものであるが、単なる加熱のみでは気化
性色素が雰囲気中に揮散し、周囲を汚染したり、
色素濃度の減少が生じるので、該シート材料の被
覆面あるいは両面にアルミニウム箔、アルミニウ
ムシートあるいはアルミニウム蒸着フイルム等を
重ね合せ、約100〜200℃で加熱処理して色素の揮
散を防止する。このような加熱処理はいかなる加
熱手段でもよいが、定置式平圧プレス機、回転式
平圧プレス機、カレンダーロール機等の如く、同
時に加圧処理が可能な加熱装置を使用し、加熱と
同時に加圧処理するのが好ましい。加圧する場合
の圧力は、使用する転写シートの厚みが若干低下
する程度の圧力、例えば20〜200Kg／cm²の圧力が
好ましい。最も好ましい態様は、色素が気化する
温度、例えば約150〜250℃の加熱温度を有するカ
レンダーロールにて連続的に加圧加熱する方法で
ある。加熱処理アルミニウム箔等の耐熱性の気体
不透過性シート状料を剥離することにより本発明
の目的物が得られるが、この剥離を容易にするた
めに、アルミニウム箔等の表面に予め離型剤を塗
布しておくことが好ましい。

以上の如くして得られた本発明の記録用シート
材料は、その表面が非常に平滑であるとともに、
気化性色素を含有する結合剤が、加熱（および加
圧）処理によつて、基材が紙である場合はその組
織中に十分含浸され、且つ気化性色素の分布が全
体に均一化されている。従つて、別に用意した印
画紙に本発明の記録用シートを重ね合せ、サーマ
ルヘツドにより、原画を精確に再現することがで
きる。また、転写用シートに塗布した組成物の結
合剤として加熱架橋性結合材料を使用した場合
は、上記の加熱処理によつて、同時に結合剤層の
耐熱性が著しく向上するため、画像形成時に記録
紙が印画紙に融着することがなく非常に有利であ
る。

次に実施例をあげて本発明を具体的に説明す
る。なお文中「部」または「％」とあるのは重量
基準である。

実施例１カヤセツトレツドＢ（日本化薬）15部、セルロ
ーズアセテートプロピオネート15部、沈降性硫酸
バリウム５部、トルエン40部およびイソプロパノ
ール25部をボールミルで分散処理して気化性色素
組成物を得た。該組成物を適当量の溶剤（トルエ
ン・イソプロピルアルコール１対１の混合物）で
稀釈し、グラビア印刷機により、坪量20ｇ／m²、
厚さ約35μの薄葉紙に、10ｇ／m²の割合で塗布し
乾燥後、２枚の厚さ20μのアルミニウム箔の間に
はさみ、200℃に加熱したカレンダーロール機で
約5m／minの速度で加圧加熱処理し、アルミニ
ウム箔を剥離して本発明の感熱記録用シート材料
を得た。

実施例２ PTB−67（青色系色素、三菱化成）10部、ポリ
ビニルアルコール８部、メチロールメラミン１
部、シリカ１部、硝酸アンモニウム0.1部および
水80部を配合し、アトライターで分散処理し、気
化性色素組成物を得た。該組成物をロールコータ
ーにより、坪量30ｇ／m²、厚さ約40μ耐水性薄葉
紙に約15ｇ／m²の割合で塗布して乾燥し、以下実
施例１と同様にして本発明の感熱記録用シート材
料を得た。

実施例３カヤセツトエローAG（日本化薬）５部、カル
ボキシメチルセルローズ３部、ポリビニルアルコ
ール４部、消泡剤0.1部および水88部を配合し、
これをボールミルで分散処理し、更にメチロール
メラミン１部および塩化アンモニウム0.2部を添
加して気化性色素組成物を得た。該組成物を用
い、以下実施例１と同様にして本発明の感熱記録
用シート材料を得た。

実施例４カヤセツトブルー906（日本化薬）10部、エポキ
シ樹脂20部、トルエン30部、ジアセトンアルコー
ル38部、シリカ２部、メチロールメラミン５部お
よびジエチレントリアミン２部を使用し、他は実
施例１と同様にして本発明の感熱記録用シート材
料を得た。

比較例１〜４実施例１〜４においてアルミニウム箔を使用し
なかつたことを除いて、他は実施例１〜４と同様
にして比較用の感熱記録用シート材料1′〜4′を得
た。

使用例コート紙の片面に10ｇ／m²のポリエステル樹脂
を塗布した印画紙に、前記実施例１〜４および比
較例１〜４で得られた感熱記録用シート材料を重
ね、350℃に加熱したサーマルヘツドを１Kg／m²
の圧力で10ミリ秒押圧して色素の転移発色濃度を
調べたところ、下記第１表の通りであつた。

第１表感熱記録用シート材料発色濃度実施例１１２１３１４１比較例１ 0.7 ２ 0.7 ３ 0.8 ４ 0.8 発色濃度は実施例のものを１とし、比較例のも
のを肉眼で比較判定した。

Claims

【特許請求の範囲】１耐熱性シート状基材に、加熱気化性色素、結
合剤および溶剤からなる被覆組成物を塗布、乾燥
し、ついで得られた被覆シート材料の被覆面に、
少なくとも一方の面が平滑な気体不透過性シート
材料を、その平滑面と被覆シート材料の被覆面と
が対面するように重ね合わせて加熱処理すること
からなる感熱記録用シート材料の製造方法。２加熱を加圧下に行なう特許請求の範囲第１項
に記載の製造方法。３結合剤が加熱架橋性樹脂材料である特許請求
の範囲第１項に記載の製造方法。