JPH0433058Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、フアンデーシヨン、アイシヤドー、
頬紅等の微粉末状の化粧品の試供用容器に関す
る。

［従来の技術］ 従来、前記の試供用容器としては、第４図に示
すように、合成樹脂製の容体２１及び蓋体２３
と、アルミ製の内容器２２とからなるものが知ら
れている。この試供用容器に化粧品を収納するに
は、まず内容器２２に微粉末状の化粧品１２を打
型して飛散しないように定着させ、次に内容器２
２を容体２１に嵌合する。

［考案が解決しようとする課題］ しかし、この試供用容器は、内容器２２に打型
するのに手間がかかり生産性が悪い。また、打型
のためにアルミの内容器が必要であるのでコスト
が高い。無料で試供する化粧品サンプルの容器は
本来簡便に提供する必要があるが、上記の従来品
はこの目的にかなつていない。

上記の点に鑑み、この考案は、打型を要さずに
化粧品の飛散をほぼ完全に防止し得る微粉末状化
粧品の試供用容器を提供することを目的とする。

［課題を解決するための手段］ この考案の微粉末状化粧品の試供用容器は、底
部５とその上に立設した周壁４とからなり内部に
化粧品１２を収納した容体１と、前記容体１の上
に被嵌される蓋体２とからなり、前記容体１の周
壁４の上端１１と前記蓋体２の下面との間に、前
記容体周壁４の外周より径大な適宜の厚みを有す
る弾性体３を介在させ、前記蓋体２の被嵌時に前
記弾性体３の上面が蓋２の下面に接触すると共に
前記弾性体３の下面が前記容体周壁４の上端１１
と化粧品１２の上面とに弾力的に押圧されるよう
になし、前記容体１は内部を透視できるようにし
たことを特徴とする。

［作用］ 容体１に微粉末状の化粧品を入れ蓋体２を被嵌
すれば、弾性体３が周壁４の上端１１と化粧品１
２の上面とを弾力的に押圧して容体１の化粧品収
納部を閉塞する。

その際、弾性体３が容体周壁４の外周より径大
であるため、弾性体３に容体周壁４の上端がくい
こむ。すなわち、弾性体３はその厚みによる緩衝
作用によつて、容体周壁４の頂部から外周上端に
連なる領域に若干くいこむ形で圧接されるので
（第２図参照）、この弾性体３による密封効果はき
わめて顕著である。これにより、化粧品の飛散を
ほぼ完全に防止できる。

また、容体を上側にして展示すれば内部の化粧
品を外から目視できる。

［実施例］ 第１図と第２図において、１は化粧品を収納す
る容体、２はこれに被嵌する蓋体であり、いずれ
も合成樹脂、金属等よりなる。

容体１は円形の底部５とこれに立設された周壁
４とからなり、内部が化粧品収納部を構成してい
る。底部５は周壁４より外側に張出してフランジ
６を形成する。このフランジ６の周縁には蓋体２
と係合する段部７が設けられている。

蓋体２は、円形の頂板８とのこの頂板８の周縁
に垂設された周壁９とからなる。この周壁９の下
端には容体の段部７に係合する段部１０が設けら
れている。

３は適宜の厚みを有する弾性体であり、この実
施例においてはスポンジであつて、蓋体２の内部
に配されている。このスポンジ３は前記容体１の
周壁４の上端を弾性的に押圧する。

スポンジ３は蓋体２の周壁９の内径と同径にし
て前記容体周壁４の外周より径大の円盤状であ
る。スポンジ３の厚さは、蓋体２を容体１に嵌合
したときに容体１の周壁の頂部１１と蓋体の頂板
８の下面との間の間隔より大きい。

化粧品の収納に際しては、容体１に所定量の化
粧品１２を入れた後、容体１の周壁の頂部１１に
スポンジ３を載せ、その上から蓋体２を被せてフ
ランジ６の上に嵌合する。このとき、スポンジ３
の周縁部が容体の周壁４の外方へはみ出した状態
で、スポンジ３の上面が蓋体２の下面に接触する
と共にスポンジ３の下面を容体１の周壁頂部１１
と化粧品１２の上面とを弾力的に押圧するため
（化粧品１２を多目に入れることにより化粧品１
２自体も前記スポンジ３により弾力的に押圧され
る。）、容体１の化粧品収納部は閉塞され、化粧品
１２が漏出することがない。

その際、スポンジ３が容体周壁４の外周より径
大であるため、スポンジ３の周縁に容体周壁４の
上端がくいこむ。すなわち、スポンジ３の厚みに
よる弾性によつて、容体周壁４の頂部から外周上
端に連なる領域にスポンジ３が若干くいこむ形で
圧接されるので、スポンジ３による密封効果はき
わめて顕著である。特に、スポンジ３が容体周壁
頂部１１と化粧品１２の双方にぴつたりと接触し
ているので、スポンジ３と化粧品１２の間に空間
が生じず、貯蔵、搬送時における化粧品の飛散を
完全に防止できる。

１３は容体１の底部５の上面に設けられた輪状
のリブである。このリブ１３により、化粧品１２
は容体１に対しいつそう確実に定着する。このリ
ブは放射状その他の形状でもよく、多数の小さな
凹凸であつてもよい。

この実施例では、スポンジ３は蓋体２の周壁９
の内径と同径であるが、容体１の周壁４の外周よ
り若干大きなものであれば蓋体２の周壁９内周よ
り小さくてもよい。

また、この実施例のように蓋体２とスポンジ３
とを別体とせずに、予め蓋体２内にスポンジ３を
接着等により固着してもよい。

この実施例の容体１と蓋体２は若干の弾性を有
するため、蓋体２を容体１の側へ押圧するだけで
蓋体２は容易に容体１に嵌合する。しかし、この
嵌合状態をより確実にするために、図示は省略す
るが、螺合手段、係合手段等を設けてもよい。

容体１、スポンジ３、蓋体２は円形に代え、多
角形その他任意の形状であつてもよい。

また、容体１は透明であり、容体１を上側にし
て展示することにより内部の化粧品１２の色を外
部から目視できる。特に、この考案では蓋体側に
スポンジ３が配されており、蓋体を透明にしても
内部を透視できないので、上記のようにすること
により、試供用容器としての長所を倍加できる。

さらに、第３図に示すように、蓋体２と容体１
とを一連に成形し、中央のヒンジを介して両者を
矢線の方向に折重ねて蓋体２を容体１に被せても
よい。

［考案の効果］ 蓋体を容体に嵌合すれば、弾性体が容体の周壁
頂部と化粧品の上面とを弾力的に押圧して容体の
化粧品収納部を閉塞するため、打型しなくても運
搬途上に化粧品が飛散して漏出することを完全に
防止できる。

その際、弾性体が容体周壁の外周より径大であ
るため、弾性体に容体周壁の上端がくいこみ、容
体周壁の頂部から外周上端に連なる領域に弾性体
が圧接されるので、弾性体の密封効果はきわめて
顕著である。

さらに、容体を内部を透視できるように構成し
たので、容体を上側にして化粧品の種類や色を外
部から目視できる。

また、このようにして打型を必要としないの
で、アルミ容器と打型装置は不要となり、打型す
る手間も省ける。従つて、生産性の向上、コスト
の低下を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案の一実施例を示す一部欠切
分解斜視図、第２図は、その縦断面図、第３図
は、他の実施例を示す分解斜視図、第４図は、従
来例を示す一部欠切分解斜視図である。 符号の説明、１……容体、２……蓋体、３……
弾性体、４……容体の周壁、５……底部、１１…
…周壁の上端、１２……化粧品。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 底部５とその上に立設した周壁４とからなり内
   部に化粧品１２を収納した容体１と、前記容体１
   の上に被嵌される蓋体２とからなり、前記容体１
   の周壁４の上端１１と前記蓋体２の下面との間
   に、前記容体周壁４の外周より径大な適宜の厚み
   を有する弾性体３を介在させ、前記蓋体２の被嵌
   時に前記弾性体３の上面が蓋２の下面に接触する
   と共に前記弾性体３の下面が前記容体周壁４の上
   端１１と化粧品１２の上面とに弾力的に押圧され
   るようになし、前記容体１は内部を透視できるよ
   うにしたことを特徴とする微分末状化粧品の試供
   用容器。