JPH04329003A

JPH04329003A - 車両用のガラスアンテナ

Info

Publication number: JPH04329003A
Application number: JP9895691A
Authority: JP
Inventors: Yoji Nagayama; 長山洋治; Kazuya Nishikawa; 西川一也
Original assignee: Central Glass Co Ltd
Current assignee: Central Glass Co Ltd
Priority date: 1991-04-30
Filing date: 1991-04-30
Publication date: 1992-11-17
Anticipated expiration: 2011-09-25
Also published as: JP2538136B2

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は自動車等車両の後部窓ガ
ラスに設けたガラスアンテナに関し、特にＴＶ放送波と
ＦＭラジオ放送波を受信するに好適なガラスアンテナに
関する。

【０００２】

【従来の技術とその問題点】近年、ＡＭ、ＦＭなどのラ
ジオ放送波以外にもＴＶ放送波を受信するための車両用
ガラスアンテナが要望されるようになり、前部窓ガラス
に垂直アンテナを設けるもの（特開昭６１−２０３７０
２　号）、後部窓ガラスの防曇用加熱線条上部余白部に
ＦＭラジオ放送波、ＴＶ放送波を受信するアンテナを設
けるもの（特開昭６１−１２１６０３　号）など種々の
提案がされているが、後部窓ガラスは複数の加熱線条が
面積の大部分を占めるためアンテナの占有面積が小さく
なり、単独のアンテナでは勿論、複数のアンテナを設け
てダイバーシティ受信を行っても、必ずしも十分な受信
利得を得ることができなかった。

【０００３】本発明はこのような点に鑑みてなされたも
のであり、加熱線条が占める領域を利用することにより
、アンテナ占有面積の小さな後部窓ガラスにおいて、Ｆ
Ｍラジオ放送波からＴＶ放送波ＵＨＦ帯までの非常に広
範囲の周波数帯域において受信利得を向上せしめた車両
用ガラスアンテナを提供することを目的とする。

【０００４】

【問題点を解決するための手段】本発明は、車両用後部
窓ガラスの防曇用加熱線条の上部余白部に、水平線条と
垂直線条から構成される第１のアンテナを配設した車両
用のガラスアンテナにおいて、２本の垂直線条の上端部
を水平線条で接続した第２のアンテナを左右に各１個、
前記第１のアンテナおよび防曇用加熱線条とは絶縁して
配設するとともに、該第２のアンテナの水平線条あるい
は垂直線条が、第１のアンテナの水平線条あるいは垂直
線条と平行になる部分は１０ｍｍ以上離すように配設し
たことを特徴とする。

【０００５】

【作用】本発明者らは、本来、垂直アンテナが良好なア
ンテナであることに着目し、自動車用後部窓ガラスの加
熱線条、および従来から実用化されている加熱線条上部
余白部に設けた第１のアンテナと電気的に絶縁して２本
の垂直線条の上端部を水平線条で接続した第２のアンテ
ナを左右に各１個、配設すれば、加熱線条の外側に設け
るものは勿論、内側に設けても、ＦＭラジオ放送波から
ＴＶ放送波までの電波、特に垂直偏波を受信するに好適
なアンテナであることを見いだし本発明をなしたもので
あり、電気的に絶縁することにより従来使用不可能であ
った領域を広く使用することができ、アンテナ専有面積
を大きく取れ、受信利得を向上させることができる。

【０００６】さらに、第２のアンテナの水平線条あるい
は垂直線条が、第１のアンテナの水平線条あるいは垂直
線条と平行になる部分を１０ｍｍ以上離すように配設す
ることにより、第１のアンテナと第２のアンテナの相互
干渉を低減させ、受信利得の低下を防ぐとともに、アン
テナ各部の長さ、間隔等を調整する作業（以下、チュー
ニングという）を容易に行うことができる。なお、第１
のアンテナと第２のアンテナの平行部分の間隔は厳密に
は、段差（実施例の場合にはガラスの厚み）を考慮して
立体的に測定すべきであるが、この段差は２ｍｍ程度で
あるから、後述するように、近似的には平面的に測定し
たものでも構わない。

【０００７】

【実施例】以下、図面を参照しながら本発明を詳細に説
明する。図１〜図４は、それぞれ本発明のガラスアンテ
ナを自動車用後部窓ガラスに設けた実施例１〜実施例４
を示す正面図であり、実線は車内用板ガラスに、破線は
中間膜にそれぞれ装着したものを示す。

【０００８】実施例１厚さ２ｍｍの２枚の板ガラスをポ
リビニ―ルブチラ―ルなどの中間膜で接着した合わせガ
ラスを自動車の後部窓として装着した例により説明する
。

【０００９】車内側板ガラス１の車内面側には、防曇用
加熱線条２、２・・・２、ブスバー３、３とともに、水
平線条と垂直線条から構成される第１のアンテナ４およ
び第１の給電点５を、第２のアンテナの給電点である第
２の給電点６、６’　とともに、導電ペーストによりス
クリーン印刷、焼成して形成する。

【００１０】中間膜には、２本の垂直線条の上端部を水
平線条で接続した第２のアンテナを左右に各１個、７、
７’　として、銅などの金属細線により先端部を突出さ
せた状態で、熱融着して形成する。なお、８、８’は第
２のアンテナの一部としてもよいが、給電点に接続する
ための線条であるので、引き出し線である。

【００１１】この板ガラス１と車外側板ガラスを中間膜
をを介して積層し、オートクレーブ処理して合わせガラ
スとし、第１のアンテナの引き出し線８、８’の先端突
出部を車内側板ガラス１に折り返し、第２の給電点６、
６’に半田付けしたものを自動車の後部窓として装着す
る。

【００１２】このようにして得られた車両用ガラスアン
テナの各部の寸法をＡ１　＝１，１００　ｍｍ、Ａ２　
＝１，３７０　ｍｍ、Ｂ＝７２０　ｍｍ、Ｃ１　＝Ｃ２
　＝４００　ｍｍ、Ｄ＝８０ｍｍ、Ｅ＝２０ｍｍ、Ｆ＝
５０ｍｍ、Ｇ１　＝Ｇ２　＝２００　ｍｍ、Ｈ＝４５０
　ｍｍ、Ｉ＝６００　ｍｍ、Ｊ＝３５０　ｍｍ、Ｋ＝３
５０ｍｍ、Ｌ＝１００ｍｍ　とするとともに、第１のア
ンテナ４の最上部水平線条と第２のアンテナ７、７’の
水平線条との間隔を２０ｍｍとしたものによって７６Ｍ
Ｈｚ　〜１０８ＭＨｚのＦＭラジオ放送波１〜１２チャ
ンネルにおけるＴＶ放送波ＶＨＦ帯、４７０ＭＨｚ〜７
７０ＭＨｚのＴＶ放送波ＵＨＦ帯の受信利得を測定した
ところ表１に示す結果が得られた。

【００１３】なお、受信利得は標準のダイポールアンテ
ナの受信利得を０ｄＢとしたときの利得差（以下、ダイ
ポール比と略称する）であり、各バンドの平均値を表わ
す。

【００１４】

【表１】

【００１５】この結果から明らかなように、従来の実用
に供されている良好な車両用ガラスアンテナの受信利得
がＦＭラジオ放送波、ＴＶ放送波ＶＨＦ帯、ＴＶ放送波
ＵＨＦ帯に対してそれぞれ平均値で約−２０ｄＢ、　　
約−２０ｄＢ、　　約−１８ｄＢであるので、第１のア
ンテナ、第２のアンテナ単独でも、全ての帯域で同等か
、上回っており良好なアンテナであり、単独でも受信可
能であるが、ＦＭラジオ放送波、ＴＶ放送波ＶＨＦ帯受
信時には第１のアンテナと第２のアンテナに好ましくは
ポールアンテナを加えてダイバーシティ受信を、ＴＶ放
送波ＵＨＦ帯受信時には、第１のアンテナと第２のアン
テナによりダイバーシティ受信を行った方がよい。

【００１６】比較例実施例１において、第１のアンテナ４の最上部水平線条
と第２のアンテナ７、７’水平線条の水平面の間隔は２
０ｍｍ、板ガラスの厚みが２ｍｍであるので、立体的な
間隔は（２０２＋４２）１／２　、すなわち２０．１ｍ
ｍであり、水平面の間隔と近似しているが、このような
アンテナにおいて、第１のアンテナはそのままの位置に
配置して第２のアンテナのみを全体、１２ｍｍ程下方に
平行移動させて第１のアンテナ４の最上部水平線条と第
２のアンテナ７、７’の水平線条との水平面の間隔を８
ｍｍとするような位置（立体的な間隔は８．２ｍｍ）に
配設したときの第１のアンテナ、第２のアンテナ、それ
ぞれによって７６ＭＨｚ　〜１０８ＭＨｚのＦＭラジオ
放送波、１〜１２チャンネルにおけるＴＶ放送波ＶＨＦ
帯、４７０ＭＨｚ〜７７０ＭＨｚのＴＶ放送波ＵＨＦ帯
の受信利得（ダイポール比）を表２の複合として、この
ような位置に、第１のアンテナのみ配設した場合（第２
のアンテナは配設せず）、第１のアンテナのみ配設した
場合（第１のアンテナは配設せず）の受信利得（表２に
おいて単体）と比較して測定したところ表２に示す結果
が得られた。

【００１７】

【表２】

【００１８】この結果から明らかなように、単体アンテ
ナでは、第１のアンテナ、第２のアンテナ共実施例１と
はほぼ、同じ受信利得を示すが、第１と第２のアンテナ
を共に配設したときのそれぞれの受信利得は実施例１に
比較してすべての帯域で低下しており、相互干渉が起き
ていることがわかる。

【００１９】また、このような場合のチューニングは第
２のアンテナを先に行うが、最適と思われるパターンの
第１のアンテナを設けた状態で第２のアンテナをチュー
ニングしても、第１のアンテナのチューニングを行うと
、第２のアンテナの干渉を受けるので、第１のアンテナ
のチューニングを行う必要があり、このチューニングに
よって第１のアンテナパターンが微妙に変わると、今度
は第１のアンテナの第２のアンテナに与える干渉が微妙
に変わるので、再度第２のアンテナのチューニングを行
う必要があり、場合によっては何度もこのチューニング
を繰り返す必要が生ずる。

【００２０】実施例２〜実施例４図２に示す実施例２は、第１のアンテナテナ４のパター
ンを変え、第２のアンテナ７、７’　の寸法と給電点位
置を変え、７’　は２本の垂直線条の上端部を折り返し
部７’ａ　を介して水平線条で接続たものであり、Ｃ１
　＝Ｃ２　＝５００　ｍｍ　　、Ｄ＝１００ｍｍ　、Ｅ
＝５０ｍｍ、Ｆ＝４０ｍｍ、Ｈ１　＝Ｈ２　＝５１０　
ｍｍ、Ｉ＝１５０　ｍｍ、Ｊ＝１００　ｍｍ、Ｋ＝４０
０　ｍｍ、Ｊ’＝２００ｍｍ　、Ｋ’＝４５０ｍｍ　と
するとともに、第１のアンテナの最上部水平線条と第２
のアンテナ７の水平線条との平行線の間隔を２０ｍｍ、
第１のアンテナの最上部水平線条と第２のアンテナ７’
の折り返し部における下部水平線条との平行線の間隔を
１５ｍｍとしたもの、図３に示す実施例３は、第１のア
ンテナテナ４のパターンを変え、第２のアンテナ７、７
’　の寸法を変え、それぞれ、補助アンテナ９、１０を
付加したものであり、Ｊ＝１５０　ｍｍ、Ｋ＝５００　
ｍｍ、Ｊ’＝２５０ｍｍ　、Ｋ’＝３００ｍｍ　とする
とともに、第１のアンテナの最上部水平線条と第２のア
ンテナ７の最上部水平線条との平行線の間隔を２０ｍｍ
としたもの、図４に示す実施例４は、第１のアンテナ４
のパターンを変え、第２のアンテナ７、７’　の寸法変
え、７’は２本の垂直線条の上端部を折り返し部８’ｂ
　を介して水平線条で接続たものであり、Ｊ＝１３０　
ｍｍ、Ｋ＝３８０　ｍｍ、Ｊ’１　＝１４０ｍｍ　、Ｊ
’２　＝１０ｍｍ、Ｋ’＝４２０ｍｍ　とするとともに
、第１のアンテナの最下部水平線条と第２のアンテナ７
、７’の最上部水平線条との平行線の間隔を２０ｍｍと
したものであり、いずれの実施例も合わせガラス、加熱
線条の構成、寸法は実施例１と同じとしたものである。

【００２１】このような車両用ガラスアンテナによって
７６ＭＨｚ　〜１０８ＭＨｚのＦＭラジオ放送波、１〜
１２チャンネルにおけるＴＶ放送波ＶＨＦ帯、４７０Ｍ
Ｈｚ〜７７０ＭＨｚのＴＶ放送波ＵＨＦ帯の受信利得（
ダイポール比）を、測定したところ、それぞれ表３、表
４、表５に示す結果が得られた。

【００２２】

【表３】

【００２３】

【表４】

【００２４】

【表５】

【００２５】この結果から明らかなように、いずれの実
施例も、実施例１と同等の受信利得が得られ、実施例１
同様に、ＦＭラジオ放送波、ＴＶ放送波ＶＨＦ帯受信時
には第１のアンテナと第２のアンテナに好ましくはポー
ルアンテナを加えてダイバーシティ受信を、ＴＶ放送波
ＵＨＦ帯受信時には、第１のアンテナと第２のアンテナ
によりダイバーシティ受信を行うと好適である。

【００２６】以上、好適な実施例により説明したが、本
発明はこれらに限定されるものではなく、種々の応用が
可能である。第１のアンテナについて、各実施例のパタ
ーン以外にも、水平線条と垂直線から構成される各種の
公知パターンを採用することができる。

【００２７】第２のアンテナについて、中央側の垂直線
条が受信利得の向上に最も寄与するもので、その長さは
　３００〜６００ｍｍ　の範囲が好ましく、外側の垂直
線条は受信利得を広帯域にわたり向上させるもので１０
０ｍｍ以上の長さがあればその機能が果たせるので、給
電点の位置などにより適宜選択すればよい。また、水平
線条は２本の垂直線条上端部を接続する作用が主であり
、長さによる受信利得への影響は些少であるので、２本
の垂直線条を第１のアンテナの垂直線条との平行間隔を
１０ｍｍ以上になるように位置を決め、その上端部を接
続する長さに決定すればよい。この場合に水平線条はガ
ラスエッジから、１０ｍｍ以上離すとともに、第１のア
ンテナの水平線条と平行になる部分はその間隔が１０ｍ
ｍ以上になるように配設する必要がある。さらに、水平
線条に連なる折り返し部をインピーダンス調整用に適宜
設けてもよい。

【００２８】補助アンテナについては、必ずしもなくて
もよいが、実施例３における直線形状、コ字形状の補助
アンテナ以外にも、Ｌ字形状、Ｔ字形状などの各種の補
助アンテナをインピーダンス調整、指向特性改善などを
目的として付加あるいは挿入することができる。

【００２９】また、第２のアンテナは平面的には加熱線
条とクロスするように配設されるので、異なる面に設け
る必要があるので、加熱線条と第１のアンテナを同一面
に設けて、第２のアンテナは異なる面に設ける方がよく
、合わせガラスの場合に、第２のアンテナと加熱線条を
それぞれ面が異なるようにさえすれば、車内側板ガラス
の車内側、車外側、車外側板ガラスの車内側、中間膜面
の何処に設けてもよい。従って、車内側板ガラスの車外
側に加熱線条、第１のアンテナを、車外側板ガラスの車
内側に第１のアンテナを、それぞれ導電ペーストをスク
リーン印刷して形成したもの、あるいは逆の構成にした
もの、車内側板ガラスの車内側に加熱線条等を、車外側
板ガラスの車内側に第１のアンテナを、それぞれ導電ペ
ーストをスクリーン印刷して形成したもの、あるいは逆
の構成にしたもの、実施例と逆の構成にしたものなど各
種の構成を採用することができる。また、単板ガラスの
場合には車内側板ガラスの車内側に加熱線条、第１のア
ンテナを導電ペーストにより形成した後、セラミックペ
ーストなどにより形成した絶縁層を介して第２のアンテ
ナを導電ペーストにより形成すればよい。

【００３０】また、各実施例では、いずれも第１のアン
テナと第２のアンテナの水平線条が比較的近接して平行
に配設された場合について説明したが、それぞれの垂直
線条が近接する場合にその平行間隔を１０ｍｍ以上にす
ると同様の効果が得られるものである。

【００３１】

【発明の効果】本発明のガラスアンテナは、車両用後部
窓ガラスの防曇用加熱線条の上部余白部に配設される第
１のアンテナともに、これらの第１のアンテナと、加熱
線条とは絶縁して、特殊形状の第２のアンテナを、従来
、使用されていない領域に、第１のアンテナの水平ある
いは垂直線条との平行間隔を１０ｍｍ以上離して設ける
ことにより、ＦＭラジオ放送波からＴＶ放送波ＵＨＦ帯
までの７６ＭＨｚ　〜７７０ＭＨｚの非常に広範囲にわ
たる周波数帯域において受信利得を格段に向上させると
ともに、チューニングも容易に行うことができるもので
ある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のガラスアンテナを自動車用後部窓ガラ
スに設けた実施例１を示す正面図であり、実線は車内用
板ガラスに、破線は中間膜にそれぞれ装着したものを示
す。

【図２】本発明のガラスアンテナを自動車用後部窓ガラ
スに設けた実施例２を示す正面図であり、実線は車内用
板ガラスに、破線は中間膜にそれぞれ装着したものを示
す。

【図３】本発明のガラスアンテナを自動車用後部窓ガラ
スに設けた実施例３を示す正面図であり、実線は車内用
板ガラスに、破線は中間膜にそれぞれ装着したものを示
す。

【図４】本発明のガラスアンテナを自動車用後部窓ガラ
スに設けた実施例４を示す正面図であり、実線は車内用
板ガラスに、破線は中間膜にそれぞれ装着したものを示
す。

【符号の説明】

１　　　　　　　　車内側板ガラス２　　　　　　　　防曇用の加熱線条４　　　　　　　　第１のアンテナ７、７’　　第２のアンテナ９、１０　　　　補助アンテナ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】　　車両用後部窓ガラスの防曇用加熱線条
の上部余白部に、水平線条と垂直線条から構成される第
１のアンテナを配設した車両用のガラスアンテナにおい
て、２本の垂直線条の上端部を水平線条で直接あるいは
折り返し部を介して接続した第２のアンテナを左右に各
１個、前記第１のアンテナおよび防曇用加熱線条とは絶
縁して配設するとともに、該第２のアンテナの水平線条
あるいは垂直線条が、第１のアンテナの水平線条あるい
は垂直線条と平行になる部分は１０ｍｍ以上離すように
配設したことを特徴とする車両用のガラスアンテナ。