JPH0432897B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 「発明の目的」 （発明の技術分野） 本発明は局部洗浄装置を具備する便器を備え、
これらに対する給水操作を非接触式の感知部によ
つて行う便所装置に関するものである。

（従来の技術とその問題点） 従来、局部洗浄装置を備えた便器からなる便所
装置は、便器洗浄を開始する為の感知部と、局部
洗浄装置の作動を操作する操作部を備えている。

そして、使用時において感知部が使用者を感知
することに基づいて便器の洗浄が行われ、さら
に、操作部を使用者が操作することによつて局部
洗浄装置を作動させて使用している。

上記した感知部や操作部は例えば光電センサー
等の非接触式の感知手段を用いて構成することが
ある。ところが、この様な場合にあつては、感知
部と操作部における光電センサー相互の感知範囲
が接近することから、使用者が便器に着座してい
ない状態にて局部洗浄装置の光電センサーが使用
者の体の一部を感知して局部洗浄装置の洗浄水が
不用意に噴射されて室内や使用者の衣服等を濡ら
してしまう様な不具合があつた。

（発明が解決しようとする技術的課題） 本発明が解決しようとする技術的課題は、局部
洗浄装置を備えた便器からなる便所装置におい
て、上記局部洗浄装置の作動を非接触操作として
も、不用意に洗浄水が噴射されるのを防止するこ
とである。

「発明の構成」 （技術的課題を解決するための手段） 上記課題を解決すべく本発明が講じた技術的手
段は、局部洗浄装置を具備する便器と、この便器
及び局部洗浄装置に対して洗浄水の給水を各々行
う複数の駆動弁と、これら駆動弁の作動を制御す
る制御部と、便器を使用する使用者を感知し、そ
の間上記制御部に対して感知信号を出力する第１
感知部と、使用者の操作を感知し、その感知信号
を制御部に対して出力する第２感知部とを備え、
前記第１、第２両感知部を非接触式の感知手段に
より構成し、制御部は上記第１感知部を感知信号
に基づいて便器の駆動弁を作動させ、且又、第１
感知部の感知信号がある時のみ第２感知部からの
信号を許容して局部洗浄装置の駆動弁を作動させ
ることを特徴とするものである。

（作 用） 上記手段によれば、便器の使用状態にある使用
者の存在を感知する第１と使用者が行う操作を感
知する第２両感知部は、光電センサー等からなる
非接触式の感知手段からなり、用便時において使
用者が便器に着座すると第１感知部が使用者を感
知する。

一方、第１感知部からの感知信号を受れた制御
部は、その感知信号が送られている間に限り局部
洗浄装置の操作部となる第２感知部から出力され
る感知信号を許容して局部洗浄装置の駆動弁を作
動させ、それ以外の時に第２感知部から出力され
る作動信号を禁止する。

「発明の効果」 本発明は以上のように、第１感知部が人体を感
知している用便時以外の時には局部洗浄装置の操
作部となる第２感知部からの感知信号が禁止され
るものであるから、便器の洗浄を行う第１感知部
と局部洗浄装置の洗浄水噴射を行う第２感知部と
を光電センサー等の非接触手段でもつて構成して
も、第１感知部よりも先に第２感知部が人の接近
を感知して局部洗浄装置から不用意に洗浄水が噴
射して室内や使用者の洋服等を濡らしてしまう様
な不具合を解消することができる。

また、便器洗浄のための第１感知部を局部洗浄
装置の誤差動防止用として流用するため、構造も
簡単で、コストも安価にできる。

「実施例」 以下、本発明の一実施例をを図面により説明す
る。

本実施例の便所装置は第１図乃至第４図に示す
如くクリーンルームに設置したユニツトルームＡ
内に設置され、便器ａと、便器ａを洗浄する便器
洗浄装置と、便器ａ内の臭気を排出する排気装置
と、人体を感知する感知部３からの感知信号を受
けて前記便器洗浄装置及び排気装置の作動を制御
する制御部４とを備えている。

ユニツトルームＡはその床A₁内部から側壁A₂
内部及び天井A₃内部に連なるエア通路２５が形
成され、且つ床面全面に多数の通気孔の有したグ
レイチング２６が敷設される一方、天井壁全面に
エアフイルタ２７が設けられており、前記エア通
路２５の中途部に設けた循環送風機２８で内気が
強制循環されることにより、エアフイルタ２７を
通して常に清浄な空気が供給され雰囲気が清浄に
維持されるようになつている。

前記エアフイルタ２７は極く微粒子のチリやホ
コリを捕集できる高性能なものが使用され、その
捕集効率は99.97％以上である。便器洗浄装置は
単一の給水系を備え、この給水系によつて便器ａ
の予備洗浄と本洗浄とを行うようになつている。

前記給水系の構成は、便器ａ外周部に通水路１
ａを形成して該通水路１ａに給水管１ｂを接続
し、且つ同給水管１ｂに電磁弁１ｃを設けると共
に、前記電磁弁１ｃを制御部４に電気的に接続し
てなり、制御部４からの指令で電磁弁１ｃが所定
時間開いて給水管１ｂより通水路１ａに洗浄水が
供給され、且つ同通水路１ａの底壁に開口する多
数の流水孔１ｄより便器ａ内壁に沿つて洗浄水が
流れ、便器ａを予備洗浄及び洗浄するものであ
る。前記給水管１ｂ及び電磁弁１ｃはユニツトル
ームＡ内の清浄空気の流れを妨げないようにスニ
ツトルームＡ外へ導出され、給水源に接続されて
いる。

上記洗浄装置からの洗浄水と便器ａ内の汚物
は、排水トラツプ５ａとそれに接続する排出管５
ｂを介してユニツトルームＡ外へ排出されるよう
になつている。

排気装置は便座a₁の外周部に排気通路２ａを区
画形成し、該通路２ａをユニツトルームＡ外へ導
出する排気管２ｂを介して強制排気用フアン２ｃ
に連絡し、且つ同フアン２ｃを制御部４に電気的
に接続してなり、制御部４からの指令で強制排気
用フアン２ｃが駆動し、排気通路２ａの底壁に開
口する吸込口２ｄから便器ａ内の臭気を吸引して
ユニツトルームＡ外へ排出するものである。

感知部３は光電センサーからなり、ユニツトル
ームＡの後壁A₄において便器ａの後部上方位置
に取付けられ、制御部４と電気的に接続されてお
り、用便時において人体を感知しその感知信号を
制御部４へ送り、制御部４に用便の開始を認識さ
せるものである。

また、感知部３ば第５図に示す如く投光及び受
光素子３ａが前方へ向かつて下向きに傾斜して設
けられ、感知領域を便器ａの近傍に限定し、用便
時以外例えば単に人が便器ａの前を通り過ぎただ
けの場合など人体を感知しないようにして、誤動
作を防止してある。

尚、本実施例の便所装置には用便御においてホ
コリの発生を伴う紙を使用しなくても済むよう使
用者の局部を洗浄する局部洗浄装置と、同局部を
乾燥する局部乾燥装置と、これら両装置の作動を
切換操作するための操作部８とが設けられてい
る。

局部洗浄装置は便座a₁内に洗浄水噴射ノズル６
ａを設け、該ノズル６ａを温水である洗浄水の給
水源に給水管６ｂ及び電磁弁６ｃを介して接続
し、且つ前記電磁弁６ｃを制御部４に電気的に接
続してなり、制御部４からの指令で電磁弁６ｃが
開いて所定温度の洗浄水が給水管６ｂを介して洗
浄水噴射ノズル６ａへ供給され、該ノズル６ａが
使用者の局部へ向かつて洗浄水を噴射し、同局部
を洗浄するものである。

前記洗浄水噴射ノズル６ａは便座a₁の開口部９
に対して出没可能とされ、且つ同開口部９への突
出量が肛門洗浄時とビデ洗浄時とで夫々異なるよ
うに設定されている。また、給水管６ｂ及び電磁
弁６ｃは前記便器洗浄装置の場合と同様の理由で
ユニツトルームＡ外へ導出されている。

局部乾燥装置は便座a₁の内側に温風通路７ａを
区画形成し、該通路７ａをユニツトルームＡ外へ
導出する送風管７ｂを介して温風発生機７ｃに接
続し、且つ前記温風発生機７ｃを制御部４に電気
的に接続してなり、制御部４からの指令で温風発
生機７ｃが作動して温風を温風通路７ａに供給
し、同通路７ａの前端壁に開口する吹出し口７ｄ
より使用者の局部へ向かつて温風が吹出し、使用
者の局部を乾燥するものである。前記温風発生機
７ｃはユニツトルームＡ外にあつて、吸気管７１
ｃが接続するケース７２ｃ内にその上流側より順
次送風フアン７３と、エアフイルタ７４と、酸化
物の発生のないセラミツクヒータ７５とを配置し
てなり、熱ロスが少なくしかもユニツトルームＡ
内を汚さないよう清浄な温風を供給できるような
つている。

操作部８は第６図に示す如く操作パネル８ｂに
光電センサー８ａを組込んでなり、ユニツトルー
ムＡの側壁A₂において便器ａの側部上方位置に
設けられ、制御部４と電気的に接続されており、
光電センサー８ａが切換操作時における使用者の
手を感知し、その感知信号を制御部４へ送るよう
になつている。即ち、使用者が光電センサー８ａ
の前に手をかざす度に局部洗浄、ビデ洗浄、乾
燥、停止へと局部洗浄装置及び局部乾燥装置の作
動が切換わるものである。この操作部８の作動は
前記感知部３の作動時においてのみ許容され、感
知部３が人体を感知している用便時以外の時の作
動を禁止されており、用便時以外の時に局部洗浄
装置の洗浄噴射ノズル６ａから不用意に洗浄水が
噴射してユニツトルームＡ内を汚すことがないよ
うにしてある。

尚、上記した操作部８のスイツチは光電センサ
ー以外に超音波センサーであつてもよい。

また、操作部８から制御部４への信号の受付け
は、信号の出力時間が所定時間例えば0.5秒以内
の場合キヤンセルされ、且つ信号の出力間隔が所
定時間例えば１秒以内の場合も後行する信号がキ
ヤンセルされ、局部洗浄装置及び局部乾燥装置の
作動がむやみに切換わらないようになつている。

前記操作パネル８ｂは電源の入力の有無及び前
記洗浄から停止まの作動状態を示す表示と、その
表示の近傍に作動の実行を示す発光ダイオード８
ｃが設けられている。尚、操作パネル８ｂの近傍
位置には局部洗浄装置における洗浄水噴射ノズル
６ａからの水勢を調節するための水勢調節操作パ
レル１０が設けらている。

この操作パネル１０は第７図に示す如く水勢の
強弱調節用スイツチ１０ａ，１０ｂを備えてい
る。前記スイツチ１０ａ，１０ｂは手で触れて操
作する所謂タツチスイツチであるが、使用頻度が
比較的少なくしかも触れるのは指先だけであるか
ら、手垢等の付着は僅かであり問題はない。

以上の様な本実施例における便所装置の作動は
第８図乃至第１０図のタイムチヤート及びフロー
チヤートに示す通りである。

即ち、使用者が便座a₁に腰掛けることにより感
知部３が人体を感知してその感知信号を制御部４
へ送る。この感知信号は出力が所定時間例えば３
秒以内の場合キヤンセルされ、便器洗浄装置、局
部洗浄装置及び局部乾燥装置の無用な作動が防止
されている。

前記感知信号が３秒以上制御部４に入力する
と、同制御部４からの指令により便器洗浄装置の
電磁弁１ｃが開いて便器ａの予備洗浄が行われる
と共に、操作部８の電源が入る。また、感知部３
が人体を感知すると同時に排気装置の強制排気用
フアン２ｃが作動し、吸込口２ｄからの吸引操作
によつて臭気の排気が開始される。

前記予備洗浄が行われると、便器ａの内壁面に
水膜が形成され、その水膜によつて便器ａ内壁面
への汚物の付着が防止されるものである。

また、排気は臭気を残留させることなく排出で
きるように用便中は勿論、使用者が用便と局部の
洗浄及び乾燥が終了して便器ａから離れ感知部３
の感知信号の出力が停止しても、その信号の出力
停止後所定時間例えば15秒間続行されるようにな
つている。用便終了後は使用者が操作部８の光電
センサー８ａの前に手をかざして同センサー８ａ
に感知させることにより、この１回目の感知信号
の出力で局部洗浄装置が作動を開始し、洗浄水噴
射ノズル６ａから噴射する洗浄水で局部の洗浄が
行われる。

局部洗浄後は再び手で操作部８の光電センサー
８ａに２回目の感知信号を出力させることにより
ビデ洗浄が行われる。

ビデ洗浄後又はビデ洗浄が不用な場合は続いて
操作部８の光電センカー８ａに３回目の感知信号
を出力させることにより、局部乾燥装置が作動を
開始し、吹出し口７ｄから温風が吹出して局部が
乾燥されるものである。前記乾燥装置のセラミツ
クヒーター７５ｃは前記感知部３の感知信号出力
時に加熱を開始されており、乾燥開始時に送風フ
アン７３ｃにより即座に温風を送れるようになつ
ている。

乾燥終了後は乾燥部８の光電センサー８ａに４
回目の感知信号を出力させることにより、局部洗
浄装置の作動が停止し、且つ操作パネル８ｂにお
ける停止表示の発光ダイオード８ｃが約１秒点灯
する。

しかして、上記の様にして用便後の洗浄及び乾
燥が終了した後使用者が便器ａから離れると、感
知部３から制御部４への感知信号の入力が停止し
て操作部８の電源が切れると共に、前記信号の入
力停止後所定時間例えば２秒の間隔を置いて制御
部４からの指令により便器洗浄装置の電磁弁１ｃ
が再び所定時間開き、便器ａ内の本洗浄が行わ
れ、汚物が便器ａ外へ排出される。そして、この
本洗浄終了後所定時間例えば15秒間経過した後排
気装置の作動が停止し、全ての作動が停止するも
のである。

この様に全ての作動が停止した状態即ち用便時
以外の時には操作部８の電源が切れているので、
感知部３が感知信号を出力しない限り操作部８が
人体を感知して信号を出力することはなく、局部
洗浄装置及び局部乾燥装置の誤作動を防止できる
ものである。

尚、局部洗浄装置及び局部乾燥装置は作動中に
おいて操作部８が新たな感知信号を出力するまで
制御部４に設定された設定時間内作動を継続し、
その設定時間経過後自動的に作動を停止するよう
になつている。前記設定時間は局部洗浄及びビデ
洗浄の場合例えば５分に設定され、局部乾燥の場
合例えば10分に設定されている。

設定時間経過後においては局部洗浄装置及び局
部乾燥装置が停止した後警報装置が作動し、警報
が発するようになつている。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明便所装置の一実施例を示す断面
斜視図、第２図は同拡大斜視図、第３図は縦断側
面図、第４図は横断平面図、第５図は感知部を拡
大して示す一部切欠側面図、第６図は操作部の拡
大正面図、第７図は水勢調節パネルの拡大正面
図、第８図は便器洗浄のタイムチヤート、第９図
は局部洗浄及び乾燥のタイムチヤート、第１０図
は便器洗浄と局部洗浄及び乾燥のフローチヤー
ト、第１１図は従来例を示す縦断側面図、第１２
図は同一部切欠平面図、第１３図は一部切欠正面
図である。 尚図中、ａ……便器、３……感知部（第１感知
部）、４……制御部、８……操作部（第２感知
部）、１ｃ，６ｃ……電磁弁（駆動弁）。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 局部洗浄装置を具備する便器と、この便器及
   び局部洗浄装置に対して洗浄水の給水を各々行う
   複数の駆動弁と、これら駆動弁の作動を制御する
   制御部と、便器を使用する使用者を感知し、その
   間上記制御部に対して感知信号を出力する第１感
   知部と、使用者の操作を感知し、その感知信号を
   制御部に対して出力する第２感知部とを備え、前
   記第１、第２感知部を非接触式の感知手段により
   構成し、制御部は上記第１感知部の感知信号に基
   づいて便器の駆動弁を作動させ、且又、第１感知
   部の感知信号がある時のみ第２感知部からの信号
   を許容して局部洗浄装置の駆動弁を作動させるこ
   とを特徴とする便所装置。