JPH04325Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は事務所等における電話あるいはマイク
ロコンピユータ応用機器相互の接続などに使用さ
れるアンダーカーペツトケーブルに関するもので
ある。

近年、マイクロコンピユーターの高性能化、低
価格化にともない、事務所、研究所、工場等の業
務にマイクロコンピユータ応用機器が広く浸透す
る傾向にある。

従来、この種の応用機器は、それぞれ独立して
使用されることを前提として設計されているた
め、それぞれが保有するデーターの量によつてそ
の能力が制限されていたが、いわゆるローカルネ
ツトワークシステム、すなわち、共通のデーター
バンクと各機器とを互いに接続するようにしたシ
ステムにより、各機器が保有するデーターの有効
利用を図ろうとする傾向がある。

このような用途の接続に使用されるケーブルと
して、多数の被覆心線を外部シースで覆つてなる
丸形ケーブルが知られており、この丸形ケーブル
の敷設方法の一つとして、事務所等のカーペツト
の下に前記丸形ケーブルを敷設することが行なわ
れている。しかしながら、この種の丸形ケーブル
には、次のような問題がある。

（） 特に丸形ケーブルが大径の場合、ケーブ
ル敷設箇所でカーペツトが盛り上つて室内の美
観を損なう。

（） ケーブルがカーペツトの下で繰り返し踏
み付けられるため、心線が切断されるおそれが
ある。

また、ケーブルの心線として光フアイバーを使
用した場合には、光フアイバーの機械的な変形に
よる光学特性の変化、あるいはその破損を防止す
るため、光フアイバーに外力を与えないような配
慮が必要になる。

本考案は前記の事情を考慮して提案されたもの
で、カーペツトの下に敷設するに適した扁平な形
状を有するとともに、外力による心線の変形およ
び破損を防止し得るケーブルを得ることを目的と
するものである。

以下、本考案を図面に示す実施例に基づいて説
明する。

第１図は本考案の一実施例を示すもので図中符
号１で示すものは外部シースである。この外部シ
ース１は、ポリ塩化ビニルなどの絶縁性合成樹脂
をベルト状に成形してなるもので、その上面およ
び下面にそれぞれ一対ずつの溝部２を設けること
により、外部シース１の長さ方向に連続しかつ幅
方向に相互に間隔を有する一対の薄肉部３が形成
されている。そして、これらの薄肉部３に通信用
光フアイバー４がそれぞれ埋設されている。

また、前記薄肉部３の間の外部シース１には、
前記通信用光フアイバー４より大径の鋼線などか
らなる補強線材５が埋設され、さらに、前記薄肉
部３の外側外部シース１には、補強線材５との間
で薄肉部３を引裂くための口出し線６が埋設され
ている。

前記通信用光フアイバー４は、心線７の外周を
被覆８で覆つてなるもので、前記心線７は単数も
しくは複数の光フアイバー素線から構成されてい
る。

また、前記口出し線６は、この一実施例では、
鋼線などの導体線９をシース１０で覆つた構造と
されており、したがつて、信号用あるいは電力用
の電気ケーブルとして使用することができるが、
単なる線材、例えば綿、麻などのひもであつても
よく、要は前述の薄肉部３を引裂くための引張り
力に耐え得る強度を備えていればよい。

以上のように構成されたアンダーカーペツトケ
ーブルは、全体としてベルト状に形成されている
から、カーペツトの下に、盛り上がりを生じさせ
ることなく配線することができる。また、このケ
ーブルを接続する場合には、補強線材５と口出し
線６とを引張つて薄肉部３を引裂いて通信用光フ
アイバー４を外部シース１から取り出し、その
後、コネクタ等に接続すればよい。

次いで、第２図は本考案の他の実施例を示すも
ので、外部シース１にＶ字状の溝部１１を形成
し、この溝部１１の間に薄肉部３Ａを設けるよう
にしたものである。この実施例のアンダーカーペ
ツトケーブルにおいても、前記薄肉部３Ａを引き
裂いて、容易に光フアイバー４を口出しすること
ができる。

なお、前記各実施例では通信用光フアイバーに
被覆を設けたが、裸の通信用光フアイバーを使用
してもよいのは勿論である。

また、前記一実施例では、補強線材として通信
用光フアイバーより大径のものを用いたが、通信
用光フアイバーより小径の補強線材を使用し、か
つこの線材を、光フアイバーよりも外部シースの
上面もしくは下面側に寄せて配置してもよく、こ
の場合、アンダーカーペツトケーブルの可撓性を
損なうことが少ない。

以上の説明で明らかなように、本考案はベルト
状の外部シースに一対の薄肉部を設け、この薄肉
部にそれぞれ通信用光フアイバーを埋設し、該通
信用光フアイバーの間に鋼線などの補強線材を設
け、さらに、前記薄肉部の外側の外部シースに、
前記補強線材との間で外部シースを引裂くための
口出し線を埋設したことを特徴とするもので、次
のような作用効果を奏する。

（） 全体としてベルト状に形成されているか
ら、カーペツトの下に敷いて、盛り上がりを生
じさせることなく配線することができる。

（） カーペツトの下で加わる荷重を補強線材
に支持させることにより、通信用光フアイバー
の破損を防止することができる。

（） 通信用光フアイバーを薄肉部に埋設する
ことにより、外部シースの他の部分、すなわ
ち、薄肉部より厚さが厚くかつ通信用光フアイ
バーが埋設されていない部分に荷重を支持させ
て通信用光フアイバーを保護するとともに、そ
の変形による光学特性の変化を防止することが
できる。

（） 外部シースに薄肉部を設けて、該外部シ
ースを引き裂き易くしているとともに、その引
き裂き部分である薄肉部に光フアイバーを埋設
して、外部シースを引き裂いたときに光フアイ
バーが直接露出するようにし、かつ薄肉部の間
に位置する部分に補強線材を埋設し薄肉部の外
方部分に口出し線を埋設して引き裂き時の把持
を容易にしており、これら補強線材と口出し線
との埋設部分を把持して幅方向に引っ張るだけ
で、光フアイバーを何ら傷付けることなく確実
に引き出すことができる。

（） 口出し線が、金属線を絶縁被覆した構造
とされ、また、薄肉部の外側にそれぞれ（少な
くとも一対）設けられているから、これを引き
裂きに用いる場合に、補強線に近い引っ張り強
度を持たせることができ、したがつて、アンダ
ーカーペツトケーブルとして必要な強度を実現
すべく外部シースを強靱な材料により形成した
場合にも、容易にこれを引き裂いて口出しする
ことができ、さらに前記口出し線は、外部シー
スを剥がした後にも、外部と電気的に絶縁され
ることとなるから、光通信系とは別個に電気信
号の通信系、あるいは電力供給系を並列的に設
けることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す一部を切欠し
た斜視図、第２図は本考案の他の実施例を示す横
断面図である。 １……外部シース、２……溝部、３，３Ａ……
薄肉部、４……通信用光フアイバー、５……補強
線材、６……口出し線、７……心線、９……導体
線、１１……溝部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ベルト状の外部シース１に、該外部シースの長
   さ方向に連続しかつ幅方向に相互に間隔を有する
   一対の薄肉部３，３Ａを設け、該一対の薄肉部に
   それぞれ通信用光フアイバー４を埋設し、前記一
   対の薄肉部の間に位置する外部シースに補強線材
   ５を埋設し、さらに前記一対の薄肉部の幅方向外
   方に位置する外部シースに口出し線６をそれぞれ
   埋設してなり、前記薄肉部において通信用光フア
   イバーを被覆している部分の外部シースの厚さが
   口出し線を被覆している部分の外部シースの厚さ
   より小さいことを特徴とするアンダーカーペツト
   ケーブル。