JPH04325449A - 人造大理石用樹脂組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、不飽和ポリエステル樹
脂をマトリックス樹脂とし、かつプレス成形法により人
造大理石製品を得るための人造大理石用樹脂組成物に関
し、特に、成形品の透明性及び耐熱水性を維持したまま
、成形品の比重を低下し得る人造大理石用樹脂組成物に
関する。

【０００２】

【従来の技術】人造大理石製品は、バスタブ、キッチン
カウンター、洗面化粧台等のサニタリー製品及び壁材等
に幅広く用いられている。この種の人造大理石製品を得
る方法として、シートモールディングコンパウンド（以
下、ＳＭＣと略す）またはバルクモールディングコンパ
ウンド（以下、ＢＭＣと略す）を用いたプレス成形法が
公知である。また、このようなプレス成形に用いられる
樹脂組成物では、価格、成形性及びデザインの自由度に
おいて優れた不飽和ポリエステル樹脂をマトリックス樹
脂として含有するものが幅広く用いられている。

【０００３】不飽和ポリエステル樹脂をマトリックス樹
脂とする従来の人造大理石用樹脂組成物は、不飽和ポリ
エステル樹脂に、充填材、硬化触媒、内部離型剤及び必
要に応じて顔料等を配合することにより構成されていた
。上記充填材としては、透明性、難燃性及び白色度等の
性能と価格とのバランスに優れた無機質充填材である水
酸化アルミニウムが知られている（例えば、特開昭６１
−１０１５５２号）。また、上記充填材として、ガラス
粉末を用いることも知られている（例えば、特開昭６３
−２３５３５８号）。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、水酸化
アルミニウムを充填材として含有する人造大理石用樹脂
組成物を用いて成形品を得た場合、その透明度が十分で
なく、従って高級感が損なわれるという問題があった。 また、ガラス粉末を充填材として含有する人造大理石用
樹脂組成物を用いて成形品を得た場合には、成形品の透
明感及び表面硬度は優れるものの、例えばコンパウンド
混練時の混練機の磨耗、成形時における金型の磨耗等と
いった問題が生じがちであった。また、単層成形品を得
る場合には、耐熱水性が若干劣化するという問題もあっ
た。

【０００５】さらに、水酸化アルミニウムまたはガラス
粉末は比重が約２．７程度であるため、成形品の比重が
約２と大きく、その結果成形品が重くなりがちであった
。従って、人造大理石製品の施工時や搬入時等における
作業性が十分でないという問題もあった。よって、本発
明の目的は、プレス成形法において用いることができる
人造大理石用樹脂組成物であって、透明感及び耐熱水性
に優れ、かつ軽量の成形品を得ることを可能とする人造
大理石用樹脂組成物を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、プレス成形法
により人造大理石製品を得るのに用いられる人造大理石
用樹脂組成物であって、不飽和ポリエステル樹脂をマト
リックス樹脂として含有するものである。すなわち、本
発明の人造大理石用樹脂組成物は、不飽和ポリエステル
及び重合性単量体を含む第１の不飽和ポリエステル樹脂
１００重量部に対して、充填材１００〜２８０重量部を
配合してなり、上記充填材として、無機質充填材４５〜
７０重量％及び第２の不飽和ポリエステル樹脂を加熱硬
化後粉砕して得られた不飽和ポリエステル樹脂粉末３０
〜５５重量％を含有するものが用いられている。

【０００７】すなわち、本発明の人造大理石用樹脂組成
物は、第１の不飽和ポリエステル樹脂に対して、無機質
充填材だけでなく不飽和ポリエステル樹脂粉末を含有す
る充填材を上記特定の割合で配合したことを特徴とする
。以下、本発明の人造大理石用樹脂組成物をより詳細に
説明する。

【０００８】第１の不飽和ポリエステル樹脂本発明で人
造大理石用樹脂組成物を構成するのに用いられる第１の
不飽和ポリエステル樹脂は、不飽和ポリエステル及び重
合性単量体を含む。このような第１の不飽和ポリエステ
ル樹脂は、α，β−不飽和二塩基酸及び／またはその酸
無水物である酸成分と多価アルコール成分とを反応させ
て得られる不飽和ポリエステル５０〜８０重量部を、重
合性単量体５０〜２０重量部に溶解することにより得ら
れる。不飽和ポリエステルの量が５０重量部未満では十
分な強度を有する成形品が得られず、他方、８０重量部
を超えると成形性、作業性が低下する。

【０００９】上記α，β−不飽和二塩基酸としては、例
えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、ジトラコン
酸、クロルマレイン酸等を挙げることができ、これらは
２種以上を併用してもよい。多価アルコールとしては、
例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、
プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、１，
３−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、１，６
−ヘキサンジオール、トリエチレングリコール、水素添
加ビスフェノールＡ、イソペンチルグリコール、グリセ
リン、トリメチロールプロパン、ジシクロペンタジエン
等を挙げることができ、これらの多価アルコールについ
ても２種以上併用してもよい。

【００１０】また、必要に応じて、上記酸成分として飽
和二塩基酸及び／またはその酸無水物を用いてもよい。 飽和二塩基酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレ
フタル酸、トリメリット酸、こはく酸、アゼライン酸、
アジピン酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタ
ル酸、クロレンディック酸、テトラクロロフタル酸、テ
トラブロモフタル酸等が挙げられる。不飽和ポリエステ
ル樹脂は、上記不飽和ポリエステルを重合性単量体に溶
解することにより得られるが、この重合性単量体として
は、スチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、α
−メチルスチレン、クロルスチレン、ジクロルスチレン
、酢酸ビニル、ジアリルフタレート、ジアリルイソフタ
レート、ジアリルテレフタレート等の不飽和ポリエステ
ルと架橋可能なビニルモノマー、またはビニルオリゴマ
ー等を挙げることができるが、通常、スチレンが好まし
く用いられる。

【００１１】充填材 本発明の人造大理石用樹脂組成物では、第１の不飽和ポ
リエステル樹脂に対して、無機質充填材及び不飽和ポリ
エステル樹脂粉末を含有する充填材が配合されている。 無機質充填材としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシ
ウム、硫酸バリウム、タルク、クレー、マイカ、シリカ
、アルミナ、ガラス粉、水酸化アルミニウム、水酸化マ
グネシウム、寒水石、硅砂等を挙げることができる。 特に、ガラス粉または水酸化アルミニウム等を用いるこ
とが好ましい。

【００１２】不飽和ポリエステル樹脂粉末また、本発明
において充填材に含有される不飽和ポリエステル樹脂粉
末とは、第１の不飽和ポリエステル樹脂と屈折率の差が
±０．０３以内である第２の不飽和ポリエステル樹脂を
硬化後、粉砕すること等により得られた粉末を言う。こ
の第２の不飽和ポリエステル樹脂としては、第１の不飽
和ポリエステル樹脂と屈折率の差が±０．０３以内であ
る不飽和ポリエステル樹脂を用いることができるため、
第２の不飽和ポリエステル樹脂として、第１の不飽和ポ
リエステル樹脂そのものを用いてもよい。

【００１３】不飽和ポリエステル樹脂粉末の粒径は、製
品の表面性を重視する場合には、使用する無機質充填材
の粒径と同等以下のものが望ましく、他方、不飽和ポリ
エステル樹脂粉末の粒径を比較的大きくすれば、天然石
の表面風合（細孔感）をかもし出すことができ、望まし
いことが本発明者により見出された。

【００１４】上記無機質充填材と不飽和ポリエステル樹
脂粉末の配合割合は、無機質充填材４５〜７０重量％に
対し、不飽和ポリエステル樹脂粉末３０〜５５重量％で
ある。このように、１種あるいは複数種の無機質充填材
に対し、上記特定の割合で不飽和ポリエステル樹脂粉末
を配合してなる充填材を用いることにより、成形品の比
重を低めることができ、しかも不飽和ポリエステル樹脂
粉末がマトリックス樹脂である第１の不飽和ポリエステ
ル樹脂と同種の樹脂であり、親和性を有し、かつ屈折率
の差が±０．０３以内であるため、透明性が高められ、
耐熱水性も維持される。

【００１５】さらに、水酸化アルミニウムやガラス等の
比重が２．６〜２．７程度の無機質充填材に対し、比重
１．２〜１．３の上記不飽和ポリエステル樹脂粉末を配
合することにより、無機質充填材の配合量を減らすこと
ができるため、より軽量の人造大理石製品を得ることが
できる。

【００１６】なお、無機質充填材の配合割合が充填材中
７０重量％を超えると成形品の重量軽減効果が十分でな
いため、本発明の課題を解決したことにはならず、また
、樹脂粉末の配合割合が充填材中５５重量％を超えると
、表面硬度が低下し、耐磨耗性が低下する。よって、上
記のように、無機質充填材４５〜７０重量％に対し、不
飽和ポリエステル樹脂粉末５５〜３０重量％を配合する
ことにより充填材が構成されている。

【００１７】第１の不飽和ポリエステル樹脂と充填材と
の配合割合 本発明の人造大理石用樹脂組成物では、第１の不飽和ポ
リエステル樹脂１００重量部に対し、１００〜２８０重
量部の充填材が配合される。充填材の配合量が１００重
量部未満では樹脂組成物の粘度が低くくなりすぎ、作業
性が悪化する。他方、２８０重量部を超えて配合した場
合には、樹脂成分の分散性が悪くなり、成形性が悪くな
る。

【００１８】その他の添加成分 本発明の人造大理石用樹脂組成物は、上記不飽和ポリエ
ステル樹脂及び充填材を含有することを特徴とするもの
であるが、実際の人造大理石製品を得る場合には、上記
不飽和ポリエステル樹脂及び充填材を混練して得られた
樹脂組成物に、さらに硬化触媒、補強材、低収縮剤、内
部離型剤、増粘剤等が必要に応じて混合される。

【００１９】硬化触媒としては、ｔ−ブチルパーオキシ
ベンゾエート、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチ
ルケトンパーオキサイド、ｔ−ブチルパーオキシ−イソ
プロピルカーボネート、ジクミルパーオキサイド、ｔ−
ブチルパーオキシ−２−エチルヘキサノエート、１，１
−ジ−ｔ−ブチルパーオキシシクロヘキサン等の不飽和
ポリエステルに作用する有機過酸化物等を挙げることが
できる。

【００２０】補強材としては、ガラス繊維、ポリエステ
ル、フェノール、ビニロン等の有機繊維またはカーボン
ファイバー等が挙げられるが、一般的にはガラス繊維が
使用される。使用量は、所望の強度、粘度等を考慮して
広い範囲内で適宜決定することができる。低収縮剤とし
ては、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリメタクリル酸
メチル、ポリ塩化ビチル、ポリ酢酸ビニル、ポリカプロ
ラクタム、飽和ポリエステル等の熱可塑性樹脂、ポリブ
タジエンゴム、ポリスチレン−アクリロニトリル共重合
体等を必要に応じて使用することができる。

【００２１】内部離型剤としては、ステアリン酸、ステ
アリン酸亜鉛等のような高級脂肪酸や該脂肪酸のエステ
ル、アルキルリン酸エステル等を挙げることができる。 増粘剤は、不飽和ポリエステルが有する水酸基、カルボ
キシル基またはエステル基等と化学的に結合し、線状ま
たは一部交叉結合を生ぜしめて分子量を増大させること
により、不飽和ポリエステル樹脂を増粘させるものであ
って、例えば、トルイレンジイソシアネートの様なジイ
ソシアネート類；アルミニウムイソプロポキシド、チタ
ンテトラブトキシドのような金属アルコキシド類；酸化
マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ベリリウムのよう
な二価金属の酸化物；水酸化カルシウムのような二価金
属の水酸化物等が用いられる。一般的には、酸化マグネ
シウム、酸化カルシウムが使用される。その他、顔料等
を必要に応じて適量添加することができる。

【００２２】製法 本発明の人造大理石用樹脂組成物は、この種の技術にお
いて慣用の技術、例えばモルタルミキサー、ニーダー等
の混練機を用いて上記各構成成分を十分混練することに
より容易に調製することができる。人造大理石製品は、
調製された樹脂組成物すなわち成形材料を、成形温度１
２０〜１５０℃程度、成形圧力７０〜１４０ｋｇ／ｃｍ
２　程度でプレス成形することにより容易に製造するこ
とができる。

【００２３】本発明の樹脂組成物によって得られた成形
品は、透明感に優れ、軽量であり、バスタブ、洗面化粧
台、キッチンカウンター、テーブル等に使用できる。

【００２４】

【作用】本発明の人造大理石用樹脂組成物では、マトリ
ックス樹脂である第１の不飽和ポリエステル樹脂に対し
、不飽和ポリエステル樹脂粉末及び無機質充填材を特定
の割合で含有する充填材が上記特定の割合で配合されて
いるため、成形品の重量を軽減すること、並びに透明感
及び耐熱水性を高めることが可能とされる。

【００２５】

【実施例の説明】以下、非限定的な実施例を挙げること
により、本発明を明らかにする。実施例１〜５表１に示
す配合のＢＭＣを、実施例１〜５の樹脂組成物として用
意した。なお、表１中の配合割合を示す数値は、全て重
量部である。成形温度１３０℃、成形圧力１００ｋｇ／
ｃｍ２　、成形時間７分の条件で上記成形材料を成形し
、厚み６ｍｍの平板を得た。

【００２６】得られた平板すなわち成形品の色差（ΔＥ
）、鉛筆硬度及び透明性を下記の要領で評価した。結果
を、表１に比重と共に示す。 色差（ΔＥ）…９５℃、２００時間片面煮沸試験後にＣ
ＯＬＯＲ　　ＡＮＡＬＩＺＥＲ　　ＴＣ−１８００（東
京電蝕社製）を用いて測定した。 鉛筆硬度…ＪＩＳ　　Ｋ−５４００に準じて測定した。 透明性…目視により評価した。

【００２７】比較例１〜４ 表１に示すように、本発明の組成の範囲外となるように
各成分を配合することにより、比較例１〜４の人造大理
石用樹脂組成物からなる成形材料を用意した。実施例１
〜５と同様にして成形品を得、かつ実施例１〜５と同様
にして評価した。結果を表１に示す。

【００２８】

【表１】

【００２９】なお、表１において各成分の詳細は以下の
通りである。 １）不飽和ポリエステル１００重量部とスチレンモノマ
ー約４０〜６０重量部とからなる。 ２）ｔ−ブチルパーオキシベンゾエート３）樹脂粉末１
…屈折率１．５４０の日本ユピカ社製不飽和ポリエステ
ル樹脂、商品名：ユピカ７６６１。粒径３００μｍ以下
としたものを使用。 ４）樹脂粉末２…屈折率１．５３７の三井東圧社製不飽
和ポリエステル樹脂、商品名：エスターＸＥ３２２。粒
径３００μｍ以下としたものを使用。 ５）ガラス粉末…日本フェロー社製、商品名：Ｍ−５０
Ｓ。粒径４５μｍとしたものを使用。 ６）ガラス繊維…旭ファイバーグラス社製、商品名：０
３ＩＥ８３０Ａ。

【００３０】表１から明らかなように、本発明の範囲に
入る実施例１〜５の人造大理石用樹脂組成物を用いた場
合には、比重が全て１．６以下となっており、さらに、
色差、透明性において優れた成形品が得られていること
が分かる。これに対して、比較例１〜４では、成形品の
比重が２．０以上となったり、透明性が不十分となった
りしていることが分かる。

【００３１】

【発明の効果】以上のように、本発明の人造大理石用樹
脂組成物では、第１の不飽和ポリエステル樹脂に対し、
無機質充填材及び不飽和ポリエステル樹脂粉末を特定の
割合で含有する充填材が特定の割合で配合されているた
め、プレス成形法により得られた従来の人造大理石製品
に比べて軽量の成形品を得ることができる。従って、人
造大理石製品の施工時や搬入時等の作業性を効果的に改
善することが可能となる。のみならず、成形品の重量を
軽減し得るだけでなく、透明性に優れた人造大理石製品
を提供することが可能となる。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　プレス成形により人造大理石製品を得
   るための人造大理石用樹脂組成物であって、不飽和ポリ
   エステル及び重合性単量体を含む第１の不飽和ポリエス
   テル樹脂１００重量部と、無機質充填材４５〜７０重量
   ％及び第２の不飽和ポリエステル樹脂を加熱硬化後粉砕
   して得られた不飽和ポリエステル樹脂粉末３０〜５５重
   量％を含む充填材１００〜２８０重量部とを含有してな
   る、人造大理石用樹脂組成物。