JPH0432393Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、クレーンの走行面に形成された給電
用ピツトのピツトカバーをクレーンの移動に伴な
つて開閉するピツトカバー開閉装置の改良に関す
る。

［従来の技術］ 一般にクレーンに対する給電は、給電ケーブル
又は架線によつて行なわれる。このためクレーン
の走行部側部の走行面には第５図、第６図に示す
ように給電ケーブル又は図示例のような架線ａを
収容するための給電用ピツト（溝）ｂが形成さ
れ、このピツトｂ上には安全のため、あるいは通
行可能とするためにピツトカバーｃが取付けられ
ている。ピツトカバーｃは複数に分割された鋼板
等からなり、クレーンの走行に伴なつて開閉でき
るようになつている。

そして、クレーンの走行部ｄ側部には、その走
行に追従してピツトｂからの給電ケーブルの出し
入れを可能とすべく、あるいは図示例にようにピ
ツトｂに挿入された架線用集電アームｅの移動を
可能とすべく、ピツトカバーｃを開閉するための
開閉案内板ｆが設けられている。この開閉案内板
ｆは走行方向前後に臨む上り斜面ｇと、下り斜面
ｈとを有し、一端が枢支されたピツトカバーｃの
自由端の略中央にはこれら上り斜面ｇ及び下り斜
面ｈに沿つて転動する車輪ｉが取付けられ、車輪
ｉが上り斜面ｇを上るときにピツトカバーｃが押
し上げられて開放し、車輪ｉが下り斜面ｈを下る
ときにピツトカバーｃが閉じるようになつてい
る。

［考案が解決しようとする問題点］ しかしながら、従来のピツトカバー開閉装置に
あつては、開閉案内板５の上り斜面ｇ及び下り斜
面ｈが全体に亘つて剛体となつていたので、車輪
ｉが上り斜面ｇに載る際に衝撃を生じ騒音の発生
や耐久性の低下を招いていた。

そこで、本考案はかかる従来技術の問題点を解
決すべくなされたもので、その目的は騒音の低減
及び耐久性の向上が図れるピツトカバー開閉装置
を提供するにある。

［問題点を解決するための手段］ 上記目的を達成するために本考案は、クレーン
の走行面に給電用ピツトを形成し、該ピツトにピ
ツトカバーを開閉自在に設け、該ピツトカバーを
開閉すべく上記クレーンの側部にその走行方向に
沿つて上り斜面と下り斜面とを有する開閉案内板
を形成したピツトカバー開閉装置において、上記
開閉案内板からピツトカバーが最初に接触する導
入部分を分離して該導入部分をピツトカバーの開
閉方向に揺動自在に枢支し、上記導入部分の自由
端側を開閉案内板から弾性部材を介して支持した
ものである。

［作用］ 開閉案内板の導入部分にピツトカバーが載り上
げる際に生じる衝撃力は揺動自在な導入部分を介
して弾性部材に伝達され、ここで吸収されること
になり、振動騒音が低減され各部の耐久性が向上
る。

［実施例］ 以下に本考案の一実施例を添付図面に基づいて
詳述する。

第１図、第２図において、１はクレーンの走行
部であり、走行部１には走行面２に敷設されたレ
ール３上を転動する車輪４が取付けられている。
また走行部１の側部走行面２にはレール３と平行
に給電用ピツト５が形成され、ピツト５の上部に
はクレーン側とは反対側の一側が枢支されクレー
ン側の自由端が開閉自在になつたピツトカバー６
が取付けられ、ピツトカバー６はピツト５の長手
方向に複数に分割されている。またピツトカバー
５の自由端側中央下面には開閉案内板７に沿つて
転動する車輪８が取付けられている。

ピツト５内にはその長手方向に沿つて給電用架
線９が設けられ、クレーンの走行部１の側部には
その架線９に電気的に接続される集電端子１０を
有する集電アーム１１がピツト５内に挿入された
状態に取付けられている。この集電アーム１１に
はピツト５内の長手方向前後に臨む所定幅の上り
斜面１２と下り斜面１３とを有する側面菱形の開
閉案内板７が設けられ、そのクレーンとの一体的
な移動により車輪８を介してピツトカバー６を開
閉できるようになつている。

そして、開閉案内板７の前後端は嘴状に形成さ
れ、ピツトカバー６の車輪９が最初に接触する導
入部１４である上嘴部分が開閉案内板７本体から
分離されている。これら導入部１４の基端部は第
３図、第４図に示すように開閉案内板７本体の分
離部にピン１５で回動自在に軸支され、自由端側
がピツトカバー６の開閉方向に揺動自在になつて
いる。また、導入部１４の自由端は下嘴部１６か
ら防振ゴム等からなる弾性部材１７を介して支持
され、ピツトカバー６の車輪８が接触するときの
衝撃を吸収できるようになつている。

かかる構成によれば、クレーンを走行させた場
合、開閉案内板７の走行方向前方の導入部１４に
ピツトカバー６の車輪８が次々と当つて衝撃力を
受けるが、その衝撃力はピン１５を支点として揺
動自在な導入部１４から弾性部材１７に伝わり、
この弾性部材１７によつて吸収されることにな
る。従つて、振動騒音を発生することがなく、ま
た車輪８及び導入部１４の耐久性が向上する。

なお、実施例では架線式のものについて説明し
たが、給電ケーブル式であつてもよく、この場
合、開閉案内板７はクレーン走行部１の側部にブ
ラケツトを介して取付けられる。ピンカバー６に
は必ずしも車輪８を設けなくてもよい。弾性部材
１７はスプリングであつてもよい。

［考案の効果］ 以上要するに本考案によれば、開閉案内板の導
入部分にピツトカバーが載り上がる際に生ずる衝
撃力を揺動自在な導入部分を介して弾性部材に伝
え、ここで吸収することができるため振動騒音を
低減できると共に衝撃部の耐久性を向上できると
いう優れた効果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す断面図、第２
図は同概略的側断面図、第３図は同要部拡大図、
第４図は一部切欠平面図、第５図は従来技術を示
す断面図、第６図は同概略的側断面図である。 図中、２は走行面、５はピツト、６はピツトカ
バー、７は開閉案内板、１４は導入部、１７は弾
性部材である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. クレーンの走行面に給電用ピツトを形成し、該
   ピツトにピツトカバーを開閉自在に設け、該ピツ
   トカバーを開閉すべく上記クレーンの側部にその
   走行方向に沿つて上り斜面と下り斜面とを有する
   開閉案内板を形成したピツトカバー開閉装置にお
   いて、上記開閉案内板からピツトカバーが最初に
   接触する導入部分を分離して該導入部分をピツト
   カバーの開閉方向に揺動自在に枢支し、上記導入
   部分の自由端側を開閉案内板から弾性部材を介し
   て支持したことを特徴とするピツトカバー開閉装
   置。