JPH043551Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、クレーンの走行面に形成された給電
用ピツトのピツトカバーをクレーンの移動に伴な
つて開閉するピツトカバー開閉装置の改良に関す
る。

［従来の技術］ 一般にクレーンは、その走行部の側部に給電口
を備え、クレーン給電ケーブル又は架線をピツト
（溝）内に収納するようになつている。そして、
ピツトには異物が入らないようにピツトカバーが
取付けられている。また、クレーンの走行部には
クレーンの走行に伴なつてクレーン給電口をピツ
ト内から出し入れすべくピツトカバーを開放する
ためのピツトカバー開閉手段が設けられている。

［考案が解決しようとする問題点］ ところが、従来ではピツトカバーが鋼板製であ
り、充分に屈曲することが困難であつたので、充
分に開放することが難しく、従つてケーブル給電
の場合、狭い隙間からケーブルを出し入れしなけ
ればならないので、ケーブルが捩れる問題があつ
た。一方、ピツトカバーを充分開放するようにす
るには、その長手方向のかなり遠くから幅広く開
放する必要があつた。

そこで本考案は上記従来技術の問題点を解決す
べくなされたもので、その目的はピツトカバーを
充分に屈曲させて狭い範囲で充分に開放すること
ができ、ケーブルの捩れを防止できるピツトカバ
ー開閉装置を提供するにある。

［問題点を解決するための手段］ 本考案は、クレーンの走行面にその走行方向に
沿つて給電用ピツトを形成し、このピツト上にこ
れをその長手方向に沿つて覆う弾性を有するピツ
トカバーを設け、上記クレーンにクレーン給電装
置の外周を囲繞すべく上記ピツトカバーを逆Ｕ字
状に支持するガイドローラを設けたものである。

［作用］ ピツトカバーが弾性を有するため、充分に屈曲
することができ、クレーン給電装置の外周を囲繞
すべくピツトカバーを逆Ｕ字状にガイドローラを
介して支持することが容易にでき、このようにす
ることによりピツトカバーを狭い範囲で充分に開
放することができる。

［実施例］ 以下に本考案の一実施例を添付図面に基づいて
詳述する。

第１図において、１はクレーンの走行部であ
り、そのフレーム２下部には大ロツカービーム
３、中ロツカビーム４、小ロツカビーム５を介し
て車輪６が取付けられ、第３図に示す如く走行面
７に敷設されたレール８に沿つて走行するように
なつている。上記フレーム２の側部にはクレーン
給電装置であるケーブルリール９が取付けられ、
そのケーブルリール９直下の走行面７にはクレー
ンの走行方向に沿つてピツト１０が形成されてい
る。クレーンの走行範囲の略全長に亘つて形成さ
れたピツト１０の中央部には給電部１１が設けら
れ、この給電部１１にはケーブルリール９から繰
出されたケーブル１２の先端部が接続され、ホル
ダー１３にて保持されている。小ロツカビーム５
の側部には第１図、第４図に示す如くケーブルリ
ール９からピツト１０内にケーブル１２を案内す
るための一対のプーリからなるケーブルガイド１
４がブラケツト１５を介して設けられている。

ピツト１０の底面は雨水等の排水用として長手
方向に傾斜されている。ピツト１０内には第２図
に示す如くボルト１６で高さ調節された樋状のケ
ーブル受け１７が収納され、このケーブル受け１
７の上部にはピツト１０を覆うピツトカバー１８
が載置されている。このピツトカバー１８はゴム
等の弾性を有する部材によつて帯状に形成され、
その長手方向両端部がピツト１０の長手方向両端
部の走行面７に止め具１９を介して固定されてい
る。

クレーンの走行部１にはケーブルリール９の外
周を囲繞すべくピツトカバー１８を逆Ｕ字状に支
持するためのガイドローラ２０が設けられてい
る。これらガイドローラ２０は図示例では計４個
配設され、そのうちの下部の２個のローラ２０は
ケーブルガイド１４の前後において、ピツトカバ
ー１８の上面に接するように中ロツカビーム４の
側部に第３図に示す如くブラケツト２１を介して
取付けられている。また、上部の２個のローラ２
０はケーブルリール９の上方前後に位置するよう
にフレーム２の側部にブラケツト２２を介して取
付られている。これらガイドローラ２０は第５図
に示す如く車軸２３上にピツトカバー１８の幅方
向に隔てて取付けられた一対の車輪２４からな
り、両車輪２４によつてピツトカバー１８が断面
円弧状に変形されるようになつている。

尚、２５は走行部１の側部に適宜配設されたピ
ツトカバー用支持ローラである。

以上の構成よりなるピツトカバー開閉装置にあ
つては、ピツトカバー１８が弾性を有しているた
め、小半径のガイドローラ２０を用いてピツトカ
バー１８をＵ字状に容易に支持することができ、
ピツトカバー１８を充分に屈曲させて狭い範囲で
充分高く開放させることができる。従つて、ケー
ブルリール９の直下のピツト１０からケーブル１
２を出し入れできるので、ケーブル１２に捩れを
生じさせることがない。また、弾性のピツトカバ
ー１８を用いているため、走行時の抵抗が非常に
小さい。ピツトカバー１８の剛性を適当に選ぶこ
とによりピツトカバー１８上を人及び車輌が自由
に通行でき、又ピツトカバー１８の断面が単純な
矩形であること、長手方向に一様であることか
ら、コンベヤベルト等から容易に製作することが
できる。更に、ガイドローラ２０をピツトカバー
１８の幅方向に隔たつた一対の車輪２４から構成
したのでピツトカバー１８がこれら車輪２４によ
つて断面円弧状に張設され、自動調心機能を発揮
し、ガイドローラ２０から外れることが防止され
る。また２個の車輪２４でピツトカバー１８を支
持しているので、ピツトカバー１８上に乗つてい
る雪等の付着性物質がガイドローラ２０上に付着
することが防止される。

尚、ガイドローラ２０を構成する車輪２４は１
個又は３個以上であつてもよく、また鼓状ローラ
等を用いてもよく、空気タイヤ又はソリツドタイ
ヤ等であつてもよい。

［考案の効果］ 以上要するに本考案によれば次のごとき優れた
効果を発揮する。

(1) ピツトカバーが弾性を有するため、充分に屈
曲することができ、クレーン給電装置の外周を
囲繞すべくピツトカバーを逆Ｕ字状にガイドロ
ーラを介して支持することが容易であり、ピツ
トカバーを狭い範囲で充分に開放することがで
きる。

(2) 従つて、クレーン給電装置直下のピツトから
ケーブルを捩れさせないで出し入れすることが
できる等、給電が容易である。

(3) 弾性を有するピツトカバーを用いているた
め、クレーン走行時の抵抗が少ない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るピツトカバー開閉装置の
一実施例を示す図、第２図は第１図Ａ−Ａ線拡大
断面図、第３図は第１図Ｂ−Ｂ線断面図、第４図
は第１図Ｃ−Ｃ線断面図、第５図はガイドローラ
の構成図である。 図中、１はクレーンの走行部、９はクレーン給
電装置であるケーブルリール、１０はピツト、１
２はケーブル、１８はピツトカバー、２０はガイ
ドローラである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. クレーンの走行面にその走行方向に沿つて給電
   用ピツトを形成し、該ピツト上にこれをその長手
   方向に沿つて覆う弾性を有するピツトカバーを設
   け、上記クレーンにクレーン給電装置の外周を囲
   繞すべく上記ピツトカバーを逆Ｕ字状に支持する
   ガイドローラを設けたことを特徴とするピツトカ
   バー開閉装置。