JPH0432128B2 - - Google Patents

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JPH0432128B2
JPH0432128B2 JP60219997A JP21999785A JPH0432128B2 JP H0432128 B2 JPH0432128 B2 JP H0432128B2 JP 60219997 A JP60219997 A JP 60219997A JP 21999785 A JP21999785 A JP 21999785A JP H0432128 B2 JPH0432128 B2 JP H0432128B2
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Description

【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野) 耐リジング性に優れる加工用温間圧延薄鋼板の
製造方法に関連してこの明細書には、冷間圧延工
程又は冷間圧延及び焼鈍工程の煩瑣を有利に回避
して、しかもプレス加工後におけるリジング発生
のうれいを廃絶することについての開発研究の成
果を述べる。 建材、自動車車体材、缶材ないしは各種表面処
理原板などの用途に使用される板厚がおよそ2mm
以下の加工用薄鋼板には以下のような特性が要求
される。 (1) 機械的特性 良好な曲げ加工性、張り出し加工性および絞り
加工性を得るために、主として高い延性と高いラ
ンクフオード値(r値)が必要である。 (2) 表面特性 これら材料は主として最終製品の最外側に使用
されるため、素材としての形状および表面美麗さ
はもちろんのこと、各種表面処理性も重要であ
る。 これら薄鋼板の一般的な製造手段は、次のとお
りである。 まず鋼素材としては主に低炭素鋼を用い、造塊
−分塊圧延にて板厚200mm程度の鋼片とした後、
加熱炉にて加熱−均熱処理し、ついで粗熱延工程
により板厚約30mmのシートバーとしてから、仕上
温度がAr3変態点以上の範囲における仕上熱延工
程にて所定板厚の熱延鋼帯とし、しかるのちそれ
を酸洗後、冷間圧延により所定板厚(2.0mm以下)
の冷延鋼帯とし、さらに再結晶焼鈍を施して最終
製品とする。 かかる慣行の最大の欠点は最終製品に至るまで
の工程がきわめて長いことにある。その結果、製
品にするまでに要するエネルギー、要員および時
間が莫大になるだけでなく、これら長い工程中
に、製品の品質とくに表面特性上種々の問題を生
じさせる不利も加わる。 上記のように、加工用薄鋼板の製造手順には、
冷間圧延工程を含むことが必須であつた。 この冷間圧延工程は単に所望の減厚を意図する
だけに止まらず、冷間加工によつて導入される塑
性ひずみを利用することにより最終焼鈍工程にお
いて、深絞り性に有利な(111)方位の結晶粒の
成長を促進させるのに役立つ。 ところが、冷間での加工は熱間での加工に比べ
て鋼帯の変形抵抗が著しく高いために圧延に要す
るエネルギーも莫大なほか、圧延ロールの摩耗が
ひどく、加えてスリツプなどの圧延トラブルも生
じ易い。 これに対し、200℃以上Ar3変態点以下の比較
的高温域(いわゆる温間域)にて、圧延できしか
も特に良好な加工性が得られれば、上記問題点は
一掃でき、製造上のメリツトは大きいといえよ
う。 また加工用薄鋼板の製造法としては、熱間圧延
工程にて最終製品とするものも考えられている。
この方法によれば、冷間圧延および再結晶焼鈍工
程が省略でき、そのメリツトは大きい。 しかしながら、熱間圧延のままで得られる薄鋼
板の機械的特性は、冷延−焼鈍工程を経たものに
比べるとはるかに劣る。とくに自動車の車体など
に使用されるプレス加工材には優れた深絞り性が
要求されるのに対し、熱延鋼板のr値は1.0前後
と低く、そのためその加工用途はきわめて限られ
たものになる。これは従来の熱延方法において
は、その仕上温度がAr3変態点以上であるため、
γ→α変態時に集合組織がランダム化するためで
ある。加えて2.0mm以下の板厚の薄鋼板を熱延工
程のみで製造することはきわめて困難である。し
かも寸法精度の問題の他に、薄くなることによる
鋼板温度の低下は、低炭素鋼のAr3変態点以下の
圧延を余儀なくし、材質(延性、絞り性)の著し
い劣化をもたらす。またたとえAr3変態点以下の
圧延によつて材質が確保できたとしても、フエラ
イト域で圧延された鋼板にはリジングが発生しや
すくなるという新たな問題が生じる。 ここにリジングとは製品の加工時に生じる表面
の凹凸の欠陥であつて、加工製品の最外側に使用
されることが主であるこの種の鋼板にとつては致
命的な欠陥である。 リジングは、金属学的には加工−再結晶過程を
経ても容易には分割されない結晶方位群(例えば
{100}方位粒群)が圧延方向に伸ばされたまま残
留することに起因するものであり、一般にフエラ
イト(α)域の比較的高温で加工された状況で生
じやすく、とくにフエライト域での圧下率が高い
場合すなわち薄鋼板の製造のような場合にはその
傾向が強い。 最近では、これら加工用薄鋼板は、加工製品の
複雑化、高級化に伴い厳しい加工を受けることが
多くなつたこともあり、優れた耐リジング性が要
求されるようになつてきた。 ところで近年鉄鋼材料の製造工程は著しく変化
しており、加工用薄鋼板の場合も例外ではない。 すなわち、近年まず連続鋳造プロセスの導入に
よつて分塊圧延工程が省略可能となり、また材質
向上と省エネルギーを目的として鋼片の加熱温度
は従来の1200℃近傍から1100℃近傍もしくはそれ
以下に低下される傾向にある。さらに溶鋼から直
ちに板厚50mm以下の鋼帯を溶製することにより、
熱延の加熱処理と粗圧延工程を省略できるプロセ
スも実用化されつつある。 しかしながらこれらの新製造工程は、いずれも
溶鋼が凝固する際にできる組織(鋳造組織)を破
壊するという点では不利である。とくに凝固時に
形成された{100}〈uvw〉を主方位とする強い鋳
造集合組織を破壊することはきわめて困難であ
る。 その結果として、最終薄鋼板には、前述したリ
ジングが起こりやすかつたのである。 (従来の技術) 鋼組成を規制した加工用温間圧延薄板はいくつ
か開示されている。たとえば特開昭58−9932号公
報には固溶(C+N)を13〜142ppmとすると、
200℃〜500℃の温度域で圧下率20%以上で圧延
後、再焼結焼鈍することにより(110)〔001〕強
度が増加することを示している。また特開昭59−
226149号公報ではC:0.0025wt%、N:0.0018〜
0.0021wt%、1.2・(Ti(wt%)/48+Nb(wt%)/93
)− (C(wt%)/12+N(wt%)/14)の値を、0.0011〜 0.0022wt%の範囲としとした組成の鋼を500〜900
℃で潤滑油を施しつつ76〜95%の圧延後、焼鈍あ
るいは焼鈍省略して成形性のすぐれた薄鋼板が製
造できる旨開示されている。 また冷間工程を省略した温間圧延により深絞り
用鋼板の製造方法もいくつか開示され、たとえば
特公昭47−30809号、特開昭49−86214号、特開昭
59−93835号、特開昭59−133325号、特開昭59−
185729、そして上に触れた特開昭59−226149号各
公報などがその例である。いずれも温間域の圧延
後ただちに再結晶処理することを特徴とし、冷間
圧延工程が省略可能な革新的技術である。 さらにAr3変態点以下の比較的低温域で所定板
厚の薄鋼板とし、その後は冷間圧延および再結晶
焼鈍工程を施さない加工用薄鋼板の製造方法もい
くつか提示されている。 例えば特開昭48−4329号公報には、低炭素リム
ド鋼をAr3変態点以下の温度で90%の圧延にて4
mm板厚の鋼帯とすることによる降伏点26.1Kg/
mm2、引張強さ37.3Kg/mm2、伸び49.7%、=1.29
の特性をもたらす製造例が示されている。 一方特開昭52−44718号公報には同じく低炭素
リムド鋼を熱延仕上温度800〜860℃(Ar3変態点
以下)で2.0mm板厚とし、巻取温度600〜730℃と
することによる、降伏点20Kg/mm2以下の低降伏点
鋼板の製造法が示されているが絞り性の指標であ
るコニカルカツプ値はその方法に従つて得られる
鋼板製品を検討したところ60.60〜62.18mm程度で
あり、この点従来例の60.58〜60.61に比べると絞
り性は同等かそれ以下である。また特開昭53−
22850号公報にも同じく低炭素リムド鋼を、熱延
仕上温度710〜750℃で1.8〜2.3mm板厚とし、巻取
温度530〜600℃とすることによる低炭素熱延鋼板
の製造法が示されているがこの方法によつて得ら
れる製品鋼板のコニカルカツプ値が上掲の特開昭
52−44718号公報の場合と同じく従来例よりもや
や高く、絞り性はむしろ劣つている。 またさらに特開昭54−109022号公報には、低炭
素アルミキルド鋼を熱延仕上温度760〜820℃で
1.6mm板厚とし、巻取温度650〜690℃とすること
による降伏点14.9〜18.8Kg/mm2、引張強さ27.7〜
29.8Kg/mm2、伸び39.0〜44.8%の特性を有する低
強度軟鋼板の製造例が開示されている。 しかしながら上記した公知技術にはいずれも、
前述した耐リジング性を向上させることについて
は何らの考慮も払われていない。 (発明が解決しようとする問題点) 発明者らはさきに特公平2−57133号公報にて、
少なくとも1パスを800〜300℃の温度範囲でひず
み速度300s-1以上で圧延後、再結晶焼鈍すること
により耐リジング性と加工性に優れる薄鋼板がえ
られることを開示した。 また同じく特公平2−57128号公報に示したよ
うに、少なくとも1パスをAr3変態点〜500℃の
温度範囲でひずみ速度300s-1以上でかつ圧下率35
%以上で圧延することにより優れた耐リジング性
と加工性を有するアズロールド薄鋼板の製造法を
見い出した。 これら製造法は耐リジング性と加工性の優れた
薄鋼板の製造が可能となる画期的な方法であるが
いずれもひずみ速度を300s-1以上に上げなければ
ならず、その圧延技術上、多少の困難を伴なうの
はやむを得ない。 そこで発明者らは、引続き実験を重ねた結果、
鋼組成を規制することにより、ひずみ速度を
300s-1以上としなくとも、耐リジング性と加工性
の優れた薄鋼板が製造できることを見い出したの
である。 つまり冷間圧延工程又は冷間圧延−再結晶焼鈍
工程を含まずしかも圧延の再のひずみ速度の制約
を脱した新プロセスの開発によつて、耐リジング
性と加工性に優れる薄鋼板の製造方法を提供する
ことがこの発明の目的である。 (問題点を解決するための手段) 上記の目的は、次の事項を骨子とする構成によ
り有利に達成される。 C:0.01wt%以下、Si:0.1wt%以下、Mn:
0.5wt%以下、P:0.1wt%以下、Al:0.002〜
0.10wt%、N:0.01wt%以下及びO:0.003wt%
以下を含み、さらにTi及びNbのうち少なくとも
1種を、C及びN含有量に応じて 0.0001(wt%)≦(C(wt%)/12+N(wt%)/14
)−(Ti(wt%)/48+Nb(wt%)/93)≦0.0010(wt
%) の関係を満たして含有する組成の鋼素材に、200
℃〜800℃の温度域にて少なくとも1パスの温間
圧延をパス当たりの圧下率が30%以上90%以下の
条件にて施し、引続き450〜950℃の温度範囲で焼
鈍することを特徴とする、耐リジング性に優れる
加工用温間圧延薄鋼板の製造方法(第1発明)。 C:0.01wt%以下、Si:0.10wt%以下、Mn:
0.5wt%以下、P:0.1wt%以下、Al:0.002〜
0.10wt%、N:0.01wt%以下、O:0.003wt%以
下を含み、さらにTi及びNbのうち少なくとも1
種を、C及びN含有量に応じ 0.0001wt%≦(C(wt%)/12+N(wt%)/14)−
(Ti(wt%)/48 +Nb(wt%)/93)≦0.0010(wt%
) の関係を満たして含有する組成の鋼素材に、300
℃〜Ar3変態点の温度域にて少なくとも1パスの
温間圧延をパス当たりの圧下率が35%以上90%以
下の条件にて施すことを特徴とする、耐リジング
性に優れる加工用アズロールド温間圧延薄鋼板の
製造方法(第2発明)。 さてこの発明の基礎となつた研究結果から説明
を始める。 供試鋼は、Si:0.01〜0.04wt%、Mn:0.06〜
0.19wt%、P:0.007〜0.018wt%、S:0.002〜
0.009wt%、Al:0.009〜0.059wt%、O:0.001〜
0.0012wt%、Ti:0.026wt%、Nb:0〜0.035wt
%の組成であつて、(C(wt%)/12+N(wt%)/14
)− (Ti(wt%)/48+Nb(wt%)/93)の値は0.00008〜 0.0015wt%の範囲内の組成の熱延鋼板である。 この熱延鋼板を600℃に加熱−均熱し1パス30
%の圧下率で圧延した。 このときの(C(wt%)/12+N(wt%)/14)− (Ti(wt%)/48+Nb(wt%)/93)の値と焼鈍(均熱
温 度800℃)後における値およびリジング指数と
の関係を第1図に示す。 値およびリジング性は(C(wt%)/12+ N(wt%)/14)−(Ti(wt%)/48+Nb(wt%)/93
)の値 と、O含有量に強く依存し、600℃圧延温度にて
0.0001wt%≦(C(wt%)/12+N(wt%)/14)− (Ti(wt%)/48+Nb(wt%)/93)≦0.0010(wt%)
でか つO≦0.003wt%に鋼組成を規制することにより、
r値および耐リジング性は著しく向上しているこ
とがわかる。 また同様の熱延板を700℃に加熱−均熱し、1
パス20%、40%及び60%の各圧下率で圧延した。
このときの(C(wt%)/12+N(wt%)/14)− (Ti(wt%)/48+Nb(wt%)/93)の値の圧延後の鋼
板 の値および耐リジング指数との関係を第2図に
示す。 値および耐リジング性はやはり(C(wt%)/12 +N(wt%)/14)−(Ti(wt%)/48+Nb(wt%)/
93)値 と、O含有量に強く依存し、700℃の圧延温度に
て0.0001wt%≦(C(wt%)/12+N(wt%)/14)− (Ti(wt%)/48+Nb(wt%)/93)≦0.0010(wt%)
、O≦ 0.003wt%に鋼組成を規制し、かつ圧下率35%以
上とすることにより、値および耐リジング性は
著しく向上している。 発明者らは、これらの基礎的データに基づき研
究を重ねた結果、以下のように鋼組成を規制する
ことにより、耐リジング性と加工性に優れる薄鋼
板が製造できることを確認したわけである。 (1) 鋼組成 この発明においては鋼組成がもつとも重要であ
り、鋼中のC,N,Al,OがそれぞれC≦
0.01wt%、N≦0.01wt%、0.002wt%≦Al≦
0.10wt%、O≦0.003wt%でかつCおよびNの含
有量がTiおよびNbの一方あるいは両方の含有量
との間で次式 0.0001(wt%)≦(C(wt%)/12+N(wt%)/14
)−(Ti(wt%)/48+Nb(wt%)/93)≦0.0010(wt
%) の関係を満たすことが重要である。鋼組成が上記
の関係を満たさなければ、通常の圧延条件(ひず
み速度300s-1以下)では優れた耐リジング性と加
工性を得ることができない。 もちろん強強度を得るためにP:0.1wt%以下、
Si:0.1wt%以下およびMn:0.5wt%以下などを
所望の強度に応じて含有させる。 なおこの発明で不可避不純物は、主としてSを
指し、ここにSは少ない程、加工性に有利な集合
組織が形成されるが0.01wt%以下ならばさしたる
加工性の劣化はない。 (2) 圧延素材の製造法 従来方式、すなわち造塊−分塊もしくは連続鋳
造法により得られた鋼片は当然適用できる。 鋼片の加熱温度は800〜1250℃が適当であり、
省エネルギーの観点から1100℃未満が好適であ
る。連続鋳造から鋼片を再加熱することなく圧延
を開始するいわゆるCC−DR(連続鋳造−直接圧
延)法ももちろん適用可能である。 一方溶鋼から直ちに50mm以下の圧延素材を鋳造
する方法(シートバーキヤスター法およびストリ
ツプキヤスター法)も省エネルギー、省工程の観
点から経済的メリツトが大きいので、圧延素材の
製造法としてはとりわけ有利である。 (3) 圧延工程 冷延工程省略可能な工程においては低炭素鋼を
所定板厚に圧延する工程のおいて、少なくとも1
パスを200〜800℃の温度範囲で30%以上90%以下
の圧下率で温間圧延することが必須である。仕上
圧延温度が800℃を超える高温域では、いくら鋼
組成を規制しても、耐リジング性と加工性の劣る
ものしか得られない。一方、200℃未満では、変
形抵抗の著しい増大をもたらし、冷間圧延法にお
いて特有な問題が生じる。また圧下率が30%未満
では優れた加工性を得ることができず、一方1パ
スで90%を越える圧下率で圧延を行うと鋼板形状
およびロール摩耗等の問題が生じる。それゆえパ
ス当たり30%以上90%以下の圧下率をとる少なく
とも1パスの温間圧延温度は200〜800℃の温度範
囲にする。 また冷延−再結晶焼鈍省略可能な工程において
は、少なくとも1パスを300℃〜Ar3変態点の温
度範囲で35%以上90%以下の圧下率で圧延するこ
とが必須である。この圧延温度がAr3変態点をこ
えるといくら鋼組成を規制しても耐リジング性と
加工性の劣ることが懸念され一方、300℃未満で
は、圧延後再結晶の進行も十分でない。また圧下
率が35%未満では優れた加工性を得ることができ
ず、一方、1パスで90%を越える圧下率で圧延を
行うと鋼板形状およびロール摩耗等の問題を生じ
る。それゆえパス当たり35%以上90%以下の圧下
率をとる少なくとも1パスの温間圧延は300℃〜
Ar3変態点範囲にする。 ひずみ速度については発明者らは上掲特公平2
−57128号、並びに同57133号各公報にて、300s-1
以上とすることにより、耐リジング性と加工性に
優れた薄鋼板を製造できることを開示している
が、この発明では新たに鋼組成を規制するだけで
耐リジング性と加工性に優れた薄鋼板を製造でき
ることを見い出したのであり、そのためこの発明
においてはひずみ速度は任意でよい。 圧延パス数、圧下率の配分は上記の条件が満た
されれば任意でよい。 圧延機の配列、構造、ロール径や張力、潤滑の
有無などは本質的な影響力を持たない。 (4) 焼鈍工程 焼鈍方法は箱型焼鈍法、連続型焼鈍法のいずれ
でもよいが、均質性、生産性の観点から後者が有
利である。 加熱温度は400〜950℃で行なう。 また再結晶焼鈍工程省略可能なものについて
は、原則として、焼鈍処理は不要であるが、材質
上の要請から、圧延後のランアウトテーブル上お
よび巻取り工程で保熱、均熱処理を施すこと、ま
た必要に応じて圧延後に多少の加熱処理を施すこ
とを禁ずるものではない。 (5) 酸洗調質圧延 上述の手順で得られた鋼帯は、従来よりも低温
域の圧延であるため、酸化層は薄く、酸洗性は極
めて良好であるため、酸洗せずに使用できる用途
も広い。また脱スケールは、従来の酸による除去
の他に機械的除去も可能である。さらに形状矯
正、表面粗度調整などを目的として、10%以下の
調質圧延を加えることができる。 (6) 表面処理 かくして得られる鋼帯は、亜鉛めつき(合金系
を含む)、錫めつきおよびほうろう性など、表面
処理性に優れるので各種表面処理原板として適用
できる。 (作用) 鋼組成の限定理由およびその作用は以下の通り
である。 まず発明者らは上掲供試鋼での研究の結果、鋼
中のC,Nのうち固溶状態にあるものは
(C(wt%)/12+N(wt%)/14)−(Ti(wt%)/
48+ Nb(wt%)/93)であり、残りはTiおよびNbの炭、 窒化物として析出固定されていることを見い出し
た。 さらに温間圧延時に1〜10ppm程度の侵入型固
溶C,Nが存在すると、動的ひずみ時効の効果に
より、耐リジング性および加工性に有利な結晶方
位の集合組織が形成されることも見い出した。 そして、このような効果は、鋼中Oが30ppm以
下のみ含有されている時に有効であることが分か
つた。そのためC,N,Ti及び/又はNbについ
て0.0001(wt%)≦(C(wt%)/12+N(wt%)/14
)− (Ti(wt%)/48+Nb(wt%)/93)≦0.0010(wt%)
の関 係を満たすことと限定した。なお鋼中Oの効果が
明確ではないが、加工ひずみの変化に影響をあた
えているものと考えられる。 以上のほか鋼中成分の限定理由は次のとおりで
ある。 C≦0.01wt% C成分は少ないほど加工性が向上し、一方
0.01wt%を越えて含有させると、炭化物の析出量
が多くなり過ぎるため、最終製品の加工性が劣化
するので、C≦0.01wt%とした。 N≦0.01wt% N成分は少ないほど加工性が向上し、一方
0.01wt%を越えて含有させると、窒化物の析出量
が多くなり過ぎるため、最終製品の加工性が劣化
するので、N≦0.01wt%とした。 0.002wt%≦Al≦0.10wt% Alは脱酸を行うために添加されるが、0.002wt
%未満であると十分な脱酸は行なわれず、この発
明に従いO≦0.003wt%の実現が困難となる。一
方0.10wt%を越えて添加させても、より一層の脱
酸効果は得られずコスト高となることにより、
0.002wt%≦Al≦0.10wt%とした。 Si≦0.1wt% Si成分は鋼を強化させる作用があるが、0.1wt
%を越えると加工性に有利な集合組織の形成が困
難となるため、Si≦0.1wt%とした。 Mn≦0.5wt% Mn成分は鋼の靭性を改善する作用があるが、
0.5wt%を越えると、加工性に有利な集合組織の
形成が困難となるため、Mn≦0.5wt%とした。 P≦0.1wt% P成分は、鋼の強化する作用があるが、0.1wt
%を越えると再結晶が困難となり、また延性も劣
化するため、P≦0.1wt%とした。 (実施例) 表1に示す組成に成分調整した溶鋼を用いてそ
れぞれ表2および表3に示す方法で板厚30〜40mm
のシートバーにした後、6列から成る圧延機を用
いて板厚0.8〜1.6mmの薄鋼板とした。
【表】
【表】 ☆ 比較例
【表】 ☆ 比較例
【表】
【表】 その後、再結晶焼鈍(均熱温度600℃〜820℃)、
酸洗、調質圧延(圧下率0.5〜1%)後の材料特
性を表2に示す。また圧延後、再結晶焼鈍を省略
して酸洗、調質圧延(圧下率0.5〜1%)後の材
料特性を表3に示す。なお引張特性はJIS5号試験
片として求めた。またリジング性は、圧下方向か
ら切り出したJIS5号試験片を用い、15%の引張予
ひずみを付加したものについて、表面の凹凸を目
視法にて1(良)〜5(劣)の評価をした。この評
価は、在来の低炭素冷延鋼板の製造方法によると
き、リジングが事実上現われなかつたので評価基
準が確立していない。したがつて、この発明では
従来ステンレス鋼についての目視法による指数評
価基準をそのまま準用した。評価1,2は実用上
問題のないリジング性を示す。 この発明に従つて製造された薄鋼板は比較例よ
りも優れた耐リジング性と加工性を示している。 (発明の効果) この発明によれば鋼組成を規制するだけで冷延
工程あるいは冷延−再結晶焼鈍工程をも省略した
省工程により、良好な加工性とともに優れた耐リ
ジング性をもつ薄鋼板を得ることができ、しかも
圧延素材についてもシートバーキヤスター法、ス
トリツプキヤスター法などに適合するなど、加工
用薄鋼板の製造工程の大幅な簡略化が実現でき
る。
【図面の簡単な説明】 第1図は(C(wt%)/12+N(wt%)/14)− (Ti(wt%)/48+Nb(wt%)/93)量とリジング指数
お よび値の関係を示すグラフ、第2図は
(C(wt%)/12+N(wt%)/14)−(Ti(wt%)/
48+ Nb(wt%)/93)量および圧下率とリジング指数お よび値の関係を示すグラフである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 C:0.01wt%以下 Si:0.1wt%以下 Mn:0.5wt%以下 P:0.1wt%以下 Al:0.002〜0.10wt% N:0.01wt%以下及び O:0.003wt%以下 を含み、さらにTi及びNbのうち少なくとも1種
    を、C及びN含有量に応じ 0.0001(wt%)≦(C(wt%)/12+N(wt%)/14
    )−(Ti(wt%)/48+Nb(wt%)/93)≦0.0010(wt
    %) の関係を満たして含有する組成の鋼素材に、200
    ℃〜800℃の温度域にて少なくとも1パスの温間
    圧延をパス当たりの圧下率が30%以上90%以下の
    条件にて施し、引続き450〜950℃の温度範囲で焼
    鈍する ことを特徴とする、耐リジング性に優れる加工用
    温間圧延薄鋼板の製造方法。 2 C:0.01wt%以下 Si:0.1wt%以下 Mn:0.5wt%以下 P:0.1wt%以下 Al:0.002〜0.10wt% N:0.01wt%以下及び O:0.003wt%以下 を含み、さらにTi及びNbのうち少なくとも1種
    を、C及びN含有量に応じ 0.0001(wt%)≦(C(wt%)/12+N(wt%)/14
    )−(Ti(wt%)/48+Nb(wt%)/93)≦0.0010(wt
    %) の関係を満たして含有する組成の鋼素材に、300
    ℃〜Ar3変態点の温度域にて少なくとも1パスの
    温間圧延をパス当たりの圧下率が35%以上90%以
    下の条件にて施す ことを特徴とする、耐リジング性に優れる加工用
    アズロールド温間圧延薄鋼板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS609830A (ja) * 1983-06-28 1985-01-18 Nippon Steel Corp 非時効で深絞り加工性の優れた冷延鋼板の製造方法
JPS6254058A (ja) * 1985-09-02 1987-03-09 Kawasaki Steel Corp 高延性を有する冷延鋼板およびその製造方法

Patent Citations (2)

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JPS609830A (ja) * 1983-06-28 1985-01-18 Nippon Steel Corp 非時効で深絞り加工性の優れた冷延鋼板の製造方法
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