JPH034608B2 - - Google Patents
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- JPH034608B2 JPH034608B2 JP20381386A JP20381386A JPH034608B2 JP H034608 B2 JPH034608 B2 JP H034608B2 JP 20381386 A JP20381386 A JP 20381386A JP 20381386 A JP20381386 A JP 20381386A JP H034608 B2 JPH034608 B2 JP H034608B2
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Landscapes
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- Metal Rolling (AREA)
- Heat Treatment Of Steel (AREA)
Description
(産業上の利用分野)
耐リジング性と深絞り性に優れた加工用薄鋼板
の製造に関しこの明細書では、圧延条件と巻き取
り条件とを規制することにより冷間圧延および再
結晶焼鈍工程を省略し得る新プロセスについて以
下に述べる。 建材、自動車車体材、缶材ないしは各種表面処
理原板などの用途に使用される板厚がおよそ2mm
以下の加工用薄鋼板には以下のような特性が要求
される。 (1) 機械的特性 良好な曲げ加工性、張り出し加工性および絞
り加工性を得るために、主として高い延性と高
いランクフオード値(r値)が必要である。 とくに自動車のパネル、オイルパン、および
ガソリンタンクなどの部品は、成形性、なかで
もとりわけ深絞り成形に対する要求の厳しい部
品であり、部品形状にも依存するが、≧1.8
かつ≧54(%)が必要である。 (2) 表面特性 これら材料は主として最終製品の最外側に使
用されるため、素材としての形状および表面美
麗さはもちろんのこと、各種表面処理性も重要
である。 これら薄鋼板の一般的な製造手段は、次のとお
りである。 まず鋼素材としては主に低炭素鋼を用い、造塊
一分塊圧延にて板厚200mm程度の鋼片とした後、
加熱炉にて加熱−均熱処理し、ついで粗熱延工程
により板厚約30mmのシートバーとしてから、仕上
温度がAr3変態点以上の範囲における仕上熱延工
程にて所定板厚の熱延鋼帯とし、しかるのちそれ
を酸洗後、冷間圧延により所定板厚(2.0mm以下)
の冷延鋼帯とし、さらに再結晶焼鈍を施して最終
製品とする。 かかる慣行の最大の欠点は最終製品の至るまで
の工程がきわめて長いことにある。その結果、製
品にするまでに要するエネルギー、要員および時
間が莫大になるだけでなく、これら長い工程中
に、製品の品質とくに表面特性上種々の問題を生
じさせる不利も加わる。例えば冷間圧延工程にお
ける表面欠陥の発生、あるいは再結晶焼鈍工程に
おける不純物元素の表面濃化および表面酸化に起
因する表面美麗さの劣化、さらには表面処理性の
劣化などか不可避的トラブルである。 ところで加工用薄鋼板の製造法としては、熱間
圧延工程にて最終製品とするものも考えられてい
る。この方法によれば、冷間圧延および再結晶焼
鈍工程が省略でき、そのメリツトは大きい。 しかしながら、熱間圧延のままで得られる薄鋼
板の機械的特性は、冷延−焼鈍工程を経たものに
比べるとはるかに劣る。とくに自動車の車体など
に使用されるプレス加工材には優れた深絞り性が
要求されるのに対し、熱延鋼板のr値は1.0前後
と低く、そのためその加工用途はきわめて限られ
たものになる。これは従来の熱延方法において
は、その仕上温度がAr3変態点以上であるため、
γ→α変態時に集合組織がランダム化するためで
ある。加えて2.0mm以下の板厚の薄鋼板を熱延工
程のみで製造することはきわめて困難である。し
かも寸法精度の問題の他に、薄くなることによる
鋼板温度の低下は、低炭素鋼のAr3変態点以下の
圧延を余義なくし、材質(延性、絞り性)の著し
い劣化をもたらす。またたとえAr3変態点以下の
圧延によつて材質が確保できたとしても、フエラ
イト域で圧延された鋼板にはリジングが発生しや
すくなるという新たな問題が生じる。 ここにリジングとは製品の加工時に生じる表面
の凹凸の欠陥であつて、加工製品の最外側に使用
されることが主であるこの種の鋼板にとつては致
命的な欠陥である。 リジングは、金属学的には加工−再結晶過程を
経ても容易には分割されない結晶方位群(例えば
{100}方位粒群)が圧延方向に伸ばされたまま残
留することに起因するものであり、一般にフエラ
イト(α)域の比較的高温で加工された状況で生
じやすく、とくにフエライト域での圧下率が高い
場合すなわち薄鋼板の製造のような場合にはその
傾向が強い。 最近では、これら加工用薄鋼板は、加工製品の
複雑化、高級化に伴い厳しい加工を受けることが
多くなつたこともあり、優れた耐リジング性が要
求されるようになつてきた。 ところで近年鉄鋼材料の製造工程は著しく変化
しており、加工用薄鋼板の場合も例外ではない。 すなわち、近年まず連続鋳造プロセスの導入に
よつて分塊圧延工程が省略可能となり、また材質
向上と省エネルギーを目的として鋼片の加熱温度
は従来の1200℃近傍から1100℃近傍もしくはそれ
以下に低下される傾向にある。さらに溶鋼から直
ちに板厚50mm以下の鋼帯を溶製することにより、
熱延の加熱処理と粗圧延工程を省略できるプロセ
スも実用化されつつある。 しかしながらこれらの新製造工程は、いずれも
溶鋼が凝固する際にできる組織(鋳造組織)を破
壊するという点では不利である。とくに凝固時に
形成された{100}<uvw>を主方位とする強い鋳
造集合組織を破壊することはきわめて困難であ
る。 その結果として、最終薄鋼板には、前述したリ
ジングが起こりやすかつたのである。 (従来の技術) Ar3変態点以下の比較的低温域で所定板厚の薄
鋼板とし、その後は冷間圧延および再結晶焼鈍工
程を施さない加工用薄鋼板の製造方法もいくつか
提示されている。例えば特開昭48−4329号公報に
は、低炭素リムド鋼をAr3変態点以下の温度で90
%の圧延にて4mm板厚の鋼帯とすることによる降
伏点26.1Kg/mm2、引張強さ37.3Kg/mm2、伸び49.7
%、=1.29の特性を有する製造例が示されてい
る。また特開昭52−44718号公報には同じく低炭
素リムド鋼を熱延仕上温度800〜860℃(Ar3変態
点以下)で2.0mm板厚とし、巻取温度600〜730℃
とすることによる、降伏点20Kg/mm2以下の低降伏
点鋼板の製造法が示されている。しかしながら絞
り性の指標であるコニカルカツプ値は得られる製
品で60.60〜62.18mm程度であり、この点従来例の
60.58〜60.61に比べると絞り性は同等かそれ以下
である。さらに特開昭53−22850号公報には同じ
く低炭素リムド鋼を熱延仕上温度710〜750℃で
1.8〜2.3mm板厚とし、巻取温度530〜600℃とする
ことによる低炭素熱延鋼板の製造法が示されい
る。しかしながらこの方法によつて得られる製品
のコニカルカツプ値も上掲の特開昭2−44718号
公報の場合と同様に従来例よりも高く、絞り性は
劣つている。またさらに特開昭54−109022号公報
には、低炭素アルミキルド鋼を熱延仕上温度760
〜820℃で1.6mm板厚とし、巻取温度650〜690℃と
することによる降伏点14.9〜18.8Kg/mm2、引張強
さ27.7〜29.8Kg/mm2、伸び39.0〜44.8%の特性を
有する低強度軟鋼板の製造例が開示されている。
その他特開昭59−226149号公報にはC/0.002、
Si/0.02、Mn0.23、P/0.009、S/0.008、Al/
0.025、N/0.0021、Ti/0.10の低炭素Alキルド
鋼を500〜900℃で潤滑油を供給しつつ76%の圧延
にて1.6mm板厚の鋼帯とすることにより、=
1.21の特性を有する薄鋼板を製造する例が示され
ている。 しかしながら上記した公知技術にはいずれも、
前述した耐リジング性を向上させることについて
は何らの考慮も払われていない。 (発明が解決しようとする問題点) 発明者らはすでに特願昭60−43971号明細書に
おいて、少なくとも1パスをAr3変態点以下、
500℃以上の温度範囲で、圧下率35%以上で、か
つひずみ速度:300s-1以上で圧延することによ
り、冷間圧延および再結晶焼鈍工程を省略し得る
耐リジング性に優れる加工用薄鋼板の製造方法を
提案している。 しかしながら、前述した深絞り性の特性≧
1.8かつ≧54(%)を満たすには至つていない。 そこで冷間圧延のみならず再結晶焼鈍をも含ま
ない新プロセスによつて、上記の要請を満足する
優れた耐リジング性と深絞り性をそなえる薄鋼板
の製造方法を与えることが、この発明の目的であ
る。 (問題点を解決するための手段) 発明者らは、先の関連出願の以後も研究を重ね
た結果、圧延条件および巻き取り条件を規制する
ことにより、耐リジング性と深絞り性に優れた薄
鋼板の製造が可能となることを見い出した。 すなわち、この発明は、低炭素鋼を所定板厚に
圧延する工程において、少なくとも1パスを、
600〜800℃の温度範囲にて、圧下率:35%以上で
かつひずみ速度:600s-1以上で圧延し、ひき続き
600〜750℃の温度範囲にて巻き取ることを特徴と
する耐リジング性と深絞り性に優れる加工用薄鋼
板の製造方法である。 発明者らは鋭意研究を重ねた結果以下のように
製造条件を規制することにより、耐リジング性と
深絞り性に優れる薄鋼板が製造できることを確認
した。 (1) 鋼組成 高ひずみ速度圧延の効果は本質的には鋼組成
に依存しない。ただし、一定レベル以上の絞り
性を確保するためには、侵入型固溶元素である
C、Nはそれぞれ0.10%以下、0.01%以下であ
ることが好ましい。また鋼中OをAlの添加に
より低減することは、材質とくに延性の向上に
有利である。さらにより優れた加工性を得るた
めに、C、Nを安定な炭窒化物として析出固定
可能な特殊元素たとえばTi、Nb、ZrおよびB
等の添加も有効である。 また高強度を得るためにP、SiおよびMn等
を強度に応じて添加することもできる。 (2) 圧延素材の製造法 従来方式、すなわち造塊−分塊圧延もしくは
連続鋳造法により得られた鋼片は当然に適用で
きる。 鋼片の加熱温度は800〜1250℃が適当であり、
省エネルギーの観点から1100℃未満が好適であ
る。連続鋳造から鋼片を再加熱することなく圧
延を開始するいわゆるCC−DR(連続鋳造−直
接圧延)法も勿論適用可能である。 一方溶鋼から直ちに500mm以下の圧延素材を
鋳造する方法(シートバーキヤスター法および
トリツプキヤスター法)も省エネルギー、省工
程の観点から経済的メリツトが大きいので、圧
延素材の製造法としてはとりわけ有利である。 (3) 圧延工程 この工程が最も重要であり、低炭素鋼を所定
の板厚に圧延するに当り、仕上圧延において、
少なくとも1パスを、600〜800℃の温度範囲
で、圧下率35%以上でかつひずみ速度600s-1以
上の条件下に圧延することが必須である。 仕上圧延温度が800℃を超える高温域では、
たとえ圧下率35%以上、ひずみ速度600s-1以上
で圧延を施したとしても、深絞り性の劣るもの
しか得られず、一方600℃未満では、次工程で
の巻き取り温度:600℃以上の確保が不可能と
なるため仕上圧延温度は600〜800℃の範囲に限
定した。 またひずみ速度については、600s-1に満たな
いと目標とする材質が確保できないので、
600s-1以上とした。 圧延パス数、圧下率の配分は、上記の条件が
満たされれば任意でよい。 圧延機の配列、構造、ロール径や、張力、潤
滑の有無などは本質的な影響力を持たない。 圧延機の巻き取り温度は600〜750℃とするこ
とが必須である。600℃未満の巻き取り温度で
は≧1.8かつ≧54(%)を満たす特性は得ら
れず、一方、750℃をこえる温度で巻き取つた
時には、スケール生成によつて表面性状が悪く
なるため、巻き取り温度は600〜750℃の範囲に
限定した。 (4) 酸洗、調質圧延 上述の手順で得られた鋼帯は、従来よりも低
温域での圧延であるため酸化層は薄く、酸洗性
は極めて良好であるので、酸洗せずに使用でき
る用途も広い。また脱スケールは、従来の酸に
よる除去の他に機械的除去も可能である。さら
に形状矯正、表面粗度調整などを目的として、
10%以下の調質圧延を加えることができる。 (5) 表面処理 かくして得られる鋼帯は、亜鉛めつき(合金
系を含む)、錫めつきおよびほうろう性など表
面処理性に優れるので、各種表面処理原板とし
て適用できる。 (作用) この発明に従い、高圧下率、高ひずみ速度で圧
延を行い、ひき続き600〜750℃で巻き取ることに
よつて、耐リジング性さらには値および延性が
格段に向上する理由について、以下のごとく考え
られる。 すなわち、高ひずみ速度圧延は圧延時に導入さ
れる加工ひずみ量と密接な関係にあり、ひずみ速
度が増加するにつれて絞り性の向上に寄与する
{222}方位粒の加工ひずみ量が増加し、ひき続き
進行する再結晶過程において{222}方位粒の生
成および成長を促進させ、一方でリジング発生の
主たる原因である{200}方位粒を侵食し減少さ
せるため、リジングの発生を抑制し、かつ値を
向上させ得る。 また600〜750℃の温度範囲で巻き取ることとし
たのは、再結晶過程における粒成長促進と密接な
関係がある。すなわち600℃以上の巻き取り温度
では、{222}方位粒が{200}方位粒を侵食し、
かつその粒成長性が良いため延性が向上し、一
方、600℃未満では粒成長はほとんど進行しない
ため、目標とする材質を得ることができない。 (実施例) 表1に示す組成鋼をそれぞれ、表2に示す方法
で板厚20〜40mmのシートバーにした後、6列から
成る圧延機を用いて板厚0.8〜1.2mmの薄鋼板とし
た。このとき表3に示したスタンドにおいて高ひ
ずみ速度圧延を行つた後、表2に示す温度で巻き
取つた。 かくして得られた薄鋼板につき、酸洗、調質圧
延(圧下率0.5〜1%)後の材料特性を表2に示
す。なお引張特性はJIS5号試験片として求めた。
またリジング性は、圧延方向から切り出したJIS5
号試験片を用い、15%の引張予ひずみを付加した
ものについて、表面の凹凸を目視法にて1(良)
〜5(劣)の評価をした。この評価は、在来の低
炭素冷延鋼板の製造方法によるときリジングが史
実上あらわれなかつたので、評定基準が確立され
ていない。したがつて本発明では従来ステンレス
孔についての目視法による指数評価基準をそのま
ま準備した。評価1、2は実用上問題のないリジ
ング性を示す。 この発明に従つて製造された鋼板は比較例より
優れた値と耐リジング性とを示しており、従来
の冷間圧延−再結晶焼鈍工程を経て製造されたも
のと何らそん色がない。
の製造に関しこの明細書では、圧延条件と巻き取
り条件とを規制することにより冷間圧延および再
結晶焼鈍工程を省略し得る新プロセスについて以
下に述べる。 建材、自動車車体材、缶材ないしは各種表面処
理原板などの用途に使用される板厚がおよそ2mm
以下の加工用薄鋼板には以下のような特性が要求
される。 (1) 機械的特性 良好な曲げ加工性、張り出し加工性および絞
り加工性を得るために、主として高い延性と高
いランクフオード値(r値)が必要である。 とくに自動車のパネル、オイルパン、および
ガソリンタンクなどの部品は、成形性、なかで
もとりわけ深絞り成形に対する要求の厳しい部
品であり、部品形状にも依存するが、≧1.8
かつ≧54(%)が必要である。 (2) 表面特性 これら材料は主として最終製品の最外側に使
用されるため、素材としての形状および表面美
麗さはもちろんのこと、各種表面処理性も重要
である。 これら薄鋼板の一般的な製造手段は、次のとお
りである。 まず鋼素材としては主に低炭素鋼を用い、造塊
一分塊圧延にて板厚200mm程度の鋼片とした後、
加熱炉にて加熱−均熱処理し、ついで粗熱延工程
により板厚約30mmのシートバーとしてから、仕上
温度がAr3変態点以上の範囲における仕上熱延工
程にて所定板厚の熱延鋼帯とし、しかるのちそれ
を酸洗後、冷間圧延により所定板厚(2.0mm以下)
の冷延鋼帯とし、さらに再結晶焼鈍を施して最終
製品とする。 かかる慣行の最大の欠点は最終製品の至るまで
の工程がきわめて長いことにある。その結果、製
品にするまでに要するエネルギー、要員および時
間が莫大になるだけでなく、これら長い工程中
に、製品の品質とくに表面特性上種々の問題を生
じさせる不利も加わる。例えば冷間圧延工程にお
ける表面欠陥の発生、あるいは再結晶焼鈍工程に
おける不純物元素の表面濃化および表面酸化に起
因する表面美麗さの劣化、さらには表面処理性の
劣化などか不可避的トラブルである。 ところで加工用薄鋼板の製造法としては、熱間
圧延工程にて最終製品とするものも考えられてい
る。この方法によれば、冷間圧延および再結晶焼
鈍工程が省略でき、そのメリツトは大きい。 しかしながら、熱間圧延のままで得られる薄鋼
板の機械的特性は、冷延−焼鈍工程を経たものに
比べるとはるかに劣る。とくに自動車の車体など
に使用されるプレス加工材には優れた深絞り性が
要求されるのに対し、熱延鋼板のr値は1.0前後
と低く、そのためその加工用途はきわめて限られ
たものになる。これは従来の熱延方法において
は、その仕上温度がAr3変態点以上であるため、
γ→α変態時に集合組織がランダム化するためで
ある。加えて2.0mm以下の板厚の薄鋼板を熱延工
程のみで製造することはきわめて困難である。し
かも寸法精度の問題の他に、薄くなることによる
鋼板温度の低下は、低炭素鋼のAr3変態点以下の
圧延を余義なくし、材質(延性、絞り性)の著し
い劣化をもたらす。またたとえAr3変態点以下の
圧延によつて材質が確保できたとしても、フエラ
イト域で圧延された鋼板にはリジングが発生しや
すくなるという新たな問題が生じる。 ここにリジングとは製品の加工時に生じる表面
の凹凸の欠陥であつて、加工製品の最外側に使用
されることが主であるこの種の鋼板にとつては致
命的な欠陥である。 リジングは、金属学的には加工−再結晶過程を
経ても容易には分割されない結晶方位群(例えば
{100}方位粒群)が圧延方向に伸ばされたまま残
留することに起因するものであり、一般にフエラ
イト(α)域の比較的高温で加工された状況で生
じやすく、とくにフエライト域での圧下率が高い
場合すなわち薄鋼板の製造のような場合にはその
傾向が強い。 最近では、これら加工用薄鋼板は、加工製品の
複雑化、高級化に伴い厳しい加工を受けることが
多くなつたこともあり、優れた耐リジング性が要
求されるようになつてきた。 ところで近年鉄鋼材料の製造工程は著しく変化
しており、加工用薄鋼板の場合も例外ではない。 すなわち、近年まず連続鋳造プロセスの導入に
よつて分塊圧延工程が省略可能となり、また材質
向上と省エネルギーを目的として鋼片の加熱温度
は従来の1200℃近傍から1100℃近傍もしくはそれ
以下に低下される傾向にある。さらに溶鋼から直
ちに板厚50mm以下の鋼帯を溶製することにより、
熱延の加熱処理と粗圧延工程を省略できるプロセ
スも実用化されつつある。 しかしながらこれらの新製造工程は、いずれも
溶鋼が凝固する際にできる組織(鋳造組織)を破
壊するという点では不利である。とくに凝固時に
形成された{100}<uvw>を主方位とする強い鋳
造集合組織を破壊することはきわめて困難であ
る。 その結果として、最終薄鋼板には、前述したリ
ジングが起こりやすかつたのである。 (従来の技術) Ar3変態点以下の比較的低温域で所定板厚の薄
鋼板とし、その後は冷間圧延および再結晶焼鈍工
程を施さない加工用薄鋼板の製造方法もいくつか
提示されている。例えば特開昭48−4329号公報に
は、低炭素リムド鋼をAr3変態点以下の温度で90
%の圧延にて4mm板厚の鋼帯とすることによる降
伏点26.1Kg/mm2、引張強さ37.3Kg/mm2、伸び49.7
%、=1.29の特性を有する製造例が示されてい
る。また特開昭52−44718号公報には同じく低炭
素リムド鋼を熱延仕上温度800〜860℃(Ar3変態
点以下)で2.0mm板厚とし、巻取温度600〜730℃
とすることによる、降伏点20Kg/mm2以下の低降伏
点鋼板の製造法が示されている。しかしながら絞
り性の指標であるコニカルカツプ値は得られる製
品で60.60〜62.18mm程度であり、この点従来例の
60.58〜60.61に比べると絞り性は同等かそれ以下
である。さらに特開昭53−22850号公報には同じ
く低炭素リムド鋼を熱延仕上温度710〜750℃で
1.8〜2.3mm板厚とし、巻取温度530〜600℃とする
ことによる低炭素熱延鋼板の製造法が示されい
る。しかしながらこの方法によつて得られる製品
のコニカルカツプ値も上掲の特開昭2−44718号
公報の場合と同様に従来例よりも高く、絞り性は
劣つている。またさらに特開昭54−109022号公報
には、低炭素アルミキルド鋼を熱延仕上温度760
〜820℃で1.6mm板厚とし、巻取温度650〜690℃と
することによる降伏点14.9〜18.8Kg/mm2、引張強
さ27.7〜29.8Kg/mm2、伸び39.0〜44.8%の特性を
有する低強度軟鋼板の製造例が開示されている。
その他特開昭59−226149号公報にはC/0.002、
Si/0.02、Mn0.23、P/0.009、S/0.008、Al/
0.025、N/0.0021、Ti/0.10の低炭素Alキルド
鋼を500〜900℃で潤滑油を供給しつつ76%の圧延
にて1.6mm板厚の鋼帯とすることにより、=
1.21の特性を有する薄鋼板を製造する例が示され
ている。 しかしながら上記した公知技術にはいずれも、
前述した耐リジング性を向上させることについて
は何らの考慮も払われていない。 (発明が解決しようとする問題点) 発明者らはすでに特願昭60−43971号明細書に
おいて、少なくとも1パスをAr3変態点以下、
500℃以上の温度範囲で、圧下率35%以上で、か
つひずみ速度:300s-1以上で圧延することによ
り、冷間圧延および再結晶焼鈍工程を省略し得る
耐リジング性に優れる加工用薄鋼板の製造方法を
提案している。 しかしながら、前述した深絞り性の特性≧
1.8かつ≧54(%)を満たすには至つていない。 そこで冷間圧延のみならず再結晶焼鈍をも含ま
ない新プロセスによつて、上記の要請を満足する
優れた耐リジング性と深絞り性をそなえる薄鋼板
の製造方法を与えることが、この発明の目的であ
る。 (問題点を解決するための手段) 発明者らは、先の関連出願の以後も研究を重ね
た結果、圧延条件および巻き取り条件を規制する
ことにより、耐リジング性と深絞り性に優れた薄
鋼板の製造が可能となることを見い出した。 すなわち、この発明は、低炭素鋼を所定板厚に
圧延する工程において、少なくとも1パスを、
600〜800℃の温度範囲にて、圧下率:35%以上で
かつひずみ速度:600s-1以上で圧延し、ひき続き
600〜750℃の温度範囲にて巻き取ることを特徴と
する耐リジング性と深絞り性に優れる加工用薄鋼
板の製造方法である。 発明者らは鋭意研究を重ねた結果以下のように
製造条件を規制することにより、耐リジング性と
深絞り性に優れる薄鋼板が製造できることを確認
した。 (1) 鋼組成 高ひずみ速度圧延の効果は本質的には鋼組成
に依存しない。ただし、一定レベル以上の絞り
性を確保するためには、侵入型固溶元素である
C、Nはそれぞれ0.10%以下、0.01%以下であ
ることが好ましい。また鋼中OをAlの添加に
より低減することは、材質とくに延性の向上に
有利である。さらにより優れた加工性を得るた
めに、C、Nを安定な炭窒化物として析出固定
可能な特殊元素たとえばTi、Nb、ZrおよびB
等の添加も有効である。 また高強度を得るためにP、SiおよびMn等
を強度に応じて添加することもできる。 (2) 圧延素材の製造法 従来方式、すなわち造塊−分塊圧延もしくは
連続鋳造法により得られた鋼片は当然に適用で
きる。 鋼片の加熱温度は800〜1250℃が適当であり、
省エネルギーの観点から1100℃未満が好適であ
る。連続鋳造から鋼片を再加熱することなく圧
延を開始するいわゆるCC−DR(連続鋳造−直
接圧延)法も勿論適用可能である。 一方溶鋼から直ちに500mm以下の圧延素材を
鋳造する方法(シートバーキヤスター法および
トリツプキヤスター法)も省エネルギー、省工
程の観点から経済的メリツトが大きいので、圧
延素材の製造法としてはとりわけ有利である。 (3) 圧延工程 この工程が最も重要であり、低炭素鋼を所定
の板厚に圧延するに当り、仕上圧延において、
少なくとも1パスを、600〜800℃の温度範囲
で、圧下率35%以上でかつひずみ速度600s-1以
上の条件下に圧延することが必須である。 仕上圧延温度が800℃を超える高温域では、
たとえ圧下率35%以上、ひずみ速度600s-1以上
で圧延を施したとしても、深絞り性の劣るもの
しか得られず、一方600℃未満では、次工程で
の巻き取り温度:600℃以上の確保が不可能と
なるため仕上圧延温度は600〜800℃の範囲に限
定した。 またひずみ速度については、600s-1に満たな
いと目標とする材質が確保できないので、
600s-1以上とした。 圧延パス数、圧下率の配分は、上記の条件が
満たされれば任意でよい。 圧延機の配列、構造、ロール径や、張力、潤
滑の有無などは本質的な影響力を持たない。 圧延機の巻き取り温度は600〜750℃とするこ
とが必須である。600℃未満の巻き取り温度で
は≧1.8かつ≧54(%)を満たす特性は得ら
れず、一方、750℃をこえる温度で巻き取つた
時には、スケール生成によつて表面性状が悪く
なるため、巻き取り温度は600〜750℃の範囲に
限定した。 (4) 酸洗、調質圧延 上述の手順で得られた鋼帯は、従来よりも低
温域での圧延であるため酸化層は薄く、酸洗性
は極めて良好であるので、酸洗せずに使用でき
る用途も広い。また脱スケールは、従来の酸に
よる除去の他に機械的除去も可能である。さら
に形状矯正、表面粗度調整などを目的として、
10%以下の調質圧延を加えることができる。 (5) 表面処理 かくして得られる鋼帯は、亜鉛めつき(合金
系を含む)、錫めつきおよびほうろう性など表
面処理性に優れるので、各種表面処理原板とし
て適用できる。 (作用) この発明に従い、高圧下率、高ひずみ速度で圧
延を行い、ひき続き600〜750℃で巻き取ることに
よつて、耐リジング性さらには値および延性が
格段に向上する理由について、以下のごとく考え
られる。 すなわち、高ひずみ速度圧延は圧延時に導入さ
れる加工ひずみ量と密接な関係にあり、ひずみ速
度が増加するにつれて絞り性の向上に寄与する
{222}方位粒の加工ひずみ量が増加し、ひき続き
進行する再結晶過程において{222}方位粒の生
成および成長を促進させ、一方でリジング発生の
主たる原因である{200}方位粒を侵食し減少さ
せるため、リジングの発生を抑制し、かつ値を
向上させ得る。 また600〜750℃の温度範囲で巻き取ることとし
たのは、再結晶過程における粒成長促進と密接な
関係がある。すなわち600℃以上の巻き取り温度
では、{222}方位粒が{200}方位粒を侵食し、
かつその粒成長性が良いため延性が向上し、一
方、600℃未満では粒成長はほとんど進行しない
ため、目標とする材質を得ることができない。 (実施例) 表1に示す組成鋼をそれぞれ、表2に示す方法
で板厚20〜40mmのシートバーにした後、6列から
成る圧延機を用いて板厚0.8〜1.2mmの薄鋼板とし
た。このとき表3に示したスタンドにおいて高ひ
ずみ速度圧延を行つた後、表2に示す温度で巻き
取つた。 かくして得られた薄鋼板につき、酸洗、調質圧
延(圧下率0.5〜1%)後の材料特性を表2に示
す。なお引張特性はJIS5号試験片として求めた。
またリジング性は、圧延方向から切り出したJIS5
号試験片を用い、15%の引張予ひずみを付加した
ものについて、表面の凹凸を目視法にて1(良)
〜5(劣)の評価をした。この評価は、在来の低
炭素冷延鋼板の製造方法によるときリジングが史
実上あらわれなかつたので、評定基準が確立され
ていない。したがつて本発明では従来ステンレス
孔についての目視法による指数評価基準をそのま
ま準備した。評価1、2は実用上問題のないリジ
ング性を示す。 この発明に従つて製造された鋼板は比較例より
優れた値と耐リジング性とを示しており、従来
の冷間圧延−再結晶焼鈍工程を経て製造されたも
のと何らそん色がない。
【表】
【表】
(発明の効果)
かくしてこの発明によれば、600〜800℃の温度
範囲における高圧下率、高ひずみ速度圧延および
600〜750℃での巻き取りにより、従来の冷間圧延
のみならず再結晶焼鈍をも省略したアズロールド
のままで、良好な深絞り性と共に優れた耐リジン
グ性をもつ薄鋼板を得ることができ、しかも圧延
素材についてもシートバーキオスター法、ストリ
ツプキヤスター法などに適合するなど、加工用薄
鋼板の製造工程の大幅な簡略化が実現できる。
範囲における高圧下率、高ひずみ速度圧延および
600〜750℃での巻き取りにより、従来の冷間圧延
のみならず再結晶焼鈍をも省略したアズロールド
のままで、良好な深絞り性と共に優れた耐リジン
グ性をもつ薄鋼板を得ることができ、しかも圧延
素材についてもシートバーキオスター法、ストリ
ツプキヤスター法などに適合するなど、加工用薄
鋼板の製造工程の大幅な簡略化が実現できる。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 低炭素鋼を所定板厚に圧延する工程におい
て、 少なくとも1パスを、600〜800℃の温度範囲に
て、圧下率:35%以上でかつひずみ速度:600s-1
以上で圧延し、ひき続き600〜750℃の温度範囲に
て巻き取ることを特徴とする耐リジング性と深絞
り性に優れる加工用薄鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20381386A JPS6360232A (ja) | 1986-09-01 | 1986-09-01 | 耐リジング性と深絞り性に優れる加工用薄鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20381386A JPS6360232A (ja) | 1986-09-01 | 1986-09-01 | 耐リジング性と深絞り性に優れる加工用薄鋼板の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6360232A JPS6360232A (ja) | 1988-03-16 |
| JPH034608B2 true JPH034608B2 (ja) | 1991-01-23 |
Family
ID=16480147
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP20381386A Granted JPS6360232A (ja) | 1986-09-01 | 1986-09-01 | 耐リジング性と深絞り性に優れる加工用薄鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS6360232A (ja) |
-
1986
- 1986-09-01 JP JP20381386A patent/JPS6360232A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6360232A (ja) | 1988-03-16 |
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