JPH04317798A - 活性汚泥の異常現象防止剤及び異常現象防止方法 - Google Patents

活性汚泥の異常現象防止剤及び異常現象防止方法

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JPH04317798A
JPH04317798A JP3082217A JP8221791A JPH04317798A JP H04317798 A JPH04317798 A JP H04317798A JP 3082217 A JP3082217 A JP 3082217A JP 8221791 A JP8221791 A JP 8221791A JP H04317798 A JPH04317798 A JP H04317798A
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JP
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activated sludge
weight
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water
polymer
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JP3082217A
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English (en)
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Naoki Akiyama
直樹 秋山
Toshihiko Hamanishi
浜西 利彦
Masuya Ichioka
市岡 増也
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Mitsubishi Kasei Polytec Co
Original Assignee
Mitsubishi Kasei Polytec Co
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、活性汚泥の膨化現象、
即ちバルキング(bulking)現象、または活性汚
泥の曝気処理時に生じる曝気槽や沈降槽上部における発
泡層の形成、スカム化等の異常現象を防止する活性汚泥
の異常現象防止剤およびその使用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】廃水処理に用いられる生物学的方法の一
つとして活性汚泥法がある。この方法は、下水、し尿及
び各種有機性産業廃水の処理方法として広く採用されて
いる。しかし、流入廃水の流量、水温の変動、流入廃水
中の有機物の変動、更に下水道管内に生育した種々のカ
ビ、糸状細菌、放線菌類等の微生物の種類の変動が生じ
、これらの変動に応じて活性汚泥中の微生物相も変化し
、糸状細菌が増加したり、或いは放線菌が増加したりし
て種々の弊害が発生している。
【0003】糸状細菌が増加すると、汚泥が膨化して、
沈降槽において汚泥と水との固液分離性が悪化する、さ
らに、悪化すると汚泥が溢流し、処理水のBODやCO
Dの上昇を招いたり、廃水の処理能力が低下して、場合
によっては処理不能となる、いわゆるバルキング現象が
発生する。また、放線菌が増加すると、それが生成する
界面活性なミコール酸によって曝気槽や沈降槽上部に汚
泥を含有した気泡、いわゆる発泡スカムが滞積し、外観
を損ねたり、悪臭を発したり、さらに発泡スカムが処理
水とともに放流されBOD及びCODの上昇を招くこと
がある。
【0004】活性汚泥が正常に機能しているか否かの一
つの目安として、SVI(Sludge Volume
 Index、汚泥指標)値があり、活性汚泥懸濁液を
30分間静置した後に1g相当の活性汚泥が占める体積
をmlで表したものである(JIS  B  9944
)。正常な機能を発揮する活性汚泥のSVI値は50〜
150、特に100以下であるが、糸状細菌によってバ
ルキングを起こした活性汚泥のそれは300〜800に
もなることがある。又、放線菌が起こすSVI値の増大
は200〜300程度であるが、前述した発泡スカムの
発生により種々の弊害を引き起こす。
【0005】このように発泡スカムを発生したり、バル
キングを起こした活性汚泥がその機能を回復するのは容
易ではなく、最悪の場合には汚泥の入れ替えの必要が生
じ、工場等では入れ替えの場合は汚泥の馴養がすむまで
使用を中止しなければならず、工場の生産計画に重大な
影響を与えることになる。公共下水処理場でも膨化汚泥
の流出や汚泥濃度の低下により、BODの除去能率が低
下して、環境汚染につながり大きな社会問題になること
がある。
【0006】このため、従来から活性汚泥法のバルキン
グ防止には様々な対策が講じられてきた。即ち、鉄塩、
アルミニウム塩、クリストバライト(特公昭62−46
237号公報)等の無機系凝集剤、或いは高分子凝集剤
(例えば、陽イオン性アクリルアミド系高分子凝集剤)
を添加し、汚泥フロックを凝集させ沈降性を改善しよう
とする方法、及び塩素や過酸化水素、ジチオカルバミン
酸塩(特公昭58−14274号公報)を添加して糸状
細菌や糸状菌等の微生物を死滅させる等の化学的方法が
ある。
【0007】しかしながら、無機系凝集剤或いは高分子
凝集剤を添加して汚泥の沈降性を改善する方法は、糸状
細菌や放線菌の異常増殖防止に対しては効果がないので
、一時的な効果を有するものの長期間毎日の添加が必要
であり、特に高分子凝集剤の長期間の添加は、曝気槽等
において活性汚泥が気泡を包含しやすくなり、廃水の処
理能力が低下する等の問題点を有する。
【0008】また、塩素、過酸化水素、ジチオカルバミ
ン酸塩を添加する方法は、効果が発現されるまでには4
日以上、場合によっては10日以上必要であり、しかも
長期間毎日添加しなければならない欠点がある。さらに
、これらの添加は、糸状細菌のみならず有用な微生物を
阻害してしまうので、活性汚泥の機能の著しい低下を招
くことがある。
【0009】さらに、銅、亜鉛、クロム、マンガン等の
金属を廃水に1〜10mg/l混入すると、活性汚泥中
の糸状細菌が異常増殖せず活性汚泥の処理効率も低下せ
ず、また、これらの金属と前記の窒素含有の水溶性重合
体及びアルキレンイミン重合体との併用が糸状細菌によ
るバルキングに有効であることが判明したが、これらの
金属は、水質汚濁防止法によって規制されており、処理
水とともに流出させるべきものでないので、実際には使
用できない。
【0010】また、添加剤の添加にたよらず、例えば嫌
気性好気処理(特開昭50−47459号公報)や、初
沈槽を使用しないで多量の浮遊固形分(SS)を混入さ
せる方法等の運転条件だけで正常な微生物相に復帰させ
る試みもされているが、満足な成果は得られておらず、
特に鞘を有する糸状細菌に起因するバルキングの解消及
び防止において満足なものは提案されていない。
【0011】また、放線菌による発泡やスカムの発生及
びバルキング現象に対しては、曝気槽並びに最終沈降槽
に、例えばカルボン酸エステル系化合物のような消泡剤
をシャワー水に混入して散布する方法が知られている。 本発明者の実験によれば、この消泡剤混入散布の方法は
発泡を制御するものではなく、生成した気泡層を破壊す
るに留まり、効果がほとんどないことがわかった。
【0012】都市下水を対象とする一般の終末処理場で
は、糸状細菌に起因して発生するバルキングが最も多く
、従来からスフェロチルス(Sphaerotilus
)やベギャトア(Beggiatoa)がその原因微生
物の代表とされている[下水道協会誌、第22巻、第2
52号、第2〜12頁(1985年)]。ところで、最
近の下水道の整備に伴って、雨水と生活廃水等とを分離
して処理するようになってきた結果、生活廃水等である
都市下水の活性汚泥による処理の場合に、バルキングを
起こす糸状細菌にも変化が生じていると推察される。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述した問
題点を解消し、最近の都市下水の変化に対応してバルキ
ング等の異常現象を引き起こす特定の糸状細菌、特に鞘
を有する糸状細菌、または活性汚泥の曝気処理時に、曝
気槽や沈降槽上部に発泡層を形成したり、スカム化した
り、バルキングを引き起こす放線菌を特定的に殺滅する
ために、特定の水溶性重合体と特定の金属或いはその塩
を使用する活性汚泥の異常現象防止剤およびその使用方
法の提供を目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段及び作用】上記目的を達成
するため、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、活性汚
泥または活性汚泥含有廃水に対し、窒素含有の水溶性重
合体及び/或いはアルキレンイミン重合体と、ある種の
金属塩とを特定の条件下で添加することにより、活性汚
泥の異常現象が阻止できることを知見し、本発明を完成
するに至った。
【0015】即ち、本発明の活性汚泥の異常現象防止剤
は、エピハロヒドリン、アルキレンジハライド、ジエポ
キサイド、ジハロゲノアルキルエーテルの群から選択さ
れる少なくとも1つの化合物とアミンとの反応によって
得られる窒素含有の水溶性重合体、アルキレンイミン重
合体(以下、特に断らない限り水溶性重合体という)と
、カリウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、
ニッケル、コバルトのそれぞれの塩の群から選択される
少なくとも1種以上の金属塩とよりなる。
【0016】又、活性汚泥の異常現象を防止するにあた
っては該水溶性重合体と金属塩とを、その添加時期を相
違させて添加するか、或いは添加時期を同じくする時に
は、それぞれを混合しないで別々に添加することを特徴
とするものである。
【0017】また、本発明における上記の水溶性重合体
は、2モル/lのKBr水溶液に溶解して測定し、算出
する25℃での極限粘度〔η〕が0.5dl/g以下の
ものである。
【0018】さらに、活性汚泥または活性汚泥含有廃水
に、前記水溶性重合体を活性汚泥の乾燥固形分100重
量部に対して0.05〜25重量部、また前記のカリウ
ム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウムのそれぞれ
の金属塩の1種以上を、活性汚泥の乾燥固形分100重
量部に対して金属成分として0.5〜500重量部添加
及び/又は前記ニッケル、コバルトのそれぞれの金属塩
の1種以上を活性汚泥の乾燥固形分100重量部に対し
て金属成分として0.01〜5重量部添加することを特
徴とする。
【0019】以下、本発明について詳細に説明する。
【0020】(1)  対象活性汚泥 本発明の異常現象防止剤が対象とする活性汚泥は、糸状
性細菌または放線菌によってバルキング等の異常現象を
生じるものである。
【0021】これらの糸状性細菌の中には、スフェロチ
ルス・ナタンス、タイプ021N、タイプ0041、タ
イプ1701、タイプ1702、ミクロスリックス・パ
ルビセラ等があり、スフェロチルス・ナタンス、タイプ
021N、タイプ0041及びミクロスリックス・パル
ビセラの糸状性細菌は、 D.H.Bikelboom
:Prog.WaterTech.第8巻、第6号、第
153〜161頁(1977年)に定義されているもの
である。また、タイプ1701、タイプ1702の糸状
性細菌は、 P.F.Storm及びD.Jenkin
s:Journal WPCF,第56巻、第5号、第
449〜459頁(1984年)に定義されているもの
である。 特にスフェロチルス・ナタンス、タイプ0041、タイ
プ1701、及びタイプ1702は鞘を有する糸状性細
菌として定義されている。これらの糸状性細菌によりバ
ルキングを生じる徴候を有する、またはバルキングを生
じた活性汚泥を有する廃水に本発明の異常現象防止方法
は適用される。
【0022】又、本発明の異常現象防止剤は放線菌によ
り沈降後の処理水において、発泡、スカムまたはバルキ
ング等の異常現象を生じる活性汚泥を対象とするもので
ある。活性汚泥における放線菌としては、ノカルディア
・アマラエ(Nocardia amarae)、ロド
コックス・ロドクロウス(Rhodococus rh
odochrus)等がある。
【0023】(2)  添加剤 本発明で使用する添加剤は、水溶性重合体及び金属塩と
からなる。
【0024】まず、窒素含有の水溶性重合体は、エピハ
ロヒドリン、アルキレンジハライド、ジエポキサイド、
ジハロゲノアルキルエーテルの群のうち選ばれる少なく
とも1つの化合物とアミンとの反応によって得られる窒
素含有の水溶性重合体、およびアルキレンイミン重合体
または該重合体の混合重合体である。
【0025】また、エピハロヒドリン、アルキレンジハ
ライド、ジエポキサイド、ジハロゲノアルキルエーテル
のうちから選ばれる少なくとも1種と2級アミンとの反
応によって得られる水溶性の陽イオン性重合体において
は、対イオン(エピハロヒドリン、アルキレンジハライ
ド、ジハロゲノアルキルエーテルに由来するハロゲン)
を他の陰イオンに置き換えたもの、及び対応水酸化物を
包含する。
【0026】窒素含有の水溶性重合体原料であるアミン
としては、下記一般式(1)
【0027】
【化1】
【0028】(式中、R1、R2、R3及びR4は水素
或いは炭素数1〜3の直鎖或いは分岐鎖のアルキル基;
Aは炭素数1〜6の直鎖、或いは分岐鎖のアルキレン基
;n は0〜5の整数)で表されるもの、具体例として
はモノアルキルアミン(n=0)においてはアンモニア
、メチルアミン、ジメチルアミン、ジプロピルアミン、
メチルエチルアミン、メチルプロピルアミン、エチルプ
ロピルアミン等があげられ、アルキレンポリアミン(n
=1)においてはエチレンジアミン、N,N−ジメチル
エチレンジアミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミ
ン、N,N−ジエチルエチレンジアミン、プロピレンジ
アミン、N,N−ジメチルプロピレンジアミン、N,N
,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン等があげ
られ、ポリアルキレンポリアミン(n=2〜5)におい
てはジエチレントリアミン、トリエチレントリアミン、
テトラエチレンペンタミン等があげられる。これらのア
ミンは上記の群内及び群間において併用することができ
る。
【0029】また、エピハロヒドリンとしては、一般式
(2)
【0030】
【化2】
【0031】(式中、Xはハロゲン)で示されるもの、
具体的にはハロゲンが弗素、塩素、臭素または沃素のも
のが一般に対象となるが、経済上の理由からエピクロル
ヒドリンが好ましい。
【0032】また、アルキレンジハライドとしては、一
般式(3) X−B−X (式中、Bは1〜20の直鎖、或いは分岐鎖のアルキレ
ン基;Xはハロゲン)で示されるもの、具体的にはジク
ロロエタン、ジクロロプロパン、ジクロロブタン、ジク
ロロヘキサン、ジブロモエタン、ブロモクロロプロパン
、ジブロモプロパン、ジブロモヘキサン、ジクロロノナ
ン等があげられる。特に、1,3−ジクロロプロパンが
、アミンとの反応性および経済的理由から好ましい。
【0033】また、ジエポキサイドとしては、
【003
4】
【化3】
【0035】{式中、Dは存在しないか、或いは炭素数
の1〜4の直鎖、或いは分岐鎖のアルキレン基、或いは
一般式(5) −(CH2 −O−CH2 )x − (式中、xは1〜4)のエーテル化合物}で示されるも
の、具体的には1,3−ブタジエンジエポキサイド、1
,4−ペンタジエンジエポキサイド、1,5−ヘキサジ
エンジエポキサイド、1,6−ヘプタジエンジエポキサ
イド、1,7−オクタジエンジエポキサイド、エチレン
グリコールジグリシジルエーテル、トリエチレンジグリ
シジルエーテル等があげられる。
【0036】また、ジハロゲノアルキルエーテルとして
は、一般式(6) X−(R5 −O)n −R6 −X (式中、R5 、R6は炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖
のアルキレン基、Xはハロゲン、nは1〜12の整数)
で示されるもの、具体的には、n=1の場合、2,2’
−ジクロロエチルエーテル、2,2’−ジブロモエチル
エーテル、3,3’−ジクロロプロピルエーテル、2,
3−ジクロロプロピルエーテル、4,4’−ジクロロブ
チルエーテル、4,4’−ジブロモブチルエーテル等が
あげられ、またn=2の場合は、重合度が10までのエ
チレンオキサイド重合体とハロゲン化アルキルアルコー
ルからの脱水反応等によって得ることができるジハロゲ
ノエチルエーテル等があげられ、特に2,2’−ジクロ
ロエチルエーテル(以下、ジクロロエチルエーテルとい
う)が少なくとも経済上の理由から好ましい。
【0037】エピハロヒドリン、アルキレンジハライド
、ジエポキサイド及びジハロゲノアルキルエーテルは、
各成分毎に単独もしくは2種以上自由に混合して使用し
てもよい。また、2種類以上混合する場合、混合物のモ
ル数の和がアミンとほぼ等モルであれば特に限定されな
い。
【0038】エピハロヒドリン、アルキレンジハライド
、ジエポキサイド、ジハロゲノアルキルエーテルの群か
ら選ばれる少なくとも1つの化合物とアミンとを反応さ
せるには、エピハロヒドリン、アルキレンジハライド、
ジエポキサイド、ジハロゲノアルキルエーテルの群から
選ばれる1つの化合物の単独、或いは混合物のモル数の
和とアミンのモル数とをほぼ等モルとし、撹拌機付きの
密閉型反応容器を用い、不活性ガスの雰囲気下で、反応
容器内温を30〜100℃の範囲として反応させるとよ
い。
【0039】より具体的には、アミンの20〜70%水
溶液を、撹拌機、還流冷却器、温度計等を備えた密閉型
反応容器内に仕込み、容器内雰囲気を窒素ガスにて置換
し、撹拌下、反応容器内温度を所定温度に調節しながら
、エピハロヒドリン、アルキレンジハライド、ジエポキ
サイド、ジハロゲノアルキルエーテルの群から選ばれる
化合物の単独、或いは混合物を連続的または回分式に添
加するとよい。
【0040】反応溶媒は、主として水が使用されるが、
原料及び反応生成物の溶解性を考慮し、メチルアルコー
ル、エチルアルコール、またはジメチルホルムアミド等
を使用してもかまわない。
【0041】水溶性重合体は、更に処理されて対イオン
としてのハロゲン(エピハロヒドリン、アルキレンジハ
ライド及びハロゲノアルキルエーテル由来のもの)を他
の陰イオンに変えることも、また対イオンを除去してこ
の重合体を水酸化物としてもよい。
【0042】このようにして得られる水溶性重合体は、
2モル/lのKBr水溶液に溶解して測定し、算出する
25℃での極限粘度〔η〕によりその分子量の大小を判
断することができる。本発明においては極限粘度〔η〕
が0.5dl/g以下のものが好ましい。
【0043】極限粘度〔η〕が0.5dl/gより大き
いと、活性汚泥が糸状性細菌、放線菌を抱き込んで大き
なブロックを形成し、一時的に汚泥の沈降性が良好にな
るのみで、数日後には再びバルキングや発泡スカムが発
生するので好ましくなく、また極端に極限粘度が小さい
と活性汚泥への吸着が低下して活性汚泥の異常現象防止
効果の持続性が低下するので好ましくない。なお、本明
細書において記載する水溶性重合体の極限粘度は、いず
れも2モル/lのKBr水溶液に溶解して測定し、算出
する25℃でのものである。
【0044】水溶性重合体は、溶媒(通常は水)を除去
して固体とすることもできるし、また水溶液として製造
されたものはそのまま、或いは必要に応じて希釈または
濃縮して使用するのが好ましい。
【0045】また、アルキレンイミン重合体は、一般式
(7) −(−R7 −NH−)n − (式中、R7 はアルキレン基、好ましくは炭素数1〜
8の直鎖或いは分岐鎖のアルキレン基である。複数個の
R7 は同一でも異なっていてもよい。nは、このアル
キレンイミン重合体の重合度を示す)で示される。
【0046】これらのアルキレンイミン重合体は上記の
一般式で示されるような完全に線上の構造でなくて、分
岐を有していてもさしつかえない。又、アルキレンイミ
ン重合体に塩酸等を加えたアルキレンイミン重合体の4
級塩でもさしつかえない。
【0047】このようなアルキレンイミン重合体として
は、エチレンイミン重合体、プロピレンイミン重合体、
トリメチレンイミン重合体、テトラメチレンイミン重合
体、ヘキサメチレンイミン重合体及びそれらの共重合体
、並びにそれらの少なくとも2種の混合物等である。
【0048】これらの中で、特にエチレンイミン重合体
が経済的上の理由から好ましい。このものは、一般的に
はエチレンイミンのカチオン触媒による開環重合によっ
て得られるが、その他、エチレンジハライドまたはアン
モニアとの反応、エタノールアミンの縮合反応によって
も得ることができる。
【0049】このようにして得られるアルキレンイミン
重合体は、2モル/lのKBr水溶液に溶解して測定し
、算出する25℃での極限粘度〔η〕によりその分子量
の大小を判断することができる。本発明においては極限
粘度〔η〕が0.5dl/g以下のものが好ましい。そ
の理由は、前記の窒素含有の水溶性重合体の場合と同様
である。
【0050】なお、窒素含有の水溶性重合体とアルキレ
ンイミン重合体とを混合して使用する場合、その使用割
合には特に制限はない。
【0051】次に、本発明で使用する添加剤における金
属塩について説明する。水溶性重合体と共に使用される
成分は、カリウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシ
ウム、ニッケル、コバルトのそれぞれの塩の群から選択
される少なくとも1種以上の金属塩である。これらの金
属塩は一般的に市販されているものを使用するとよい。
【0052】具体的には、カリウム塩としては、塩化カ
リウム、臭化カリウム、炭酸カリウム、硫酸カリウム、
リン酸一カリウム、グルコン酸カリウム等であり、ナト
リウム塩としては、酢酸ナトリウム、臭化ナトリウム、
炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、リ
ン酸一ナトリウム等であり、カルシウム塩としては、酢
酸カルシウム、炭化カルシウム、炭酸カルシウム、過酸
化カルシウム、塩化カルシウム、臭化カルシウム、硫酸
カルシウム、蓚酸カルシウム等であり、マグネシウム塩
としては、酢酸マグネシウム、塩化マグネシウム、臭化
マグネシウム、硫酸マグネシウム、蓚酸マグネシウム等
であり、ニッケル塩としては、酢酸ニッケル、硫酸ニッ
ケル、臭化ニッケル、炭酸ニッケル、塩化ニッケル等で
あり、コバルト塩としては、酢酸コバルト、硫酸コバル
ト、臭化コバルト、塩化コバルト等である。これらの金
属塩は、上記の群内及び群間において併用することがで
きる。
【0053】本発明における添加剤は、その使用量が少
なすぎると本発明の目的が達成されず、逆に多すぎると
放線菌、糸状細菌が急激に破壊されて、処理水が急激に
白濁したり、廃水とともに系外に流去され、場合によっ
ては処理水のCODを上昇させるので好ましくない。使
用量は活性汚泥の乾燥固形分100重量部に対して、水
溶性重合体は0.05〜25重量部、より好ましくは0
.1〜10重量部の範囲、カリウム、ナトリウム、カル
シウム、及びマグネシウムの金属成分は0.5〜500
重量部、より好ましくは10〜300重量部の範囲、ニ
ッケル及びコバルト金属成分は0.01〜5重量部、よ
り好ましくは0.1〜3重量部の範囲である。
【0054】水溶性重合体は単独でも糸状細菌によるバ
ルキングや放線菌による発泡スカムの防止に有効である
が、金属塩の使用量がカリウム、ナトリウム、カルシウ
ム、マグネシウムにおいては活性汚泥の乾燥固形分10
0重量部に対して0.5重量部より小さいと、またニッ
ケル、コバルトにおいては活性汚泥の乾燥固形分100
重量部に対して0.01重量部より小さいと、特に鞘を
有する糸状細菌によるバルキングの防止には著しい効果
がなく、逆に前者においては500重量部より大きいと
、後者においては5重量部より大きいと活性汚泥に強い
影響を及ぼし、放流水のCOD値の上昇を招くので好ま
しくない。
【0055】(3)活性汚泥の異常現象防止方法水溶性
重合体と金属塩との組み合わせによっては反応性を有す
るものがあり、そのためそれぞれの成分を混合して添加
すると水溶性重合体単独添加とほとんど変わらない効果
、あるいはそれ以下の効果しか得られない場合がある。 そのため、水溶性重合体と金属塩とをそれぞれ適当濃度
の水溶液としておき、その添加時期を相違させるか、又
は同時に添加する場合には混合しないで別々に添加する
とよい。水溶性重合体と金属塩の添加順序は、特に限定
しないが、好ましくは金属塩を先に添加し、次いで水溶
性重合体を添加するとよく、同時に添加する場合には別
々に添加するとよい。
【0056】具体的には、まず金属塩を適当濃度の水溶
液とし、また、水溶性重合体を適当濃度の水溶液として
、それぞれ添加時期を相違させるかあるいは同時に添加
する場合には別々に添加して、下記のいずれかの方法ま
たはこれらの2種以上組み合わせた方法により添加する
とよい。本発明の対象とする活性汚泥は上述した放線菌
または特定の糸状細菌を含有するものであり、また、添
加剤各成分の添加条件を除けば、添加剤の添加時期は従
来の方法と同様である。例えば、下記の如き添加方法が
ある。
【0057】(1)流入廃水に混和、混合し、これを曝
気槽に送る方法。
【0058】(2)曝気槽や沈降槽の活性汚泥のバルキ
ングや発泡が起こっている槽に直接添加する方法。
【0059】(3)返送汚泥に添加する方法。
【0060】本発明における添加剤は活性汚泥に対して
1回添加すると、1ヶ月以上はSVI値の上昇が認めら
れない。その後、SVI値が上昇する傾向が認められた
ら、その時点で添加剤を更に前記範囲で添加するのがよ
い。
【0061】又、添加剤における水溶性重合体と金属塩
とを、別々にその添加時期を相違させて添加することに
より、特定の糸状細菌、特に鞘を有する糸状細菌や放線
菌を破壊し、これに起因する活性汚泥のバルキング現象
等の異常現象を効果的に防止できる。
【0062】以下、下記実施例で使用する水溶性重合体
の調整方法について説明する。
【0063】(1)試料A ジメチルアミンとエピクロルヒドリンのモル比が1:1
の割合になるまで、50%ジメチルアミン水溶液の中に
エピクロルヒドリンを反応温度85℃に保持しながら添
加、撹拌混合し、得られた混合反応組成物(極限粘度〔
η〕が0.11dl/gの組成物)を水で希釈し、純度
50%とした試料を試料Aとした。
【0064】(2)試料B 予め、モル比を1:0.1の割合で調整したジメチルア
ミンとアンモニアの混合物の40%水溶液と、予めモル
比を1:0.5に調整したエピクロルヒドリンとプロピ
レンジクロリド混合物のモル比がほぼ1:1になるまで
、アミン混合物の40%水溶液の中にエピクロルヒドリ
ンとプロピレンジクロリド混合物を、反応温度を90℃
に保持しながら添加し、撹拌混合して得られた混合反応
組成物(極限粘度〔η〕が0.16dl/gの組成物)
を水で希釈して50%純度とした試料を試料Bとした。
【0065】(3)試料C ジメチルアミンの50%水溶液と、予めモル比を1:1
に調整したエチレングリコールジグリシジルエーテルと
ジクロロエチルエーテルの混合物のモル比が1:1にな
るまで、ジメチルアミンの50%水溶液の中にエチレン
グリコールジグリシジルエーテルとクロロエチルエーテ
ルの混合物を、反応温度を70℃に保持しながら添加、
撹拌混合して得られた混合反応組成物(極限粘度〔η〕
が0.09dl/gの組成物)と、エチレンイミン重合
体(日本触媒化学工業株式会社の商品名エポミン、グレ
ードSP−300)に冷却下で窒素と等モル量の塩酸を
添加、撹拌混合した混合組成物(極限粘度〔η〕が0.
07dl/gの組成物)とを、1:1の割合で混合し、
水で希釈して50%純度とした試料を試料Cとした。
【0066】(4)試料D 予め、モル比1:0.1の割合で調整したジメチルアミ
ンとN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミ
ンの混合物の50%水溶液とエピクロルヒドリンのモル
比が1:1になるまで、混合アミンの50%水溶液の中
にエピクロルヒドリンを反応温度を70℃に保持しなが
ら添加、撹拌混合して得られた混合反応組成物(極限粘
度〔η〕が0.56dl/gの組成物)を水で希釈して
50%純度とした試料を試料Dとした。
【0067】以下、実施例により本発明を具体的に説明
するが、実施例1〜5、比較例1〜7は、活性汚泥が糸
状細菌を含有する場合、実施例6〜10、比較例8は活
性汚泥が放線菌を含有する場合である。
【0068】
【実施例1】月平均50,000kl/日、BODが2
00mg/lの分流式都市下水道廃水処理している公共
下水処理場の活性汚泥(MLSS=1200mg/l)
を、実際の処理場を想定した、曝気槽容量が3リットル
、沈降槽容量が1リットルの活性汚泥処理の小型模型に
入れ、曝気槽の溶存酸素量を3〜4mg/lに調節し、
下記表1に記載の合成下水を170ml/hrで供給し
、返送汚泥率を100%として連続運転した。
【0069】
【表1】
【0070】上記の運転条件で3日間連続運転を行い、
曝気槽並びに沈降槽の汚泥を位相差顕微鏡で観察したと
ころ、フロックとフロックの間には、フロック形成菌よ
りむしろスフェロチルスの鞘を有する糸状細菌の体積の
方が多く観察された。また、曝気槽の汚泥沈降体積指数
(SVI)が600を越えた。
【0071】この小型模型の返送汚泥ラインに、水で1
00倍に希釈した塩化マグネシウム水溶液をマグネシウ
ムとして曝気槽容量に対して200mg/l(マグネシ
ウムとして活性汚泥の乾燥固形分100重量部に対して
16.7重量部に相当)になるように、12時間で連続
添加した。
【0072】塩化マグネシウムの添加終了後、直ちに試
料Aを1.2g、水で約100倍に希釈したものを12
時間かけて連続添加した(活性汚泥の乾燥固形分100
重量部にたいして16.7重量部に相当)。
【0073】
【実施例2】実施例1における塩化マグネシウムに代え
て、硫酸ニッケルをニッケルとして曝気槽容量に対して
5mg/lになるように水で100倍に希釈した水溶液
を12時間かけて連続添加した(ニッケルとして活性汚
泥の乾燥固形分100重量部に対して0.4重量部に相
当)。
【0074】硫酸ニッケルの添加終了後、直ちに試料A
を1.2g、水で約100倍に希釈したものを12時間
かけて連続添加した。
【0075】
【実施例3】実施例1における塩化マグネシウムに代え
て、塩化カリウムをカリウムとして曝気槽容量に対して
500mg/l、試料Aを1.2g、水でそれぞれ10
0倍に希釈した水溶液を、別々に同時に12時間で連続
添加した(カリウムとして活性汚泥の乾燥固形分100
重量部に対して41.7重量部に相当)。
【0076】
【実施例4】実施例1における塩化マグネシウムに代え
て、硫酸ニッケル及び硫酸コバルトをそれぞれニッケル
及びコバルトとして曝気槽容量に対してそれぞれ5mg
/lになるように水で100倍希釈した水溶液を同時に
12時間で連続添加した(ニッケル及びコバルトとして
それぞれ活性汚泥の乾燥固形分100重量部に対して0
.4重量部、併せて0.8重量部に相当)。
【0077】硫酸ニッケル及び硫酸コバルトの添加終了
後、直ちに試料Bを1.8g、水で約100倍に希釈し
たものを12時間かけて連続添加した(活性汚泥の乾燥
固形分100重量部に対して25重量部に相当)。
【0078】
【実施例5】実施例1における塩化マグネシウムに代え
て、塩化カルシウム及び塩化ナトリウムをそれぞれカル
シウム及びナトリウムとして曝気槽容量に対してそれぞ
れ1000mg/lになるように水で100倍希釈した
水溶液を同時に12時間かけて連続添加した。(カルシ
ウム、ナトリウムとしてそれぞれ活性汚泥の乾燥固形分
100重量部に対して83.3重量部、併せて166.
7重量部に相当)。
【0079】塩化カルシウム及び塩化ナトリウムの添加
終了後、直ちに試料Cを1.8g、水で約100倍に希
釈したものを12時間かけて連続添加した(活性汚泥の
乾燥固形分100重量部に対して25重量部に相当)。
【0080】
【比較例1】実施例1における塩化マグネシウムを、マ
グネシウムとして曝気槽容量に対して5mg/lになる
ように水で100倍に希釈した水溶液を12時間かけて
連続添加した(マグネシウムとして活性汚泥の乾燥固形
分100重量部に対して0.4重量部に相当)。
【0081】塩化マグネシウムの添加終了後、直ちに試
料Aを1.2g、水で約100倍に希釈したものを12
時間かけて連続添加した。
【0082】
【比較例2】実施例2における硫酸ニッケルをニッケル
として曝気槽容量に対して65mg/lになるように水
で100倍に希釈した水溶液を12時間かけて連続添加
した(ニッケルとして活性汚泥の乾燥固形分100重量
部に対して5.4重量部に相当)。
【0083】硫酸ニッケルの添加終了後、直ちに試料A
を1.2g、水で約100倍に希釈したものを12時間
かけて連続添加した。
【0084】
【比較例3】実施例1における塩化マグネシウムを、マ
グネシウムとして曝気槽容量に対して200mg/lに
なるように水で100倍に希釈した水溶液を12時間か
けて連続添加した(マグネシウムとして活性汚泥の乾燥
固形分100重量部に対して16.7重量部に相当)。
【0085】塩化マグネシウムの添加終了後、直ちに試
料Aを0.003g、水で約100倍に希釈したものを
12時間かけて連続添加した(活性汚泥の乾燥固形分1
00重量部に対して0.04重量部に相当)。
【0086】
【比較例4】実施例1における塩化マグネシウムを、マ
グネシウムとして曝気槽容量に対して200mg/lに
なるように水で100倍に希釈した水溶液を12時間か
けて連続添加した(マグネシウムとして活性汚泥の乾燥
固形分100重量部に対して16.7重量部に相当)。
【0087】塩化マグネシウムの添加終了後、直ちに試
料Aを2.0g、水で約100倍に希釈したものを12
時間かけて連続添加した(活性汚泥の乾燥固形分100
重量部に対して27.8g重量部に相当)。
【0088】
【比較例5】実施例1と同様に塩化マグネシウムを曝気
槽容量に対して200mg/l添加した後、直ちに試料
Dを1.2g、水で約100倍に希釈したものを12時
間かけて連続添加した(活性汚泥の乾燥固形分100重
量部に対して16.7重量部に相当)。
【0089】
【比較例6】実施例1と同様に、活性汚泥の小型模型の
返送汚泥ラインに、カチオン系ポリアクリルアミド{栗
田工業(株)製のクリフィクスCP627}0.2g/
日の割合で5日間連続添加したところ、糸状細菌を含ん
だ状態でSVI値が200になったが、添加を止めた後
は沈降性が悪化し、添加終了から2日後はSVI値が3
60になったので、更に0.2g/日の割合で5日間連
続添加した。
【0090】
【比較例7】実施例1と同様に、活性汚泥の小型模型の
返送汚泥ラインに次亜塩素酸ナトリウム水溶液(有効塩
素濃度5%)を1.0g/日の割合で5日間添加したと
ころ、汚泥中に含有していた糸状細菌は減少しはじめた
が、SVI値が400であり、まだ充分でなかったので
、更に1.0g/日の割合で5日間連続添加した。
【0091】上記各実施例1〜5、各比較例1〜7にお
ける添加剤の連続添加開始から1日後、3日後、10日
後、20日後、及び30日後の曝気槽中におけるそれぞ
れの汚泥のSVI、及び処理水のCODを測定した。
【0092】それらの結果を表2、表3、表4及び表5
に示す。
【0093】
【表2】
【0094】
【表3】
【0095】
【表4】
【0096】
【表5】
【0097】表2〜表5及び曝気槽中の活性汚泥の顕微
鏡観察により、次の(1)〜(4)のことが明らかにな
った。
【0098】(1) 比較例1及び比較例3に於いては
、金属塩の添加量が少なすぎたり、水溶性重合体の添加
量が少なすぎたりすると、ある程度SVIが低下するも
のの、汚泥中には糸状細菌が残存していた。
【0099】(2) 比較例2及び4に於いては、金属
塩あるいは水溶性重合体の過剰の添加によって、糸状細
菌のみならず有用なフロック形成菌までもが破壊され、
処理水が非常に白濁することがわかる。
【0100】(3) 比較例5及び比較例6に於いては
、添加開始後汚泥が糸状細菌を抱き込んで一時的に活性
汚泥のSVIが低下したが、その後は曝気槽において再
び糸状細菌によって汚泥が膨化し、さらに汚泥が気泡を
抱き込んで浮上し、良好な状態にならなかった。
【0101】(4) 実施例3から、金属と水溶性重合
体とを別々に同時に添加しても、実施例1と同様の効果
が得られることがわかる。
【0102】即ち、本発明の添加剤は、比較例きそれに
比べて添加剤が比較的小量で、しかも添加後速やかにS
VI値が低下し、活性汚泥の沈降性が著しく改善され、
さらにその持続効果が長いことがわかる。また、本発明
の添加剤を使用すると各比較例に比べて、曝気槽及び沈
降槽に存在する汚泥中の糸状細菌が極端に減少し、活性
汚泥がしっかりしたフロックを形成する。さらに、本発
明によるときは糸状細菌が破壊されて流出してくるが、
処理水のCODが20mg/l以下であり、処理水とし
て良好である。
【0103】
【実施例6】月平均14,000kl/日、BODが2
00mg/lの分流式都市下水道廃水を処理している公
共下水処理場で、曝気槽(MLSS=1800mg/l
)の沈降汚泥体積指数(SVI)は300程度であるが
、曝気槽及び沈降槽の上部には汚泥を抱き込んだ茶褐色
の発泡スカム層がいつまでも消えずに残っていた。この
処理場の曝気槽及び沈降槽の汚泥を位相差顕微鏡で観察
したところ、フロック形成菌に付着した典型的な放線菌
が多く観察された。放線菌が分泌するミコール酸やそれ
自体の糸状細菌したもの等に汚泥が付着して、曝気槽及
び沈降槽上部に発泡スカム層を形成していた。
【0104】この公共処理場の汚泥を、実施例1と同様
に活性汚泥の小型模型に入れ、実施例1の運転条件と同
様に連続運転した。但し、活性汚泥に供給したものは、
合成下水でなく、上記の公共処理場に流入する廃水を使
用した。この小型の返送汚泥ラインに、水で100倍に
希釈した塩化マグネシウム水溶液をマグネシウムとして
曝気槽容量に対して300mg/l(マグネシウムとし
て活性汚泥の乾燥固形分100重量部に対して16.7
重量部に相当)になるように12時間で連続添加した。 塩化マグネシウムの添加終了後、直ちに試料A  1.
8gを、水で約100倍に希釈したものを12時間かけ
て連続添加した(活性汚泥の乾燥固形分100重量部に
対して16.7重量部に相当)。
【0105】
【実施例7】実施例6における塩化マグネシウムに代え
て、硫酸ニッケルをニッケルとして曝気槽容量に対して
5mg/lになるように水で100倍に希釈した水溶液
を12時間かけて連続添加した(ニッケルとして活性汚
泥の乾燥固形分100重量部に対して約0.3重量部に
相当)以外は実施例6と同様にした。
【0106】硫酸ニッケルの添加終了後、直ちに試料A
  1.8gを水で約100倍に希釈したものを12時
間かけて連続添加した。
【0107】
【実施例8】実施例6における塩化マグネシウムに代え
て、塩化カリウムをカリウムとして曝気槽に対して30
0mg/lになるように水で100倍に希釈した水溶液
を12時間で連続添加した(カリウムとして活性汚泥の
乾燥固形分100重量部に対して16.7重量部に相当
)以外は実施例6と同様にした。
【0108】塩化カリウムの添加終了後、直ちに試料A
  1.8gを水で約100倍に希釈したものを12時
間かけて連続添加した。
【0109】
【実施例9】実施例6における塩化マグネシウムに代え
て、硫酸ニッケル及び硫酸コバルトをそれぞれニッケル
及びコバルトとして曝気槽容量に対してそれぞれ5mg
/lになるように水で100倍希釈した水溶液を、同時
に12時間で連続添加した(ニッケル及びコバルトとし
てそれぞれ活性汚泥の乾燥固形分100重量部に対して
0.3重量部に相当)以外は実施例6と同様にした。
【0110】硫酸ニッケル及び硫酸コバルトの添加終了
後、直ちに試料Bを2.4g、水で約100倍に希釈し
たものを12時間かけて連続添加した(活性汚泥の乾燥
固形分100重量部に対して22.2重量部に相当)。
【0111】
【実施例10】実施例6における塩化マグネシウムに代
えて、塩化カルシウム及び塩化ナトリウムをそれぞれカ
ルシウム及びナトリウムとして曝気槽容量に対してそれ
ぞれ200mg/lになるように水で100倍希釈した
水溶液を同時に12時間かけて連続添加した(カルシウ
ム、ナトリウムとしてそれぞれ活性汚泥の乾燥固形分1
00重量部に対して11.1重量部に相当)以外は実施
例6と同様にした。
【0112】塩化カルシウム及び塩化ナトリウムの添加
終了後、直ちに試料Cを2.4g、水で約100倍に希
釈したものを12時間かけて連続添加した(活性汚泥の
乾燥固形分100重量部に対して22.2重量部に相当
)。
【0113】
【比較例8】実施例6と同様の活性汚泥を、実施例6と
同様の活性汚泥の小型模型に入れ、実施例同様の運転条
件で、曝気槽上部から消泡剤を添加した。消泡剤は、特
殊パラフィン系エステル化合物{大東薬品工業(株)製
のミネコンC}を、水で0.1重量%に希釈して曝気槽
の上部から8ml/分の割合で5日間連続添加した。消
泡効果が充分でなかったため、さらに8ml/分の割合
で5日間連続添加した。
【0114】それぞれの実施例6〜10、比較例8にお
ける添加剤の連続添加開始から1日後、3日後、10日
後、20日後、及び30日後に曝気槽界面の発泡スカム
量、処理水のCODを測定した。但し、曝気槽界面の発
泡スカム量は上記の添加剤の連続添加開始前の発泡スカ
ムの体積を100%とした百分率をもって表した。
【0115】結果を、下記表6、表7に示す。
【0116】
【表6】
【0117】
【表7】
【0118】表6、表7及び曝気槽中の活性汚泥の顕微
鏡観察より、次の(1)〜(3)のことがわかった。
【0119】(1) 本発明の添加剤を使用すると、比
較例8の場合に比べ、添加剤が小量で、添加後速やかに
放線菌に起因する発泡スカムが減少し、またその持続効
果が長いことがわかる。比較例8の場合には、消泡剤の
添加により一時的に曝気槽界面の発泡スカムが減少した
が、添加を止めると再び発泡スカムが曝気槽及び沈降槽
界面に滞積した。
【0120】(2) 本発明の添加剤を使用するときは
、比較例8の場合に比べ、曝気槽及び沈降槽に存在する
汚泥において放線菌が極端に減少し、活性汚泥がしっか
りしたフロックを形成する。
【0121】(3) 本発明の添加剤を使用するときは
、放線菌が破壊されて処理水に存在して流出してくるが
、処理水のCODが20mg/l以下であり、処理水と
して良好である。
【0122】
【発明の効果】本発明の活性汚泥の異常現象防止剤及び
異常現象防止方法は、糸状細菌による活性汚泥のバルキ
ング、また放線菌による活性汚泥の異常現象を特定的に
防止することができるものであり、糸状細菌、放線菌の
異常繁殖でSVI値が上昇する微候や発泡現象が認めら
れた時点で、本発明の活性汚泥の異常現象防止剤を添加
すると、速やかにSVI値の更なる上昇を実質的に生じ
させることなく、SVI値をもとのレベルまたはそれ以
下に保持することができるという顕著な効果を奏する。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  エピハロヒドリン、アルキレンジハラ
    イド、ジエポキサイド、ジハロゲノアルキルエーテルの
    群から選択される少なくとも1つの化合物とアミンとの
    反応によって得られる窒素含有の水溶性重合体及び/又
    はアルキレンイミン重合体と、カリウム、ナトリウム、
    カルシウム、マグネシウム、ニッケル、コバルトのそれ
    ぞれの塩の群から選択される少なくとも1種以上の金属
    塩からなることを特徴とする活性汚泥の異常現象防止剤
  2. 【請求項2】  活性汚泥または活性汚泥含有廃水にエ
    ピハロヒドリン、アルキレンジハライド、ジエポキサイ
    ド、ジハロゲノアルキルエーテルの群から選ばれる少な
    くとも1つの化合物とアミンとの反応によって得られる
    窒素含有の水溶性重合体及び/又はアルキレンイミン重
    合体、及びカリウム、ナトリウム、カルシウム、マグネ
    シウム、ニッケル、コバルトのそれぞれの塩の群から選
    択される少なくとも1種以上の金属塩とを添加するにあ
    たり、該金属塩と、該窒素含有の水溶性重合体及び/或
    いはアルキレンイミン重合体とを、添加時期を相違させ
    るか或いは添加時期を同じくする時にはそれぞれ混合し
    ないで別々に添加することを特徴とする活性汚泥の異常
    現象防止方法。
  3. 【請求項3】  上記窒素含有の水溶性重合体及びアル
    キレンイミン重合体が、2モル/lのKBr水溶液に溶
    解して測定し、算出する25℃での極限粘度〔η〕が0
    .5dl/g以下のものである請求項2記載の活性汚泥
    の異常現象防止方法。
  4. 【請求項4】  活性汚泥または活性汚泥含有廃水に、
    前記窒素含有の水溶性重合体及び/又はアルキレンイミ
    ン重合体を、活性汚泥の乾燥固形分の100重量部に対
    して0.05〜25重量部、また前記のカリウム、ナト
    リウム、カルシウム、マグネシウムのそれぞれの塩の1
    種以上を、活性汚泥の乾燥固形分100重量部に対して
    金属成分として0.5〜500重量部添加する請求項2
    または3記載の活性汚泥の異常現象防止方法。
  5. 【請求項5】  活性汚泥または活性汚泥含有廃水に、
    前記窒素含有の水溶性重合体及び/又はアルキレンイミ
    ン重合体を、活性汚泥の乾燥固形分100重量部に対し
    て0.05〜25重量部、また前記のニッケル、コバル
    トのそれぞれの塩の1種以上を、活性汚泥の乾燥固形分
    100重量部に対して金属成分として0.01〜5重量
    部添加する請求項2、3または4記載の活性汚泥の異常
    現象防止方法。
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