JP7453068B2 - 排水処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、排水処理方法に関する。特に、有機性排水処理において、雨天時下水や晴天時下水を含む下水処理や、工場排水処理に関するものであり、排水処理における固液分離性の低下や、生物処理における生物処理性や固液分離性の低下等の課題を解決し、優れた排水処理効果を得ることができる排水処理方法に関するものである。
合流式下水道の雨水と汚水が混ざった雨天時下水や、晴天時の合流式下水道や分流式下水道の下水のほか、し尿、浄化槽汚泥、埋立地浸出水や民間事業所から排出される有機性排水のBOD(Biochemical Oxygen Demand:生物化学的酸素要求量)や懸濁物質(以下、SS)は、生物処理で除去される。得られた処理水は、公共用水域に放流されたり、再度高度処理して、再利用されたりする。
雨天時下水は、未処理下水として公共用水域に放流するのでなく、貯留施設(雨天時貯留池)に貯留され、降雨後に下水処理場で処理するのが一般的である。雨天時貯留池が満杯になった場合、雨水で希釈された下水については、沈殿・消毒処理後に簡易処理水をして放流されるのが一般的である。
民間事業所排水の生物処理では、糸状菌によるバルキングにより、沈殿槽での固液分離障害が発生することがあり、その対策として、高分子凝集剤、有機凝結剤やバルキング防止剤が使用されることが知られている。
図1には、晴天時の合流式下水道の下水処理フローの一例が示されている。
下水は沈砂池を経由して、最初沈殿池で下水に含まれるSSや不溶解性のCOD(Chemical Oxygen Demand:化学的酸素要求量)やBODが固液分離で除去される。最初沈殿池処理水は反応タンクに流入して、反応タンクの活性汚泥で下水の有機物が分解除去され、後段の最終沈殿池で処理水と活性汚泥主体の汚泥に固液分離される。処理水は公共用水域に放流されたり、その処理水を高度処理して下水処理場の洗浄水などに利用されたりする。汚泥は、返送汚泥として反応タンクの最前段部に返送されて、反応タンクの活性汚泥濃度が維持されることで反応タンク内において、安定した生物処理が行われる。
返送汚泥に使われない汚泥は余剰汚泥として、最終沈殿池から引き抜かれて、濃縮や脱水などの汚泥処理をされる。濃縮には重力濃縮や機械濃縮があり、機械濃縮では無薬注や高分子凝集剤を余剰汚泥に添加して、ベルト濃縮機や遠心濃縮機で濃縮される。余剰汚泥濃度は1重量%前後に対して、濃縮汚泥濃度は数重量%になる。下水の余剰汚泥は濃縮を経て脱水機で脱水される。民間事業所の排水処理設備から排出される余剰汚泥は濃縮せずに直接脱水する場合が多い。
図2には、従来の雨天時下水処理フローが示されている。
合流下水道からの雨天時下水は、下水処理場に到達するまでにポンプ場等から公共用水域に放流される。下水処理場に到達した雨天時下水は、最初沈殿池を経由して、最初沈殿池処理水は雨天時下水量1Q(雨天時計画時間最大汚水量。以下同様)を生物処理し、1Q以上の雨天時下水は簡易処理等を行って、公共用水域に放流される。簡易処理として、最初沈殿池によるSS除去や最初沈殿池処理水の消毒がある。
一方、公共用水域への放流水の負荷量の低減のために、最初沈殿池処理水に対して合流改善技術を適用したのちに、公共用水域に放流する技術がある。合流改善技術はポンプ場や雨水吐き口、最初沈殿池に適用されて、夾雑物除去、高速ろ過、凝集分離、消毒及び計測・制御技術によって、ポンプ場や雨水吐き口、最初沈殿池から排出される雨天時下水や雨天時下水の最初沈殿池処理水の水質改善を図るものである。夾雑物に関する合流改善技術として、雨水吐き口に設置する夾雑物等の除去施設、水量の抑制として雨水滞水池の設置・雨水貯留管の設置、遮集管の増強、合流式下水道の分流化などで、すべて処理設備や装置が伴う合流改善技術がある。
図3には、従来の雨天時下水量3Q(1Qの3倍。以下同様。)を生物処理する下水処理フローの一例(雨天時下水活性汚泥処理方法)が示されている。
雨天時下水活性汚泥処理方法は合流式下水の降雨初期の汚濁を改善する技術で、既存の下水処理場の活性汚泥処理設備を利用するものである。以前は1Qだけを生物処理し、残りの2Q(1Qの2倍。以下同様。)を最初沈殿池で沈殿後に放流していたが、この雨天時下水活性汚泥処理方法では3Qのうち1Qを反応タンク前段に流入させて従来通り処理し、今まで最初沈殿池で沈殿後に放流していた残りの2Qを反応タンク後段の1/4のところに投入し生物処理を行う。
雨天時下水が3Qを超える場合は雨天時下水を合流改善技術で簡易処理したのちに公共用水域に放流される。
図4には、従来の排水の生物処理フローが示されている。
特に、民間事業所の被処理水を生物処理する場合に、民間事業所で製造する製造品の種類の変更や、排水量の増大などで、急激な有機物の負荷変動等によって、バルキングが発生し、沈殿槽での処理水SSのキャリーオーバーや汚泥の沈降濃縮性が低下することがある。沈殿槽での固液分離障害の原因の大半は、糸状菌によるバルキングである。その際に、返送汚泥に高分子凝集剤やバルキング防止剤を添加して、高分子凝集剤やバルキング防止剤を含む返送汚泥を生物処理槽の最前段に返送する技術がある。
大阪市の事例(https://www.nissuicon.co.jp/jigyou/gesuidou/utenji-kasseiodei/)によると、雨天時下水活性汚泥処理方法では雨天時下水の3Qshのうち1Qshを反応槽(「反応タンク」とも呼ばれる。)前段において従来通りの有機物を生物処理し、今まで沈殿放流していた残りの雨天時下水2Qshを反応槽後段の1/4のところにステップ投入し処理する。反応槽後段で吸着した有機物は、最終沈殿池で沈殿し、反応槽に返送されて、生物処理される。下水活性汚泥法の一つであるバイオソープション法を活用することで、反応槽の後段では、活性汚泥が再び吸着力が回復するため、安定した処理を継続して行うことができる。雨天時下水活性汚泥法もこの原理を利用し、放流される雨天時初期の汚濁量が削減できる。
特許文献1(特開平11-104696号公報)には、(1)原水に無機凝集剤を添加するとともに、高分子凝集剤を含む返送汚泥を添加して凝集反応を行わせる凝集工程、(2)凝集工程で生成した凝集フロックを固液分離する固液分離工程、(3)固液分離工程から得られる処理水を逆浸透膜装置及び/又はイオン交換装置に通水して脱塩する脱塩工程、(4)固液分離工程から排出される凝集汚泥の一部を凝集工程に返送する汚泥返送工程、並びに(5)凝集工程に返送される凝集汚泥に高分子凝集剤を添加する工程を有することを特徴とする純水製造方法が開示されている。
純水製造方法は凝集工程と、固液分離工程と脱塩工程で構成され、凝集工程で生成する凝集フロックが大きく、凝集沈殿処理水の残留高分子凝集剤濃度を低くできるので、後段の逆浸透膜やイオン交換樹脂への汚染が抑えられて、その洗浄頻度を少なくできる純水製造システムを提供することができる。
特許文献2(特開平8-103788号公報)には、返送汚泥ラインに薬剤を添加することに関し、「薬剤を返送汚泥ラインに添加することにより、一度に糸状菌を全滅させず連続的に少量ずつ糸状菌や放線菌を殺菌することができ、これによりCODやSSなどの処理水水質を悪化させることなく、効果的にバルキングおよびスカミングを抑制することができる。返送汚泥ラインに薬剤を添加する場合は、返送汚泥流量に対して前記薬剤の添加量を算出する」との開示がある。
非特許文献1(山本高弘、中村貴昭、「大阪市における既存施設を利用した合流式下水道の改善-雨天時下水活性汚泥処理法の開発と実用化-」、EICA:環境システム計測制御学会誌/学会誌「EICA」編集委員会編、2005、第10巻、第2号、9、12頁)には、3W処理法が従来の簡易処理放流を行っていた雨天時下水を放流負荷削減方法として有効であることが開示されている。3W処理法とは、3Qのうち、1Qを活性汚泥処理に、従来簡易処理して放流していた2Qまでの超過水量を反応タンク終段に流入させて活性汚泥処理するものである。
特開平11-104696号公報 特開平8-103788号公報
山本高弘、中村貴昭、「大阪市における既存施設を利用した合流式下水道の改善-雨天時下水活性汚泥処理法の開発と実用化-」、EICA:環境システム計測制御学会誌/学会誌「EICA」編集委員会編、2005、第10巻、第2号、9、12頁
雨天時下水の最初沈殿池の固液分離の課題は以下の通りである。
(1)雨天時下水が設計水量1Q以上の流入で、最初沈殿池での固液分離性が低下する。
(2)最初沈殿池での固液分離性が低下することで、1Q以上の最初沈殿池処理水は公共用水域に放流されるが、その放流水質が悪化する。
そして、上記雨天時下水の生物処理における課題は以下の通りである。
(1)設計水量の3倍の流入水量のために生物処理後の最終沈殿池での固液分離が難しく、最終沈殿池の処理水SSの増加や、返送汚泥濃度の低下がある。
(2)2Q分を反応タンク終段に流入させると、その反応タンクのBOD汚泥負荷が高まり、活性汚泥の凝集性が低下するので、最終沈殿池での固液分離性が低下する。
そして、民間事業所排水の生物処理における課題は以下の通りである。
(1)生物処理における負荷変動等によりバルキングで生物処理槽後段の沈殿槽での固液分離性が低下する。
(2)返送汚泥にバルキング対策薬剤を添加して、生物処理槽前段に返送されるが、生物処理槽滞留中にバルキング対策薬剤の効果低減や生物処理槽の活性汚泥へのダメージがある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、返送汚泥に凝集補助剤を使用することで、固液分離工程で優れた凝集処理効果、処理水水質の向上と、固液分離性の向上を得ることができ、沈殿装置のコンパクト化や既存沈殿装置における処理水量の増加や、水質向上の高性能化が達成できる排水処理方法を提供することを課題とする。
また、本発明の一部の実施態様では、特に、公共用水域に放流される雨天時下水の最初沈殿池処理水の水質と、雨天時下水の生物処理水及び放流水の水質改善が可能な排水処理方法を提供することを課題とする。
本発明は、上記の諸事情に鑑みてなされたものであり、以下のように特定される。
(1)
生物処理工程を含む排水処理方法であって、
前記排水処理方法は前記生物処理工程の後段に固液分離工程を含み、
前記生物処理工程後段の固液分離工程から引き抜かれる汚泥又は当該汚泥を濃縮した濃縮汚泥に凝集補助剤を添加した後に、前記生物処理工程に、前記凝集補助剤を含む前記汚泥又は前記濃縮汚泥を返送することを含む排水処理方法。
(2)
前記排水処理方法は、さらに前記生物処理工程の前段に固液分離工程を含む(1)に記載の排水処理方法。
(3)
前記生物処理工程の前段の固液分離工程は、雨天時下水が流入する最初沈殿池で行われ、
前記凝集補助剤を含む前記汚泥又は前記濃縮汚泥を、雨天時下水と混合して、前記最初沈殿池にも返送することを特徴とする(2)に記載の排水処理方法。
(4)
前記生物処理工程は、複数の反応タンクにおいて行われ、
前記生物処理工程の後段の固液分離工程は、最終沈殿池で行われ、
前記最終沈殿池から引き抜かれる汚泥は返送汚泥及び余剰汚泥であり、前記返送汚泥の一部を前記複数の反応タンクのうち最前段の反応タンクに返送し、前記返送汚泥の別の一部に凝集補助剤を添加した後に、前記複数の反応タンクのうち最終段の反応タンクに返送することを特徴とする(1)~(3)のいずれかに記載の排水処理方法。
(5)
さらに、前記余剰汚泥を濃縮した濃縮汚泥の一部に凝集補助剤を添加した後に、前記複数の反応タンクのうち最終段の反応タンクに返送すること含む(4)に記載の排水処理方法。
(6)
前記生物処理工程は、複数の反応タンクにおいて行われ、
前記生物処理工程の後段の固液分離工程は、最終沈殿池で行われ、
前記最終沈殿池から引き抜かれる汚泥は返送汚泥及び余剰汚泥であり、前記返送汚泥の全部を前記複数の反応タンクのうち最前段の反応タンクに返送し、前記余剰汚泥を濃縮した濃縮汚泥の一部に凝集補助剤を添加した後に、前記複数の反応タンクのうち最終段の反応タンクに返送することを特徴とする(1)~(3)のいずれかに記載の排水処理方法。
(7)
さらに、前記複数の反応タンクのうち最前段の反応タンクに返送する前記返送汚泥にも、凝集補助剤を添加することを含む(4)~(6)のいずれかに記載の排水処理方法。
本発明によれば、返送汚泥及び/又は余剰汚泥の濃縮汚泥に凝集補助剤を使用することで、固液分離工程で優れた凝集処理効果、処理水水質の向上と、固液分離性の向上を得ることができ、沈殿装置のコンパクト化や既存沈殿装置における処理水量の増加や、沈殿装置出口水や生物処理水の水質向上の高性能化が達成できる排水処理方法を提供することができる。
晴天時の合流式下水道の下水処理フローを示す図である。 従来の雨天時下水処理フローを示す図である。 従来の雨天時下水量3Qを生物処理する下水処理フローを示す図である。 従来の排水の生物処理フローを示す図である。 本発明の雨天時下水の処理フローの一例を示す図である。 本発明の雨天時下水の処理フローの一例を示す図である。 本発明の雨天時下水の処理フローの一例を示す図である。 本発明の雨天時下水の下水処理フローの一例を示す図である。 本発明の雨天時下水の下水処理フローの一例を示す図である。 本発明の最初沈殿池への高分子凝集剤注入制御フローの一例を示す図である。 本発明の反応タンクへの高分子凝集剤注入制御フローの一例を示す図である。
次に本発明を実施するための形態を図面を参照しながら詳細に説明する。本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、適宜設計の変更、改良等が加えられることが理解されるべきである。また、本明細書において開示される各実施形態の各具体的な特徴は互いに独立するものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、適宜組み合わせることができることが理解されるべきである。例えば、本発明の最初沈殿池での固液分離性能向上を実現する手法と最終沈殿池での固液分離性能向上を実現する手法は当然組み合わせて実施することができる。
本発明において、被処理水には、下水、し尿、浄化槽汚泥、埋立地浸出水や民間事業所から排出される有機性排水と、合流式下水道の雨天時下水や雨天時下水の最初沈殿池処理水が含まれる。処理の目的は、被処理水の汚濁物質である懸濁物質やCODやBODや大腸菌の除去である。
(凝集補助剤)
本発明において、凝集補助剤として、後述の有機高分子凝集剤又は有機凝結剤などの有機凝集補助剤と、無機凝集剤を好適に用いることができる。凝集補助剤として、有機凝集補助剤が好ましい。なお、本明細書において、バルキング防止剤として使用できるものであっても、凝集効果を有するものは凝集補助剤の概念に含む。
(有機高分子凝集剤)
本発明において使用できる有機高分子凝集剤(以下、「高分子凝集剤」という。)には荷電状態によってカチオン性、アニオン性、ノニオン性、両イオン性のものがあり、対象となる最初沈殿池処理水や返送汚泥、濃縮汚泥や活性汚泥に合わせて適宜選定すればよい。特に本発明における生物処理で生成する活性汚泥で使用する場合、カチオン性高分子凝集剤、両性の高分子凝集剤から1種以上を選択して使用することが好ましい。高分子凝集剤は1種を単独で使用することもできるが、2種以上を併用することもできる。
カチオン性高分子凝集剤とは、カチオン性モノマーを必須成分として有するものであり、カチオン性モノマーの共重合体又はカチオン性モノマーと上記のノニオン性モノマーとの共重合体である。カチオン性モノマーとしては、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレートもしくはこれらの4級アンモニウム塩などや、分子内にアミジン単位を含有するカチオン性高分子凝集剤も使用できる。
また、本発明の一部の実施形態では、カチオン性モノマー単位、アニオン性モノマー単位及びノニオン性モノマー単位を共重合した両性高分子凝集剤を使用することができる。
高分子凝集剤の分子量は200万~1500万の高分子であることが好ましく、粉末品や液状品がある。高分子凝集剤は任意の方法で使用することができるが、粉末品でも液状品でも製品そのままを排水や汚泥に添加すると、高分子凝集剤成分が固化したり、溶解不良で高分子凝集剤の凝集効果が発揮できないので、水溶液で使用する。通常、溶解に時間を要するため、一般に粉末品や液状品は、溶解水である水道水や工業用水や排水処理の処理水等に溶解して、高分子凝集剤溶解液として調整してから使用される。また、高分子凝集剤の溶解濃度は通常0.01~0.5重量%程度であり、例えば0.1~0.3重量%とすることができる。
(有機凝結剤)
有機凝結剤は高分子凝集剤より高カチオン性で、分子量が100万以下と小さく、液状品が一般的である。有機凝結剤はカチオン性高分子凝集剤等の高分子凝集剤に比べて、その分子量が低いので、その製品の粘度も低い。そのために濃度や粘度調整のための溶解や希釈作業が不要で、製品のまま、使用できる。
有機凝結剤の種類は特に限定されず、公知のものを1種以上使用することができるが、例を挙げると、縮合系ポリアミン、ジシアンジアミド・ホルマリン縮合物、ポリエチレンイミン、ポリビニルイミダリン、ポリビニルピリジン、ジアリルアミン塩・二酸化硫黄共重合体、ポリジメチルジアリルアンモニウム塩、ポリジメチルジアリルアンモニウム塩・二酸化硫黄共重合体、ポリジメチルジアリルアンモニウム塩・アクリルアミド共重合体、ポリジメチルジアリルアンモニウム塩・ジアリルアミン塩酸塩誘導体共重合体、アリルアミン塩重合体などがある。
縮合系ポリアミンの具体例としては、アルキレンジクロライドとアルキレンポリアミンとの縮合物、アニリンとホルマリンの縮合物、アルキレンジアミンとエピクロルヒドリンとの縮合物、アンモニアとエピクロルヒドリンとの縮合物などが挙げられる。エピクロルヒドリンと縮合するアルキレンジアミンとしては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、メチルプロピルアミン、メチルブチルアミン、ジブチルアミンなどが挙げられる。
(バルキング防止剤)
本発明の一部の実施形態において、さらに返送汚泥及び/又は濃縮汚泥の一部にバルキング防止剤を添加することが好ましい。
バルキング防止剤は、糸状菌によるバルキングに対応するための薬剤で、返送汚泥及び/又は濃縮汚泥の一部に添加することができる。本発明に適用できるバルキング防止剤は、その分子量が5000~1500万であることが好ましい。したがって、本発明の一部の実施形態においてバルキング防止剤を返送汚泥及び/又は濃縮汚泥の一部に添加することが好ましく、特に、反応タンクの最終段に返送すべき返送汚泥及び/又は濃縮汚泥の一部に添加することが好ましい。
バルキング防止剤には、殺菌剤で、殺菌効果が高い4級アンモニウム塩である塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム及びこれらの混合物、カチオン性高分子凝集剤、有機凝結剤などがある。殺菌剤は、バルキングの原因である糸状菌の鞘状体の収縮や切断、溶菌することで、バルキングが緩和されたり、解消されたりする。なお、カチオン性高分子凝集剤や有機凝結剤は糸状菌を含む活性汚泥を凝集することができるので、沈降性が改善される。
カチオン性及び両性高分子凝集剤及び有機凝結剤は、本発明において凝集補助剤として扱うため、好ましい実施形態において添加されるバルキング防止剤は、凝集補助剤以外のバルキング防止剤をいう。
(沈殿装置)
本発明において、本発明の効果を達成できる限り、沈殿装置の構成は特に限定されないが、本発明を適用できる一般的な沈殿装置の構造等について、以下のように説明する。
生物処理後の活性汚泥を含む混合液の固液分離の沈殿装置には、横流式沈殿池と、上向流式沈殿槽がある。一般的には、横流式沈殿池は下水処理の固液分離に、上向流式沈殿槽は民間事業所排水処理の固液分離に使用される。
横流式沈殿池は、横流式沈殿池の流入部から流入水が流入し、反対側の処理水の流出部までに到達する間に凝集フロックやSSが沈降し、固液分離される。処理水の流れ方向はおおよそ水平方向である。
上向流式沈殿槽は、上向流式沈殿槽の中心部のセンターウエルに流入水を導き、センターウエル下部から沈殿槽全体に均等に流出させて、処理水と汚泥に固液分離させる。処理水の流れ方向はおおよそ上向きである。
図5に、本発明の雨天時下水の処理フローの一例で、最初沈殿池での固液分離性能向上を実現する手法を示す。
図5に示されるように、最終沈殿池の返送汚泥と凝集補助剤を返送汚泥配管や返送汚泥配管途中に設けた混合槽で混合し、凝集補助剤を含む返送汚泥を雨天時下水と混合して、最初沈殿池で固液分離し、雨天時下水の汚濁物質であるSS、COD、BOD、大腸菌を返送汚泥とともに初沈汚泥として除去する。
最初沈殿池処理水は、消毒等を行って、公共用水域に放流することができる。あるいは、最初沈殿池処理水は、反応タンクに流入して、従来通りに反応タンク前段部に返送される返送汚泥の活性汚泥によって反応タンクで生物処理される。活性汚泥混合液は最終沈殿池で固液分離されて汚泥と、処理水となり、汚泥は返送汚泥と余剰汚泥になり、処理水は消毒後に放流されるか、又は高度処理されて有効活用される。
最初沈殿池の前段部で、雨天時下水と凝集補助剤が添加された返送汚泥を混合して、最初沈殿池で処理水と、汚泥に固液分離する。最初沈殿池処理水は、生物処理工程をバイパスして(図示では反応タンク(1)~(4)においてバイパスして行われる)、消毒後に公共用水域に放流される。汚泥は、初沈汚泥として、濃縮されたり、余剰汚泥と混合して、脱水や汚泥消化がなされる。
また、最初沈殿池の処理水は後段の生物処理工程の反応タンクに流入させて、反応タンクの活性汚泥で生物処理されて、活性汚泥によって雨天時下水の汚濁物質であるSS、COD、BOD、大腸菌が除去される。反応タンクの活性汚泥混合液は反応タンクの最後段から流出して、その先の最終沈殿池で処理水と汚泥に固液分離され、処理水は放流されるか、又は高度処理される。汚泥の一部又は全部は、反応タンクの活性汚泥濃度(MLSS:Mixed Liquor Suspended Solids)を維持するために、返送汚泥として反応タンク(1)の最前段部に返送される。また、最終沈殿池で固液分離される汚泥の一部は、余剰汚泥として濃縮や脱水される。
最初沈殿池では雨天時下水から汚濁物質が除去され、反応タンク流入水の汚濁物質負荷量が低減された雨天時下水を反応タンクで生物処理できるので、汚濁物質の濃度変動の激しい雨天時下水でも生物処理水の水質が安定し良好に生物処理ができる。
最終沈殿池から引き抜かれた汚泥は2系統の返送汚泥ラインで、最初沈殿池の前段(図中の返送汚泥[2])と、反応タンクの最前段(図中の返送汚泥[1])にそれぞれ返送される。最終沈殿池から引き抜かれた残りの汚泥は余剰汚泥として濃縮や脱水などの汚泥処理がされる。
雨天時下水に添加する凝集補助剤の他に市販のポリ鉄や硫酸バンドなどの無機凝集剤が使用できるが、有機物主体の汚濁物質には無機凝集剤より有機物や活性汚泥の凝集性に優れた有機凝集補助剤が有効である。
雨天時下水に高分子凝集剤又は有機凝結剤等を含む返送汚泥を添加し、最初沈殿池でSSやBOD等が除去された雨天時下水は、最初沈殿池処理水として、反応タンクを経由せずに、公共用水域に放流することができる。最初沈殿池でSSやBODが除去された最初沈殿池処理水は、雨天時下水や雨天時下水を単に最初沈殿池で沈殿処理した最初沈殿池処理水より水質が良好で、公共用水域へ放流される放流水の汚濁物質負荷量が大幅に低減できる。
雨天時下水の汚濁物質で、溶解性有機物である溶解性BODや溶解性CODは最終沈殿池から返送される返送汚泥に吸着するので、雨天時下水から溶解性BODは最初沈殿池の引抜汚泥(以下、初沈汚泥)として除去される。一方、雨天時下水のSSや、不溶解性有機物である不溶解性BODや不溶解性COD及び大腸菌は、凝集補助剤を含む返送汚泥表面に吸着、付着して取り込まれて、初沈汚泥として除去される。
雨天時下水の汚濁物質を取り込んだ初沈汚泥は、余剰汚泥と共に脱水して、下水汚泥燃料に、又は、消化やメタン発酵で汚泥の減量化やガス化が行われる。
本実施形態において、従来以上に雨天時下水の汚濁物質が除去されると、反応タンク流入水である最初沈殿池処理水のBOD濃度が低い値になるので、活性汚泥処理における反応タンクのMLSS濃度を低くして運転することができるので返送汚泥の返送流量が削減でき、その動力費が低減できる。また、最初沈殿池処理水のBOD濃度とMLSS濃度を低いので、空気量を削減でき、ブロワ動力費低減が達成できる。
本実施形態においては、既存の引抜汚泥ポンプとは別に、最初沈殿池前段に返送汚泥を返送する返送汚泥ポンプと最初沈殿池前段への返送用の配管等を別途配備する(図示では返送汚泥[2])。
引抜汚泥ポンプのほかに返送汚泥ポンプ等を配備する理由は、1台の引抜汚泥ポンプだけで最初沈殿池前段と反応タンクに返送汚泥を返送すると、返送汚泥流量の調整が難しいためである。引抜汚泥ポンプがすでに複数台配備されている場合には、その1台を最初沈殿池前段に返送するための返送汚泥ポンプとすることができる。
返送汚泥の最初沈殿池前段とは、雨天時下水流入管渠から最初沈殿池流入部までである。最初沈殿池流入部とは、流入水の流入部から固液分離部直前までであり、具体的には横流式沈殿池では流入管渠から整流部まで(整流部を含む)、上向流式沈殿槽は流入(原水)配管からセンターウエルまで(センターウエルを含む)である。
凝集補助剤の添加場所として、返送汚泥ポンプの吸込部や吐出部や返送汚泥配管の途中に設けたラインミキサーや混合槽に添加しても良い。返送汚泥配管の途中に設けた混合槽の撹拌は、機械撹拌でも返送汚泥による水流による撹拌でもよい。
返送汚泥配管の途中に設けた混合槽での返送汚泥の滞留時間は撹拌方法や撹拌強度、凝集沈殿汚泥の返送流量やその濃度で変化するが、例えば0.2~3分間とすることができる。滞留時間が0.2分以上であれば凝集補助剤と返送汚泥の混合が十分となる。一方、滞留時間が3分間以下であれば、返送汚泥配管の途中に設けた混合槽内に返送汚泥の凝集物が堆積する可能性や最初沈殿池流入部での凝集性が低下する可能性が低く抑えることができる。
返送汚泥に凝集補助剤を最適量で添加して最初沈殿池前段に返送すれば、さらに凝集補助剤を追加添加する必要はない。追加添加しても最初沈殿池前段や最初沈殿池内部で凝集補助剤の分散均一化に時間がかかるので、かえって処理性が低下する可能性がある。
最初沈殿池に流入する雨天時下水に添加する返送汚泥濃度は雨天時下水量に対するSS濃度は、50~1000mg/Lとすることが好ましく、100~500mg/Lとすることがより好ましい。
また、雨天時下水の一般的なSS濃度を100mg/Lと仮定し、返送汚泥濃度/雨天時下水のSS濃度の比は0.5~10とすることが好ましく、1~5がより好ましい。
上記返送汚泥濃度/雨天時下水のSS濃度の比の好適範囲は、雨天時下水の一般的なSS濃度100mg/Lを考慮して定められたものである。返送汚泥濃度/雨天時下水のSS濃度の比が、0.5以上であれば、最初沈殿池での固液分離が容易になる。すなわち、雨天時下水のSS濃度に対する返送汚泥濃度が十分に高い。雨天時下水のSSや溶解性BODなどを吸着や付着させるための返送汚泥の活性汚泥が十分であるためである。一方、返送汚泥濃度/雨天時下水のSS濃度の比が、10以下であれば、最初沈殿池流入水のSS濃度が高まるので最初沈殿池での固液分離が難しくなる可能性を低く抑えることができる。つまり、返送汚泥濃度が加味されて最初沈殿池流入水のSS濃度が高まると、最初沈殿池で流入SSに起因する汚泥が堆積し、汚泥界面が上昇して、最初沈殿池処理水に汚泥に起因するSSが流出することがあるので、返送汚泥濃度/雨天時下水のSS濃度の比が、10以下であることが好ましい。
また、最初沈殿池に流入する雨天時下水への凝集補助剤添加率は返送汚泥の汚泥重量、すなわちSSに対して、0.05~5.0重量%対SSとすることが好ましく、0.5~3.0重量%対SSとすることがより好ましい。
従来のように、最初沈殿池流入部に凝集補助剤を注入する場合は、凝集補助剤注入率は雨天時下水量に対する凝集補助剤の重量(mg/L)により算出されたが、本発明のように、凝集補助剤を返送汚泥に添加する場合には、凝集補助剤添加率として汚泥処理の脱水等で使用されている「重量%対SS」を指標とするのが好適である。本発明において、凝集補助剤は雨天時下水のSSや返送汚泥の汚泥粒子の凝集を行うもので、SS等の固形物重量に対して、凝集補助剤の添加率が決められるべきものである。水量に対する凝集補助剤の注入率、mg/LではSSや汚泥の固形物が考慮されていない。
返送汚泥のSSを含む最初沈殿池流入部のSS濃度は返送汚泥の返送条件で変化するので、雨天時下水量に対する凝集補助剤の重量(単位としてはmg/L被処理水)では凝集補助剤注入量の適正な管理や制御ができない。
汚泥濃度の指標としてSS(懸濁物質)やTS(Total Solids:全蒸発残留物)がある。また、下水のような溶解塩類濃度(食塩などの溶解塩類濃度)が低い汚泥ではSSとTSの測定値は同じであるが、溶解塩類濃度が高いし尿処理などでは汚泥のSSとTSの数値が異なる場合、汚泥濃度はSSを採用する。
なお、本発明において、SS及びTSは以下の定義に従う。
SS:JIS K 0102:2019 工場排水試験方法 14.1 懸濁物質
TS:JIS K 0102:2019 工場排水試験方法 14.2 全蒸発残留物
図6に本発明の雨天時下水活性汚泥処理方法の処理フローの別の一例を示す。最終沈殿池での固液分離性能向上を実現する手法である。
最初沈殿池処理水の1Qを反応タンクの1槽目(反応タンク(1))に流入させて、最終沈殿池からの返送汚泥を従来通りに1槽目に返送する。最初沈殿池処理水の2Qを反応タンクの最終段(図示では4槽目であるが、4槽に限定されない。)にも流入させて、最終沈殿池からの返送汚泥も最終段に返送する(図中の返送汚泥[2])。最終段である4槽目に返送する返送汚泥には凝集補助剤を添加する。凝集補助剤は混合槽又は返送配管に添加されて、反応タンクの最終段である4槽目に入るまでに、返送汚泥と凝集補助剤が混合均一化される。最終沈殿池に最初沈殿池処理水3Qを含む活性汚泥混合液が流入するが、返送汚泥に凝集補助剤が付着しているために、凝集性と沈降濃縮性が良好で、最終沈殿池で汚泥と処理水に固液分離しやすい。
反応タンクへの凝集補助剤を含む返送汚泥の添加場所は、最終段の反応タンクや最終段の反応タンクの活性汚泥混合液流出部から最終沈殿池までの流入管渠や配管でもよい。
最終段の反応タンクの活性汚泥混合液の活性汚泥の凝集には最終段の反応タンクに返送する返送汚泥重量当たりの凝集補助剤添加重量比と、活性汚泥混合液と凝集補助剤を含む返送汚泥との混合時間と撹拌強度が重要である。撹拌強度は反応タンクでの空気撹拌や配管流速による撹拌で十分である。混合時間は3分間~3時間が好ましい。3分間以上であれば活性汚泥の凝集は十分で、3時間以内に収まることで、活性汚泥の凝集体の再分散を防止できる。
図7に本発明の雨天時下水の処理フローの別の一例を示す。最初沈殿池での固液分離性能向上を実現する手法である。
図7では、最初沈殿池前段で、雨天時下水と凝集補助剤が添加された余剰汚泥の濃縮汚泥が混合され、最初沈殿池で固液分離され、雨天時下水の汚濁物質であるBODやCODや大腸菌やSSが除去される。雨天時下水から汚濁物質が除去されて、負荷が低減された雨天時下水は反応タンクで生物処理される。図示では反応タンクは(1)~(4)の4槽構造であるが、これに限定されない。最終沈殿池で処理水と汚泥に固液分離され、処理水は放流され、又は高度処理される。最終沈殿池から引き抜かれる汚泥は返送汚泥と余剰汚泥とし、返送汚泥は反応タンクに返送される。余剰汚泥は濃縮されて濃縮汚泥になり、その一部は前述のように凝集補助剤を添加、混合されて、最初沈殿池の前段に返送されるが、凝集補助剤が添加されない残りの部分は汚泥処理される。
余剰汚泥の濃縮や脱水などの汚泥処理において、余剰汚泥は重力濃縮や機械濃縮されて、脱水される。これらの余剰汚泥の濃縮汚泥の一部に凝集補助剤を添加することで、最初沈殿池の前段で、雨天時下水と混合して、最初沈殿池での固液分離性を向上させることができる。また、余剰汚泥の濃縮汚泥は、余剰汚泥や返送汚泥より汚泥濃度が高く、そのために、返送汚泥を返送するより、余剰汚泥の濃縮汚泥を返送したほうが、その返送流量が少なくて済む。
最初沈殿池前段に返送するのが余剰汚泥の濃縮汚泥であるので、最初沈殿池の前段への返送条件(具体的には最初沈殿池流入部のSS濃度、凝集補助剤添加率などである。)は図5に示される実施形態と同様である。
最終沈殿池から引き抜かれた余剰汚泥は、それ単独で濃縮後に初沈汚泥と混合されて脱水されるか、又は余剰汚泥を濃縮せずに脱水される。
本発明において、余剰汚泥の濃縮汚泥とは初沈汚泥と混合されずに余剰汚泥を単独で濃縮したものである。余剰汚泥以外の初沈汚泥の混ざった汚泥では、活性汚泥が少ないので、本発明の最初沈殿池や生物処理への返送はできない。時間経過と共に余剰汚泥や余剰汚泥の濃縮汚泥は腐敗するので、最初沈殿池や生物処理への返送に当たっては、それを曝気してから返送することが好ましい。曝気は散気管やポンプ循環による酸素供給など任意の方法でよい。また、雨天時下水処理のような緊急時に使用することを目的貯留しても分解性が低く保存性のよい硝酸塩や亜硝酸塩、過酸化水素などの酸化物の添加による余剰汚泥や余剰汚泥の濃縮汚泥の腐敗防止も有効である。
酸化物の製品としての注入率は、余剰汚泥の濃縮汚泥流量に対して、50~1000mg/Lで、好ましくは100~500mg/Lである。50mg/L以上であれば、余剰汚泥の濃縮汚泥が好気的になる。1000mg/L以下であれば、酸化物の製品貯蔵量の過度の増大や、注入設備の過大化を回避できる。
上記酸化物の添加は、本発明の凝集補助剤の添加前に行う。つまり、余剰汚泥の濃縮汚泥の返送汚泥ポンプの吸込部や吐出部に酸化物の製品を添加することで、余剰汚泥の濃縮汚泥と酸化物との反応性が高いので、凝集補助剤の添加までに余剰汚泥の濃縮汚泥が好気的になり、上記酸化物が残留しない。
余剰汚泥の濃縮は無薬注方式と、既設の濃縮工程で高分子凝集剤を余剰汚泥に添加して濃縮する方式がある。また、重力式濃縮槽や機械式濃縮槽、例えば、遠心濃縮機やベルト型ろ過濃縮機で濃縮する方法がある。
濃縮汚泥濃度は薬注や無薬注の違いによっても、濃縮方法によっても異なるが、1~3重量%が一般的である。濃縮で高分子凝集剤を使用し、高分子凝集剤を含む濃縮汚泥を最初沈殿池前段に返送する場合にも、最初沈殿池で雨天時下水が良好に固液分離できる凝集補助剤を選定、使用すべきである。
図8に本発明の雨天時下水の処理フローの別の一例を示す。最終沈殿池での固液分離性能向上を実現する手法である。
図8に示される実施形態では、既存の返送汚泥の返送の他に、別の返送汚泥設備を設け、その返送汚泥に凝集補助剤を添加し、反応タンクの最終段に返送汚泥を返送する。最終段の反応タンクで凝集補助剤を含む返送汚泥と最終段反応タンク内の活性汚泥が混合し、沈降性の良い凝集フロックが生成して、最終沈殿池での固液分離性が向上することができる。
反応タンク最前段に返送される既存の返送汚泥に凝集補助剤を添加しても良いが、最終沈殿池に流入するまでに反応タンク内の強い撹拌で凝集フロックが壊されたり、反応タンクの滞留時間を経過することで凝集補助剤の薬剤としての凝集効果が低下する可能性があるので、好ましくは、反応タンクの最前段に返送される返送汚泥に凝集補助剤を添加しない。前記図5~7の実施形態についても同様である。
図8に示される実施形態では、反応タンク最前段への汚泥返送比は、0.03~0.5が好ましく、反応タンクの最終段への汚泥返送比は、0.03~0.5であることが好ましい。この汚泥返送比は、返送汚泥の他、余剰汚泥の濃縮汚泥の返送にも適用できる。反応タンク最前段への汚泥返送比が0.03以上であれば生物処理がより安定になり、反応タンクの最前段への汚泥返送比が0.5以下であれば、最終沈殿池に流入する汚泥量が抑えられるので、最終沈殿池での固液分離の負担が軽減される。また、反応タンクの最終段への汚泥返送比が0.03以上であれば、返送汚泥流量が十分にあり、最終沈殿池で、凝集補助剤を含む汚泥が十分であるために凝集が良好になり、最終沈殿池での固液分離が安定する。反応タンクの最終段への汚泥返送比が0.5以下であれば、最終沈殿池に流入する汚泥量が抑えられるので、最終沈殿池での固液分離が良好になる。
汚泥返送比(下水道施設計画設計指針と解説 後編 第4章水処理施設 4.6.4 (2009年))は以下のように計算される。
汚泥返送比=反応タンクのMLSS/(返送汚泥のSS-反応タンクのMLSS)
式中、反応タンクのMLSSや返送汚泥のSSの単位はmg/Lである。
また、この処理フローは下水以外に民間事業所排水のバルキング対策にも応用できる。
民間事業所排水処理では下水処理の最初沈殿池がなく、有機性排水は下水処理の反応タンクに相当する生物処理槽で生物処理される。生物処理槽は下水処理の反応タンクのように複数に分割されていない場合が多く、この場合の生物処理槽最終段とは、生物処理槽の活性汚泥混合液の流出部から沈殿槽流入部までを指す。
沈殿槽から引き抜かれる返送汚泥の一部は生物処理槽の最前段に返送し、また、返送汚泥の一部にバルキング防止剤を添加して、生物処理槽の最後段に返送することができる。生物処理槽の最後段に返送することで、バルキング防止剤を含む返送汚泥によって生物処理槽の活性汚泥混合液の汚泥が凝集し、沈殿槽で固液分離性が改善する。
本発明において、市販の無機の酸化剤やカチオン系界面活性剤等の各種殺菌剤の1種類又は複数種類を返送汚泥の一部に添加して、生物処理槽の最後段に返送することができる。好ましくは市販のバルキング防止剤と、本発明のバルキング防止剤を混合して、返送汚泥の一部に添加して、生物処理槽の最後段に返送することができる。より好ましくは、市販のバルキング防止剤による活性汚泥へのダメージを低減できる本発明のバルキング防止剤を、返送汚泥の一部に添加して、生物処理槽の最後段に返送することができる。
凝集補助剤添加率は返送汚泥の汚泥重量、すなわちSSに対して、0.05~5.0重量%対SSであることが好ましく、0.05~1.0重量%対SSであることがより好ましい。
図9に本発明の雨天時下水の下水処理フローの別の一例を示す。
図9に示される実施形態では、既存の返送汚泥の返送の他に、余剰汚泥の濃縮設備からの濃縮汚泥の一部に高分子凝集剤や有機凝結剤などの凝集補助剤を添加し、濃縮汚泥を反応タンクの最終段に返送する。
濃縮汚泥濃度は返送汚泥濃度の数倍高いので、最終段の反応タンクへの返送流量は、返送汚泥流量より濃縮汚泥返送流量の方が少なくて済む。
反応タンクに返送するのが余剰汚泥の濃縮汚泥なので、反応タンクへの返送条件は図5に示される実施形態と同様である。
図10は最初沈殿池への返送汚泥添加における本発明の高分子凝集補助剤注入制御フローの一例を示す。
最初沈殿池流入部のSS重量制御と、凝集補助剤注入制御の手順は以下の通りである。
(1)雨天時下水の流量を測定する。又は、運転管理の経験等からの予測値を設定する。
(2)最初沈殿池流入部のSS濃度を設定する。又は、運転管理の経験等からの予測値を設定する。
(3)雨天時下水流量と最初沈殿池流入部のSS濃度の設定値から最初沈殿池流入部のSS重量を計算する(最初沈殿池流入水量は雨天時下水流量>返送汚泥流量であるので、雨天時下水流量のみとする)。
(4)返送汚泥のSS濃度測定又は運転管理記録記載値からSS濃度を推定する。
(5)最初沈殿池流入部のSS重量と返送汚泥のSS濃度から返送汚泥流量を算出する。
(6)返送汚泥流量と返送汚泥濃度から返送汚泥のSS重量を算出する。
(7)返送汚泥のSS重量に対する凝集補助剤添加率設定値から凝集補助剤の添加重量を算出する。
(8)高分子凝集剤や有機凝結剤重量に見合う凝集補助剤溶解液を薬注ポンプで返送汚泥に添加する。
汚泥濃度検出手段は近赤外光式汚泥濃度計、レーザー光式汚泥濃度計、マイクロ波汚泥濃度計などの市販の汚泥濃度計が使用できる。汚泥流量検出手段は市販の電磁流量計や超音波流量計などが使用できる。汚泥を返送するポンプは市販品でよく、回転数制御で設定流量に調節して返送することができる。
図11は反応タンク最終段への返送汚泥添加における本発明の高分子凝集補助剤注入制御フローの一例を示したものである。
反応タンク最終段のSS重量制御と、高分子凝集剤や有機凝結剤注入制御の手順は以下の通りである。
(1)最初沈殿池処理水又は被処理水(以下、「被処理水」という。)の流量を測定する。
(2)最終段以外の反応タンクのSS(MLSS)濃度を測定する。又は管理値を設定する。
(3)反応タンク最終段の設定SS濃度と、最終段以外の反応タンクの実測のSS濃度の差から反応タンクに返送するSS重量を算出する。
(4)返送汚泥のSS濃度を測定する。
(5)反応タンクで必要なSS重量と返送汚泥のSS濃度から反応タンク最終段に返送する返送汚泥流量を算出する。
(6)反応タンク最終段に返送するSS重量と凝集補助剤添加率設定値により凝集補助剤添加重量を決定する。
(7)凝集補助剤添加重量と溶解濃度から返送汚泥に添加する凝集補助剤溶解液量を決定する。
(8)凝集補助剤注入ポンプを起動して、返送汚泥に凝集補助剤溶解液を添加する。
以下、本発明及びその利点をより良く理解するための実施例を例示するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
(従来例1:模擬雨天時下水の最初沈殿池での固液分離)
模擬雨天時下水は晴天時の分流式下水の最初沈殿池流入下水を脱塩素した水道水で2倍希釈したものを試験に供した。模擬雨天時下水はpHが7.4、SSが100mg/L、BODが100mg/Lであった。
凝集槽で模擬雨天時下水に高分子凝集剤(エバグロースB-094、両性、分子量500万、水ing(株)製)を添加し、表1の条件で試験した。高分子凝集剤は予め水道水の脱塩素水で溶解濃度が0.1重量%となるように溶解した高分子凝集剤溶解液を使用した。
表2に模擬雨天時下水に高分子凝集剤(エバグロースB-094、両性、分子量500万、水ing(株)製)を添加した場合の処理結果を示す。
模擬雨天時下水量1Qでは高分子凝集剤を2mg/L添加することで、SS除去率が50%、BOD除去率が28%であったが、2Qに模擬雨天時下水量を増加させると、SSやBODの除去率が大きく低下し、模擬雨天時下水の最初沈殿池処理水のSSやBODの濃度が増加することが分かった。
(従来例2:模擬雨天時下水に返送汚泥を添加して最初沈殿池での固液分離)
従来例1の模擬雨天時下水を表1の凝集槽と同じ形状で同じ有効容量の混合槽を設け、その混合槽に従来例2の返送汚泥を添加し、次に表1の凝集槽を設け、その凝集槽に高分子凝集剤(エバグロースB-094、両性、分子量500万、水ing(株)製)を添加した後に、表1の条件で試験した。試験に用いた従来例2の返送汚泥は終末処理場から採取した汚泥で、その性状は、SSが6000mg/L、TSが5800mg/L、VSS/SSが82%であった。表3に模擬雨天時下水に返送汚泥と直接高分子凝集剤を添加した場合の処理結果を示す。
(実施例1:高分子凝集剤を添加した返送汚泥を模擬雨天時下水に添加して最初沈殿池での固液分離)
従来例1の模擬雨天時下水に高分子凝集剤(エバグロースB-094、両性、分子量500万、水ing(株)製)を添加した従来例2の返送汚泥を模擬雨天時下水量に対してSSとして100~300mg/L添加し、表1の条件で試験した。高分子凝集剤添加率は返送汚泥のSS重量あたりの添加率で、0.7~3.0重量%対SSであった。また、処理水量に対する高分子凝集剤注入率は、1~6mg/Lであった。表4に高分子凝集剤を添加した返送汚泥を模擬雨天時下水に添加した処理結果を示す。
高分子凝集剤を添加した返送汚泥と模擬雨天時下水を混合することで、模擬雨天時下水のSSが高分子凝集剤を添加した返送汚泥に効果的に取り込まれるために、処理水量が1Qから3Qに増加しても最初沈殿槽でのSS除去率やBOD除去率が低下せず、SSやBOD除去性能が維持できたことが分かった。
(従来例3:3W法による模擬最初沈殿槽処理水の活性汚泥処理)
従来例1の模擬雨天時下水を模擬雨天時下水量3Qで無薬注で、表1の装置を用い固液分離し、得られた処理水を模擬最初沈殿槽処理水とした。その性状は、pH7.3、SS62mg/L、BOD78mg/Lであった。
表5の生物処理装置を用い、模擬最初沈殿槽処理水量3Qを生物処理槽で生物処理試験をした。模擬最初沈殿槽処理水の1Qを生物処理槽の1槽目に、残りの2Qを4槽目に添加した。最終沈殿槽からの返送汚泥は、生物処理槽の1槽目に返送し、生物処理槽の1槽目から3槽目までMLSSを2000mg/Lに維持した。模擬最初沈殿槽処理水量2Qが流入する4槽目のMLSSは約700mg/Lになった。生物処理槽全体のBOD汚泥負荷は0.35kg/kg日であった。
表6に3W法による模擬最初沈殿槽処理水の生物処理試験結果を示す。
SS62mg/L、BOD78mg/Lの模擬最初沈殿槽処理水をBOD汚泥負荷0.35kg/kg日で生物処理すると、SS除去率が23%、BOD除去率が63%で、最終沈殿槽での固液分離性が悪化したためにBOD除去率よりSS除去率が低かった。
(実施例2)
従来例3、3W法との対比で、模擬最初沈殿槽処理水量3Qのうち2Qを生物処理槽の4槽目に流入させ、4槽目には高分子凝集剤や有機凝結剤を含む返送汚泥を返送することとし、4槽目のMLSS濃度を2000mg/Lに維持した。
従来例3の模擬雨天時下水の模擬最初沈殿槽処理水を用いて、表5の生物処理装置の仕様と、表5の試験条件のうち生物処理槽の4槽目のMLSS濃度を1槽目から3槽目と同じで、2000mg/Lにして、模擬最初沈殿槽処理水をその水量3Qで生物処理試験をした。
模擬最初沈殿槽処理水量3Qは、生物処理槽の1槽目に1Qを、生物処理槽の4槽目に2Qを流入させて、従来例3と同じに試験した。
1槽目の生物処理槽のMLSS濃度が2000mg/Lになるように返送汚泥を返送し、さらに、2Qが流入する4槽目の生物処理槽のMLSS濃度が2000mg/Lになるように、高分子凝集剤や有機凝結剤を含む返送汚泥を返送した。BOD汚泥負荷は生物処理槽全体で0.29kg/kg日であった。
高分子凝集剤として、エバグロースC-104G(カチオン性、分子量400万、水ing(株)製)を使用し、有機凝結剤として、エバグロースL-51とエバグロースL-305(いずれも、カチオン性、分子量30万、水ing(株)製)を使用した。カチオン性高分子凝集剤を予め水道水の脱塩素水で溶解濃度が0.1重量%となるように溶解した高分子凝集剤溶解液を使用した。また、有機凝結剤は、小規模試験のためにその添加重量が少ないので、高分子凝集剤と同様に、予め水道水の脱塩素水で溶解濃度が0.1重量%となるように溶解した有機凝結剤溶解液を使用した。
表7に模擬最初沈殿槽処理水の生物処理試験結果を示す。固液分離性の指標となる最終沈殿槽処理水のSS除去率は、高分子凝集剤のエバグロースC-104G>有機凝結剤のエバグロースL-305>有機凝結剤のエバグロースL-51であった。いずれの凝集補助剤もその添加率を増すと、SS除去率が向上した。
高分子凝集剤と有機凝結剤は生物処理槽の4槽目に返送する返送汚泥に添加し、薬剤添加率は返送汚泥のSS重量当たりの添加率である。
従来例3と比較して、4槽目の生物処理槽のMLSS濃度が2000mg/Lになるように、高分子凝集剤や有機凝結剤を含む返送汚泥を返送することで、生物処理槽全体のBOD汚泥負荷が0.29kg/kg日に低下し、活性汚泥による生物処理性能が向上してBOD除去率が高まった。また、高分子凝集剤や有機凝結剤による活性汚泥の凝集効果で、最終沈殿槽からのSSの流出が抑制できて、最終沈殿槽処理水のSS除去率も向上した。
(実施例3)
従来例3、3W法との対比で、模擬雨天時下水の模擬最初沈殿槽処理水の全量を生物処理槽1槽目に流入させて、活性汚泥処理するものとした。
従来例3の模擬雨天時下水の模擬最初沈殿槽処理水を用いて、表5の生物処理装置の仕様と、表5の試験条件のうちMLSS濃度を1槽目から4槽目まで、2000mg/Lにして、模擬最初沈殿槽処理水をその水量3Q、9.8m3/日で生物処理試験をした。
模擬最初沈殿槽処理水量3Qは、生物処理槽の1槽目に3Q全量を流入させて、生物処理槽の1槽目だけに高分子凝集剤や有機凝結剤を含む返送汚泥を返送し、その返送汚泥で生物処理槽の1槽目から4槽目まで、のMLSS濃度を1000~2000mg/Lに調整した。BOD汚泥負荷は生物処理槽全体で0.29~0.58kg/kg日であった。
高分子凝集剤は、エバグロースC-104G(カチオン性、分子量400万、水ing(株)製)を使用し、その添加率は返送汚泥のSS重量当たり0.09~0.57重量%SSであった。
表8に模擬最初沈殿槽処理水の生物処理試験結果を示す。最終沈殿槽処理水のBOD除去率は生物処理槽全体でのBOD汚泥負荷0.58kg/kg日で82~83%、BOD汚泥負荷0.39kg/kg日で86~89%、BOD汚泥負荷0.29kg/kg日で88~91%となり、生物処理槽のMLSS濃度を高めると、BOD汚泥負荷が下がり、最終沈殿槽処理水のBOD除去率が向上した。高分子凝集剤の添加率を高めると、最終沈殿槽からのSSの流出が抑制できて、最終沈殿槽処理水のSS除去率は向上することが分かった。
Figure 0007453068000008

Claims (4)

  1. 生物処理工程を含む排水処理方法であって、
    前記生物処理工程は、複数の反応タンク又は生物処理槽において行われ、
    前記排水処理方法は前記生物処理工程の後段に、最終沈殿池又は沈殿槽で行われる固液分離工程を含み、
    前記最終沈殿池から返送汚泥を引き抜き、前記返送汚泥の一部に凝集補助剤を添加せず前記複数の反応タンク又は生物処理槽のうち最前段の反応タンク又は生物処理槽に返送し、前記返送汚泥の別の一部に有機凝集補助剤を添加した後に、前記複数の反応タンク又は生物処理槽のうち最終段の反応タンク又は生物処理槽に返送することを含む排水処理方法。
  2. 前記排水処理方法は、さらに前記生物処理工程の前段に固液分離工程を含む請求項1に記載の排水処理方法。
  3. 前記生物処理工程の前段の固液分離工程は、雨天時下水が流入する最初沈殿池で行われ、
    前記有機凝集補助剤を含む前記汚泥を、雨天時下水と混合して、前記最初沈殿池にも返送することを特徴とする請求項2に記載の排水処理方法。
  4. 前記返送汚泥の前記別の一部にさらにバルキング防止剤を添加して、前記複数の反応タンク又は生物処理槽のうち最終段の反応タンク又は生物処理槽に返送することを特徴とする請求項1に記載の排水処理方法。
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