JPH11239789A - 高度水処理方法 - Google Patents

高度水処理方法

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Publication number
JPH11239789A
JPH11239789A JP25104698A JP25104698A JPH11239789A JP H11239789 A JPH11239789 A JP H11239789A JP 25104698 A JP25104698 A JP 25104698A JP 25104698 A JP25104698 A JP 25104698A JP H11239789 A JPH11239789 A JP H11239789A
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JP
Japan
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ozone
water
membrane
raw water
filtration
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Application number
JP25104698A
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English (en)
Inventor
Yoshihiko Mori
吉彦 森
Masatoshi Hashino
昌年 橋野
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH11239789A publication Critical patent/JPH11239789A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、下水や排水を再利用できるほどの
十分な水質を得ることができ、かつ、高い濾過流束を長
時間維持することが出来、更には広大な設置場所を必要
としない下水、排水の高度処理方法を提供することを可
能にすることを目的としている。 【解決手段】 下水二次処理水または工場排水からなる
原水中に凝集剤とオゾンを添加した後、オゾン耐性膜に
よる膜濾過処理を行うことを特徴とする。また凝集剤添
加においては必要に応じてpHを調整してもよい。さら
には、必要に応じて残留オゾンの中和を行った後、その
濾過水を逆浸透膜で逆浸透膜処理を行うことを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、し尿や家庭用排水
等の下水や工場排水を河川等に放流する前に行うか、或
いはこれ等の下水や工場排水を再利用するための下水、
排水の高度処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、し尿や家庭用排水等の下水からな
る都市排水や工場から排出される有機性排水等は、その
中に含有される種々の懸濁物質(SS)を取り除く処理
が施されてから河川等に放流されている。近年では、環
境問題が注目されており、このような放流水において
も、より高度に水質を向上した処理が要求されるように
なっている。また、生活用水の需要増大や無秩序な森林
伐採、異常気象等による渇水の対応策として貯水ダム等
の水源開発が行われているが、安定した生活用水の供給
の確保は困難なものとなっている。
【0003】このような状況下、下水道の年間処理量は
約80億m3 を超えている。そこで、下水や排水を水資
源として再利用することが提案されており、例えば、公
園の噴水や修景、親水用水、雑用水、消融雪用水、ヒー
トポンプを利用した冷暖房システムの熱源、工業用水、
農業用水等として多種の用途が考えられている。特に修
景、親水用水としては実際に利用され始めている。
【0004】このような下水や排水を更に水質の高い水
として再利用するために従来以上に水質を向上した高度
な処理能力を有する下水、排水の高度処理方法が求めら
れている。従来の都市排水や工場から排出される有機性
排水の一般的な処理は図2に示すようなシステムにより
行われている。図2において、先ず、処理しようとする
下水や排水の原水51は初期沈殿槽52において比較的
大きな懸濁物質が沈殿分離される。次に曝気槽53にお
いて空気を吹き込んで生物を活性化させ、活性汚泥によ
り原水51中のBOD(生物的酸素要求量)、COD
(化学的酸素要求量)等の元になる水溶性成分が分解さ
れる。
【0005】その後、最終沈殿槽54において活性汚泥
の微生物が分解した物質であるフロックが沈殿分離され
た後の分離水が放流水として河川等に放流される。尚、
前記最終沈殿槽54で沈殿分離された汚泥は汚泥濃縮槽
55に集められて濃縮された後に脱水機56により水分
を除去して処分される。上記のような処理方法で得られ
る放流水は再利用水としての適正は十分ではなく、更に
水質を向上した高度な処理が必要な場合には、図3に示
すように、前記最終沈殿槽54で処理した後、更に凝集
剤を添加する凝集沈殿槽57や砂濾過槽58により微細
フロックを除去した後に放流される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
従来例の処理方法を用いても下水や排水を再利用出来る
程の十分な水質を得ることが出来ず、特に下水の場合に
は、含有する懸濁物質の量が一定ではなく、水質変動、
水量変動、水温変動が比較的大きいため、図3に示すよ
うに、凝集沈殿槽57において凝集剤を添加する場合に
は、該凝集剤の添加量を調整する必要があり、凝集剤の
添加量を調整しながら懸濁物質を除去することは実際上
は困難で凝集沈殿槽57の凝集状態が不安定になり易
い。
【0007】凝集沈殿槽57の凝集状態が不安定になる
と、強度の弱い微細フロックが凝集沈殿槽57から流出
する虞があり、フロックが微細なため、その後に行う砂
濾過槽58でも濾過水からフロックを完全に除去しきれ
ないことがある。また、砂濾過槽58を設けることは広
大な用地を必要とするため設置場所の確保が困難とな
る。
【0008】また、曝気槽53において分離膜を用いて
懸濁物質を分離除去する方法も提案されているが、この
場合、分離膜が懸濁物質により容易に目詰まりを起こし
てしまい、該分離膜の濾過流束が短時間で低下してしま
う等の不具合がある。本発明は前記課題を解決するもの
であり、その目的とするところは、下水や排水を再利用
出来る程の十分な水質を得ることが出来、且つ、高い濾
過流束を長時間維持することが出来、更には広大な設置
場所を必要としない下水、排水の高度処理方法を提供せ
んとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の本発明に係る下水、排水の高度処理方法は、下水二次
処理水または工場排水を原水として、これを高度処理す
る下水、排水の高度処理方法において、前記原水中に凝
集剤とオゾンを添加した後、オゾン耐性膜を用いて加圧
濾過することを特徴とする。
【0010】また、本発明は、前記原水中に凝集剤とオ
ゾンを添加した後、オゾン耐性膜を用いて濾過し、次い
でその濾過水を逆浸透膜で処理することを特徴とする。
さらに本発明は、オゾン耐性膜を用いて濾過するに先だ
って、前記原水のpH(水素イオン濃度)を2から8に
調整することを特徴とする。本発明は、上述の如く構成
したので、凝集剤とオゾン共存下でオゾン耐性膜により
下水二次処理水または工場排水からなる原水の濾過を行
うことにより原水中の懸濁物質や有機物をオゾン分解す
るので、高い濾過流束(濾過速度)で濾過できる。さら
には、逆浸透膜の膜汚染を防止出来、高い濾過流束で濾
過出来る。
【0011】この際、オゾン分解に先立って、原水に凝
集剤を添加することにより、より少ないオゾン添加量で
高い効果が得られる。また、凝集剤の添加に先立って、
あるいは凝集剤の添加と同時に、原水のpH(水素イオ
ン濃度)を2から8に調整すると凝集剤の効果がより高
まるので好ましい。
【0012】前記原水中にオゾンを添加する量としては
濾過水中にオゾンを0.05ppm以上残留させる量で
添加すれば好ましい。また、オゾン耐性膜をフッ素系樹
脂膜で構成すれば好ましい。また、オゾン耐性膜の形状
としては、中空糸膜が好ましい。また、逆浸透膜で濾過
するに先立って、オゾンを中和すれば好ましい。
【0013】また、逆浸透膜を低圧逆浸透膜またはナノ
フィルターで構成すれば好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】図により本発明に係る下水、排水
の高度処理方法の一実施態様を具体的に説明する。図1
は本発明に係る下水、排水の高度処理方法のプロセスの
例である。本発明に係る下水、排水の高度処理方法は、
基本的に下水二次処理水または工場排水からなる原水中
に凝集剤とオゾン(O3 )を添加すると共にオゾン耐性
膜を用いて濾過するものであり、あるいは前記原水中に
凝集剤とオゾンを添加するとともに、オゾン耐性膜を用
いて濾過し、次いでその濾過水を逆浸透膜で処理するも
のである。
【0015】従来、下水二次処理水または工場排水から
なる原水を単に膜濾過法で濾過すると、該原水中に含ま
れる懸濁物質や使用する膜の孔径以上の大きさの有機物
は膜で阻止され、いわゆる濃度分極やケーク層が発生す
ると同時に該原水中の有機物は膜を目詰まりさせたり、
或いは、膜内部の網状組織に吸着を起こす結果、得られ
る膜の濾過流束は清澄水の濾過流束に比べて数分の1か
ら数十分の1にまで低下し、膜濾過コストが高くなって
経済的な実用性が低下するものであった。
【0016】しかしながら、オゾン(O3 )等の酸化剤
の存在下で上記原水を膜濾過法で濾過すると、膜に付着
または目詰まりしている有機物をオゾン(O3 )等の酸
化剤により分解しながら濾過でき、極めて高い濾過流束
を得ることが出来る。即ち、オゾン(O3 )存在下での
濾過膜は、膜を通過するオゾン(O3 )によって膜に付
着した有機物を繰り返して攻撃するため、常時自己洗浄
しながら濾過を行うことになり、その結果、高い濾過流
束を得ることが出来る濾過方法となる。
【0017】従って、本発明に係る下水、排水の高度処
理方法によれば、下水や排水を再利用出来る程の十分な
水質を得ることが出来るとともに、さらには、逆浸透膜
の膜汚染を防止出来るので、逆浸透膜を透過する透水量
の向上が図れる。本発明に係る下水、排水の高度処理方
法の具体的なプロセスの一例は、図1に示すように、先
ず、下水二次処理水または工場排水からなる原水1中に
凝集剤添加2を行って原水1中に含まれる懸濁物質を凝
集した後、該原水1中にオゾン(O3 )を添加して該原
水1中の懸濁物質や有機物をオゾン分解するオゾン処理
3を行った後、オゾン耐性膜による膜濾過処理4を行う
ことにより、高度の水質の濾過水を得ることができる。
【0018】凝集剤の添加に際しては、その効果をより
高めるためにpH(水素イオン濃度)の調整を行っても
良い。次に、必要に応じて残留オゾン(O3 )の中和5
を行い、その濾過水を逆浸透膜を用いて逆浸透膜処理6
を実施して、さらに高度の水質の濾過水を得ることが出
来る。これらの高度に処理された濾過水は公園の噴水や
修景、親水用水、雑用水、消融雪用水、ヒートポンプを
利用した冷暖房システムの熱源、工業用水、農業用水等
として再利用したり、河川等に放流することが出来る。
【0019】なお、前記凝集剤添加2とオゾン処理3の
順番はどちらでもよいが、図1に示すように、原水1中
にオゾン(O3 )を添加する前に凝集剤添加2を行って
原水1中に含まれる懸濁物質を凝集させた後、該原水1
中にオゾン(O3 )を添加した場合には、オゾン
(O3 )の使用量を低減させてコストダウンを図ること
ができるので好ましい。
【0020】本発明に係る下水、排水の高度処理方法
は、原水→凝集剤添加→オゾン処理→オゾン耐性膜によ
る膜濾過処理、原水→オゾン処理→凝集剤添加→オゾン
耐性膜による膜濾過処理、あるいは原水→凝集剤添加→
オゾン処理→オゾン耐性膜による膜濾過処理→逆浸透膜
処理、原水→オゾン処理→凝集剤添加→オゾン耐性膜に
よる膜濾過処理→逆浸透膜処理からなるハイブリッド
(混成)のプロセスであり、各々の単位プロセスが相互
に融合し合って各単位プロセス以上の効果を発揮出来、
高効率で高度処理が出来る画期的プロセスとなる。
【0021】以下に、各単位プロセスの詳細について説
明する。 〔凝集剤添加〕膜濾過に際し、膜の孔径が精密濾過(M
F)領域となると孔径が大きくなるため、原水1中の懸
濁物質(SS)やバクテリア等が膜内に侵入する。特に
高粘性物による膜の目詰まりは通常の膜濾過方式では洗
浄できない。
【0022】従って、精密濾過(MF)膜を使用する膜
濾過法では、一般にポリ塩化アルミニウム(PAC)、
硫酸バン土、塩化第一鉄、塩化第二鉄等の凝集剤を使用
することが好ましい。さらに凝集剤の効果をより高める
目的で、必要に応じて薬液等で原液のpHを調整しても
よい。適切なpHは用いる凝集剤によっても異なるが、
凝集剤添加後のpHが2から8の間、好ましくは2から
7.5の間に調整する。
【0023】凝集剤の添加は、原水1を貯めるタンク等
の貯槽に添加しても良いし、あるいは、原水1をオゾン
添加を行う所に誘導する管の途中や、あるいはオゾン添
加後、オゾン耐性膜に誘導する管の途中にラインミキシ
ング方式で添加しても良い。pH調整の為の薬液は、凝
集剤の添加に先立って、あるいは凝集剤と同時に、凝集
剤の添加と同様の方法(原水タンクへの添加、ラインミ
キシング方法等)を用いて添加すればよい。原水がアル
カリ性の場合は、塩酸、硫酸、硝酸などの鉱酸で、原水
が酸性の場合は水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等で
適切なpHに調整すればよい。
【0024】このように、凝集剤を併用すると、有機懸
濁物質や高分子物質が凝集剤中に取り込まれるため、高
い濾過流束が得られるとともに、必要なオゾン量をほぼ
半減できる効果が期待できる。凝集剤の添加量は、原水
1中に含まれる懸濁物質を凝集できる量である必要があ
り、一般に原水1の1リットル中に1〜100mg添加
すれば良く、さらに好ましくは、原水1の1リットル中
に2〜50mg添加すればよい。 〔オゾン処理〕前記オゾン処理3において、添加するオ
ゾン(O3 )はオゾン単体でもオゾン化空気でも良く、
オゾン(O3 )の導入は、適宜位置に設けた散気管等を
介して行えば良い。
【0025】また、オゾン(O3 )を添加する他の構成
として、オゾン耐性膜に原水を誘導する管の途中でエジ
ェクター方式またはラインミキシング方式でオゾン(O
3 )を添加しても良い。オゾン(O3 )の添加により下
水二次処理水または工場排水からなる原水1中に棲息す
る微生物類、例えばウイルス類、バクテリア類、カビ
類、原虫類を殺菌除去することが出来、更には、原水1
中の懸濁物質や有機物をオゾン分解すると共に後述する
オゾン耐性膜に付着または目詰まりしている有機物をオ
ゾン分解しながら濾過でき、極めて高い濾過流束を得る
ことが出来る。
【0026】即ち、オゾン(O3 )存在下での濾過膜
は、膜を通過するオゾン(O3 )によって膜に付着した
有機物を繰り返して攻撃するため、常時自己洗浄しなが
ら濾過を行うことになり、その結果、高い濾過流束を得
ることができ、さらに、オゾン添加に先立ち、凝集剤を
添加することにより、高い濾過流束を得るのに必要なオ
ゾン添加量が少量ですむ。。
【0027】また、オゾン耐性膜により濾過する際に濾
過速度の上昇を図るために濾過水に残留するオゾン濃度
は一般に0.05ppm以上が好ましい。一方、微生物
類を殺菌し、臭気物質を除去するための原水へのオゾン
添加濃度は一般に1ppm以上である。また、オゾン濃
度が高すぎると経済性が低下することになるので、オゾ
ン添加濃度は1〜50ppm程度が好ましく、更に好ま
しくは2〜30ppmの濃度のオゾン(O3 )を添加す
るのが良い。
【0028】原水1のオゾン(O3 )との接触時間は、
膜構造の表面に付着する有機物とオゾン水が連続的に供
給されれば、特に接触時間に留意する必要はない。通
常、1秒〜30分の接触時間が一般的である。 〔オゾン耐性膜による膜濾過処理〕オゾン耐性膜として
は、オゾン(O3 )により劣化しない濾過膜なら特に限
定されないが、例えば、オゾン耐性を有するセラミック
等の無機膜、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)膜、ポ
リ4フッ化エチレン(PTFE)膜、エチレン−テトラ
フルオロエチレン共重合体(ETFE)膜、ポリフルオ
ロアクリレート(PFA)膜等のフッ素系樹脂膜等の有
機膜を適用することが出来る。特にポリフッ化ビニリデ
ン(PVDF)膜を使用すれば好ましい。
【0029】このようなオゾン耐性膜中に設けられる孔
径としては、限外濾過(UF)膜から精密濾過(MF)
膜単位の孔径域を使用し得るが、膜の濾過流量が基本的
に高い点から精密濾過(MF)膜を使用するのが好まし
い。例えば、膜の孔径は0.001〜1μmが好まし
く、更に好ましくは0.05〜1μmが良い。オゾン耐
性膜の形状としては、単位体積当たりの膜面積が大きく
とれる中空糸が好ましい。
【0030】濾過方式としてはクロスフロー濾過が可能
な加圧濾過方式がより高い濾過流束を得るために好まし
い。また、内圧加圧濾過、外圧加圧濾過のどちらでもよ
い。一般的に逆浸透膜の前処理として凝集沈殿−砂濾過
法等が除濁方法として設けられている。これ等の方法
は、逆浸透膜の前処理水に含まれる懸濁物質の含有値、
即ち、FI(ファウリング インデックス)値を3以下
には出来るが、まだ不十分な値である。
【0031】しかしながら、オゾン処理とオゾン耐性膜
を用いた濾過処理を行う本発明に係る下水、排水の高度
処理方法では、該オゾン耐性膜が原水1中の懸濁物質や
微生物類等を確実に阻止するため前記FI値を1以下と
することが出来、原水1の水質変動、水量変動、水温変
動に関わらず、常に極めて安定的に高度な水質を維持す
ることが出来る。
【0032】従って、後の工程の逆浸透膜の処理能力を
維持させることが出来、その結果、濾過流束を増大させ
ることが出来るので、逆浸透膜設備の小型化を図ること
が出来る。また、オゾン耐性膜を使用した膜濾過法なの
で濾過流束が高く高効率であり、結果として全プロセス
の設備費を低減出来る。 〔残留オゾンの中和〕逆浸透膜処理6の前に、滞留槽で
オゾン(O3 )を自己分解させるか、或いはチオ硫酸ナ
トリウム等の還元剤により残留オゾン(O3 )を分解さ
せても良い。これにより、逆浸透膜の保全を確保するこ
とが出来ると共により高度に処理された水質を得ること
が出来る。 〔逆浸透膜処理〕逆浸透膜を使用した逆浸透膜処理6に
よれば、例えば、微生物活性炭処理では微生物に消化さ
れず活性炭に吸着し難い多糖類等の親水性の高い有機物
でも除去することが出来る。また、微生物活性炭処理で
は水温が低くなると、生物活性が低下して処理能力が低
下するが、逆浸透膜の使用によると温度選択性を受けな
い利点がある。
【0033】逆浸透膜としては特に制限されないが、低
圧処理に向く低圧逆浸透膜やナノフィルターの使用が濾
過運転圧力の上昇が期待出来、これにより濾過流束の上
昇につながるので好ましい。また、逆浸透膜は可溶性有
機物や農薬等のマイクロポリュータント及び無機塩を阻
止する役目を果たす。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明をさら
に詳細に説明する。
【0035】
【実施例1】原水1として、濁度が1〜5度、COD
(化学的酸素要求量)値が20〜40mg/リットル、
水温が16℃の下水二次処理水を用い、図1に示すよう
に、原水1→凝集剤添加2→オゾン処理3→オゾン耐性
膜による膜濾過処理4→残留オゾンの中和5→逆浸透膜
処理6を順次実施した。
【0036】凝集剤添加は、ポリ塩化アルミニウム(P
AC)を原水1リットルに対し、酸化アルミニウム(A
2 3 )換算で10mgの割合で添加した。オゾン耐
性膜による膜濾過処理4においてオゾン耐性膜として
0.1μm孔径のPVDF(ポリフッ化ビニリデン)製
精密濾過(MF)膜を使用した。この0.1μm孔径の
PVDF製中空糸モジュールは、内径が0.7mmφ、
外径が1.25mmφの糸を1800本束ねて3インチ
径のPVC(ポリ塩化ビニル)ケーシングに納めた外圧
型モジュールであって、膜面積が7.0m2 、清澄水流
束が毎時1.8m3 の時、モジュール濾過圧が0.5k
gf/cm2 である。
【0037】また、逆浸透膜処理6において逆浸透膜と
して芳香族ポリアミド系複合膜スパイラル型ナノフィル
ターを使用した。上記原水1を原水タンクへ供給し、凝
集剤を添加し、攪拌した後、ポンプで前記PVDF製中
空糸モジュールに毎時2.3m3 の量で供給する。ポン
プの出口とモジュールの間にエジェクター方式のオゾン
添加口が取り付けられており、空気を原料としたオゾン
(O3 )を添加する。モジュール入口直前のオゾン濃度
は10ppmであった。
【0038】定流量濾過のため温度が16℃の孔径0.
1μmのPVDF製中空糸モジュールより濾水流束を毎
時1.3m3 で取り出し、濃縮循環水として毎時1.0
3の循環水量を原水タンクに戻した。原水タンクへは
濾過流量の毎時1.3m3 の原水1を供するとともに、
PACを酸化アルミニウム換算で毎時13g添加し、常
に攪拌を行った。濾過水中の残留オゾン濃度は0.6p
pmであり、濾過流束のレベルが初期値の毎時1.3m
3 で2ヶ月間に亘って維持できた。
【0039】濾水の水質は、濁度0.5、色度2、BO
D2mg/リットル、大腸菌群は100ml中に0個
で、COD(化学的酸素要求量)値は10〜13mg/
リットルであった。また、FI値は0.7〜1.0であ
り、再利用水または放流水として充分な水質を示した。
この濾水中にチオ硫酸ソーダ液を添加し、残留オゾン
(O3 )を分解した(図1の残留オゾンの中和5参
照)。
【0040】次いで、前記濾水の一部を取り出し、逆浸
透膜である芳香族ポリアミド系複合膜スパイラル型ナノ
フィルターに供給した(図1の逆浸透膜処理6参照)。
この芳香族ポリアミド系複合膜スパイラル型ナノフィル
ターはNaCl阻止率が65%、MgCl2 阻止率が5
0%、蔗糖阻止率が99%であった。この場合、芳香族
ポリアミド系複合膜スパイラル型ナノフィルターによる
濾水回収率を70%とし、4kgf/cm2 の濾過圧で
濾過流量は5m/日を得ることが出来、更に2ヶ月間安
定に運転出来、TOC(全有機炭素)除去率は90〜9
7%と安定であった。
【0041】得られた濾水の水質分析結果を表1に示し
た。濁度、色度、BOD(生物的酸素要求量)、大腸菌
群の各分析結果は、この発明によれば下水二次処理水を
再利用出来る程の十分な水質が得られることを示してい
る。
【0042】
【実施例2】前記実施例1と同様の条件で、逆浸透膜で
ある芳香族ポリアミド系複合膜スパイラル型ナノフィル
ターの濾過圧のみを9kgf/cm2 に上げて長期間の
運転を試みた。濾過流量は10m3 /日を得ることが出
来、2ヶ月間安定に運転出来た。
【0043】本実施例では、逆浸透膜である芳香族ポリ
アミド系複合膜スパイラル型ナノフィルターの濾過圧を
2倍に上げることにより、濾過流量を約2倍にすること
が出来るので逆浸透膜である芳香族ポリアミド系複合膜
スパイラル型ナノフィルターの設備規模を1/2にして
設備費のコストダウンを図ることが可能である。
【0044】
【比較例1】凝集剤を添加しない以外は、実施例1と同
様にしてオゾン耐性膜による膜濾過処理4を行ったとこ
ろ、2週間後には、初期の濾過流束(毎時1.3m3
が維持できなくなった。この様に、凝集剤を添加しない
場合、少ないオゾン添加量では、長期間に亘って高い濾
過流束を得ることはできなかった。
【0045】
【比較例2】オゾン処理とオゾン耐性膜による膜濾過処
理を行わず、従来の凝集沈殿法でFI値=3の原水1を
供給した以外は、前記実施例2と同様の処理を繰り返し
た。その結果、逆浸透膜である芳香族ポリアミド系複合
膜スパイラル型ナノフィルターの濾過圧は2ヶ月後には
15kgf/cm2 まで上昇し、且つ濾過流量は4.5
3 /日まで低下して、安定した高い流束が得られなか
った。
【0046】
【実施例3】実施例1と同様の原水、オゾン耐性膜モジ
ュールを用いて処理を行ったが、凝集剤としてポリ塩化
アルミニウムに替えて、塩化第二鉄(FeCl3 )を原
水1リットルに対し35mgの割合で添加した後、実施
例1と同様の方法、量でオゾン処理を行った後、逆浸透
膜で処理した。
【0047】塩化第二鉄を添加した原水のpHは7.2
〜7.6であった。実施例1と同様にオゾン耐性膜の濾
過流束は初期値の毎時1.3m3 が2ヶ月に亘って維持
でき、濾水の水質も同等で、又逆浸透膜による処理も2
ヶ月間安定に運転することができた。
【0048】
【実施例4】実施例3において、凝集剤として塩化第二
鉄を添加するに先だって、原水タンクへの供給ラインの
途中にスタティックミキサーを設け、ポンプを用いて塩
酸を加え、原水タンクに供給される原水のpHが6.2
〜6.5になるように調整する以外は実施例3と同様に
行った。ただし、オゾン耐性膜による濾過処理において
は、濾過流束を毎時2.0m3 で取り出し、濃縮循環水
として毎時1.0m3の循環水量を原水タンクに戻し
た。さらに、原水タンクへは濾過流量の毎時2.0m3
のpH調整された原水を供給した。
【0049】pH調整後、塩化第二鉄を添加した原水の
pHは5.9〜6.2であった。オゾン耐性膜の濾過流
束は初期値の毎時2.0m3 が2ヶ月に亘って維持で
き、濾水の水質も同等で、又逆浸透膜による処理も2ヶ
月間安定に運転することができた。上記のように、凝集
剤を添加するに際しpHを適切に調整することにより、
より高い膜濾過流束を得ることができた。
【0050】なお、前記各実施例では、原水1として下
水二次処理水を用いた場合について説明したが、工場排
水を原水1として用いた場合でも同様な効果を得ること
が出来た。
【0051】
【表1】
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、下水二次処理水または
工場排水を高度に処理することが出来るため、そのまま
河川に放流したり再利用することが出来る。また、凝集
剤とオゾンを添加したのち、オゾン耐性膜で濾過するこ
とにより、少ないオゾン添加量で高い濾過流束が得ら
れ、経済的である。
【0053】さらには、逆浸透膜の運転圧力を増加する
ことで濾過流束の増大が図れ、さらには広大な設置場所
を必要としないので経済的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る下水、排水の高度処理方法の一実
施態様を示すフロー図である。
【図2】従来例を説明するフロー図である。
【図3】従来例を説明する他のフロー図である。
【符号の説明】
1…原水 2…凝集剤添加 3…オゾン処理 4…オゾン耐性膜による膜濾過処理 5…残留オゾンの中和 6…逆浸透膜処理

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下水二次処理水または工場排水を原水と
    して、これを高度処理する下水、排水の高度処理方法に
    おいて、 前記原水中に凝集剤とオゾンを添加した後、オゾン耐性
    膜を用いて加圧濾過することを特徴とする下水、排水の
    高度水処理方法。
  2. 【請求項2】 下水二次処理水または工場排水を原水と
    して、これを高度処理する下水、排水の高度処理方法に
    おいて、 前記原水中に凝集剤とオゾンを添加した後、オゾン耐性
    膜を用いて濾過し、次いでその濾過水を逆浸透膜で処理
    することを特徴とする下水、排水の高度水処理方法。
  3. 【請求項3】 オゾン耐性膜を用いて濾過するに先だっ
    て、原水のpH(水素イオン濃度)を2から8に調整す
    ることを特徴とする請求項1または2記載の下水、排水
    の高度処理方法。
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