JPH06320156A - 水浄化処理方法とその装置 - Google Patents

水浄化処理方法とその装置

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JPH06320156A
JPH06320156A JP3356401A JP35640191A JPH06320156A JP H06320156 A JPH06320156 A JP H06320156A JP 3356401 A JP3356401 A JP 3356401A JP 35640191 A JP35640191 A JP 35640191A JP H06320156 A JPH06320156 A JP H06320156A
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JP
Japan
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water
membrane
filtration
organic
chlorine
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JP3356401A
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English (en)
Inventor
Yoroku Wada
洋六 和田
Toshiyuki Naoi
利之 直井
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NIPPON WAKON KK
Original Assignee
NIPPON WAKON KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 汚濁物質を含む河川水や湖沼水等を生活用水
と安全で高品位の飲料水として供給するための新規な浄
化処理方法とその装置を提供することにある。 【構成】 微細孔の有機濾過膜を設けた膜濾過部9と、
微細孔の無機濾過膜(セラミック製)を設けた膜濾過部1
6と、逆浸透膜を設け膜濾過部25を備え、汚濁物質を
含む原水を膜濾過部9,16に順次に圧送して濾過処理
したあと塩素を加えて生活用水とし、その生活用水の一
部を膜濾過部25に圧送して濾過処理したあと塩素を加
えて飲料水とする。 【効果】 原水を微細孔の有機濾過膜および無機濾過膜
を用いて濾過することにより、原水中に懸濁している汚
濁物質は濾過除去され、その濾過処理水は生活用水とし
て使用可能である。さらにその処理水を逆浸透膜の膜濾
過部にて濾過処理することにより、生活用水中に微量に
溶存している有害有機物質(トリハロメタン、農業、
等)は濾過除去され、その濾過処理水は飲料水として使
用可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、汚濁物質を含む河川水
や湖沼水等を生活用水と安全で高品位の飲料水として供
給するための新規な水浄化処理方法とその装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】自然の河川や湖沼水中には土や砂に由来
する大小さまざまな懸濁物質やコロイド状物質、それに
細菌、ウイルスが混在している。
【0003】近年、これらの河川や湖沼水を水源とする
浄水場には、上記汚濁物質に加えて、ダイオキシン、農
薬、殺虫剤、除草剤、殺菌剤、防虫剤、工場排水、生活
排水、産業排気物汚染等に係る人為的な有機汚染物質が
微量ではあるが継続して流入していることが判明し、新
たな社会問題となってきている。
【0004】我が国の浄水場の飲料水製造プロセスは、
これまでは人体に有害となる疑わしき物質が混在しない
ことを前提にして飲用水浄化方法が採用されてきてお
り、今日の大多数の浄水場では図5のフローシートに示
す急速濾過と塩素殺菌法を組み合わせた河川水、湖沼水
の浄化方法がとられている。
【0005】即ち、現在用いられている急速濾過と塩素
殺菌法は、図5に示すように、取水した原水に凝集剤を
加えて懸濁物質を凝集させると同時に塩素を加えて(前
塩素処理と呼ぶ)原水中のアンモニア態チッソや鉄、マ
ンガンを除去し、沈殿池で大部分の懸濁物質を除去した
のち、0.6mm径程度の砂層(600mm)にて急速濾過
を行い、自然沈降で除去できなかった微細な汚濁物質を
濾別し、汚濁物質を除去した清澄水に更に塩素を加えて
(後塩素処理と呼ぶ)殺菌して飲料水とするもので、そ
の方法の骨子は原水中の汚濁物質を沈殿と濾過により
除去し、塩素殺菌法で水中の細菌やウイルスを殺菌・
不活性化するというものである。
【0006】水道法では、汚濁物質の除去と殺菌の済ん
だ処理水(飲料水)に対し、「水道の末端(蛇口)で遊
離塩素0.1mg/リットル以上あること」と定めてお
り、この「遊離塩素0.1mg/リットル以上」だけが水
道の病原菌による伝染病や中毒事故を防いでおり、最近
問題となり始めてきている有機汚濁成分の除去について
の対応はなされていないのが実情である。
【0007】現状技術の問題点を挙げると、以下の
(1)〜(5)がある。 (1)凝集剤の添加は粒子径10ミクロン以下の汚濁物
質であるコロイド物質の凝集に必須の工程であるが、沈
殿汚泥を増大させ、ランニングコストの増加につなが
る。 (2)前塩素処理は生活排水、浄化槽、下水処理場等か
ら排出されるアンモニア態チッソの除去や鉄、マンガン
の除去に効果はあるが、一方で原水中に増加しつつある
有機質成分と反応して浄水の過程で発ガン性物質である
有機塩素化合物(トリハロメタン)を副生する。また、
塩素の過剰注入により飲料水に異臭味(カルキ臭)を与
えたりして飲料水の品位を低下させる。 (3)フロック形成池、沈殿池、急速濾過池の設置には
広大な用地を必要とし、建設工事に数年の期間を必要と
する。砂と砂利による濾過方式は高濁の続く台風や大雨
の後の河川水、湖沼水の浄化に困難を伴う。 (4)後塩素処理は細菌、ウイルスの殺菌、不活性化に
効果があるが、浄化した水に塩素臭(カルキ臭)を与え
る原因になる。 (5)現状の浄水プロセスは、取水する原水中に人体に
有害な物質が含まれていないことを前提に処理方法が確
立されているから、前記のダイオキシン、農薬、殺虫
剤、工場排水等の人為的汚染に係る有機物質が水源に混
入すると、現状技術の凝集沈殿、砂濾過、塩素消毒のみ
では対応が不可能で、今日の水源汚染に対応できる浄水
システムの検討が望まれるところである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】今日の上水道水源の人
為的有害物汚染は以前にはなかったことで、社会生活レ
ベルを高水準に保ち、快適に暮らすために一方的に取っ
た手段の見返りとして発生している不都合な現象といえ
る。このまま汚染の進行する飲料水を飲み続けたとした
ら、健康上の被害(ガンの発生、皮膚病、胃腸障害、遺
伝子異常等)が発生する危険をはらんでいる。
【0009】このような、今までになかった浄水処理上
の問題点を背景にして、浄水の過程で有機汚濁物質と塩
素が反応して発ガン性物質であるトリハロメタンが副生
することを防ぎ、安全な水を作るために、原水中の有機
物質を除去すると同時に塩素注入量を減らそうという努
力が続けられている。しかし、下記(1),(2)のよ
うに処理上の限界点にぶつかっている。
【0010】(1)有機物質の除去 原水中に有機汚濁物質が多い場合は凝集剤の添加と同時
に粉末活性炭を添加し、有機物質を活性炭に吸着させて
除去するか、有機物質を酸化分解するバクテリアを付着
させた固定床または流動床に原水を通水し、有機汚濁物
質を生物分解させる生物膜法が試みられている。しか
し、活性炭吸着法はランニングコストがかかり、汚泥増
加の要因となり、生物膜法は従前の浄水設備に加えて更
に広い用地を必要とする等の欠点があり、いずれも有害
有機物質除去の決め手には至っていない。
【0011】(2)塩素注入量の減量化 塩素による殺菌効果はほぼ完璧で、水の中の細菌、ウイ
ルスの管理として極めて有効であり、これまでの浄水技
術の基本は凝集沈殿濾過による除濁と塩素消毒による殺
菌の2本立てで飲料水の安全確保がなされている。しか
し、水道水源の有機汚染が進行するのに伴い、殺菌の目
的で添加していた塩素が、水中の有機物と反応して発ガ
ン性物質であるトリハロメタンが副生されるに至り、現
在では全国の水道水に常時トリハロメタンが検出される
ようになっている。
【0012】トリハロメタンは水道水源の有機汚染物質
をなくすか、塩素注入を中止しない限りその発生を止め
ることはできない。しかし、塩素注入の中止は殺菌、ウ
イルスによる伝染病発生のおそれが多分にあることか
ら、塩素の使用は細菌汚染からの人体保護とトリハロメ
タン等の有害物副生の両面の作用効果を持ち合わせてい
る。塩素に代る殺菌剤として、オゾンや二酸化塩素が注
目されている。この2つの殺菌剤は酸素系の酸化剤であ
り、有機汚染物質に接触しても塩素と異なりトリハロメ
タンを生成するおそれはない。しかし、いずれも塩素な
どの強い殺菌力と持続力に乏しく、一部で実用化されて
いるものの、塩素との併用という事例が多く、トリハロ
メタン副生の懸念は依然として残されたままである。ト
リハロメタンの副生する原因である水の有機汚染自体を
そのままにして殺菌の手段だけを変えようとしてもトリ
ハロメタン副生の問題解決にはならない。
【0013】このような問題点が残されている現状に加
えて、更に最近では水道水源中に数十種類から数百種類
の有害有機物質が検出されており、これらの有機物質は
従来技術の凝集沈殿、砂濾過、塩素殺菌などの手段に活
性炭処理、生物膜処理、オゾン酸化、二酸化塩素酸化等
を組み合わせても除去は困難で、水道水源の汚染に対応
した安全で高レベルの浄水プロセスの開発が望まれてい
る。
【0014】一方、飲用に供する水も、洗濯や入浴に使
用する生活用水にも一元的に同一品位の水を供給するこ
とには問題があり、一人1日当たり350リットル程度
供給されている水道水のうち、微量汚染物質を除去した
いのは、350リットルのうちの10%程度に当たる飲
料水に相当する部分で、残りの90%の水は水道法に定
める水質基準を満足していれば充分である。
【0015】現行の水道の水質基準に定められている値
は飲料水としての安全性から導かれたものであり、これ
までは飲料水以外に相当する部分にまで飲料水としての
水質を要求していたが、これは清浄水の無駄使いであっ
たとも言える。しかし、今日の水源汚染の現状では、現
在行われている浄水方法では、もはや飲料水に相当する
部分の浄水には、安全性の面で対応が困難になってきた
ことを示している。もしダイオキシン、トリハロメタ
ン、有機汚染物質等の含まれない少量の清浄な水を飲用
等の生命維持用にだけ用いることが容易にできれば、量
的に大部分を占める他用途の水については厳重な管理は
不要で、現行の浄水プロセスで充分である。
【0016】このような水質の目的に応じた使い分けが
容易にできるような簡易な二元的浄水処理システムが出
現すれば、複雑な汚染を受けた原水以外に取水する水源
を持たない湖沼や河川下流域の浄水場には朗報となり、
水道利用者に安心して飲用してもらえる水が供給できる
こととなる。
【0017】
【発明の目的】本発明は、上述した問題を解決するため
になされたものであって、汚濁物質を含む河川水や湖沼
水を生活用水と飲用水とに分けて浄化処理して供給でき
る新しい水浄化処理方法とその装置を提供することを目
的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本願の第1の発明による
水浄化処理方法は、汚濁物質を含む原水を微細孔濾過膜
よりなる膜濾過部にて濾過処理し、その処理水に塩素を
加えて生活用水とする第1工程と、前記第1工程の生活
用水の一部を逆浸透膜よりなる膜濾過部にて濾過処理
し、その処理水に塩素を加えて飲料水とする第2工程と
から成ることを要旨とする。本願の第2の発明による水
浄化処理装置は、汚濁物質を含む原水を微細孔濾過膜に
より濾過処理する膜濾過部と、この膜濾過部からの処理
水を逆浸透膜により濾過処理する膜濾過部とを備えてい
ることを要旨とする。
【0019】
【作用】本発明によれば、微細孔濾過膜よりなる膜濾過
部により、主として原水中の微細な懸濁物質が除去され
るので、その処理水に塩素を加えることにより、水質基
準に見合った生活用水が得られる。さらに前記膜濾過部
からの処理水は逆浸透濾過膜よりなる膜濾過部に送ら
れ、そこで処理水中に溶存している汚濁物質が除去され
るので、それに塩素を加えることにより、水質基準に見
合った飲料用水が得られる。
【0020】
【実施例】図1〜図3に、本発明の一実施例を示す。図
1は、汚水浄化処理工程のフローシートであって、同図
において、1は河川水又は湖沼水等の取水部、2は原水
汲み上げ用ポンプ、3は薬品混和槽、4は攪拌機、5は
次亜塩素酸ソーダ供給部、6はポリ塩化アルミニウム供
給部、7は有機膜濾過原水槽、3は有機膜濾過ポンプ、
9は微細孔の有機膜を設けた膜濾過部、10は有機膜逆
洗水槽、11は有機膜逆洗用ポンプ、12は有機膜逆洗
用コンプレッサー、13はエアーフィルター、14は無
機膜濾過原水槽、15は無機膜濾過ポンプ、16は微細
孔の無機膜を設けた膜濾過部、17は無機膜逆洗水槽、
18は逆洗用ポンプ、19は無機膜逆洗用コンプレッサ
ー、20はエアーフィルター、21は生活用水槽、22
は生活用水ポンプ、23はRO膜原水槽、24はRO膜
ポンプ、25は逆浸透膜を設けた膜濾過部、26は飲料
用水槽、27は飲料用水ポンプ、28はスラッジ槽、2
9は脱水用ポンプ、30はスラッジ脱水機、31はスラ
ッジホッパーであり、V1は自動開閉弁、V2は逆止弁で
ある。
【0021】次に、上記フローシートに基づいて、本発
明の水浄化処理工程を説明する。取水部1から汲み上げ
た汚濁物質を含む原水を薬品混和槽3にて次亜塩素酸ソ
ーダとポリ塩化アルミニウム添加のもとで攪拌混和して
予備処理を施し、その処理水を原水槽7に入れ、そこか
ら微細孔の有機膜を有する膜濾過部9と微細孔の無機膜
を有する膜濾過部16に順次に圧送する。
【0022】上記膜濾過部9に用いる微細孔の有機膜と
しては、例えば、ポリスルホン、ポリプロピレン、ポリ
アクリルニトリル等の合成樹脂を素材とし、0.05〜
0.2ミクロンの微細孔を有する有機膜が用いられる。
【0023】上記有機膜の形状には、平膜、管状、スパ
イラル形、キャピラリー式等があるが、同一容器内に膜
を収容した場合に、一番多くの濾過面積がとれるのはキ
ャピラリー式であるところから、キャピラリー式のもの
を採用した方が濾過装置が小形化できるので望ましい。
無機膜の形状には管状、多孔管式(断面がレンコン状の
もの)があるが、同一サイズのモジュールならば、多孔
管式の方が多くの濾過面積をとれるので、多孔管式を採
用した方が効率がよい。
【0024】上記有機膜および無機膜の膜強度について
みると、セラミック製の無機膜は耐熱100℃以上、耐
酸、耐アルカリ、耐塩素、耐酸化剤等の強力な耐久性能
を持ち、機械的強度もあるが、有機膜の耐熱性は60℃
以下で、その他の耐薬品性、機械的強度も無機膜には及
ばない。しかし、有機膜は合成樹脂素材であるところか
ら1本当たりの内径が0.5〜1.0mm、外径が1.0
〜2.0mm程度の細い管(キャピラリー)に加工できる
という長所がある。このことは、一例として内径100
mm、長さ1000mmのハウジングの中にキャピラリー束
を収納した時に濾過面積を11.0m2もとれることか
ら理解できる。上記と略同一サイズのハウジングの中に
セラミック製無機膜(多孔管式)を収納したとしたら、
濾過面積は1/7の1.5m2程度しかとれない。
【0025】そこで、本発明では両者の長所を取り入れ
て、取水中の汚濁物質を前記有機・無機のマイクロ濾過
膜(以下MF膜と略称)で濾過する工程において、汚濁
物質負荷の高い第1段目の濾過は濾過面積の大きい有機
膜に負担させ、汚濁物質除去の終了した清澄水を更にセ
ラミック製無機膜に通水する2段濾過法を採用して濾過
の完全化を図っている。こうすることにより、万一、第
1段目の膜濾過部において、キャピラリー管の濾過膜が
破損して汚濁物質がわずかにリークしても、第2段目の
セラミック製濾過膜がリークした汚濁物質を捕捉し、浄
化すべき上水側へ汚濁物質をリークさせることはなくな
る。膜面積を大きくとれるが機械的強度に劣る有機膜
と、膜面積は大きくはとれないが機械的強度に優れたセ
ラミック製無機膜の組合せにより、汚濁物質除去の完全
化を図っているわけである。
【0026】MF膜による濾過の方法は、図2に示す一
過性全量濾過では濾過面の閉塞が早まるので、図3に示
すクロスフロー濾過方式を図1の濾過工程に採用してい
る。クロスフロー方式は、MF膜の1次側濾過面の膜面
流速を早め、懸濁原水側に乱流を発生し、膜面上にせん
断流を生じさせ、懸濁物質の沈着や付着を防止できる利
点がある。それでも長期間にわたって、MF膜を使用し
ていると、MF膜の濾過面が閉塞するおそれがあるか
ら、一定時間毎に、たとえば30分間濾過後に逆洗ポン
プ11,18を駆動して1分間逆洗するなどをすれば、
濾過能力の低下は防ぐことができる。逆洗方法は、濾過
水側(流出側)から、清澄な濾過水および(または)逆
洗用コンプレッサー12,19による空気を圧送するこ
とにより、濾過面に付着した懸濁物質を剥離除去するこ
とができ、濾過面の目づまりを回復させることができ
る。
【0027】上記のようなクロスフロー濾過方式を有機
膜とセラミック製無機膜について直列2段で行うと、水
道水基準に合った清澄水が得られ、これに残留塩素が
0.1mg/リットル以上存在するように供給部5より
塩素を注入すれば、飲料水の水質基準は達成できる。し
かし、MF膜は汚濁物質の完全除去はできても、分子量
数万以下の有機汚染物質を通過させており、微量ではあ
るが、これが飲料用水中に混在することは健康上好まし
くない。
【0028】そこで、MF濾過水の中から飲料水に使用
する部分(約10%)を更に、次の逆浸透膜(以下、R
O膜と略称)よりなる膜濾過部25において処理し、水
以外の不純物を90%以上除去し、その透過水に0.1
〜0.4mg/リットル程度の残留塩素分を供給部5より
与え、飲用水とする。前記MF膜濾過は精密なふるい濾
過であるが、RO膜の水の透過現象にはH2O中の水素
結合部分が大きく関与しており、原則として水(H
2O)のみを優先的に通過させる分子濾過ということが
できる。H2Oと同様に水素結合を有するメタノール、
エタノール、プロピルアルコール、フェノール等は比較
的膜を透過しやすいが、これ以外の有機物質はほとんど
透過せず、分子量が大きくなればなるほどその傾向は強
くなるという性質を持っている。
【0029】前記MF膜を通過した微量有機物質はほと
んどが分子量100以上の有機物質であり、分子内に水
素結合を有するものはほとんどない。したがって有機性
高分子物質であるトリハロメタン(分子量:数千)や農
薬、殺虫剤等の有害物は、最近開発されている国産の低
圧RO膜により、90%以上除去できる。MF濾過水を
低圧RO膜に通水する時も、図4に示すクロスフロー方
式を図1の濾過工程に採用している。
【0030】上記クロスフロー方式では、図4に示すよ
うに、透過水:濃縮水=7:3程度に流量コントロール
をして、濃縮水は、MF原水槽23へ戻すか、生活用水
として使用し、透過水は塩素をわずかに加えて(0.1
〜0.4mg/リットル)飲料水とする。これによって、
多数の微量有害汚濁物質によって汚染された河川水や湖
沼水は浄化され、安全で高品位の飲料水製造が達成でき
る。
【0031】上記有機膜を用いた膜濾過部9による濃縮
水は汚濁物質を含んでいるから、必ず一部は系外に抜き
出し、スラッジ貯槽28へ移送する。無機膜を用いた膜
濾過部16に通水される原水は清澄水であるから、膜濾
過部9のように必ず系外に抜き出す必要はないが、万
一、有機膜モジュールのキャピラリーが破損して、汚濁
物質がリークした時には無機膜モジュールに汚濁物質の
負荷がかかるから、これを避ける目的で、膜濾過部16
の濃縮水を系外に抜き出し、スラッジ貯槽28へ排出で
きるようにしておく。スラッジ貯槽28へ貯留された汚
泥を含む濁質排水は脱水用ポンプ29を経て脱水機30
に圧送され、その濾過水は河川または湖沼等の取水部1
へ返送する。脱水機30にて脱水されたスラッジはスラ
ッジホッパー31に受け入れて処分する。
【0032】次に本発明の具体的実施例を下記に示す。 [実施例] 下記組成 PH 7.8 外観 薄緑茶色 臭気 ややかび臭い SS (mg/リットル) 39 濁度 (度) 25 色度 (度) 29 一般細菌 (1mリットル中) 25 大腸菌群 (100mリットル中) 6300 鉄 (mg/リットル) 0.2 マンガン (mg/リットル) 0.05 硬度 (mg/リットル) 60.6 蒸発残留物(mg/リットル) 82.5 T.O.C(mg/リットル) 10.5 COD (mg/リットル) 6.4 トリハロメタン(mg/リットル) 0.00
46 トリクロロエチレン(mg/リットル) 0.04 テトラクロロエチレン(mg/リットル) 0.01 1,1,1−トリクロロエタン(mg/リットル) 0.1 塩素イオン(Cl-)(mg/リットル) 18.5 残留塩素(Cl2)(mg/リットル) 0 アンモニア態チッソ(mg/リットル) 0.05 電導度 (μs/cm) 135 を有する湖沼水を、図1の水浄化処理装置にて、下記仕
様の機器を用いて処理を行った。
【0033】原水ポンプ2:自吸式ポンプ、0.2m3/分
×10m×0.2kw×200V 薬品混和槽3:幅800×長さ800×高さ900mm(有効容積5
00リットル) 攪拌機4:300RPM×0.1kw×200V PAC注入機6:薬品槽のPAC(ポリ塩化アルミニウ
ム)を10mg/リットルになるようにダイヤフラム式定量
ポンプにて注入 NaOCl注入機5:薬品槽のNaOCl(次亜塩素酸
ソーダ)を0.5mg/になるようにダイヤフラム式定量ポン
プにて注入 有機膜原水槽7:幅800×長さ800×高さ900mm(有効容
積500リットル) 有機膜濾過ポンプ8:遠心ポンプ、0.4m3/分×20m×
0.4kw×200V 有機膜モジュール9:ポリプロピレン系中空系モジュー
ル(0.2ミクロン)膜面積10m2、循環流量20m3/hr、透
過水流量4m3/hr、膜入口圧力1.2kg/cm2のクロスフロ
ー濾過とし、一部(0.2m3/hr)は常時スラッジ貯槽へ
排出する 有機膜逆洗水槽10:直径850×高さ950mm(有効容積50
0リットル) 有機膜逆洗ポンプ11:遠心ポンプ、0.4m3/分×30m
×0.75kw×200V 有機膜逆洗用コンプレッサー12:15m3/分×6kg/cm2
×0.75kw×200V エアーフィルター13:メンブランフィルター(0.1ミ
クロン) 無機膜濾過原水槽14:幅800×長さ800×高さ900mm
(有効容積500リットル) 無機膜濾過ポンプ15:遠心ポンプ、0.2m3/分×20m
×0.4kw×200V 無機膜モジュール16:セラミック製チューブラーモジ
ュール(0.2ミクロン)、膜面積6m2、循環流量10m3/
hr、透過水流量2m3/hr、膜入口圧力1.0kg/cm2のク
ロスフロー濾過とし、通常時はスラッジ貯槽への排出は
しない 無機膜逆洗水槽17:直径850×高さ950mm(有効容積50
0リットル) 無機膜逆洗ポンプ18:遠心ポンプ、0.4m3/分×30m
×0.75kw×200V 無機膜逆洗用コンプレッサー19:15m3/分×6kg/cm2
×0.75kw×200V エアーフィルター20:メンブランフィルター(0.1ミ
クロン) 生活用水槽21:直径1200×高さ1100mm(有効容積1000
リットル) 生活用水ポンプ22:遠心ポンプ、0.2m3/分×10m×
0.2kw×200V RO膜原水槽23:直径500×高さ600mm(有効容積100
リットル) RO膜ポンプ24:遠心ポンプ、0.05m3/分×200m×
1.2kw×200V RO膜モジュール25:合成高分子系膜直径102×長さ1
016、スパイラル型、循環流量3m3/hr、透過水量1m3/h
r、膜入口圧力15kgcm2のクロスフロー循環とし、一部
(0.5m3/hr)は常時、有機膜濾過原水槽へ排出 飲料用水槽26:直径500×高さ600mm(有効容積100リ
ットル) 飲料用水ポンプ27:遠心ポンプ、0.1m3/分×10m×
0.2kw×200V スラッジ貯槽28:直径1200×高さ1500mm(有効容積15
00リットル) 脱水用ポンプ29:鉄製遠心ポンプ、0.05m3/分×30m
×0.75kw×200V スラッジ脱水機30:フィルタープレス、濾過面積2m
2 スラッジホッパー31:幅400×長さ800×高さ500mm
(有効容積120リットル)
【0034】これにより、前記組成の湖沼水(原水)は
下記表1に示す数値まで浄化された。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】本発明の水浄化処理方法によれば、広い
土地と大がかりな凝集沈殿や濾過装置を必要とすること
なく、高効率で確実な精密濾過と脱細菌、脱有機汚濁物
質が可能となる。従来は大規模な土木工事で建設時間を
多く要したが、本発明の水浄化処理装置は工場内製作が
可能となり、短期間に浄水設備の建設ができるようにな
る。また、本発明を採用することにより、生活雑排水、
工場排水、農業用排水等で汚染された水源(河川・湖
沼)であっても、近年社会問題となりつつある、トリハ
ロメタン、有機塩素化合物、微量有機汚濁物質等の有害
物質が分子レベルのサイズまで除去可能で、人体の健康
を確保し、高品位の飲料水を提供することが可能とな
る。
【0037】さらにまた、本発明によれば、凝集剤であ
るPAC(ポリ塩化アルミニウム)の添加は不要か、添
加しても従来の数分の1の10mg/リットル程度で良
く、アンモニア態チッソ、鉄、マンガンの酸化除去に使
用していた前塩素処理用の塩素量も従来の1/10程度
で済み、発生スラッジ量の減量化とランニングコストの
軽減化に役立ち、トリハロメタン副生の機会をなくすこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す水浄化処理工程のフロ
ーシートである。
【図2】全量濾過方式の説明図である。
【図3】MF膜モジュールによる膜濾過部のクロスフロ
ー濾過方式の説明図である。
【図4】RO膜モジュールによる膜濾過部のクロスフロ
ー濾過方式の説明図である。
【図5】従来の水浄化処理工程のフローシートである。
【符号の説明】
1 河川水又は湖沼水等の取水部 3 薬品混和槽 4 攪拌機 7 有機膜濾過原水槽 9 微細孔の有機膜を設けた膜濾過部 10 有機膜逆洗水槽 12 有機膜逆洗用コンプレッサー 14 無機膜濾過原水槽 16 微細孔の無機膜を設けた膜濾過部 17 無機膜逆洗水槽 19 無機膜逆洗用コンプレッサー 21 生活用水槽 23 逆浸透膜原水槽 25 逆浸透膜を設けた膜濾過部 26 飲料用水槽 28 スラッジ貯槽 30 スラッジ脱水機 31 スラッジホッパー
【手続補正書】
【提出日】平成4年4月24日
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正内容】
【0003】近年、これらの河川や湖沼水を水源とする
浄水場には、上記汚濁物質に加えて、ダイオキシン、農
薬、殺虫剤、除草剤、殺菌剤、防虫剤、工場排水、生活
排水、産業廃棄物汚染等に係る人為的な有機汚染物質が
微量ではあるが継続して流入していることが判明し、新
たな社会問題となってきている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】
【実施例】図1〜図3に、本発明の一実施例を示す。図
1は、汚水浄化処理工程のフローシートであって、同図
において、1は河川水又は湖沼水等の取水部、2は原水
汲み上げ用ポンプ、3は薬品混和槽、4は攪拌機、5は
次亜塩素酸ソーダ供給部、6はポリ塩化アルミニウム供
給部、7は有機膜濾過原水槽、は有機膜濾過ポンプ、
9は微細孔の有機膜を設けた膜濾過部、10は有機膜逆
洗水槽、11は有機膜逆洗用ポンプ、12は有機膜逆洗
用コンプレッサー、13はエアーフイルター、14は無
機膜濾過原水槽、15は無機膜濾過ポンプ、16は微細
孔の無機膜を設けた膜濾過部、17は無機膜逆洗水槽、
18は逆洗用ポンプ、19は無機膜逆洗用コンプレッサ
ー、20はエアーフィルター、21は生活用水槽、22
は生活用水ポンブ、23はRO膜原水槽、24はRO膜
ポンプ、25は逆浸透膜を設けた膜濾過部、26は飲料
用水槽、27は飲料用水ポンプ、28はスラッジ槽、2
9は脱水用ポンプ、30はスラッジ脱水機、31はスラ
ッジホッパーであり、Vは自動開閉、Vは逆止弁で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C02F 1/76 A 9045−4D 9/00 Z 7446−4D

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 汚濁物質を含む原水を微細孔濾過膜より
    なる膜濾過部にて濾過処理し、その処理水に塩素を加え
    て生活用水とする第1工程と、前記第1工程の生活用水
    の一部を逆浸透膜よりなる膜濾過部にて濾過処理し、そ
    の処理水に塩素を加えて飲料水とする第2工程とから成
    ることを特徴とする水浄化処理方法。
  2. 【請求項2】 汚濁物質を含む原水を微細孔の有機膜お
    よび無機膜よりなる膜濾過部にて濾過する請求項1に記
    載の水浄化処理方法。
  3. 【請求項3】 微細孔濾過膜よりなる膜濾過部および逆
    浸透膜よりなる膜濾過部に、濾過水の一部を系外に取り
    出すためのクロスフロー濾過方式がそれぞれ付加されて
    いる請求項1に記載の水浄化処理方法。
  4. 【請求項4】 汚濁物質を含む原水を微細孔濾過膜によ
    り濾過処理する膜濾過部と、この膜濾過部からの処理水
    を逆浸透膜により濾過処理する膜濾過部とを備えている
    ことを特徴とする水浄化処理装置。
  5. 【請求項5】 微細孔濾過膜の膜濾過部が、微細孔の有
    機膜および無機膜よりなる2つの膜濾過部で構成されて
    いる請求項4に記載の水浄化処理装置。
JP3356401A 1991-12-24 1991-12-24 水浄化処理方法とその装置 Pending JPH06320156A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008302333A (ja) * 2007-06-11 2008-12-18 Hitachi Plant Technologies Ltd 造水方法及びその装置
JP2011122349A (ja) * 2009-12-10 2011-06-23 Jfe Engineering Corp 中水、上水の製造監視システム
WO2018161457A1 (zh) * 2017-03-07 2018-09-13 佛山市顺德区美的饮水机制造有限公司 过滤水系统

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