JP2004025018A - 逆浸透による海水淡水化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】逆浸透膜表面に付着あるいは吸着されて直接逆浸透膜の性能を劣化させたり、微生物の栄養源として作用することにより逆浸透膜でのバイオファウリングを生じさせる原因物質として、原海水に含有されるフミン質等の微量有機物を低減するための処理法を提案する。
【解決手段】取水槽2 に貯めた海水を供給ポンプ3 で生物活性炭塔9 に送り、ここで懸濁物質を除去すると共に海洋性フミン等の有機物の分解を行う。生物活性炭塔9 から出る処理水は、濾過処理水槽5 に貯められる。次に、濾過処理水槽5 に浸漬させた紫外線ランプ6 で濾過処理水の殺菌を行う。生物活性炭塔9 により懸濁物質が除去されているため、紫外線の透過率が向上し、殺菌効果も高い。
【選択図】  図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は逆浸透膜を用いた海水淡水化装置に関し、特に微量有機物等により汚染された海水を淡水化するのに好適な海水淡水化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
逆浸透法による海水淡水化では、逆浸透膜に目詰まりを起こさず膜表面を清浄に保つよう前処理を行うことが重要である。逆浸透膜の目詰まりの原因は様々であるが、微生物やその分泌物さらにフミン質等の有機系物質の膜表面への付着が主な原因である。
【0003】
従来、逆浸透法の前処理では、滅菌剤として塩素を添加し、必要により凝集剤を添加した後、濾過器により汚濁物質を除去し、膜の酸化劣化の防止のために還元剤を添加する方法が採られている。
【0004】
図6に従来のフロー図を示す。滅菌剤としての塩素は、塩素ガスや次亜塩素酸塩の形で取水口近くもしくは取水槽(2) に滅菌に必要な濃度で添加する。塩素の濃度は1〜2mg/Lである。滅菌剤を添加した海水に、必要に応じて凝集剤を添加した後、砂濾過器(8) に通し、ここで逆浸透膜の目詰まりを起こす恐れのある汚濁物質を除去する。次いで、濾過水を一旦濾過水槽(5) に貯め、その後、濾過水ポンプ(7) で同タンクから汲み上げる。これにスケール析出防止の目的で硫酸等の酸を添加してpHを6.8以下に下げ、濾過器が正常に機能しなかったときを想定して、高圧ポンプや逆浸透膜の保護のために濾過水を保安フィルター(10)に通す。さらに塩素による膜の酸化劣化を防ぐために重亜硫酸ナトリウム等の還元剤を添加する。これらの処理を終えた海水を高圧ポンプ(11)で45〜70kg/cm に昇圧して、逆浸透膜(12)に送水する。ここで海水を逆浸透処理して、淡水(13)と濃縮水(14)を得る。
【0005】
しかし、上記方法では塩素添加に伴ってトリハロメタンが生成する。トリハロメタンは逆浸透膜では完全に排除できず、一部は膜を透過して生産淡水を汚染する場合がある。また、従来の逆浸透法による海水淡水化装置では、塩素の酸化力または塩素との反応によって生じる酸化性物質(オキシダント)によって膜が劣化するため、還元剤を添加して脱塩素を行う必要がある。しかし、還元剤添加後、酸化力の低下により完全には死滅していない微生物が再び繁殖して菌体自身あるいはその分泌物が膜表面に付着して、膜性能を低下させることがある。
【0006】
さらに、原海水の汚染により、海洋性フミン質(フミン酸、フルボ酸)を主体とする、凝集操作で十分に凝集せず砂濾過処理だけでは除去困難な微量有機物が逆浸透膜部分に流入し、膜表面に付着あるいは吸着して、膜の目詰まりに大きな影響を与えることもある。
【0007】
そこで、トリハロメタンの生成も抑制でき、さらに非凝集性有機物を低減できて、膜を劣化させず、微生物の再繁殖による膜阻害等の可能性が少ない前処理方法の確立が求められている。
【0008】
塩素代替滅菌剤としてクロラミン、二酸化塩素、オゾン等が検討されている。これらのうち、最も酸化力が弱く膜の酸化劣化が少ないクロラミンを使用すると、滅菌力が弱いため、遊離塩素と同等の殺菌効果を上げるには添加量を増加するか、または設備を大型化(接触時間を長くする)せざるを得ない。
【0009】
また、二酸化塩素は爆発性があるため、使用現場で(in situ)製造することが多く、貯留や保管管理が難しい物質であり、操作性、安全性に問題がある。
【0010】
強い酸化力を持つオゾンは、トリハロメタン生成量が最も少なく、脱臭や脱色等の効果もあり、さらに、有機物の酸化分解や無害化、微粒子のブロック化の助長等多くの効果がある。このような理由から、上水ではオゾンを適用する例が近年増加している。しかし、オゾンを海水の滅菌に適用すると、海水中に含まれる臭素イオンとオゾンが反応し、残留性があるが酸化力の弱い次亜臭素酸イオンに変化する上、有害な臭素酸イオン等の消毒副生成物を生成する恐れがある。さらに、これらは逆浸透膜部分に到達した時点でも残留オキシダントとして水中に残存することが考えられ、安全のために還元や除去処理を必要とする。
【0011】
従来の砂濾過による前処理の代替方法として、精密濾過膜や限外濾過膜による前処理技術適用の検討もなされている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、逆浸透膜表面に付着あるいは吸着されて直接逆浸透膜の性能を劣化させたり、微生物の栄養源として作用することにより逆浸透膜でのバイオファウリングを生じさせる原因物質として、原海水に含有されるフミン質等の微量有機物を低減するための処理法を確立すること、および、塩素と同等もしくはそれ以上の滅菌効果を持ち、それ自体が膜を劣化させることがなく、微生物の再繁殖の可能性が少なく、しかも、膜の酸化劣化の原因となる残留性オキシダントを生成せず、有害な臭素酸やトリハロメタンを生成することのない滅菌法を確立することにより、逆浸透膜でのバイオファウリング防止および薬品洗浄頻度の低減を可能にする逆浸透法海水淡水化技術を確立することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この発明は、前述の課題を克服すべく、取水した海水を逆浸透淡水化するに当たり、前処理として、生物活性炭処理を使用することにより原海水中の微量有機物を効果的に除去し、さらに海水の殺菌に紫外線を用いることを特徴とするものである。
【0014】
この発明による第1の海水淡水化装置は、海水中の懸濁物除去用の砂濾過器と、これの後段に設けられた海洋性微生物殺菌用の紫外線殺菌装置とを具備していることを特徴とするものである。この海水淡水化装置によれば、取水した海水の濁質を低減した後で、紫外線殺菌を実施することによって紫外線殺菌の効率を上げると同時に、脱酸素剤の注入の省略を始めとする、塩素殺菌の多くの問題点の回避が可能となる。
【0015】
この発明の第2の海水淡水化装置は、海水中の有機物低減用の生物活性炭塔と、この塔を通過した海洋性微生物の殺菌のための紫外線殺菌装置とを具備していることを特徴とするものである。生物活性炭塔を固定床としてアレンジし、海水を下降流で通せば、砂濾過器と同様の濁質除去機能を持たせることも可能となる。この場合は、濁質の捕捉に伴って活性炭塔の差圧が上昇してくるので、随時逆洗を行うことが必要である。この海水淡水化装置によれば、濁質除去、有機物の低減、海洋性微生物の殺菌が可能である。
【0016】
この発明による第3の海水淡水化装置は、有機物低減用の生物活性炭塔と、この塔を通過した海水中の微生物を殺菌するための紫外線殺菌装置と、これの後段に設けられた死滅菌体等の濁質除去用の砂濾過器とを具備していることを特徴としている。この場合には、後段に濁質除去用砂濾過器が具備されているので、前段の生物活性炭塔には必ずしも濁質除去機能は必要でない。この場合、生物活性炭塔を流動層方式にアレンジすると、濁質は通過するので差圧の上昇がなく、基本的には逆洗が不要となる。流動層方式の生物活性炭塔を通過した原海水中の濁質は、死滅菌体等と一緒に、後段の砂濾過器で除去される。
【0017】
この発明による第4の海水淡水化装置は、海水中の懸濁物除去用の砂濾過器と、これの後段に設けられた海洋性微生物殺菌用の紫外線殺菌装置と、この装置を通過してくる有機物を低減するための生物活性炭塔を具備していることを特徴とするものである。この海水淡水化装置によれば、濁質が除去された状態で紫外線殺菌が適用されるので殺菌効果が高い。紫外線殺菌装置では、海水への紫外線照射時間が短いので、有機物の分解は殆ど進まないが、生物分解され難い高分子有機物の一次分解が起こり、後段の生物活性炭処理の効率が上昇する。生物活性炭処理が最後段にあるので、生物活性炭塔からの微生物の流出を避けるために、流動層方式は避けるべきである。
【0018】
この発明による第5の海水淡水化装置は、第1〜4の海水淡水化装置において、取水した海水を貯える取水槽内に一次殺菌用の紫外線ランプが設けられていることを特徴とするものである。この海水淡水化装置によれば、取水槽にて取水海水に浸漬させた紫外線ランプにより、最前段で一次殺菌を行うことができる。
【0019】
第1〜5の海水淡水化装置において、紫外線による殺菌は、微生物細胞の遺伝物質(核酸)に対して特異的に作用し、微生物を不活性化、死滅させるもので、有害な副生成物がなく、過剰注入の恐れがなく、環境の生態系への影響がなく、薬品を使用しないので維持管理が容易であり、塩素耐性が大きい微生物に対しても有効であるという特徴を有している。逆浸透系に紫外線殺菌を適用することにより、微生物の増殖がなくなることにより微生物自体による膜表面の汚れが抑制される。微生物の死滅により粘着性有機物の分泌がなくなり、微生物分泌物による汚れが抑制される等の効果がある。紫外線殺菌装置では、海水への紫外線照射時間が短いので、有機物の分解はほとんど進まないが、生物分解され難い高分子有機物の一次分解が起こり、後段の生物活性炭処理の効率が上昇する効果があり、この効果を後述する生物活性炭処理による効果と組み合わせると、効率の良い前処理システムを構築することが可能となる。また、紫外線は残留性がないことから、逆浸透膜保護のための還元剤を必要としない等の特徴も有する。
【0020】
第2〜5の海水淡水化装置において、生物活性炭処理は、近年、河川水を原水とする飲料水製造を目的とする浄水場において、オゾン処理と組み合わせて使用されることが多くなってきている。活性炭表面に付着した微生物は、河川水のような貧栄養環境中でも安定に増殖し、原水中の微量の有機物を資化して水を高度に浄化する機能を有している。
【0021】
生物活性炭処理装置の形式としては、粒状活性炭の固定床または流動床として使用されることが多い。単なる活性炭吸着でも、原水中のCOD成分等を吸着除去する機能はあるが、水中から除去された不純物が活性炭の細孔内に蓄積するので、運転時間の経過と共に蓄積量が増加し、吸着能力の限界に近づき、不純物除去性能が低下してしまう。性能劣化した活性炭は再生処理を行って再利用されるが、再生コストの面で適用範囲が限定されてしまう。活性炭表面に微生物が共存していると、吸着した不純物有機物を微生物が好気的に分解するので、非常に長期に亘って有機物除去機能が持続し、経済性が大幅に改善されることになる。
【0022】
近年増加している浄水高度処理は、カビ臭原因物質をオゾンによって分解低減することを第一の目的として行われ、オゾン処理に伴う副生物の除去と、オゾン処理によって易生物分解性物質まで粗分解されたトリハロメタン原因物質の低減を目的として、オゾン処理の後流に生物活性炭処理に設けられる場合が多い。しかし、生物活性炭の有効性は、必ずしもオゾン処理と組み合わせられなければ発揮できないというものではない。
【0023】
生物活性炭処理では、特定の単独種の微生物が有効であるということではなく、水処理で多用される活性汚泥処理がそうであるように、細菌類、真菌類、原生動物、後生動物等の所謂食物連鎖を構成する異種微生物群が関与している。但し、活性炭汚泥処理にしろ、生物活性炭処理にしろ、従来は全て淡水系にのみ適用されてきており、関与する微生物群は全て淡水系の微生物である。この発明では、海水に生物活性炭を適用することを特徴としている。この場合、上記上下水処理関係の淡水系に適用されるものと同じ微生物群は、塩分濃度の濃い海水系に適用できない。浸透圧耐性、耐Naイオン性を有する、好塩細菌の一種である海水菌(あるいは海洋細菌:代表菌としてはAlteromonas haloplanktesやPseudomonas marina等)を適用することが最適である。これらは極く一部の代表例であって、海水中には各種の有機物を分解する従属栄養細菌が多数存在するが、生物活性炭処理系には、これらの細菌類から始まってプランクトンに至る微生物群が、食物連鎖を構成して関与してくる。
【0024】
生物活性炭処理により濾過効果も得られる。したがって、生物活性炭設備の形式は、特に限定されるものではないが、縦型の砂濾過塔と同様に、粒状活性炭を濾材と同様な方法で充填し、海水を下降流で通水処理するものが一般的である。活性炭層に目詰まりが生じて差圧が上昇した場合には、砂濾過の逆洗と同様に、これを上向流で逆洗する。後段に砂濾過器等の濾過装置を併設する場合には、流動床形式が、逆洗が不要である等の操作性や性能面からも有効である。
【0025】
第2および3発明では、紫外線処理の前段に生物活性炭塔を設けるので、懸濁物の除去を行った後の透明度の高い海水を紫外線処理することになり、紫外線の照射効率を向上させることができる。
【0026】
第5発明では、生物活性炭処理の前段にも紫外線処理を設けるので、紫外線の照射効率は多少犠牲になるが、生物活性炭処理の前流でフミン質等の生物難分解物質が紫外線で部分分解して、生物活性炭処理の効果を高めることができる。この場合、取水される海水中の微生物は殆ど死滅するので、原水から生物活性炭機能維持に必要な微生物を補給することはできない。従って、システムの初期立ち上げ時には、別途種菌を活性炭塔に投入してやる必要がある。このような場合の種菌は、既設の海水精製装置(イオン交換膜法による製塩装置の前処理用濾過装置や、水族館循環水処理用濾過槽)の逆洗排水等が利用できる。
【0027】
〔作 用〕
本発明によれば、活性炭に担持された微生物により、逆浸透膜のファウリングに影響する微量有機物質の分解を行うことができる。海水中に含まれる有機物を活性炭に吸着させることで、活性炭表面での有機物濃度を高めるとともに、微生物との接触時間を多く取ることができ、微生物による分解が効果的に行われる。運転開始前に活性炭に海洋性の種菌を植え付けることで、その効果は向上する。また、種菌の植え付けを行わなくても、活性炭に微生物は付着しやすく、装置の運転と共に生物分解効果を得ることができる。
【0028】
紫外線処理は、海水の殺菌、微生物の分解を目的とし、さらに、生物活性炭塔から微生物がリークしたとき、その殺菌除去も行うことができる。紫外線殺菌装置の種類としては、紫外線を水面から直接照射する照射型、ランプを水中に浸漬して使用する浸漬型、流水を外部から照射する外照式流水型、内部から照射する内照式流水型等から、設置場所や海水の汚染状況により最適なものを採用することができる。紫外線の透過率を上げ、殺菌効果を向上させるために、紫外線処理装置は濾過装置の後段に設置することが理想的である。また、取水槽および濾過器への配管等に有機物の付着等が多くみられる場合は、取水槽に紫外線ランプを設置し、フローの最前段で一次殺菌を行う。紫外線の照射は、最も強い殺菌効果が得られる250〜260nmの範囲で行うのが好ましいが、この限りではない。
【0029】
紫外線殺菌は、DNAやRNAを振動で損傷させることにより消毒効果を発揮すると考えられている。殺菌に必要な紫外線量は対象とする微生物の種類によって大きく変わるが、30,000μW・sec/cm 以上を目処にすることで、大部分の細菌類を99%以上殺菌することが可能である。紫外線量(μW・sec/cm )は、『紫外線照射強度(μW/cm )×紫外線照射時間(sec)』の単位である。
【0030】
紫外線の照射による効果は次のようなものが挙げられる。(1) 微生物の増殖の抑制および死滅、(2) 易分解性有機物の生成回避による微生物栄養源の低減、(3) 微生物低減による分泌物の低下等。
【0031】
紫外線によって不活化された微生物が、波長約300〜500nmの光を受けることによって再活化することがある。この現象を防止するために、紫外線処理後は処理水に光が当たらないように注意しなければならない。やむなく処理水が光に曝される場合は、紫外線照射量を10倍程度にする必要がある。
【0032】
【発明の実施の形態】
実施例1(請求項2)
図1において、取水ポンプ(1) により海水を取水し、いったん取水槽(2) に貯める。これを供給ポンプ(3) で生物活性炭塔(9) に送り、ここで懸濁物質を除去すると共に海洋性フミン等の有機物の分解を行う。その際、必要に応じて塩化第二鉄などの凝集剤を添加してもよい。生物活性炭塔(9) から出る処理水は、濾過処理水槽(5) に貯められる。
【0033】
次に、濾過処理水槽(5) に浸漬させた紫外線ランプ(6) で濾過処理水の殺菌を行う。生物活性炭塔(9) により懸濁物質が除去されているため、紫外線の透過率が向上し、殺菌効果も高い。紫外線処理後は、微生物の再活化を防ぐため、処理水に光が当たらないように配管および装置を設計する(FRP等の光透過性の材料を使用しない等)。
【0034】
紫外線処理水は、濾過水ポンプ(7) によって後段装置の保護のための保安フィルター(10)に送られる。その際スケール析出防止の目的で硫酸等の酸を加える。
【0035】
保安フィルター通水後、従来、酸化剤による膜劣化の保護のため還元剤を添加していたが、紫外線による殺菌ではこれは必要なく、高圧ポンプ(11)により海水を加圧し、逆浸透膜(12)に供給する。海水は、ここで逆浸透膜(12)で膜を透過した脱塩水と濃縮塩水に分けられる。
【0036】
実施例2(請求項3)
図2において、実施例1と同様に濾過処理水槽(5) に浸漬させた紫外線ランプ(6) で濾過処理水の殺菌を行った後、処理海水を砂濾過器(8) へ送り、ここで、生物活性炭塔(9) および濾過処理水槽(5) で除去できなかった汚濁物質や紫外線処理残渣(微生物の死骸等)等を除去する。その他の操作は実施例1と同様に行う。
【0037】
実施例3(請求項4)
図3は、実施例2の装置の設置順を砂濾過器(8) →紫外線ランプ(6) →生物活性炭塔(9) に変更したものである。実施例1と同様に取水槽(2) に貯めた海水を砂濾過器(8) に通し、懸濁物の除去を行い、紫外線透過率を向上させる。次いで、濾過処理水槽(5) に浸漬させた紫外線ランプ(6) で海水の殺菌および有機物の分解を行い、さらに残存した有機物を生物活性炭塔(9) で処理する。
【0038】
実施例4(請求項1)
図4は、従来の殺菌方法における酸化剤添加を、濾過処理水槽での紫外線殺菌処理に変更したものである。すなわち、この実施例は、紫外線ランプ(6) の後段の生物活性炭塔(9) を省いた以外、実施例3と同じである。この実施例では酸化剤、還元剤を使用せずに効果的に、海水の殺菌を行うことができる。
【0039】
実施例5(請求項5)
図5は、実施例1における取水槽(1) にも紫外線ランプ(6) を設置した以外、実施例1を示す図1と同じである。この実施例では、淡水化装置の最前段で一次殺菌を行うことで、取水槽での微生物の増殖を防ぐことができる。これを後段での紫外線殺菌と併用ことで効果的な殺菌効果が得られる。また、原海水の汚染の程度によっては、濾過処理水槽(5) の紫外線ランプ(6) を省いてもよい。
【0040】
【発明の効果】
この発明により、塩素と同等もしくはそれ以上の滅菌効果を持ち、それ自体が膜を劣化させることがなく、微生物の再繁殖の可能性が少なく、しかも、膜の酸化劣化の原因となる残留性オキシダントを生成せず、有害な臭素酸やトリハロメタンを生成することのない滅菌法を確立することができる。また、逆浸透膜表面に付着あるいは吸着されて直接逆浸透膜の性能を劣化させたり、微生物の栄養源として作用することにより逆浸透膜でのバイオファウリングを生じさせる原因物質として、原海水に含有されるフミン質等の微量有機物を低減するための処理法を確立することができる。したがって、逆浸透膜でのバイオファウリング防止および薬品洗浄頻度の低減を可能にする逆浸透法海水淡水化技術を確立することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1を示すフロー図である。
【図2】実施例2を示すフロー図である。
【図3】実施例3を示すフロー図である。
【図4】実施例4を示すフロー図である。
【図5】実施例5を示すフロー図である。
【図6】従来例を示すフロー図である。
【符号の説明】
(1) :取水ポンプ
(2) :取水槽
(3) :供給ポンプ
(8) :砂濾過塔
(5) :濾過装置水槽
(6) :紫外線ランプ
(7) :濾過水ポンプ
(8) :砂濾過器
(9) :生物活性炭塔
(10):保安フィルター
(11):高圧ポンプ
(12):逆浸透膜
(13):透過水
(14):濃縮水

Claims (5)

  1. 海水中の懸濁物除去用の砂濾過器と、砂濾過器を通過した海水中の微生物を殺菌するための紫外線殺菌装置とを具備していることを特徴とする、逆浸透による海水淡水化装置。
  2. 海水中の有機物の低減用の生物活性炭塔と、この塔を通過した海水中の微生物を殺菌するための紫外線殺菌装置とを具備していることを特徴とする、逆浸透による海水淡水化装置。
  3. 海水中の有機物の低減用の生物活性炭塔と、この塔を通過した海水中の微生物を殺菌するための紫外線殺菌装置と、これの後段に設けられた死滅菌体等の濁質除去用の砂濾過器とを具備していることを特徴とする、逆浸透による海水淡水化装置。
  4. 海水中の懸濁物除去用の砂濾過器と、砂濾過器を通過した海水中の微生物を殺菌するための紫外線殺菌装置と、これらを通過した海水中の有機物を低減するための生物活性炭塔とを具備していることを特徴とする、逆浸透による海水淡水化装置。
  5. 取水した海水を貯える取水槽内に一次殺菌用の紫外線ランプが設けられていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の逆浸透による海水淡水化装置。
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