JP5055746B2 - 膜利用による水循環使用システム - Google Patents

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Description

本発明は、生活排水等を膜ろ過で浄化再生し、循環・再利用する水の循環使用システムに関するものである。
1800年代頃までは太陽エネルギーを駆動力とした自然の浄化作用による水循環だけで生活や産業に必要な水の量も質も確保できていたが、1900年代に入ってからの爆発的な人口増加と産業の発展によって水浄化の高度化及び高速化が要求されるようになってきた。このことから活性汚泥処理などの生物学的処理法や、緩速砂ろ過法、急速砂ろ過法、オゾン処理、活性炭吸着など物理化学的処理法が水浄化処理技術として普及し広く採用されている。
しかし、近年、病原性微生物や微量汚染化学物質、医薬品、異臭味物質などに起因する水源水質の悪化、気象現象の異変や水需要の増加に伴う局所的な水の量的不足など水環境に関する問題が日本のみならず世界規模で顕在化してきている。
そこで、これら複雑な水質問題や深刻な水不足に対応できる新たな水処理技術として膜ろ過法が急速に導入されるようになってきている。現在、膜ろ過法は、飲料水製造のための浄水処理、工業用水製造、食品工業分野、下水・排水処理、海水淡水化などの様々な水処理分野での利用が進んでいる。例えば、飲料水製造分野、すなわち浄水処理用途においては、家畜の糞尿などに由来するクリプトスポリジウムやジアルジアなどの耐塩素性病原性微生物が浄水場で処理しきれず、処理水に混入する事故が1990年代から顕在化していることから、従来の凝集沈殿と砂ろ過を基本とする急速ろ過法の代替として、膜ろ過法の導入が進んでいる。また、砂漠地域などの局所的な水不足地域においては、逆浸透膜による海水淡水化が蒸発法とならび普及してきている。さらに近年では、活性汚泥槽の中に直接膜モジュールを浸漬して生物学的処理と物理処理を同時に高効率に行う膜分離活性汚泥法が開発され実プラントで導入され始めている。
これらで導入されている膜ろ過法は、高精度の分離機能を有すること、設置スペースが小さくてすむために高速度処理が可能なこと、設備の自動運転が可能で運転維持管理が容易であること、既存のプロセスなど他機能のプロセスとの組合せが可能であって高機能な水処理システムが組めることなどの特長を有している。
また、河川水、湖沼水、地下水等に由来する自然水を浄化して供給する上水道が広く普及しているが、上水道により供給される上質な水は使用された後に下水として排水されている。
図1に現在の先進国都市部における一般的な水利用状況を示し、また、表1に現在の水使用システムにおける代表的な水量と水質の一例を示す。一般に先進国都市部においては、家庭で使用される用水のすべては、河川水、湖沼水、地下水などの自然水を水源とする浄水場で浄化された水道水質基準を満足する飲料可能な上水であり、この上水を作るためには例えば膜技術を用いエネルギーを消費して高度な浄化処理も行われている。
しかし、表1に示されるように、高度に浄化処理された上水も、その約4分の1はトイレにおける洗浄・流下用に使用されている。また、上水道から供給された上水のほぼ全量が使用後には水利用空間外に排出されるので、その排水に含まれる含有成分絶対量も多くなることから、環境負荷が大きくなる問題が生じる。このように、現在の水使用システムは、低環境負荷の観点から極めて問題であり、使用目的に応じた適切な水質を効率良く使用できる水使用システムを構築することが、地球環境の悪化の抑制の観点から望まれてきている。
Figure 0005055746
そこで、水利用空間における水質と水量の最適化を図る考え方が近年水処理研究者の間から提唱され始めており、膜を用いた水の循環・再利用は様々な形で一部実用化が行われ始めているが、本格的に導入されている例は未だかなり少ない。例えば、水源をもたないシンガポールでは、NEWaterの呼び名で、下水の二次処理水を精密ろ過膜でろ過し、その後さらに逆浸透膜でろ過して、紫外線照射殺菌を施した後、工業用水や浄水処理の原水に再利用することが行われている。これは、国策として将来の水不足に備えて行われている処理であるが、さらにきめ細かく水質と水量を用途別に使い分けることは行われていない。
また、特許文献1には、ディスポーザーで破砕した生ゴミを含む排水を膜ろ過装置でろ過し、その後ディスポーザー排水処理装置で処理してその処理水を水洗トイレ用洗浄水に使用する技術が開示されている。この場合、ディスポーザー排水処理装置で処理された処理水は、BODが300mg/l程度とかなり高いので、配管や便器での微生物によるバイオフィルムの成長によって配管が詰まったり、悪臭が発生するなどの不具合が想定される。処理水に塩素剤を接触させて大腸菌等の滅菌させると処理水が消臭されてBODが5mg/l程度の値になることも開示されているが、300mg/lのBODを5mg/lにするためには、水中の有機物の大部分を二酸化炭素にまで分解して系外に排出することが必要であり、そのためには非現実的な量の塩素を加えることが必要である。また、炊事の排水を再利用するだけなので水の削減量も25%程度と低減効果が小さく、居住・生活する水使用空間における水質と水量を十分に確保・最適化させることは困難である。
特開2001−9422号公報
本発明は、膜ろ過技術の組合せによって生活排水を浄化し、循環・再利用することで、水利用空間に対する飲料水の供給量を著しく削減し、かつ水質的にも最適でエネルギー的に無駄のない膜利用による水循環使用システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明の水循環使用システムは、水使用域A、水使用域Bおよび水洗トイレ域に区分けされた水利用空間に水を供給するシステムであって、水使用域Aには飲料水を供給し、水使用域Bおよび水洗トイレ域には浄化再生した水を供給し、水使用域Aおよび水使用域Bからそれぞれ排出される排水Aおよび排水Bを膜分離活性汚泥装置で処理し、膜分離活性汚泥装置から取出される透過水を逆浸透膜装置またはナノろ過膜装置で処理し、逆浸透膜装置またはナノろ過膜装置から取出される透過水を水使用域Bへ供給し、逆浸透膜装置またはナノろ過膜装置から取出される濃縮水を水洗トイレ域へ供給する、膜利用による水循環使用システムである。また、浄水使用域および水洗トイレ域に区分けされた水利用空間に水を供給するシステムであって、浄水使用域から排出される排水を膜分離活性汚泥装置で処理し、膜分離活性汚泥装置から取出される透過水に飲料水を混合し、この混合した水を逆浸透膜装置またはナノろ過膜装置で処理し、逆浸透膜装置またはナノろ過膜装置から取出される透過水を浄水使用域へ供給し、逆浸透膜装置またはナノろ過膜装置から取出される濃縮水を水洗トイレ域へと供給する、膜利用による水循環使用システムである。
ここで、逆浸透膜装置またはナノろ過膜装置の濃縮水はそのBODを30mg/l以下とすることが好ましく、膜分離活性汚泥装置に供給される水量が、水利用空間に供給される飲料水の2倍以上4倍以下であることが好ましく、膜分離活性汚泥装置に供給される水はそのBODが10〜500mg/l、TOCが10〜500mg/l、T−Nが5〜60mg/l、T−Pが0.5〜10mg/l、かつ、SSが10〜500mg/lであることが好ましい。また、膜分離活性汚泥装置が、BOD除去率が90%以上かつTOC除去率が80%以上の分離性能を有する装置であり、かつ、逆浸透膜装置またはナノろ過膜装置が、BOD除去率が70%以上95%以下かつTOC除去率が80%以上の分離性能を有する装置であることが好ましい。
本発明の水使用システムを採用すれば、生活排水を膜で高度に浄化し、生活用水として再利用することで、水の消費量を著しく削減することができる。また、トイレ洗浄用に使用する再利用水も腐ったりせず、快適に利用できる。
本発明の膜利用水循環使用システムを図2〜図3に示す例を用いて詳細に説明する。なお、本発明は、図2や図3に示される膜利用水循環使用システムだけに限定されるものではない。また、表1に示す水使用空間に、請求項1の本発明の水循環使用システム(図2)を適用した場合における代表的な水量と水質の一例を、表2に示す。表3は、水利用空間から下水へと排出される排水の水量及び水質を、図1及び表1に示す従来技術の場合と、図2及び表2に示す本発明の場合と対比して示すものである。
本発明者らは、居住・生活する水利用空間を、供給水の水質許容基準により複数の水使用区域とに区分けし、例えば、水使用域A、水使用域Bおよび水洗トイレ域とに区分けし、それら各使用域毎の水質と水量の最適化について鋭意検討を行ない、使用後の水を浄化再生して再使用する場合に最適なシステムや最適な水量と水質のバランス等を見出すに至った。
すなわち、請求項1の本発明に係る水循環使用システム(図2)では、飲用や食用、炊事や洗顔など上質な飲料水が必要な水使用域Aには、水利用空間の系外から水道水質基準を満足する飲料水を供給する。また、水使用域Bと水洗トイレ域には浄化再生した水であってそれぞれの要求水質基準を満たす異なる種類の再生水を供給する。
ここで本発明で用いる飲料水とは、河川水、湖沼水、地下水、海水などの自然水を原水とし、これを浄化して得られる各国各地域における水道水質基準を満足する上水のことである。ここで、水使用域Aは、飲用や食用、炊事や洗顔などに使われ、水道水質基準を満足し飲料可能な上質な水質の水の供給が要求される水使用域である。
また、水使用域Bは、例えば洗濯や風呂など、飲用や食用とは異なり、直接体に取り込まれることはないが、上水に準ずる程度に浄化された水の供給が要求される水使用域である。なお、シャワートイレにおけるシャワー水(温水)は使用後には便器洗浄水と合流して水洗トイレ域からの排水となるが、このシャワー水は体の洗浄用に用いられるので、供給水の点からは水使用域Bに含めることが好ましい。
この水使用域Bには、水使用域Aおよび水使用域Bからそれぞれ排出される排水Aおよび排水Bを膜分離活性汚泥法で処理した後、膜分離活性汚泥法から取出される透過水を逆浸透膜装置またはナノろ過膜装置でろ過処理して得られるろ過透過水が供給される。ここで、水使用域Bに供給される用水Bは、排水を、生物処理、精密ろ過膜処理または限外ろ過膜処理、逆浸透膜処理またはナノろ過膜処理の3つの処理を行なって浄化再生した水であるので、十分に清澄であり、飲用すなわち水使用域Aに要求される水質基準をも満たすことができるものであるから、水使用域Bに要求される水質基準を十分に満たしている。また、系外から供給される飲料水の水質が不満足な水準である場合は、水使用域Aへの供給前に逆浸透膜処理またはナノろ過膜処理を行ない(図示なし)、水使用域Aへの供給水の水質を一段と高めることもできる。
一方、逆浸透膜装置またはナノろ過膜装置から取出される濃縮水は、トイレの便器洗浄水として水洗トイレ域へと供給される。この際、逆浸透膜装置またはナノろ過膜装置には、その前段の膜分離活性汚泥法により浄化され生物学的に安定化された水が供給されているので、逆浸透膜装置またはナノろ過膜装置から取出される濃縮水は、水洗トイレに流しても配管が微生物によって汚染したり、悪臭を放つこともなく安定に使用することが出来る。この水洗トイレ域に供給する水は、再利用水であっても、BODが30mg/l以下、好ましくは20mg/l以下、さらに好ましくは15mg/l以下ならば、配管中で微生物の繁殖が起こらないので、水洗トイレ域に供給する濃縮水のBODを上記水準とすることが好ましい。
また、水洗トイレ域に供給する濃縮水のその他の水質については次の通り、TOCが40mg/l以下、好ましくは30mg/l以下、さらに好ましくは20mg/l以下であり、T−Nが20mg/l以下、好ましくは15mg/l以下、さらに好ましくは10mg/l以下であり、T−Pが10mg/l以下、好ましくは8mg/l以下、さらに好ましくは4mg/l以下mg/lであり、SSが3mg/l以下、好ましくは2mg/l以下、さらに好ましくは1mg/l以下であることが生物学的安定性を確保するために好ましい。また、逆浸透膜装置またはナノろ過膜装置から取出される濃縮水に少量の次亜塩素酸ナトリウム水溶液を添加するなどして濃縮水を殺菌・消毒した後に水洗トイレ域に供給することも衛生的であり好ましく採用できる。
逆浸透膜装置またはナノろ過膜装置から取出される濃縮水における水質を上記水準とするためには、その前段で処理する膜分離活性汚泥装置へ供給される水の水質が、BODが10〜500mg/l、TOCが10〜500mg/l、T−Nが5〜60mg/l、T−Pが0.5〜10mg/l、かつ、SSが10〜500mg/lであることが好ましい。ここで、膜分離活性汚泥装置へ供給される水は、実際上、水使用域Aから排出される排水Aおよび水使用域Bから排出される排水Bとからなるので、それら排水A及び排水Bの混合水がその水質基準であればよい。なお、排水A及び排水Bの混合水の水質基準を前記範囲内に制御することが困難である場合には、排水A及び排水Bの他に、雨水等の他の水を混合して、膜分離活性汚泥装置へと供給してもよい。
ここで、各水質指標の意味と測定方法は以下の通りである。いずれの指標も上水試験方法で定める測定方法に準じて測定される値を本発明では採用する。
BODとは、生物化学的酸素要求量のことであり、主として水中の有機物質が生物化学的に酸化されるのに必要な酸素の量をいい、20℃、5日間で消費される溶存酸素量で表す。
TOCとは、全有機炭素量のことであり、水中に含まれている有機化合物総量の指標として、これらの有機化合物に含まれている炭素量をいう。一般に燃焼酸化法で測定され、試料水に酸を加えてpH3以下とし、通気して無機炭素を除去し、酸素又は空気流とともに650〜950℃に加熱した酸化触媒充填管に送り、有機物質中の炭素を二酸化炭素に酸化した後、その濃度を非分散形赤外線ガス分析計で測定する。
T−Nとは、全窒素量のことであり、水中に含まれるアンモニア性窒素、亜硝酸性窒素、硝酸性窒素の無機性窒素及びタンパク質、アミノ酸、ポリペプチド、尿素等有機性窒素の総量をいい、窒素量で表す。測定は、JISの全窒素測定法にある熱分解法に準じて行う。窒素を酸化して一酸化窒素とし、化学発光検出器で定量する方法などが用いられる。
T−Pとは、全リン量のことであり、水中リン化合物中のリンの総量をいう。誘導結合プラズマ発光分析法やイオンクロマトグラフィー分析法などで測定する。
SSとは、懸濁物質量のことであり、水中に懸濁している不溶解性物質の量のことをいい、2mmのふるいを通過し、孔径1μmのろ過材上に残留する物質を懸濁物質とする。
請求項2に係る本発明の水循環使用システム(図3)では、前記した請求項1(図1)の水循環使用システムと、系外からの飲料水を取り込む位置等において異なるものである。即ち、飲料水を供給する区域(請求項1における水使用域Aに相当する水使用域)と再生した浄水を供給する区域(請求項1における水使用域Bに相当する水使用域)とを区分せずに浄水使用域とし、系外から取込まれる飲料水を膜分離活性汚泥装置から取出された透過水と混合した後、この混合水を逆浸透膜装置またはナノろ過膜装置でろ過処理し、逆浸透膜装置またはナノろ過膜装置から取出される透過水を浄水使用域へ供給するものである。このように、このシステムでは、外部からの飲料水も逆浸透膜装置またはナノろ過膜装置でろ過処理して使用するので、飲料水の水質が不満足な水準である場合でも十分な水質の水を浄水使用域に供給することが可能である。
本発明において採用する膜分離活性汚泥法とは、生物処理と膜ろ過による物理処理を組み合わせた処理法であり、図4に示すような好気処理を行う活性汚泥槽13の中に直接精密ろ過膜や限外ろ過膜14を浸漬して処理水をポンプ15で吸引ろ過する方法と、図5に示す精密ろ過膜または限外ろ過膜14を活性汚泥槽の外部に設置し、活性汚泥をポンプ15で外部循環させながら加圧ろ過する方法とがあり、いずれの方法も本発明では採用できる。
ここで、精密ろ過膜とは、細孔径がおおよそ0.01μm以上5μm以下の圧力差を駆動力とする分離膜であり、限外ろ過膜とは、細孔径がおおよそ5nm以上0.01μm以下の圧力差を駆動力とする分離膜である。それら膜の形態には中空糸膜と平膜の大きく2種類があるが、本発明の膜分離活性汚泥法においてはいずれの膜形態も採用できる。膜の材質にもポリアクリロニトリル、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリフェニレンスルフォン、ポリフェニレンスルフィドスルフォン、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、セラミック等の無機素材など様々なものがあるが、本発明の膜分離活性汚泥法においては、酢酸セルロースのように微生物によって分解される素材以外はいずれの膜材質も採用できる。耐久性が高く、膜のファウリングによる透水性能の低下が小さい膜が薬液洗浄の頻度が低減し、設備の維持管理費が抑えられるので好ましい。
後段で行う逆浸透膜装置またはナノろ過膜装置の濃縮水を生物学的に安定化させることが必要であるという観点から、膜分離活性汚泥装置の分離性能としては、BOD除去率が90%以上、好ましくは95%以上、更に好ましくは97%以上であり、かつ、膜分離活性汚泥装置のTOC除去率が80%以上、好ましくは85%以上、更に好ましくは90%以上となるような膜の分離性能が必要である。
また、本発明において採用する逆浸透膜装置またはナノろ過膜装置とは、被処理水の浸透圧以上の圧力差を駆動力にイオンや低分子量分子を、逆浸透膜やナノろ過膜により除去する膜ろ過装置である。ここで使用される逆浸透膜としては、例えば酢酸セルロースなどのセルロース系や、多官能アミン化合物と多官能酸ハロゲン化物とを重縮合させて微多孔性支持膜上にポリアミド分離機能層を設けた膜などが採用できるが、さらに排水に対するファウリングを抑制するために、酸ハライド基と反応する反応性基を少なくとも1個有する化合物の水溶液をポリアミド分離機能層の表面に被覆して、分離機能層表面に残存する酸ハロゲン基と該反応性基との間で共有結合を形成させた下水処理用の逆浸透膜が好ましく採用できる。また逆浸透膜よりも高い透水性能を有する膜を採用した方が有利なケースでは、ナノろ過膜を用いることが好ましい。ナノろ過膜としては、脂肪族多官能アミンと芳香族多官能アミンの混合アミン成分と、多官能酸ハロゲン化物と多官能酸無水物ハロゲン化物の混合酸ハロゲン化物成分とを、多孔性支持膜上で界面重縮合反応を行い架橋ポリアミドの薄膜を形成した後、該薄膜をpH11以上のアルカリ水溶液に接触させることで得られる膜などが採用できる。
逆浸透膜やナノろ過膜には用途に応じて様々な分離性能と透水性能を有する膜があるが、本発明の逆浸透膜装置またはナノろ過膜装置では、BOD除去率が70%以上95%以下、好ましくは75%以上92%以下、更に好ましくは、80%以上90%以下、かつ、逆浸透膜装置またはナノろ過膜装置のTOC除去率が80%以上、好ましくは85%以上、更に好ましくは90%以上となるような膜の分離性能が必要である。
また、逆浸透膜装置またはナノろ過膜装置部分の回収率は50〜80%程度にすることが好ましい。ここで、回収率とは逆浸透膜装置またはナノろ過膜装置部分に供給する供給水量に対する得られる透過水量の比のことである。回収率が50%以下の場合は、透過水の得られる割合が低すぎてエネルギー的に不利であり、また回収率が80%以上の場合は、逆浸透膜装置またはナノろ過膜装置部分の膜ファウリング(汚れ)が進み、薬液洗浄回数が増えるなど、安定運転が困難となる。
このように本発明の水循環使用システムでは、トイレ排水以外の浄化再生可能な廃水を、膜分離活性汚泥装置により処理した後、さらに、逆浸透膜装置またはナノろ過膜装置により処理することにより浄化再生しているので、洗濯、風呂、掃除等の日常生活に十分使用可能な再生水を取得することができ、しかも、逆浸透膜装置またはナノろ過膜装置により取出される濃縮水をトイレ用水に用いることにより、処理水の再利用率を高めることができる。
また、上水施設や下水処理施設で水の浄化に利用されている膜ろ過技術は、比較的コンパクトな装置でもって高い水浄化機能を発揮することができ、しかも、種々の水浄化処理に対応できる利点があるので、長期的展望に立った循環型社会インフラの構築の一環として水循環使用システムを構築する場合の水浄化手段として最適である。そこで、本発明においては、廃水の水浄化手段として膜ろ過技術を用いるとともに、水の供給・使用・排出・再生の経路を全体的に工夫し、膜ろ過技術に工夫を加えることにより、小規模な水再生処理施設の設置によっても効率的な水循環使用が可能となる水循環使用システムを構築したものである。このような水循環システムは、長期的展望に立った循環型社会インフラの構築、エネルギーの有効利用、地球温暖化ガス発生の抑制等の目的に適合したものであり、また、ある限られた地域で分散型に水再生処理を行って水循環使用すれば、地震等の災害に対するリスク回避や天候不順による渇水対策としても有効である。
本発明の水循環使用システムにおける水量バランスについては、膜分離活性汚泥装置に供給される水量が、水利用空間に供給される飲料水の2倍以上4倍以下、好ましくは2倍以上3倍以下になるように設計することが好ましい。ここで分離活性汚泥装置に供給される水量が排水A及び排水Bの合計水量であれば、系外から取り込む飲料水の使用量を、従来のおおよそ3分の1〜5分の1に大幅に削減することが可能となる。加えて、表3に示すように終末処理場に排出される排水の量および排水含有成分の絶対量を減らすことが可能となり、低環境負荷の観点から極めて効果が高い。2倍以下では水使用量の削減量が少なくなり、一方4倍を超えると水洗トイレ域に供給する水が不足し易くなり、逆浸透膜装置またはナノろ過膜装置の回収率が80%を超えて安定運転が難しくなり、いずれも好ましくない。
Figure 0005055746
Figure 0005055746
本発明の膜利用水循環使用システムは、従来の下水処理施設よりもコンパクトな処理施設でもって廃水の浄化再生処理を行うことができるので、あるまとまった人数が居住・生活する水利用生活空間(例えば、1〜複数棟のマンションやある一定の居住地域)において水量と水質を用途に応じて適切に使い分けることができ、低環境負荷の循環型社会インフラを構築することに利用できる。
現在の先進国都市部における一般的な水利用状況を概念的に示す水利用システム図である。 本発明に係る膜利用水循環使用システムの一例を概念的に示す図である。 本発明に係る膜利用水循環使用システムの他の一例を概念的に示す図である。 本発明に係る水循環使用システムで用いる膜分離活性汚泥装置の一例を概念的に示す図である。 本発明に係る水循環使用システムで用いる膜分離活性汚泥装置の他の一例を概念的に示す図である。
符号の説明
1 水利用空間
2 水使用域A
3 水使用域B
4 水洗トイレ域
5 水使用域Aへの供給水(用水A)
6 水使用域Bへの供給水(用水B)
7 水洗トイレ域への供給水(トイレ用水)
8 水使用域Aからの排水(排水A)
9 水使用域Bからの排水(排水B)
10 水洗トイレ域からの排水(トイレ排水)
11 膜分離活性汚泥装置
12 逆浸透膜装置またはナノろ過膜装置
13 活性汚泥槽
14 精密ろ過膜または限外ろ過膜
15 ポンプ
22 浄水使用域
25 浄水使用域への供給水
28 浄水使用域からの排水

Claims (6)

  1. 水使用域A、水使用域Bおよび水洗トイレ域に区分けされた水利用空間に水を供給するシステムであって、水使用域Aには飲料水を供給し、水使用域Bおよび水洗トイレ域には浄化再生した水を供給し、水使用域Aおよび水使用域Bからそれぞれ排出される排水Aおよび排水Bを膜分離活性汚泥装置で処理し、膜分離活性汚泥装置から取出される透過水を逆浸透膜装置またはナノろ過膜装置で処理し、逆浸透膜装置またはナノろ過膜装置から取出される透過水を水使用域Bへ供給し、逆浸透膜装置またはナノろ過膜装置から取出される濃縮水を水洗トイレ域へ供給する、膜利用による水循環使用システム。
  2. 浄水使用域および水洗トイレ域に区分けされた水利用空間に水を供給するシステムであって、浄水使用域から排出される排水を膜分離活性汚泥装置で処理し、膜分離活性汚泥装置から取出される透過水に飲料水を混合し、この混合した水を逆浸透膜装置またはナノろ過膜装置で処理し、逆浸透膜装置またはナノろ過膜装置から取出される透過水を浄水使用域へ供給し、逆浸透膜装置またはナノろ過膜装置から取出される濃縮水を水洗トイレ域へと供給する、膜利用による水循環使用システム。
  3. 逆浸透膜装置またはナノろ過膜装置から取出される濃縮水のBODを30mg/l以下とする請求項1または2に記載の膜利用による水循環使用システム。
  4. 膜分離活性汚泥装置に供給される水量が、水利用空間に供給される飲料水量の2倍以上4倍以下である請求項1〜3のいずれかに記載の膜利用による水循環使用システム。
  5. 膜分離活性汚泥装置に供給される水のBODが10〜500mg/l、TOCが10〜500mg/l、T−Nが5〜60mg/l、T−Pが0.5〜10mg/l、かつ、SSが10〜500mg/lである請求項1〜4のいずれかに記載の膜利用による水循環使用システム。
  6. 膜分離活性汚泥装置が、BOD除去率が90%以上かつTOC除去率が80%以上の分離性能を有する装置であり、かつ、逆浸透膜装置またはナノろ過膜装置が、BOD除去率が70%以上95%以下かつTOC除去率が80%以上の分離性能を有する装置である請求項1〜5のいずれかに記載の膜利用による水循環使用システム。
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