JP2019202265A - 水処理装置および水処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】生物処理槽内においてMLSS濃度、BOD汚泥負荷およびN汚泥負荷がある程度高い場合に生物処理水を限外ろ過膜および逆浸透膜を用いて処理するときに、限外ろ過膜および/または逆浸透膜の薬品洗浄の頻度を抑制でき、低コストである水処理装置の提供。【解決手段】被処理水を好気処理および嫌気処理して生物処理水を得られる生物処理槽と、生物処理水をろ過して限外ろ過膜処理水を得られる限外ろ過膜と、限外ろ過膜処理水を透過して透過水を得られる逆浸透膜を備え;生物処理槽内の水質は、MLSS濃度が250〜4,000mg/Lであり、BOD汚泥負荷が0.01〜1kg・BOD/kg・MLSS/日であり、かつ、N汚泥負荷が0.01〜0.4kg・N/kg・MLSS/日であり;好気処理が溶存酸素濃度1〜8mg/Lであり、嫌気処理が溶存酸素濃度0mg/L以上1mg/L未満である、水処理装置。【選択図】図1

Description

本発明は、水処理装置および水処理方法に関する。
逆浸透膜(Reverse Osmosis Membrane:RO膜)を用いて水の精製をする水処理は一般的に増加している。具体的には、海水の脱塩、飲料水の製造、冷却塔の補給水、プロセス水の製造、ボイラー給水の前処理等のために使用されている。ここで、有機物含有排水を用いる場合、逆浸透膜を用いる水処理の前処理として、生物処理や限外ろ過膜(UF膜)を行うことが知られている(特許文献1および2参照)。
特許文献1には、有機性排水を好気的に生物処理した好気性生物処理水をMF膜又はUF膜装置に供給して濾過した後、NF膜又はRO膜装置で脱塩して水を回収する方法であって、好気性生物処理水が、生物処理中に生成する生物代謝物を含み、且つ、Langelier指数>0である好気性生物処理水からの水の回収方法において、MF膜又はUF膜装置に供給する被処理水のpHを5.5以下とする好気性生物処理水からの水の回収方法が記載されている。
特許文献2には、有機物含有排水を嫌気的に生物処理する嫌気性生物処理手段と、嫌気性生物処理手段から流出する嫌気性生物処理水を好気的に生物処理する好気性生物処理手段と、好気性生物処理手段から流出する好気性生物処理水を固液分離する固液分離手段と、固液分離手段で分離された分離水に含まれる溶存物質を除去する高度処理手段とを有する有機物含有排水の処理装置が記載されている。
特開2012−206066号公報 特開2007−175582号公報 特開平5−154498号公報
しかしながら、特許文献1の方法を検討したところ、生物処理槽内においてMLSS(活性汚泥浮遊物質;Mixed Liquor Suspended Solid)濃度、BOD(Biochemical Oxygen Demand)汚泥負荷およびN汚泥負荷がある程度高い場合、限外ろ過膜および/または逆浸透膜の薬品洗浄の頻度が多くなることがわかった。
特許文献2の方法を検討したところ、嫌気性生物処理手段と好気性生物処理手段を別装置として逐次処理する方法では、設備コストが高いことがわかった。
一方、特許文献3には、排水をラグーン、沈澱池及び水生植物等を繁殖させた長距離流水路に連続的に流動させることにより順次浄化処理する排水処理方法が記載されている。しかしながら、特許文献3には、長距離流水路を、限外ろ過膜および逆浸透膜と組み合わせることについて、何も記載はなかった。
本発明が解決しようとする課題は、生物処理槽内においてMLSS濃度、BOD汚泥負荷およびN汚泥負荷がある程度高い場合に生物処理水を限外ろ過膜および逆浸透膜を用いて処理するときに、限外ろ過膜および/または逆浸透膜の薬品洗浄の頻度を抑制でき、低コストである水処理装置を提供することである。
本発明では、被処理水を好気処理および嫌気処理できる生物処理槽と、限外ろ過膜と、逆浸透膜を備える水処理装置によって、生物処理槽内においてMLSS濃度、BOD汚泥負荷およびN汚泥負荷がある程度高い場合に生物処理水を限外ろ過膜および逆浸透膜を用いて処理するときに、限外ろ過膜および/または逆浸透膜の薬品洗浄の頻度を抑制できることを見出し、上記課題を解決した。
上記課題を解決するための具体的な手段である本発明の構成と、本発明の好ましい構成を以下に記載する。
[1] 被処理水を好気処理および嫌気処理して生物処理水を得られる生物処理槽と、
生物処理水をろ過して限外ろ過膜処理水を得られる限外ろ過膜と、
限外ろ過膜処理水を透過して透過水を得られる逆浸透膜を備え;
生物処理槽内の水質は、MLSS濃度が250〜4,000mg/Lであり、BOD汚泥負荷が0.01〜1kg・BOD/kg・MLSS/日であり、かつ、N汚泥負荷が0.01〜0.4kg・N/kg・MLSS/日であり;
好気処理が溶存酸素濃度1〜8mg/Lであり、
嫌気処理が溶存酸素濃度0mg/L以上1mg/L未満である、水処理装置。
[2] 生物処理槽がラグーンであり、
ラグーンが、好気処理および嫌気処理を同時にできる水深である[1]に記載の水処理装置。
[3] 生物処理槽がタンクであり、
タンクが、好気処理および嫌気処理を共にできる担体を備える[1]に記載の水処理装置。
[4] 生物処理槽の上流に、排水を好気処理して被処理水を得られる曝気槽を備える[1]〜[3]のいずれか一つに記載の水処理装置。
[5] 曝気槽および生物処理槽の間に、沈殿槽を備える[4]に記載の水処理装置。
[6] 生物処理槽から限外ろ過膜までの間に、凝集剤添加手段を備える[1]〜[5]のいずれか一つに記載の水処理装置。
[7] 生物処理槽から逆浸透膜までの間に、酸化剤である殺菌剤を添加できる殺菌剤添加手段を備える[1]〜[6]のいずれか一つに記載の水処理装置。
[8] 生物処理槽から限外ろ過膜までの間に、固液分離手段を備えない[6]または[7]に記載の水処理装置。
[9] 生物処理槽は、水処理装置の外部からの水を添加できる[1]〜[8]のいずれか一つに記載の水処理装置。
[10] 被処理水を、生物処理槽で好気処理および嫌気処理して生物処理水を得る工程と、
生物処理水を限外ろ過膜でろ過して限外ろ過膜処理水を得る工程と、
限外ろ過膜処理水を逆浸透膜に透過して透過水を得る工程を含み;
生物処理槽内の水質は、MLSS濃度が250〜4,000mg/Lであり、BOD汚泥負荷が0.01〜1kg・BOD/kg・MLSS/日であり、かつ、N汚泥負荷が0.01〜0.4kg・N/kg・MLSS/日であり;
好気処理が溶存酸素濃度1〜8mg/Lであり、
嫌気処理が溶存酸素濃度0mg/L以上1mg/L未満である、水処理方法。
[11] 生物処理槽がラグーンであり、
ラグーンが好気処理および嫌気処理を同時にできる水深であり、
好気処理および嫌気処理を連続式で行う[10]に記載の水処理方法。
[12] 生物処理槽がタンクであり、
タンクが好気処理および嫌気処理を共にできる担体を備え、
好気処理および嫌気処理を回分式で行う[10]に記載の水処理方法。
[13] タンクに曝気して好気処理を行う工程、および、
タンクに曝気しないで嫌気処理を行う工程を含む[12]に記載の水処理方法。
[14] 生物処理槽から逆浸透膜までの間に、酸化剤である殺菌剤を添加する工程を含む[10]〜[13]のいずれか一つに記載の水処理方法。
[15] 限外ろ過膜の薬品洗浄を1年間当たり6回以下の頻度で行う[10]〜[14]のいずれか一つに記載の水処理方法。
[16] 逆浸透膜の薬品洗浄を1年間当たり6回以下の頻度で行う[10]〜[15]のいずれか一つに記載の水処理方法。
本発明によれば、生物処理槽内においてMLSS濃度、BOD汚泥負荷およびN汚泥負荷がある程度高い場合に生物処理水を限外ろ過膜および逆浸透膜を用いて処理するときに、限外ろ過膜および/または逆浸透膜の薬品洗浄の頻度を抑制でき、低コストである水処理装置を提供できる。
図1は、本発明の水処理装置を用いた水処理方法の一例のフローチャートである。 図2は、従来の水処理装置を用いた水処理方法の一例のフローチャートである。 図3は、本発明の水処理装置を用いた水処理方法の他の一例のフローチャートである。
以下において、本発明について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、代表的な実施形態や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は「〜」前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
[水処理装置]
本発明の水処理装置は、被処理水を好気処理および嫌気処理して生物処理水を得られる生物処理槽と、生物処理水をろ過して限外ろ過膜処理水を得られる限外ろ過膜と、限外ろ過膜処理水を透過して透過水を得られる逆浸透膜を備え;
生物処理槽内の水質は、MLSS濃度が250〜4,000mg/Lであり、BOD汚泥負荷が0.01〜1kg・BOD/kg・MLSS/日であり、かつ、N汚泥負荷が0.01〜0.4kg・N/kg・MLSS/日であり;
好気処理が溶存酸素濃度1〜8mg/Lであり、嫌気処理が溶存酸素濃度0mg/L以上1mg/L未満である。
本発明によれば、生物処理槽内においてMLSS濃度、BOD汚泥負荷およびN汚泥負荷がある程度高い場合に生物処理水を限外ろ過膜および逆浸透膜を用いて処理するときに、限外ろ過膜および/または逆浸透膜の薬品洗浄の頻度を抑制でき、低コストである水処理装置を提供できる。生物処理槽内の水質が上記の条件範囲内となれば、本発明(本システム)が成り立つ。被処理水を好気処理および嫌気処理して生物処理水を得られる生物処理槽を用いることで、好気処理により被処理水のBOD(およびCOD(化学的酸素要求量)など)を大幅に除去でき、かつ、嫌気処理により被処理水のNHイオンなどが大幅に除去できる。そのため、各膜の閉塞までの時間を延長することができ、薬品洗浄の頻度を抑制できる。
以下、本発明の水処理装置の好ましい態様について説明する。
<水処理装置の全体的な構成>
本発明の水処理装置の全体的な構成の好ましい態様を、図面を用いて説明する。図1は、本発明の水処理装置を用いた水処理方法の一例のフローチャートである。
図1に示した水処理装置41は、被処理水1を好気処理および嫌気処理して生物処理水2を得られる生物処理槽21と、生物処理水2をろ過して限外ろ過膜処理水3を得られる限外ろ過膜22と、限外ろ過膜処理水3を透過して透過水4を得られる逆浸透膜23を備える。
水処理装置41は、図1に示すように排水5を処理できる排水処理設備31を備えることが好ましい。透過水4は、例えば図1に示すように工場51に用水として供給されることが好ましい。
一般的な曝気槽および沈殿槽を含むような排水処理設備では、工場からの排水に含まれるBOD、NHイオン、バイオポリマーなどを十分かつ効率的に除去できない。そのため、排水処理設備で処理された被処理水を生物処理槽で生物処理すると、生物処理槽内においてMLSS濃度、BOD汚泥負荷およびN汚泥負荷が高くなる。
ここで、図2は、従来の水処理装置を用いた水処理方法の一例のフローチャートである。例えば、特開2012−206066号公報に記載の水処理装置が、従来の水処理装置である。従来の水処理装置を用いた場合、BOD、NHイオン、バイオポリマーなどを含む被処理水1は、そのまま限外ろ過膜22でろ過され、限外ろ過膜処理水3として、逆浸透膜23に供給される。そして、限外ろ過膜処理水3は、逆浸透膜23で処理され、透過水4が得られる。しかし、BOD、NHイオン、バイオポリマーなどを含む被処理水1を従来の水処理装置で処理すると、工場51からの排水5に含まれるBOD、NHイオン、バイオポリマーなどは限外ろ過膜22または逆浸透膜23により除去される。そのため、各膜の閉塞が生じやすい。その結果、限外ろ過膜および/または逆浸透膜の物理洗浄(例えば、空気などを用いた逆洗)では安定運転が維持できない場合に行う、薬品を用いたCIP(クリーニングインプレイス洗浄)洗浄の頻度が多くなっていた。薬品を用いたCIP洗浄は水処理を止めて水処理装置の系内に薬品を循環させるので、水処理の効率が落ちる上、薬品コスト、電気代、人件費などがかかる。
なお、薬品を用いたCIP洗浄に用いられる薬品は酸、アルカリまたは洗浄剤であることが好ましい。被処理水が鉱物を多く含む場合は、酸が好ましい。酸としては、塩酸や硫酸、硝酸、クエン酸、シュウ酸、EDTAなどを挙げることができる。被処理水が有機物を多く含む場合はアルカリであることが好ましい。また、薬品は、限外ろ過膜への耐性を有する洗浄剤であることが好ましい。アルカリや限外ろ過膜への耐性を有する洗浄剤としては、次亜塩素酸またはその塩、水酸化ナトリウム、過酸化水素水などを挙げることができ、次亜塩素酸ナトリウムであることが好ましい。
これに対し本発明では、図1に示した水処理装置を用いて水処理を行う場合、BOD、NHイオン、バイオポリマーなどを含む被処理水1は、生物処理槽21で好気処理および嫌気処理され、生物処理水2として、限外ろ過膜22に供給される。生物処理水2は、限外ろ過膜22でろ過され、限外ろ過膜処理水3として、逆浸透膜23に供給される。限外ろ過膜処理水3は、逆浸透膜23で処理され、透過水4が得られる。BOD、NHイオン、バイオポリマーなどを含む被処理水1を水処理装置41で処理すると、工場51からの排水5に含まれるBOD、NHイオン、バイオポリマーなどを、好気処理および嫌気処理ができる生物処理槽21により効率的に除去できる。この場合、生物処理槽21内の水質は、MLSS濃度、BOD汚泥負荷およびN汚泥負荷が本発明で規定する特定の範囲となる。その結果、薬品を用いたCIP洗浄の頻度を劇的に抑制することができ、低コストで水処理ができる。すなわち、限外ろ過膜および逆浸透膜の最適な処理が可能となる。
図3は、本発明の水処理装置を用いた水処理方法の他の一例のフローチャートである。図3に示した水処理装置41は、本発明の水処理装置のより好ましい態様である。図3に示した水処理装置41は、好気処理できる曝気槽32および沈殿槽33を含む排水処理設備31と、生物処理槽21と、生物処理水2に対して凝集剤を添加できる凝集剤添加手段11と、酸化剤である殺菌剤を添加できる殺菌剤添加手段12と、限外ろ過膜22と、逆浸透膜23を備える。ただし、本発明では、凝集剤添加手段11は必須でなく、また殺菌剤添加手段12も必須ではない。図3に示した水処理装置41では、殺菌剤添加手段12を生物処理槽21から限外ろ過膜22までの間に備えているが、限外ろ過膜22から逆浸透膜23までの間に備えていてもよい。
以下、本発明の水処理装置を構成する各部分の好ましい態様を説明する。
<被処理水>
水処理装置に用いられる被処理水は、生物処理槽で好気処理および嫌気処理される際に生物処理槽内の水質についてMLSS濃度が250〜4,000mg/Lであり、BOD汚泥負荷が0.01〜1kg・BOD/kg・MLSS/日であり、かつ、N汚泥負荷が0.01〜0.4kg・N/kg・MLSS/日となる、被処理水である。
その他は特に制限はなく、例えば下水や工場の排水等の様々な種類の排水を、被処理水として用いることができる。特にBOD、NHイオン、バイオポリマーを含む被処理水を、より特にBOD、COD、NHイオン、バイオポリマーを含む被処理水を用いることができる。バイオポリマーとしては、糖やタンパク質を挙げることができる。BOD、NHイオン、バイオポリマーを含む排水を排出する工場としては、電子基板工場や、水産加工工場を挙げることができる。
排水に対して、必要に応じて適当な前処理をした水を被処理水として用いることが好ましい。前処理としては、工場などの排水処理設備における、曝気槽32による生物処理(好気処理)および沈殿槽33による沈殿処理、ならびにその他の一般的な中和処理や混和処理を挙げることができる。
被処理水は、被処理水のCODMn(過マンガン酸カリウムによる化学的酸素要求量)が2〜50mg/Lであることが好ましく、2〜30mg/Lであることがより好ましく、2〜10mg/Lであることが特に好ましい。
<排水処理設備>
本発明の水処理装置は、排水処理設備を備えていてもよい。排水処理設備は、曝気槽を少なくとも備えることが好ましく、曝気槽および沈殿槽を備えることがより好ましい。排水処理設備は、排水の調整槽、中和槽、混和槽をさらに備えていてもよい。
(曝気槽)
本発明の水処理装置は、生物処理槽の上流に、排水を好気処理して被処理水を得られる曝気槽を備えることが好ましい。
曝気槽は、曝気槽内の水質のMLSS濃度を計測できるMLSS計を備えることが好ましい。曝気槽内の水質のMLSS濃度を、下流の生物処理槽内の水質におけるMLSS濃度が本発明で規定する濃度となるように制御しながら、排水処理設備で排水を処理することが好ましい。
曝気槽におけるBOD汚泥負荷およびN汚泥負荷は、曝気槽に供給される排水の流量、曝気槽から流出する被処理水の流量、MLSS濃度(余剰汚泥の排出量や返送汚泥の量)等により調整することができる。
排水処理設備は1または複数の曝気槽を備えてもよく、複数の曝気槽を備えることが好ましい。なお、排水処理設備が複数の曝気槽を備える場合は、複数の曝気槽の水質の合計のMLSS濃度、BOD負荷量およびN負荷量を用いて、BOD汚泥負荷およびN汚泥負荷を算出することができる。
(沈殿槽)
本発明の水処理装置は、曝気槽および生物処理槽の間に、沈殿槽を備えることが好ましい。
排水処理設備は1または複数の沈殿槽を備えてもよく、複数の沈殿槽を備えることが好ましい。
<生物処理槽>
本発明の水処理装置は、被処理水を好気処理および嫌気処理して生物処理水を得られる生物処理槽を備える。本発明では、生物処理槽における好気処理が溶存酸素濃度1〜8mg/Lであり、2〜8mg/Lであることが好ましく、3〜7mg/Lであることがより好ましい。また、生物処理槽における嫌気処理が溶存酸素濃度0mg/L以上1mg/L未満であり、0〜0.5mg/Lであることが好ましく、0mg/Lであることがより好ましい。
生物処理槽内の水質は、MLSS濃度が250〜4,000mg/Lであり、500〜2,000mg/Lであることが好ましく、800〜1,500mg/Lであることがより好ましい。生物処理槽内の水質とは、好気処理および嫌気処理できる生物処理槽内の水質を意味する。水処理装置が排水を好気処理して被処理水を得られる曝気槽を備える場合も、曝気槽内における水質は本発明には関係しない。すなわち、好気処理および嫌気処理できる生物処理槽内における活性汚泥の量(単位:mg/L)をMLSS濃度とする。
生物処理槽内の水質は、BOD汚泥負荷が0.01〜1kg・BOD/kg・MLSS/日であり、0.05〜0.5kg・BOD/kg・MLSS/日であることが好ましく、0.1〜0.3kg・BOD/kg・MLSS/日であることがより好ましい。BOD汚泥負荷は、汚泥量に対する、被処理水中のBOD負荷量を意味する。好気処理および嫌気処理できる生物処理槽内における活性汚泥の量に対する被処理水中のBOD負荷量をBOD汚泥負荷とする。BOD負荷量は、公知の方法により測定することができる。
被処理水は、N汚泥負荷が0.01〜0.4kg・N/kg・MLSS/日であり、0.05〜0.3kg・N/kg・MLSS/日であることが好ましく、0.05〜0.2kg・N/kg・MLSS/日であることがより好ましい。N汚泥負荷は、汚泥量に対する排水中のN負荷量を意味する。好気処理および嫌気処理できる生物処理槽内における活性汚泥の量に対する、被処理水中のN負荷量をN汚泥負荷とする。N負荷量は、公知の方法により測定することができる。
生物処理槽は、生物処理槽内の水質のMLSS濃度を計測できるMLSS計を備えることが好ましい。生物処理槽内の水質のMLSS濃度が本発明で規定する濃度となるように制御しながら、排水処理設備で排水を処理することが好ましい。
生物処理槽内の水質のBOD汚泥負荷およびN汚泥負荷は、生物処理槽に供給される被処理水の流量、生物処理槽から流出する生物処理水の流量、生物処理槽内の水質のMLSS濃度(余剰汚泥の排出量や返送汚泥の量)等により調整することができる。
生物処理槽は、水処理装置の外部からの水を添加できることが、TDS(溶解性物質)の濃度を低減することができ、逆浸透膜の閉塞までの時間を延長できる観点から好ましい。例えば、雨水を生物処理槽に添加できることが好ましい。具体的には、生物処理槽(特にラグーン)の上方を開放系とすること、すなわち上方に覆いを設けないことが好ましい。
被処理水を好気処理および嫌気処理して生物処理水を得られる生物処理槽は、ラグーンまたはタンクであることが好ましい。
(ラグーン)
本発明では、生物処理槽がラグーンであり、ラグーンが好気処理および嫌気処理を同時にできる水深であることが好ましい。本明細書中、ラグーンは酸化池に限定されず、ラグーンには、陸地に囲まれた池(人工的なため池も含む)や、海の一部が湖沼化した池(潟、潟湖、礁湖)などが含まれる。特に、ため池に過ぎなかったラグーンを利用することが好ましい。土地の入手コストの方が、設備コストよりも安い場合、生物処理槽はラグーンであることが最適である。
ラグーンでは、その上層部で好気処理が行われ、下層部で嫌気処理が行われる。処理の過程として、長時間の滞留時間(例えば5〜30日間)により、まず、上層部に藻類などが繁殖し、藻類などの光合成によりラグーン内に酸素が供給される。次に、上層部において藻類などから供給された酸素を使って、被処理水中の有機物を好気性細菌が分解および処理する。なお、藻類などの種類は光合成を行うことができればその他は特に制限はなく、一般的な水生植物を使用することができる。例えば、特開平5−154498号公報の[0007]に記載の水生植物を使用することができる。
一方、下層部においては、水深が深いため、日光が届かず、藻類の繁殖および光合成が行われないため、酸素の供給がなく嫌気状態になる。ラグーンの底には、被処理水中の沈降性の高い物質が沈殿するため、沈殿した物質は嫌気性発酵により、ゆっくり分解される。
生物処理槽としてラグーンを用いることにより、排水処理設備の曝気槽では除去が困難なバイオポリマー(糖、たんぱく質など)をラグーン内のさまざまな微生物が分解することができ、被処理水からバイオポリマーも効率的に除去できる。
ラグーンでは、連続式処理を行うことが好ましい。すなわち、好気処理および嫌気処理を連続式で行うことが好ましい。
ラグーンの大きさに制限はなく、大きいほど好ましい。ラグーンは容積が1000m以上であることが好ましく、10000m以上であることがより好ましく、30000m以上であることが特に好ましい。ラグーンの水面積は100m以上であることが好ましく、1000m以上であることがより好ましく、15000m以上であることが特に好ましい。ラグーンの平均水深は1mを超えることが好ましく、1.5m以上であることがより好ましく、2.0m以上であることが特に好ましい。
ラグーンは、曝気装置や撹拌装置を備える必要はない。
ラグーンは、汚泥の排出設備を備えていても、備えていなくてもよい。ラグーンが汚泥の排出設備を備えない場合、ある程度時間経過したら別のラグーンを用いて好気処理および嫌気処理を同時に行い、元のラグーンでは底部の汚泥を取り除いて再生させることが好ましい。この場合、2以上のラグーンが連なったものであることが好ましい。
(タンク)
本発明では、生物処理槽がタンクであり、タンクが好気処理および嫌気処理を共にできる担体を備えることが好ましい。
好気処理および嫌気処理を共にできる担体としては特に制限はなく、公知の形状の単体を用いることができる。微生物を特定の担体に担持させて、生物処理槽の中に入れることで、担体の表面に好気性細菌が繁殖し、担体の内部で嫌気性細菌が繁殖できるため、一つの生物処理槽で好気処理と嫌気処理を共にできる。好気性細菌および嫌気性細菌を同時に水中に入れることで、汚染物質を分解した微生物を別の微生物が食べることができ、汚泥が少なく汚染物質が一時的に減った場合でも、微生物が全滅しにくい。
タンクでは、回分式処理を行うことが好ましい。すなわち、好気処理および嫌気処理を回分式で行うことが好ましい。
タンクの大きさに制限はなく、大きいほど好ましい。タンクは容積が100m以上であることが好ましく、500m以上であることがより好ましく、750m以上であることが特に好ましい。生物担体の量は10〜1000mであることが好ましく、100〜500mであることがより好ましく、200〜300mであることが特に好ましい。
タンクは、ブロワーなどの公知の曝気装置を備えることが好ましく、曝気装置の電源のONとOFFを任意のタイミングで切り替えられるスイッチを備えることがより好ましい。この構成により、タンクに曝気して好気処理を行う工程、および、タンクに曝気しないで嫌気処理を行う工程を適宜行うことができる。タンクは、好気処理および嫌気処理を回分式で行うことができることが好ましい。
<凝集剤添加手段>
本発明の水処理装置は、生物処理槽から限外ろ過膜までの間に、凝集剤添加手段を備えることが好ましい。
凝集剤としては、無機凝集剤および高分子凝集剤を挙げることができる。無機凝集剤としては、硫酸アルミニウム(硫酸バンド)、ポリ塩化アルミニウム(PAC)、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、ポリ硫酸鉄、ポリシリカ鉄が例示される。これらの中でも、硫酸バンドおよびPACが好ましく、pH調整せずに用いられる観点からPACがより好ましい。高分子凝集剤としては、両性高分子凝集剤、ノニオン性高分子凝集剤、アニオン性高分子凝集剤、カチオン性高分子凝集剤などを挙げることができる。これらの中でも、両性高分子凝集剤またはアニオン性高分子凝集剤が好ましい。
凝集剤の添加量としては特に制限はないが、沈殿槽などの固液分離手段を用いずにフロックを除去できるような粒径のフロックが形成できるように、適宜調整することが好ましい。
<殺菌剤添加手段>
本発明の水処理装置は、生物処理槽から逆浸透膜までの間に、殺菌剤を添加できる殺菌剤添加手段を備えることが好ましく、酸化剤である殺菌剤を添加できる殺菌剤添加手段を備えることがより好ましい。殺菌剤添加手段と凝集剤添加手段の設置順序は特に限定されず、いずれが先であってもよく、実質的に同時に殺菌剤と凝集剤を添加してもよい。
殺菌剤としては特に制限はなく、酸化剤、スライムコントロール剤、アルカリ剤を挙げることができる。
酸化剤としては、塩素系酸化剤、臭素系酸化剤、オゾンを挙げることができる。特に、被処理水を塩素系酸化剤で殺菌することにより、逆浸透膜の膜面のバイオファウリングを抑制することが、より限外ろ過膜および/または逆浸透膜の薬品洗浄の頻度を抑制する観点から好ましい。ただし、水処理の条件にあわせて最適な殺菌剤を選択できる。
塩素系酸化剤としては、二酸化塩素、次亜塩素酸、次亜塩素酸ナトリウムなどを挙げることができ、次亜塩素酸ナトリウムがより好ましい。また、特開2015−174018号公報の[0036]に記載の添加剤を用いてもよい。
殺菌剤の添加量としては特に制限はないが、被処理水が殺菌剤を0.1〜10mg/L(より好ましくは0.5〜5mg/L、特に好ましくは2〜5mg/L)含むように、殺菌剤を添加することが好ましい。水処理装置は、被処理水の残留塩素測定手段と、残留塩素測定手段から得られたデータに応じて塩素系酸化剤の添加量を制御する手段を備えることが好ましい。被処理水の残留塩素が0.1mg/L以上になるまで、塩素系酸化剤を添加することが好ましく、0.2mg/L以上になるまで添加することがより好ましい。
<限外ろ過膜>
本発明の水処理装置は、生物処理水をろ過して限外ろ過膜処理水を得られる限外ろ過膜を備える。
限外ろ過膜を用いる膜処理は特に制限はない。例えば、温度30℃程度の排水に対して、凝集剤を添加し、調製された排水を限外ろ過膜に透過させる方法を挙げられる。
限外ろ過膜の開口径は特に制限はなく、0.01〜0.05μmであることが好ましく、0.01〜0.02μmであることがより好ましい。
本発明では、限外ろ過膜の薬品洗浄を1年間当たり6回以下の頻度で行うことができ、1年間当たり4回以下の頻度で行うことが好ましく、1年間当たり3回以下の頻度で行うことがより好ましい。
<中和手段>
本発明の水処理装置は、殺菌剤添加手段の下流から逆浸透膜までの間に中和手段を備え、中和手段が中和剤を添加することが、殺菌手段で塩素系酸化剤を用いる場合に塩素系酸化剤による逆浸透膜の分解を抑制する観点から好ましい。
水処理装置は、被処理水の残留塩素測定手段と、残留塩素測定手段から得られたデータに応じて中和剤の添加量を制御する手段を備えることが好ましい。被処理水の残留塩素が0mg/Lになるまで中和手段が中和剤を添加することが好ましい。
中和剤としては、重亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムを挙げることができ、重亜硫酸ナトリウムがより好ましい。
<逆浸透膜>
本発明の水処理装置は、限外ろ過膜処理水を透過して透過水を得られる逆浸透膜を備える。
逆浸透膜の開口径は特に制限はなく、0.001〜0.005μmであることが好ましく、0.001〜0.002μmであることがより好ましい。
本発明では、逆浸透膜の薬品洗浄を1年間当たり6回以下の頻度で行うことができ、1年間当たり4回以下の頻度で行うことが好ましく、1年間当たり3回以下の頻度で行うことがより好ましい。
逆浸透膜の材料としては特に制限はなく、例えばポリアミド膜などを用いることができる。
<透過水>
本発明の水処理装置によって、被処理水を逆浸透膜処理し、透過水(回収水とも言われる)として回収して、再利用することができる。例えば、工場からの排水を工業用水並みの水質の透過水として回収し、用水(工業用水)として再利用することができる。また、透過水は、無菌水として再利用することができる。
<その他の装置>
水処理装置は、その他の機能を有する部分を備えていてもよい。例えば、pH調整手段を備えていてもよい。
また、水処理装置には、生物処理槽から限外ろ過膜までの間、または限外ろ過膜の下流に沈殿槽、浮上槽、遠心分離機などの固液分離手段を設けてもよい。ただし、本発明の水処理装置は生物処理槽から限外ろ過膜までの間、または限外ろ過膜の下流に、固液分離手段がなくても連続稼働できるため、固液分離手段を備えないことがコストを低減する観点から好ましい。特に生物処理槽から限外ろ過膜までの間に固液分離手段を備えないことがより好ましい。
[水処理方法]
本発明の水処理方法は、被処理水を、生物処理槽で好気処理および嫌気処理して生物処理水を得る工程と、生物処理水を限外ろ過膜でろ過して限外ろ過膜処理水を得る工程と、限外ろ過膜処理水を逆浸透膜に透過して透過水を得る工程を含み;
生物処理槽内の水質は、MLSS濃度が250〜4,000mg/Lであり、BOD汚泥負荷が0.01〜1kg・BOD/kg・MLSS/日であり、かつ、N汚泥負荷が0.01〜0.4kg・N/kg・MLSS/日であり;
好気処理が溶存酸素濃度1〜8mg/Lであり、嫌気処理が溶存酸素濃度0mg/L以上1mg/L未満である。
本発明の水処理方法の好ましい態様は、本発明の水処理装置の好ましい態様と同様である。
さらに、本発明の水処理方法は、無菌水の製造方法として用いることができる。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
[実施例1]
図3に記載の水処理装置を準備し、実施例1で用いた。
電子基板工場からの排水に対して、排水処理設備で排水処理を行い、被処理水を得た。排水処理施設は、調整槽、中和槽、混和槽、曝気槽(2系列)および沈殿槽(2系列)を備える施設を用いた。被処理水は、CODMnが2〜50mg/Lであった。
被処理水を、好気処理および嫌気処理して生物処理水を得られる生物処理槽に導入し、生物処理水を得た。生物処理槽として、ラグーンを用いた。ラグーンは、容積32000m、水面積16000m、平均水深が約2.0mであり、好気処理および嫌気処理を行った。ラグーンでは、水面から水深約1.0mまでの上層部では藻類が繁殖し、溶存酸素濃度2〜8mg/Lであった。また、水深が1.0mを超える下層部では藻類が繁殖せず、溶存酸素濃度0mg/L以上1mg/L未満であった。なお、ラグーンでは連続式処理を行い、被処理水のラグーンでの平均滞留時間は5〜30日間であった。
生物処理槽内の水質は、MLSS濃度が2,500〜4,000mg/Lであり、BOD汚泥負荷が0.01〜0.03kg・BOD/kg・MLSS/日であり、かつ、N汚泥負荷が0.01〜0.1kg・N/kg・MLSS/日であった。
生物処理水に対して、無機凝集剤としてポリ塩化アルミニウム(PAC)を添加し、さらに殺菌剤として塩素系酸化剤を添加した。これらの薬剤が添加された生物処理水を、限外ろ過膜に通過させて、限外ろ過膜処理水を得た。
限外ろ過膜処理水に圧力をかけて、ポリアミド系逆浸透膜を透過させて、透過水を得た。
実施例1の水処理装置を用いた水処理を1年間行ったところ、限外ろ過膜の薬品洗浄の頻度は1年間当たり2回であり、逆浸透膜の薬品洗浄の頻度は1年間当たり2回であった。なお、ここでいう薬品洗浄とは、水処理を止めて、各膜に薬品を循環させるCIP洗浄(クリーニングインプレイス洗浄)を意味する。
[比較例1]
ラグーンを設けなかった以外は実施例1と同様にしたものを比較例1の水処理装置とした。
実施例1と同様にして、比較例1の水処理装置を用いて水処理を1年間行ったところ、限外ろ過膜の薬品洗浄の頻度は1年間当たり12回であり、逆浸透膜の薬品洗浄の頻度は1年間当たり12回であった。
[実施例2]
ラグーンの代わりに、好気処理および嫌気処理を共にできる担体を備えるタンクを生物処理槽として用いた以外は実施例1と同様にしたものを実施例2の水処理装置とした。実施例2の水処理装置で生物処理槽として用いたタンクは、容積785mであり、生物担体240mを配置した。
電子基板工場からの排水の代わりに水産加工工場からの排水を用い、実施例1の水処理装置の代わりに実施例2の水処理装置を用いた以外は実施例1と同様にして、水処理を行った。適宜、ブロワーの電源を入れてタンク内に空気を導入して曝気する時間帯(好気処理時)と、ブロワーの電源を切って曝気しない時間帯(嫌気処理時)を設定した。好気処理時は溶存酸素濃度2〜8mg/Lとなり、嫌気処理時は溶存酸素濃度0mg/L以上1mg/L未満となるように制御した。なお、実施例2では、生物処理槽では回分式処理を行った。
その結果、被処理水は、CODMnが2〜50mg/Lであった。生物処理槽内の水質は、MLSS濃度が800〜1,500mg/Lであり、BOD汚泥負荷が0.1〜0.3kg・BOD/kg・MLSS/日であり、かつ、N汚泥負荷が0.05〜0.2kg・N/kg・MLSS/日であった。また、限外ろ過膜の薬品洗浄の頻度は1年間当たり2回であり、逆浸透膜の薬品洗浄の頻度は1年間当たり2回であり、限外ろ過膜および逆浸透膜の薬品洗浄の頻度を抑制できることがわかった。
以上より、本発明の水処理装置により、生物処理槽内においてMLSS濃度、BOD汚泥負荷およびN汚泥負荷がある程度高い場合に生物処理水を限外ろ過膜および逆浸透膜を用いて処理するときに、限外ろ過膜および/または逆浸透膜の薬品洗浄の頻度を減らせることがわかった。また、本発明の水処理装置は設備コストが低く、低コストであった。なお、実施例1および比較例1の比較より、薬品洗浄に伴う薬品コストは約8割削減できることがわかった。
1 被処理水
2 生物処理水
3 限外ろ過膜処理水
4 透過水
5 排水
11 凝集剤添加手段
12 殺菌剤添加手段
21 生物処理槽
22 限外ろ過膜
23 逆浸透膜
31 排水処理設備
32 曝気槽
33 沈殿槽
41 水処理装置
51 工場

Claims (16)

  1. 被処理水を好気処理および嫌気処理して生物処理水を得られる生物処理槽と、
    前記生物処理水をろ過して限外ろ過膜処理水を得られる限外ろ過膜と、
    前記限外ろ過膜処理水を透過して透過水を得られる逆浸透膜を備え;
    前記生物処理槽内の水質は、MLSS濃度が250〜4,000mg/Lであり、BOD汚泥負荷が0.01〜1kg・BOD/kg・MLSS/日であり、かつ、N汚泥負荷が0.01〜0.4kg・N/kg・MLSS/日であり;
    前記好気処理が溶存酸素濃度1〜8mg/Lであり、
    前記嫌気処理が溶存酸素濃度0mg/L以上1mg/L未満である、水処理装置。
  2. 前記生物処理槽がラグーンであり、
    前記ラグーンが、前記好気処理および前記嫌気処理を同時にできる水深である、請求項1に記載の水処理装置。
  3. 前記生物処理槽がタンクであり、
    前記タンクが、前記好気処理および前記嫌気処理を共にできる担体を備える、請求項1に記載の水処理装置。
  4. 前記生物処理槽の上流に、排水を好気処理して前記被処理水を得られる曝気槽を備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載の水処理装置。
  5. 前記曝気槽および前記生物処理槽の間に、沈殿槽を備える、請求項4に記載の水処理装置。
  6. 前記生物処理槽から前記限外ろ過膜までの間に、凝集剤添加手段を備える、請求項1〜5のいずれか一項に記載の水処理装置。
  7. 前記生物処理槽から前記逆浸透膜までの間に、酸化剤である殺菌剤を添加できる殺菌剤添加手段を備える、請求項1〜6のいずれか一項に記載の水処理装置。
  8. 前記生物処理槽から前記限外ろ過膜までの間に、固液分離手段を備えない、請求項6または7に記載の水処理装置。
  9. 前記生物処理槽は、前記水処理装置の外部からの水を添加できる、請求項1〜8のいずれか一項に記載の水処理装置。
  10. 被処理水を、生物処理槽で好気処理および嫌気処理して生物処理水を得る工程と、
    前記生物処理水を限外ろ過膜でろ過して限外ろ過膜処理水を得る工程と、
    前記限外ろ過膜処理水を逆浸透膜に透過して透過水を得る工程を含み;
    前記生物処理槽内の水質は、MLSS濃度が250〜4,000mg/Lであり、BOD汚泥負荷が0.01〜1kg・BOD/kg・MLSS/日であり、かつ、N汚泥負荷が0.01〜0.4kg・N/kg・MLSS/日であり;
    前記好気処理が溶存酸素濃度1〜8mg/Lであり、
    前記嫌気処理が溶存酸素濃度0mg/L以上1mg/L未満である、水処理方法。
  11. 前記生物処理槽がラグーンであり、
    前記ラグーンが前記好気処理および前記嫌気処理を同時にできる水深であり、
    前記好気処理および前記嫌気処理を連続式で行う、請求項10に記載の水処理方法。
  12. 前記生物処理槽がタンクであり、
    前記タンクが前記好気処理および前記嫌気処理を共にできる担体を備え、
    前記好気処理および前記嫌気処理を回分式で行う、請求項10に記載の水処理方法。
  13. 前記タンクに曝気して前記好気処理を行う工程、および、
    前記タンクに曝気しないで前記嫌気処理を行う工程を含む、請求項12に記載の水処理方法。
  14. 前記生物処理槽から前記逆浸透膜までの間に、酸化剤である殺菌剤を添加する工程を含む、請求項10〜13のいずれか一項に記載の水処理方法。
  15. 前記限外ろ過膜の薬品洗浄を1年間当たり6回以下の頻度で行う、請求項10〜14のいずれか一項に記載の水処理方法。
  16. 前記逆浸透膜の薬品洗浄を1年間当たり6回以下の頻度で行う、請求項10〜15のいずれか一項に記載の水処理方法。
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