JPH0431160Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は歩み板を用いる荷役時に、歩み板を荷
台下から引出して荷役を行ない、歩み板を用いな
い荷役時には歩み板を荷台下に格納しておいて荷
役するところの特に歩み板の格納・引出しと、荷
台面への上げ下げの機構が簡易に省略化されてい
る貨物自動車の自動歩み装置に関する。

（従来の技術） たとえば出願人が実願昭62−85338号に提案し
ている自動歩み装置がある。

この装置は、歩み板の自動引出し・格納のため
の専用のシリンダを備えたイ機能系と、歩み板を
格納部高さと荷台面高さとの両レベルに自動上げ
下げする専用のシリンダを備えたロ機構系の双方
を有している。

詳しくは、歩み板を用いる荷役時には、先ずイ
機構系におけるシリンダのピストンロツドを伸動
させて格納部内の歩み板を引出した後、次いでロ
機構系におけるシリンダのピストンロツドを伸動
させて格納部高さの歩み板前端部を荷台面と面一
になる高さレベルに押し上げするものであり、そ
して、歩み板を用いない荷役時には反対の作動順
序を経て行なうようになつているものである。

（考案が解決しようとする問題点） ところで、歩み板の引出し・格納と上げ下げに
夫々専用の機構系およびシリンダを要していて、
一本のシリンダで歩み板を引出し・格納そして上
げ下げまで行なうことができない構成になつてい
る。

本考案はこのような事情に鑑みてなされたもの
で、駆動源を一本のシリンダとし、且つガイドレ
ールのみによる省力化された誘導系によつて、歩
み板の引出し・格納から上げ下げまで全てが行な
われ、しかも歩み板が軽量化されている自動歩み
装置を提供することを目的とする。

（問題点を解決するための手段） 本考案は斯る目的を達成するために、荷台下面
の後部左右に後端部を残して格納される左右の歩
み板のその後端部に亘つて連結杆を架設し、この
連結杆に荷台下面のシリンダのピストンロツドを
接続し、荷台下に格納位置の歩み板下面に沿い荷
台テール部の開口を抜けて同テール部後脇に突出
状のガイドレールを配設し、このガイドレールに
おけるレール後端部の起立状ガイド部分で同ガイ
ド部分と適合する凹条溝を下面の前後両端部間に
形設した歩み板を前後に移動規制可能にするとと
もにこのガイド部分における荷台下のレール面部
と傾斜状レール面部を経て連続状のレール面部分
を、同レール面部分に歩み板がその前端部上面を
荷台テール部後脇の荷台面と面一状の引出し位置
に誘導される高さ関係に形設してなることを特徴
とする。

（作用） ガイドレールのガイド部分が、ピストンロツド
の伸動にともないレール面部上を滑つて後動して
くる歩み板を荷台テール部側に後動案内しなが
ら、同時にその前端部を傾斜状レール面部、レー
ル面部分で荷台テール部後脇の荷台面高さに上動
案内し、歩み板は格納位置から荷台テール部の開
口を通つて引出された状態で、その前端部が荷台
テール部の後脇に荷台面と面一になる。

そして、レール面部分、傾斜状レール面部が、
ピストンロツドの縮動にともない荷台下のレール
面部に向けて移動する歩み板前端部を荷台テール
部後脇における荷台面の高さの引出し位置から荷
台下のレール面部上に誘導し、歩み板はレール面
部上を再びガイド部分に誘導されて格納位置に移
動する。

それにより、歩み板は一本のシリンダの駆動力
を受けてガイドレールに誘導されて、荷台下のレ
ール面部上の格納位置と、その前端部がガイト部
分のレール面部分上の引出し位置とに移動するこ
とになる。

（実施例） 以下図面を参照して本考案の実施の一例を詳細
に説明する。

図中、Ａは自動歩み装置であり、同装置Ａは貨
物自動車１の荷台２後部に、歩み板３を使わない
場合における荷役作業に支障のないように装設し
ている。

そのために、荷台２下面の後部左右に格納部４
を設けてその出入り口となる開口５を荷台テール
部６に形成し、各格納部４には歩み板３を引出し
自在に後端部を残して格納し、各歩み板３の後端
部に亘つて連結杆７を架設し、この連結杆７に荷
台２下面のシリンダ８のピストンロツド９を接続
していて、ピストンロツド９の伸縮作動により連
結杆７を通じて左右の歩み板３が格納部４から同
時に引出され、そして格納部４内に同時に格納さ
れるようにしている。

歩み板３は荷台２後端と地上とを橋渡し可能な
長尺状に形成していて、その後端部の孔１０に連
結杆７を遊貫し、前端部下面３ａを格納部４内か
ら開口５後方まで配設されているガイドレール１
１上に滑動可能に乗せており、後端部側を連結杆
７で支持されて、前端部側をガイドレール１１で
案内された状態で引出し・格納されるようにして
いる。

又、歩み板３は前端部下面３ａと後端部下面と
の間の下面部分にガイドレール１１のガイド部分
１２と適合する凹条溝１３を前後方向に設けてい
て、格納位置から荷台テール部６後脇に引出され
る直前の間をガイド部分１２に誘導規制されて前
後移動するようにしている。

連結杆７はピストンロツド９が接続している杆
中央部の両脇部からガイド杆１４をシリンダ８と
平行状に延設して、このガイド杆１４の前端のロ
ール１５がシヤーシフレーム１ａ側のガイドレー
ル１６に、且つガイド杆１４自体はシヤーシフレ
ーム１ａ側のロール１７に夫々案内されて、連結
杆７はガイド杆１４を通じてガイドレール１６お
よびロール１７に誘導されながら格納部４の高さ
レベルで水平状態を維持して前後移動して歩み板
３後端部を格納部４と直線で結ぶラインに沿い前
後動せしめうるようにしている。

シリンダ８の伸縮ストロークは連結杆７を押出
し・後退させて、連結杆７と連動状の歩み板３を
格納位置と、歩み板前端部がガイドレール１２に
導かれて荷台テール部６の後脇における荷台面２
ａ高さまで引出される引出し位置とに移動せしめ
うるように設定している。

ガイドレール１１は、格納部４内の底面部分に
前後方向に沿い敷設されているレール面部１８
と、開口５から荷台テール部６後脇に突出状のレ
ール後端部のガイド部分１２で形成している。

レール面部１８は、同レール面を歩み板３がそ
の前端部下面３ａを乗せた状態で、格納位置と引
出し位置直前とに滑動して前後に移動自在な高さ
関係の水平状に形設している。

ガイド部分１２は開口５から荷台テール部６後
脇に突出状のレール後端部に立設していて、この
ガイド部分１２は歩み板３の凹条溝１３に遊合し
ていて、歩み板３を格納位置と引出し位置方向と
に誘導規制する。

そしてガイド部分１２は頂面部のレール面部分
２０を荷台２下のレール面部１８と傾斜状レール
面部１９を経て連続状に形成すると共にこのレー
ル面部分２０の高さを同レール面部分２０に移乗
状態の歩み板３の前端部上面３ｂが荷台面２ａと
面一になる関係に形設していて、歩み板３前端部
を格納位置から荷台テール部６後脇における荷台
面２ａ高さの引出し位置に、反対に、同引出し位
置から格納位置に誘導しうるようにしている。

レール面部分２０は水平状であるのが望まし
く、荷役時の荷重が歩み板３を格納部４内に動か
す力として働かぬようにしている。

ガイド部分１２の内側の荷台テール部６には歩
み板３の左右スライド用のガイドレール２１をそ
のレール面２２がレール面部分２０と面一の水平
状に沿設していて、引出し位置に引出した状態の
歩み板３をガイドレール２１側にスライド移乗さ
せて、左右の歩み板３間隔を積載物に応じて自在
に調整しうるようにしている。このガイドレール
２１およびガイド部分１２の下側には荷台テール
部６との間に補強板２３を設けて、荷役荷重に耐
えるようにしている。

図面上で、歩み板３における凹条溝１３を下面
の中央と左右両側縁に三本並列状に設け、これに
対応して、ガイドレール１１を同間隔状に三本並
列せしめた態様を例示しているが、特にこの態様
では引出し位置において歩み板３の前端部下面３
ａがその左右端部を夫々ガイド部分１２によつて
支持されることになるので、引出し位置での歩み
板３の座わり安定性が良く且つガイドレール２１
との間のスライド移乗がスムーズである。

この歩み板３における凹状溝１３数とガイドレ
ール１１の本数は図面に例示した態様に限定され
るものではない。たとえば、一条の凹条溝１３を
歩み板３の中央に沿い広幅状に設けて、同じく一
本のガイドレール１１を凹条溝１３と適合する広
幅状のガイド部分１２を有する態様とするも良
く、又、二条の凹条溝１３を歩み板３下面の左右
両側縁に沿いやや広幅状に設けて、この各凹条溝
１３と適合するやや広幅状のガイド部分１２を有
する二本のガイドレール１１を所要の間隔に並列
せしめた態様としても良く、さらに、ガイドレー
ル１１と凹条溝１３を夫々三本以上に構成するこ
とも任意である。

又、上記実施例では、荷台２下面の後端部２４
を開口５にかけてレール後端部１ａの傾斜角と同
角度の斜面状に形設していて、引出し位置に引出
された歩み板３前端部が荷台テール部６との間に
僅かの隙間を残すだけで近接しうるようにしてい
る。

又、第９図に例示する通り、歩み板３を左右各
２本の計４本にした態様とするも良い。

これにより、格納位置の歩み板３は、シリンダ
８がコントロールボツクス２５によつて適時指令
操作されるのにともない、ガイドレール１１およ
びレール後端部のガイド部分１２に誘導されて荷
台２下の格納位置と、荷台テール部後脇の荷台面
２ａ高さの引出し位置とに移動し、且つ人為的に
左右の歩み板３間隔を積載物に応じて調整自在で
ある。

（考案の効果） したがつて、本考案によれば次の利点がある。

一本のシリンダによる駆動系と、ガイドレー
ルのみによる誘導機構系によつて、歩み板前端
部を荷台下の格納位置と荷台テール部後脇の荷
台面高さの引出し位置とに誘導して移動せしめ
ることができて、その省略化された構造および
コントロールボツクスによる製作面そして操作
面並びに経済面に有益である。

省略化された構造によつて軽量であり、種々
の経済的効果がある。

特に、歩み板が凹条溝によつていわば肉抜き
された軽量構造になつていて、シリンダも能力
が１ランク下の軽量のもので良く、駆動系まで
含めて全体が軽量である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の自動歩み装置を貨物自動車に
組込んだ状態の正面図。第２図は部分拡大斜視
図。第３図は−線に沿える縦断面図。第４図
は−線に沿える縦断面図。第５図は−線
に沿える縦断面図。第６図は歩み板を引出した状
態の部分拡大斜視図。第７図は−線に沿える
縦断面図。第８図は歩み板の斜視図。第９図は本
考案自動歩み装置の他の実施例を示す斜視図で歩
み板を引出している。 図中、２は荷台、２ａは荷台面、３は歩み板、
３ｂは前端部上面、５は開口、６は荷台テール
部、７は連結杆、８はシリンダ、９はピストンロ
ツド、１１はガイドレール、１２はガイド部分、
１３は凹条溝、１８はレール面部、１９は傾斜状
レール面部、２０はレール面部分。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 荷台下面の後部左右に後端部を残して格納され
   る左右の歩み板のその後端部に亘つて連結杆を架
   設し、この連結杆に荷台下面のシリンダのピスト
   ンロツドを接続し、荷台下の格納位置の歩み板下
   面に沿い荷台テール部の開口を抜けて同テール部
   後脇に突出状のガイドレールを配設し、このガイ
   ドレールにおけるレール後端部の起立状ガイド部
   分で同ガイド部分と適合する凹条溝を下面の前後
   両端部間に形設した歩み板を前後に移動規制可能
   にするとともにこのガイド部分における荷台下の
   レール面部と傾斜状レール面部を経て連続状のレ
   ール面部分を、同レール面部分に歩み板がその前
   端部上面を荷台テール部後脇の荷台面と面一状の
   引出し位置に誘導される高さ関係に形設してなる
   貨物自動車の自動歩み装置。