JPH0431156Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は貨物自動車の自動歩み装置に関し、さ
らに詳しくは、歩み板を用いる荷役時に、歩み板
を荷台下から引出して荷役を行ない、歩み板を用
いない荷役時には歩み板を荷台下に格納しておい
て荷役する貨物自動車の自動歩み装置に関係して
いる。

（従来の技術） 荷台下の格納部に歩み板を出入りするのに、手
動タイプ（第１０図）と、出願人が実願昭60−
8809号に提案している自動タイプの双方があり、
一本で120Kg程度もある歩み板を、前者は人力に
よつて格納・引出し、後者はモーター等を用いて
機械的に格納・押出していて、後者では前者にお
ける危険負担そして労力が解消され且つ迅速に出
入り可能に改善されいてる。

（考案が解決しようとする問題点） ところで、歩み板を用いた荷役時に、格納部か
ら押出して地面に降ろした歩み板の後端部と地面
との間には段差ができ、この段差が問題となる。

すなわち、歩み板は折れ強度が高くて重荷重に
耐え得るものであることを必要条件とされている
ことにより、その厚み相当の段差を避けられず、
この段差によつて、地面と歩み板との間の重量物
の移動がピツチングをともなつてスムーズに行か
ない問題を残している。

又、歩み板の前端部上面と荷台面との間に段差
が生じないように、手動タイプでは格納部から引
出した歩み板前端部を荷台テール部のフツク部に
掛けるために、大人２人分程もある歩み板を中腰
で上げ下げする大変な労力を必要とすると共に危
険負担が大きい問題がある。

本考案はこのような事情に鑑みてなされたもの
で、重量物が歩み板と地面との間をピツチングせ
ずにスムーズに移動できて、しかも道板の押出
し・後退に連動して、歩み板を同時に格納・引出
しすることができ、さらにその動力を利用して、
歩み板を引出し位置で荷台面と同じ高さに自動的
にセツテイングせしめることができる自動歩み装
置を提供することを目的とする。

（問題点を解決するための手段） 本考案は斯る目的を達成するために、荷台下面
の後部左右に格納部をその出入り口を荷台テール
部に開口させて設け、各格納部に歩み板を引出し
自在に後端部を残して格納し、各歩み板の後端部
に亘つて道板を連結し、この道板に荷台下面のシ
リンダのピストンロツドを接続し且つ出入り口下
縁から後方に延設した歩み板の受け台と歩み板と
を、歩み板の前端部が受け台に達する引出し位置
近くから両者が高さ補正要素により相互に連絡し
て、歩み板の後動にともない歩み板前端部の上面
が荷台面の高さにまで押上げられる連絡関係にし
てなる構成としたことを特徴とする。

（作用） 道板が押出されて地面に接地すると同時に、格
納部から引出された歩み板が高さ補正要素によつ
て荷台面と同じ高さに自動的にセツトされ、道板
で段差を埋められた地面から荷台面まで段差がな
く橋渡しされる。

そして、道板が左右の歩み板とシリンダの接続
媒体となつていて、シリンダの駆動に左右の歩み
板が連動して左右同時に等しく格納・引出し、そ
して上下動作する。

（実施例） 以下図面を参照して本考案の実施の一例を詳細
に説明する。

図中、Ａは自動歩み装置であり、同装置Ａは貨
物自動車１の荷台２後部に、歩み板３を使わない
場合における荷役作業に支障のないように装設し
ている。

そのために、荷台２下面の後部左右に格納部４
をその出入り口５を荷台テール部６に開口させて
設け、各格納部４には歩み板３を引出し自在に後
端部を残して格納し、各歩み板３の後端部に亘つ
て道板７を連結し、この道板７に荷台２下面のシ
リンダ８のピストンロツド９を接続していて、ピ
ストンロツド９の伸縮作動により道板７を押出
し・後退自在にすると共に、この道板７を通じて
左右の歩み板３が格納部４から同時に引出され、
そして格納部４内に同時に格納されるようにして
いる。又、荷台テール部６には出入り口５下縁か
ら受け台１０を後方に水平状に延設し、この受け
台１０と歩み板３とを、歩み板３の前端部が受け
台１０に達する引出し位置近くから両者が高さ補
正要素１１により相互に連絡して、歩み板３の後
動にともない歩み板３前端部の上面が荷台２面の
高さにまで押上げらりる関係にすると共に歩み板
３前端部が引出し位置から格納部４側に前動する
のにともないその連絡関係が解かれるようにして
いる。

歩み板３は荷台２後端と地上とを橋渡し可能な
長尺状に形成しており、且つ歩み板３は格納部４
底に沿い出入り口５まで敷設されているガイドレ
ール１２に導かれながら格納部４内を前後に移動
するようにしている。

道板７は上下の辺部が前辺の２〜３倍程度の断
面略二等辺三角形状にしていて、道板の前面の左
右部分には歩み板３を夫々連結ピン１３で道板上
面と歩み板上面との間に段差のないように連結
し、且つその連結関係を左右に移動不能又は移動
可能にしている。そして、道板７にはピストンロ
ツド９の接続部の両脇からガイド杆１４をシリン
ダ８と平行状に延設して、このガイド杆１４の前
端のロール１５が荷台２側のガイドレール１６
に、且つガイド杆１４自体は荷台２側のロール１
７に夫々案内されて、道板７はガイド杆１４を通
じてガイドレール１６およびロール１７に誘導さ
れながら前後移動するようにしている。

シリンダ８の伸縮ストロークは道板７を押出
し・後退させて、道板７と連動状の歩み板３が格
納位置と、歩み板前端部が荷台テール部６の受け
台１０上まで引出される位置とに移動可能に設定
している。又、ピストンロツド９を縮動した状態
或いは伸動した状態に夫々ロツクする何等かの要
素（図示せず）を設けることにより、歩み板３を
格納状態、そして荷台２面と同じ高さの引出し状
態の夫々に固定して安定させることが可能であ
る。

高さ補正要素１１は歩み板３前端部の両側に揺
動可能に軸支した支持杆１８と、この支持杆１８
の揺動自由な端部１８ａを枢支可能な受け台１０
側の係止部１９とからなり、そして支持杆１８の
長さはその端部１８ａが係止部１９に係止して、
水平に近い傾斜状態から起立状態に揺動するのに
ともない、歩み板３前端部を荷台２面と面一の高
さに補正可能に設定していて、歩み板３が引出し
位置まで引出される寸前に、係止部１９に端部１
８ａが係止して、引続き後動する歩み板３の動き
にともない支持杆１８が係止部１９を支点として
揺動して、歩み板３前端部が荷台２面に向けて押
上げられて、引出し位置で荷台２面と同高さに自
動的に補正されるようにしている。

又、高さ補正要素１１は、歩み板３の前動にと
もない支持杆１８が元の水平に近い傾斜状態に復
動して、受け台１０次いでガイドレール１２を摺
動して、歩み板３の格納部４内への移動を妨げな
いようにしていると共に、端部１８ａを係止部１
９に沿い歩み板３ともども左右にスライド可能に
している。

第９図および第１０図は高さ補正要素１１の他
の実施例を示している。

第９図に例示している高さ補正要素１１は、支
持杆１８を受け台１０側に軸支しており、且つ支
持杆１８の端部１８ａには係合部２０を形設して
いて、歩み板３が引出し位置まで引出される寸前
に、係合部２０に歩み板３前端部側面の突軸２１
が係止して、引続き後動する歩み板３の動きにと
もない支持杆１８が軸支部を支点として揺動し
て、歩み板３前端部が荷台２面に向けて押上げら
れて、引出し位置で荷台２面と同高さに自動的に
補正されるようにしている。

第１０図に例示する高さ補正要素１１は、受け
台１０における歩み板３の移動軌道の両脇にガイ
ド部２２を形設していて、歩み板３前端部の側面
の突軸２１がガイド部２２の立上り状の斜面部分
２２ａを歩み板３の後動にともない滑動して、頂
面の係止部分２２ｂに達した状態すなわち歩み板
３の引出し位置で、歩み板３前端部上面が荷台２
面と同高さに自動的に補正されるようにしてい
る。

これにより、受け台１０上の道板７および格納
状態の歩み板３は、シリンダ８がコントロールボ
ツクス２３によつて適時指令操作されるのにとも
ない、道板７が押出されて接地して、且つ歩み板
３前端部上面が荷台２面と面一にセツテイングさ
れた荷降し可能状態、そして格納状態に夫々作動
して、格納状態から荷降し可能状態までシリンダ
８の伸縮駆動により所定作動する。

又、歩み板３はその荷降し可能状態で、荷がた
とえば車輌である場合、歩み板をその車輪間隔に
応じて左右に移動調整して対応することが自在で
ある。

又、上記実施例において、歩み板３は、左右各
一本のシングルタイプ（第１図乃至第８図）、或
いは左右各二本のダブルタイプ（第１１図）のい
ずれの態様とするも任意である。

（考案の効果） したがつて、本考案によれば次の効果がある。

歩み板を用いる荷降し時に、歩み板は格納部
から引出された状態で、地面との間については
両者の間で接地した道板によつて段差なく面一
に整えられると共に、荷台面との間について
も、歩み板前端部上面が高さ補正要素によつて
荷台面と同じ高さの面一状に段差なく補正され
ることにより、荷台に重量物をピツチングさせ
ずに安全且つスムーズに積み降しすることがで
きる。

シリンダによつて道板を押出し・後退せしめ
ると同時に、道板を通じて左右の歩み板を併せ
て格納そして引出し並びに荷台面レベルに高さ
補正することができ、機構簡単で有利であると
共に歩み板の格納・引出し・高さ補正が自動的
にスムーズに行なわれて安全である。

歩み板の高さ補正を歩み板の移動に従動させ
て補正できて、専用の駆動源を必要とせず、道
板の押出し・後退のためのシリンダを高さ補正
までに共用でき、歩み板の高さ補正のための特
別の操作手間が解消されると共に、高さ補正し
忘れによる種々の不都合を招く問題もない。

歩み板を格納して、歩み板の影響なく、荷役
作業することも自在である有用性がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の自動歩み板装置を装備した貨
物自動車を例示する側面図。第２図は要部の拡大
斜視図で一部切欠して示す。第３図は−線に
沿える拡大縦断面図。第４図は−線に沿える
拡大縦断面図。第５図は−線に沿える拡大縦
断面図。第６図は歩み板が引出し位置近くまで引
出された状態の部分拡大断面図。第７図は歩み板
が荷台と面一に高さ補正された状態の同断面図。
第８図は同斜視図。第９図および第１０図は高さ
補正要素の他の実施例を示す部分拡大断面図。第
１１図は他の実施例を示す斜視図で一部切欠す
る。第１２図は従来例を示す部分側面図である。 図中、２は荷台、３は歩み板、４は格納部、５
は出入り口、６は荷台テール部、７は道板、８は
シリンダ、９はピストンロツド、１０は受け台、
１１は高さ補正要素。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 荷台下面の後部左右に格納部をその出入り口を
   荷台テール部に開口させて設け、各格納部に歩み
   板を引出し自在に後端部を残して格納し、各歩み
   板の後端部に亘つて道板を連結し、この道板に荷
   台下面のシリンダのピストンロツドを接続、且つ
   出入り口下縁から後方に延設した歩み板の受け台
   と歩み板とを、歩み板の前端部が受け台に達する
   引出し位置近くから両者が高さ補正要素により相
   互に連絡して、歩み板の後動にともない歩み板前
   端部の上面が荷台面の高さにまで押上げられる連
   絡関係にしてなる貨物自動車の自動歩み装置。